ミリオンアーサーのようなラノベ的な世界観と、シンプルながらゲーム性の強いバトルシーンを持つ、ちょっと変わったソーシャルゲームが登場しています。
光速軌道アバタードライブ」です。

開発したのは主にグリーの下でソーシャルゲームの開発を行っていた、いわゆる SAP(ソーシャル・アプリ・プロバイダ)のメーカーですが、このゲームはスマホに最適化された演出や内容を持ち、ガラケーっぽさはなく、運営もグリーではなく独自に行われています。

キャラクターデザインは有名なイラストレーターの方に依頼しているようで、確かに他のソーシャルゲームよりも1ランク高いイラストになっている印象ですね
いかにもミリオンアーサーの二番煎じ的な感じだったので、それで興味を持って試してみたのですが・・・ 良い意味で全然違う内容でした。

光速軌道アバタードライブ

ソーシャルゲーム部分は、いわゆる「パズドラ系」です。
5体の「アバター」でチームを編成し、2体の助っ人キャラを加えて、任意のクエストに出撃する形です。

特徴的なのは戦闘シーンで、まったく新しいものになっています
画面上部から5色の四角いチップが流れてきて、タップすると消すことが出来ます。
同色のチップを3つ消すと「チャージ」が行われ、その状態で敵モンスター(ウィルス)をタップするとダメージを与えられます。
チャージを多く重ねてから攻撃すれば威力は倍増します。

チップやウィルスを倒しきれず、それらが画面下まで到達してしまうとダメージを受けます
また、ダメージ時にチャージもリセットされてしまいます。

ボスは画面上部に留まったままですが、一定時間が経過して画面内のチップもなくなると、ビームを撃って攻撃してきます。
ただ、ボスがビームを撃ってくる時にこちらがチャージ状態の場合は、「光速カウンター」が発生して敵に 1.5 倍のダメージを与えられます。
(ただしそれで敵を倒せなかった場合は攻撃をくらいます)

赤いチップでチャージしていれば赤の属性のキャラが、青いチップでチャージしていれば青の属性のキャラが攻撃を行います。
この辺はパズドラ系おなじみのシステムですが、このゲームは敵と「同じ属性」で攻撃することで2倍のダメージを与えられます。
これらとは別に、敵を押しっぱなしにすると「バルカン」を連射して、敵の HP を徐々に削っていくことが出来ます。

基本的には、同じ色のチップを3つタップしてから、敵をタップして攻撃していくだけです。
基本部分はシンプルで、最初は何が面白いのかサッパリ解りませんでした

ただ、ある程度ゲームが進んで、チップの出現パターンがいやらしくなり、チップを消す順番や、バルカン攻撃の併用、チャージとカウンターの使い分けなどを考慮しなければならないようになると、ゲームとして面白いものになって来ます。

例えば、敵ウィルスを逃してしまうとダメージを受けてチャージも解除されるので、これらは全て消していくしかないのですが、敵ウィルスを倒すのにチップを全部使うとボスを攻撃できません。
HP が低いウィルスはバルカンで処理すれば、余ったチップの攻撃をボスに撃ち込めるのですが、バルカンで敵を倒すのは時間がかかるので、チップや他のウィルスを消す余裕がなくなってきます。
この辺の兼ね合いがちゃんと「ゲーム」らしくなってきますね

光速軌道アバタードライブ
※登場するアバターはイケメン&美少女がそろってます。 名前もそうですが、人間型キャラの見た目もミリオンアーサーっぽいですね。
左はスキル発動中の画面で、一定時間が経過すると各キャラが所有スキルを使えるという、パズドラ系おなじみのシステムです。 リーダースキルも存在します。
右はボス戦で発動する「高速カウンター」の画面で、これが攻略のキモ。
攻撃力が 1.5 倍なので常に狙いたいですが、その前後のチップや敵ウィルスの配置が厄介で、うまくチャージを貯められない場合もあります。
また、光速カウンターはボスが複数いると攻撃がバラける難点もあります。


もう1つのこのゲームの戦闘シーンの特徴は、各ステージのチップやウィルスの出現パターンが固定されていること。

他のパズドラ系のゲームはコマの配置などがランダムである場合が多いのですが、このゲームは完全に決まっているので、手強いステージでも「敵やチップの出現する順番を覚えてパターンを作る」という、あまりソーシャルゲームっぽくない攻略が可能です。

与えるダメージがランダムに上下することもないので、一見ムリそうでも、何度か繰り返してメンバーの攻撃力を加味した攻略パターンを作ってしまえば、意外とクリアできたりします。
また、パズドラ系としてはプレイ時間の割にエネルギーの消費が少ないので、同じステージを繰り返しやすくなっています。

ただ、攻撃力や HP が絶対的に足りない場合はクリア不可能なので、その場合はメンバーのレベルを上げてくるしかなく、そこは「やはりソーシャルゲーム」とも言えますが。

光速軌道アバタードライブ
※攻撃するとキャラクターから誘導ビームが飛んでいきます。 爆発も綺麗で、演出や動きはスマホレベルです。
攻撃力は、連鎖なし(チャージ1)なら「攻撃力=与えるダメージ」。
チャージが2以上になると、チャージ1回あたりダメージが 0.7 倍ずつ上乗せされていきます。
つまりチャージ2でそれぞれの攻撃が 1.7 倍、チャージ3だと 2.4 倍、チャージ4なら 3.1 倍になります。
属性やスキルを加味しない場合、攻撃力が 250 平均だとチャージ2でダメージは 850、チャージ3で 1800 となります。
チャージ2では攻撃力が 300 以上か同属性でないと 1000 のウィルスは1回では破壊できないので注意しましょう。
HP 3000 のウィルスは攻撃力 350 平均で同属性攻撃が混じっているか、攻撃力 420 平均でないとチャージ3では破壊できません。
バルカンの攻撃力はリーダーの攻撃力の 1/20。 ただし相手が同属性なら 1/10。
HP 最大時に攻撃力 UP する「フルアタック」は、適用中はダメージ2倍です。


光速軌道アバタードライブ
※左は大量のサークル型ウィルスとチップに襲われている状態。
チップが3つセットで出ているので、それを使えばサークルは一掃できますが、HP が低いサークルは出来ればバルカンで壊したいところ・・・
右はサークルが1つありますが、ボスの攻撃も間近。
ボスの攻撃時に発動する光速カウンターは画面内にサークルが残っていても、残り時間が 0 で、チップを全部消していれば発動し、サークルも全て消去できます。
よってこの場合は速攻でチップを処理し、カウンターでサークルを消したいところです。


ステージをクリアすると次のステージが解禁され、お金と新しいアバター(キャラクター)が手に入ります。
アバターはいらないものは合成してレベルアップに活用でき、合成にはお金が必要です。
また、アバターのレベルが MAX になり特定の素材があれば「進化合成」も可能です。

この辺はもう、パズドラのまんまですね。
ただ、このゲームはステージクリアでも、メンバーが若干の経験値を得られます。
パズドラ系のご多分に漏れず、曜日ごとのクエストや、定期的なイベントクエストなども存在します。

ちょっと変わっているのは、ゲームの舞台が「電脳世界」という設定なので、人間型のキャラの他に、ロボット型のキャラ、モンスター型のキャラ、ラクガキのようなキャラなど、登場キャラが多種多様なこと。
まあ「アバター」だし、設定的に何でもアリなのだとは思いますが、さすがにここまでごった煮だと世界観が滅茶苦茶というか、節操がない印象もありますね

なお、パーティーに特定の属性のアバターが1人も入っていないと、その属性の攻撃の威力は激減します。
しかしこのゲームで「特定の色の攻撃が役に立たない」というのは、よほどそのステージのパターンを熟知していない限り、致命的になります。
(ゲームの性質上「必要ない色はスルー」みたいなことは出来ないし、5属性がそろっていることが前提のパターンが多いです)
パーティーは基本的に、各属性のキャラを1人ずつ用意しておいた方が無難です

光速軌道アバタードライブ
※左はクエストの選択画面。 クエスト進行はパズドラと同じですね。
右はアバターの1つなのですが・・・ 人間やロボットに混じってこんなドット絵まであって、もうカオス状態。
ちなみにラクガキやドット絵は特別なアバターで、レア度3の場合、赤と緑は経験値がかなり多く、青と黄色とピンクは売値がかなり高いです。


ソーシャルゲームなので本体は無料ですが、もちろん課金があります。
ただ、パズドラ系としてはクエストで消費するエネルギーが少なめで、最大エネルギーの増加も早く、さらに1ゲームの時間が相応にあるので、プレイできる時間は長めです

さらにエリアクリアや特定条件の達成など、様々な条件で課金通貨の「G」を貰えるので、無課金でも課金ガチャは相応に実行できます
プレゼントなども頻繁に行われていて、この辺はパズドラの「ポカポカ運営」を参考にしているのが伺えます。

さらにアバターの所有可能数も最初からかなり多く、所持上限をアップさせる課金もありません。
(100 体ぐらい保持しても上限になりません)
フレンド数の上限も最初から 50 もあり、この辺でセコセコと稼ごうみたいな感じがないのは好印象ですね。

ある程度進まないとゲームとして面白くないのが難点ですが、ちゃんとゲーム的な内容であり、私的にはこの手のゲームとしてはオススメできます。
ただ、いわゆる「ソーシャルゲームユーザー」にとっては、ポチポチゲーやカードゲームではないため、中盤から難しく感じ、敬遠されるかもしれません。
ややゲーマー寄りのソーシャルゲームと言えるでしょうか。

光速軌道アバタードライブ (iTunes が起動します)