非常に美しいグラフィック、ユニークなメカニックデザイン、素晴らしい演出、古き良き時代を思い起こさせるゲームシステム、そしてシューティングとしての浅さ、やり辛さ・・・
そんなビジュアル重視の横スクロールシューティングゲームが XBOX 360 から移植されています。
「Sine Mora」です。
このゲームはハンガリーの Digital Reality Software と、日本の グラスホッパー・マニファクチュア というメーカーが共同開発したゲームで、グラスホッパー・マニファクチュアは 解法少女 の開発元でもあります。
東欧的なハイクオリティー 3D グラフィックと機械的デザイン、グラスホッパーらしいシネマ的演出とやや大雑把なゲームシステムは、いかにも「それらしい」と言った印象を受けますね。
半分日本の開発ですが、アプリの販売元は Digital Reality の方であり、メッセージ等はすべて英語ですので悪しからず。
横スクロールのシューティングゲームで、既存のゲームでは「ダライアス」や「エリア88」に似たスタイルです。
画面が横長で、普通のゲーム画面を横に2つ並べたほどのサイズがあり、この辺にもダライアスっぽさを感じますね。
操作は画面左下の仮想スティックと、右下にある4つのボタンで行うのですが・・・ この操作性が大問題。
仮想スティック操作しかないので、iPhone のシューティングとしてはものすごく操作し辛いのです!
本来のゲーム性を重視したのか、iOS7 で使用可能になる物理コントローラーをアテにしているのか解りませんが、この仮想スティックでは細かい弾避けとか無理で、ゲーム中は常に操作しにくさを感じながらのプレイになります。
※現在は画面をなぞって操作する方法も追加されています。 こちらの方が操作性は幾分かマシです。
しかし完全な相対移動ではなく、自機のスピードが指を動かした速さに応じていないため、操作し辛さはまだ感じます。
ただ、このゲームは残機制ではなく、耐久力制でもなく、タイム制という変わったシステムになっていて、1発被弾しただけではやられません。
画面上部に制限時間があり、敵を倒すと増加し、被弾すると多めに減ります。
タイマーが 0 になるとゲームオーバーですね。
敵の攻撃は激しく、画面を埋め尽くす程の弾幕が飛んで来たりもするのですが、時間がある限り何十発被弾しようとやられないので、そのおかげでこの劣悪な操作性でもなんとかプレイ出来るものになっています。
しかしそれは自機の高耐久力を頼りに、回避し辛い敵の攻撃をガスガス受けながら無理やり突き進む、いかにも欧米的な「ゴリ押しシューティング」以外の何者でもありません。
ボタンは4つあり、ショット、回数制のサブウェポン、仮想スピードアップ、自動ショットの ON/OFF になっていて、仮想スピードアップは押しっぱなしにしていると全体の動きがスローになります。
ただし使用中はゲージが減っていき、なくなると使用できません。
残念ながらボタンも小さめで、判定範囲も狭いので、押しミスが起こりやすいです。
※1面ボスの弾幕攻撃。 この操作性で狭い弾のすき間を抜けるのはすごくやり辛い。
多少被弾しても大丈夫だけど、そのたびにパワーアップを落としてしまうので、その回収が煩わしい。
ただステージによってはスクロールが反転したりするので、タッチパネル操作にすると指のある方向から敵が出る問題が生じそう。
結局のところ、タッチパネル用に作られたゲームではないので、どうしようもないのかもしれません。
それでも出来ればタッチ操作は用意して欲しかったところです。
加えて XBOX からの移植ゲームにありがちな、「全体の表示が小さい」問題も抱えています。
iPad ならあまり問題ないのですが、iPhone / iPod touch だと本来テレビ画面でやるゲームをそのままの縮尺でスマホサイズにしているうえに、元から画面が横長で縮尺が小さいため、一部の敵弾とかがすごく見にくい。
通常弾は見やすい色で表示してくれているのですが、誘導ミサイルとかメチャメチャ小さいです。
この点でも「ゴリ押しシューティングだからまだ何とかなっている」という感じですね。
iPad を持っている方は、iPad でプレイすることを強く勧めます。
さらに問題点を言うと、一部のステージですごく解りにくいシーンが出てきます。
特に最悪だと思ったのがステージ3で、レーザーが張り巡らされた洞窟を廃棄物に紛れながら進んでいくシーンがあるのですが、洞窟にちょっとでも入った瞬間に何の予兆もなく爆死するから、まず何が起こってるのか解らない。
後方から廃棄物が飛んで来るのですが、これが普通の背景に見えるので、意味があるものだと気付きにくい。
さらにそれに紛れて進むにも微妙なコントロールさばきが必要になり、この操作性では超難しい。
ゴールするまでに廃棄物からほんの少しでもズレたら即爆死でやり直しですが、コンティニュー制限があるから尽きたらステージの最初から。
もうこのシーンがあるだけで、このゲームの評価ガタ落ちです。
他にも普段は高耐久なのに、知っていないといきなり即死するトラップなどがあって、どうにもチグハグな印象を受けます。
※これが問題のステージ3の工場地下洞窟のシーン。 赤いレーザーがありますが、その手前で急に爆発するから「ハァ?」となる。
レーザーは動いているので、そのタイミングを見てかわすのかと思いがちですが、実際にはどうあがいても爆死。
後ろから背景っぽく飛んで来るゴミに紛れるのが正解ですが、そもそも見た目で紛れているように見えない。
加えてそれに気付いても、抜けるのがまた難しい。 まあ難しいはともかく、「解りにくすぎる」のは大問題です。
と言う訳でインターフェイス関連には不満タラタラなのですが、グラフィックや演出については本当に素晴らしいです。
この点はもう、現行の iOS のシューティングゲーム No.1 と言って良いでしょう。
フル 3D で描かれた背景は元が XBOX のゲームだったこともあり非常に細かくて美しく、眺めているだけで世界観を感じられます。
合間に挿入されるイベントシーンも、3D らしく視点がダイナミックに動きます。
そして何よりジブリとメタルスラッグを足したような独特なメカデザインが秀逸で、巨大航空機や大型潜水艇などが「ギギギィー」と音を立てて動くような、ローテクでどことなくユーモラスな雰囲気があります。
ロシアや東欧のゲームにはこういう工業的なデザインのシーンが多いのですが、それが高いレベルで発揮されていますね。
だからゲーム内容はともかく、やってて「素晴らしいなぁ」「すごいなぁ」と感じられるものになっています。
※2面のボス、巨大潜水艇。 レーザーや誘導魚雷を撃ってきますが、その動きは重々しく、表面も汚れていて、いかにもレトロな感じが。
後方に見える水中居住区(?)といい、独特な世界観が作り上げられています。
※円盤ノコギリ付き巨大四足歩行マシーン。 でも鉄骨とか妙に現実的。 サビなどの表現もリアル。
こういうリアル系の 3D デザインは東欧のメーカーは凄いんですよね。
価格は 500 円。 iOS のアプリとしては高めですが、去年発売されたばかりのゲームであり、XBOX では 1200 円で販売されていたので、それを考えると安めと言えます。
とりあえず今の時点では、操作の問題でオススメできません。
最初に見た時はそのグラフィックの美しさから「おぉー! スゲー!」と思いますが、しばらくプレイするとやり辛さしか感じなくなるでしょう。
シューティングファンなら現時点でもそれなりに楽しめると思いますが、このゲームが本領を発揮するのは iOS7 が公開されて物理コントローラーが販売されてからでしょうね。
物理コントローラーを使って iPad でプレイするのであれば、素晴らしいゲームでしょう。
ゲーム性が「ゴリ押しシューティング」である点はそれでも否めないと思いますが、高難度でスコアアタックが出来るアーケードモードもあるので、シューターなら iOS7 後にそちらで楽しめそうです。
今の時点では、良いゲームだけど、タッチパネル向けに作られていない(移植にあたって最適化もされていない)ゲーム、ですね。
※操作性はアップデートで当初よりは良くなっています。
・Sine Mora (iTunes が起動します)
そんなビジュアル重視の横スクロールシューティングゲームが XBOX 360 から移植されています。
「Sine Mora」です。
このゲームはハンガリーの Digital Reality Software と、日本の グラスホッパー・マニファクチュア というメーカーが共同開発したゲームで、グラスホッパー・マニファクチュアは 解法少女 の開発元でもあります。
東欧的なハイクオリティー 3D グラフィックと機械的デザイン、グラスホッパーらしいシネマ的演出とやや大雑把なゲームシステムは、いかにも「それらしい」と言った印象を受けますね。
半分日本の開発ですが、アプリの販売元は Digital Reality の方であり、メッセージ等はすべて英語ですので悪しからず。
横スクロールのシューティングゲームで、既存のゲームでは「ダライアス」や「エリア88」に似たスタイルです。
画面が横長で、普通のゲーム画面を横に2つ並べたほどのサイズがあり、この辺にもダライアスっぽさを感じますね。
操作は画面左下の仮想スティックと、右下にある4つのボタンで行うのですが・・・ この操作性が大問題。
仮想スティック操作しかないので、iPhone のシューティングとしてはものすごく操作し辛いのです!
本来のゲーム性を重視したのか、iOS7 で使用可能になる物理コントローラーをアテにしているのか解りませんが、この仮想スティックでは細かい弾避けとか無理で、ゲーム中は常に操作しにくさを感じながらのプレイになります。
※現在は画面をなぞって操作する方法も追加されています。 こちらの方が操作性は幾分かマシです。
しかし完全な相対移動ではなく、自機のスピードが指を動かした速さに応じていないため、操作し辛さはまだ感じます。
ただ、このゲームは残機制ではなく、耐久力制でもなく、タイム制という変わったシステムになっていて、1発被弾しただけではやられません。
画面上部に制限時間があり、敵を倒すと増加し、被弾すると多めに減ります。
タイマーが 0 になるとゲームオーバーですね。
敵の攻撃は激しく、画面を埋め尽くす程の弾幕が飛んで来たりもするのですが、時間がある限り何十発被弾しようとやられないので、そのおかげでこの劣悪な操作性でもなんとかプレイ出来るものになっています。
しかしそれは自機の高耐久力を頼りに、回避し辛い敵の攻撃をガスガス受けながら無理やり突き進む、いかにも欧米的な「ゴリ押しシューティング」以外の何者でもありません。
ボタンは4つあり、ショット、回数制のサブウェポン、仮想スピードアップ、自動ショットの ON/OFF になっていて、仮想スピードアップは押しっぱなしにしていると全体の動きがスローになります。
ただし使用中はゲージが減っていき、なくなると使用できません。
残念ながらボタンも小さめで、判定範囲も狭いので、押しミスが起こりやすいです。
※1面ボスの弾幕攻撃。 この操作性で狭い弾のすき間を抜けるのはすごくやり辛い。
多少被弾しても大丈夫だけど、そのたびにパワーアップを落としてしまうので、その回収が煩わしい。
ただステージによってはスクロールが反転したりするので、タッチパネル操作にすると指のある方向から敵が出る問題が生じそう。
結局のところ、タッチパネル用に作られたゲームではないので、どうしようもないのかもしれません。
それでも出来ればタッチ操作は用意して欲しかったところです。
加えて XBOX からの移植ゲームにありがちな、「全体の表示が小さい」問題も抱えています。
iPad ならあまり問題ないのですが、iPhone / iPod touch だと本来テレビ画面でやるゲームをそのままの縮尺でスマホサイズにしているうえに、元から画面が横長で縮尺が小さいため、一部の敵弾とかがすごく見にくい。
通常弾は見やすい色で表示してくれているのですが、誘導ミサイルとかメチャメチャ小さいです。
この点でも「ゴリ押しシューティングだからまだ何とかなっている」という感じですね。
iPad を持っている方は、iPad でプレイすることを強く勧めます。
さらに問題点を言うと、一部のステージですごく解りにくいシーンが出てきます。
特に最悪だと思ったのがステージ3で、レーザーが張り巡らされた洞窟を廃棄物に紛れながら進んでいくシーンがあるのですが、洞窟にちょっとでも入った瞬間に何の予兆もなく爆死するから、まず何が起こってるのか解らない。
後方から廃棄物が飛んで来るのですが、これが普通の背景に見えるので、意味があるものだと気付きにくい。
さらにそれに紛れて進むにも微妙なコントロールさばきが必要になり、この操作性では超難しい。
ゴールするまでに廃棄物からほんの少しでもズレたら即爆死でやり直しですが、コンティニュー制限があるから尽きたらステージの最初から。
もうこのシーンがあるだけで、このゲームの評価ガタ落ちです。
他にも普段は高耐久なのに、知っていないといきなり即死するトラップなどがあって、どうにもチグハグな印象を受けます。
※これが問題のステージ3の工場地下洞窟のシーン。 赤いレーザーがありますが、その手前で急に爆発するから「ハァ?」となる。
レーザーは動いているので、そのタイミングを見てかわすのかと思いがちですが、実際にはどうあがいても爆死。
後ろから背景っぽく飛んで来るゴミに紛れるのが正解ですが、そもそも見た目で紛れているように見えない。
加えてそれに気付いても、抜けるのがまた難しい。 まあ難しいはともかく、「解りにくすぎる」のは大問題です。
と言う訳でインターフェイス関連には不満タラタラなのですが、グラフィックや演出については本当に素晴らしいです。
この点はもう、現行の iOS のシューティングゲーム No.1 と言って良いでしょう。
フル 3D で描かれた背景は元が XBOX のゲームだったこともあり非常に細かくて美しく、眺めているだけで世界観を感じられます。
合間に挿入されるイベントシーンも、3D らしく視点がダイナミックに動きます。
そして何よりジブリとメタルスラッグを足したような独特なメカデザインが秀逸で、巨大航空機や大型潜水艇などが「ギギギィー」と音を立てて動くような、ローテクでどことなくユーモラスな雰囲気があります。
ロシアや東欧のゲームにはこういう工業的なデザインのシーンが多いのですが、それが高いレベルで発揮されていますね。
だからゲーム内容はともかく、やってて「素晴らしいなぁ」「すごいなぁ」と感じられるものになっています。
※2面のボス、巨大潜水艇。 レーザーや誘導魚雷を撃ってきますが、その動きは重々しく、表面も汚れていて、いかにもレトロな感じが。
後方に見える水中居住区(?)といい、独特な世界観が作り上げられています。
※円盤ノコギリ付き巨大四足歩行マシーン。 でも鉄骨とか妙に現実的。 サビなどの表現もリアル。
こういうリアル系の 3D デザインは東欧のメーカーは凄いんですよね。
価格は 500 円。 iOS のアプリとしては高めですが、去年発売されたばかりのゲームであり、XBOX では 1200 円で販売されていたので、それを考えると安めと言えます。
とりあえず今の時点では、操作の問題でオススメできません。
最初に見た時はそのグラフィックの美しさから「おぉー! スゲー!」と思いますが、しばらくプレイするとやり辛さしか感じなくなるでしょう。
シューティングファンなら現時点でもそれなりに楽しめると思いますが、このゲームが本領を発揮するのは iOS7 が公開されて物理コントローラーが販売されてからでしょうね。
物理コントローラーを使って iPad でプレイするのであれば、素晴らしいゲームでしょう。
ゲーム性が「ゴリ押しシューティング」である点はそれでも否めないと思いますが、高難度でスコアアタックが出来るアーケードモードもあるので、シューターなら iOS7 後にそちらで楽しめそうです。
今の時点では、良いゲームだけど、タッチパネル向けに作られていない(移植にあたって最適化もされていない)ゲーム、ですね。
※操作性はアップデートで当初よりは良くなっています。
・Sine Mora (iTunes が起動します)
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。