おサルさんが風船を割りまくる、世界的にメジャーなタワーディフェンス「Bloons TD」シリーズ。
なんとその Bloons TD のオンライン対戦バージョンが登場しました。
Bloons TD Battles」です。

ベースとなっているのはシリーズ最新作の「Bloons TD 5」で、簡単に言うと「先に突破されたら負け」のルール。
相手に風船を送り込めるアサルトモードと、単に耐え続けるディフェンシブモードの2つが用意されています。

オンライン対戦ですがプレイスタイルはタワーディフェンス(TD)そのままであり、Bloons TD らしい「一見ほのぼのしてるけど、実はスピーディーで怒濤の展開」というゲーム性も維持されています。

このシリーズのオリジナルはパソコン(Flash)版で、iOS 版はその移植になり、それは今回も同様です。
パソコンでは昨年末から運営されていて、そちらで十分にバランス調整されてからの移植なので、最初から完成度は高いですね
ただしその性質上、Bloons TD シリーズの経験者が対象と言えます。

Bloons TD Battles

画面が左右に分かれていて、一方は自分、もう一方は相手側です。
自分のフィールドにタワー(おサルさんや迎撃兵器)を配置し、道の上を進んで来る風船を割り続けます。

タワーの設置とアップグレードに必要なお金は、一定時間ごとに得られるようになっています。
風船を割ることで得るのではありません。(よって多少風船を逃しても資金に差は出ません)

1度の対戦で使用できるタワーは3つ+追加枠1つの4つのみ。
19 種類ものタワーが存在しますが、自分で自由に選べるのは3つまでなので、どういった組み合わせで戦うかが大きなポイントになります。

ゲームの基本ルールは Bloons TD 5 と変わりません
風船に突破されると、その風船の耐久値の分だけライフが減り、0 になったら負けですね。
風船がダメージを受けると1段階下のものに変化する、黒い風船は火に、白い風船は氷に耐性を持つなど、風船の特性も同じです。

丁寧なチュートリアルもありますが、解説が英文ですし、Bloons TD の基本を知っている事が前提のゲームなので、手前味噌ですが Bloons TD 攻略Bloons TD 5 のタワー一覧 を改めて確認しておくのをお勧めします。

Bloons TD Battles
※ゲーム開始前のタワー選択画面。 マップもタワー選びの重要な要素です。
迷彩風船を発見できるタワーと、鉛風船を壊せるタワーを用意しておくことも必須です。
ナニソレ? という人は・・・ とりあえず1人用の Bloons TD 5 で慣れてきた方が良いですね。
4つ目の枠は「ボーナス枠」になっていて、使用するのにエネルギーが1必要です。 さらにこの枠はスロットになっていて、どのタワーが選ばれるかはランダムです。


対戦は自動マッチングの「クイックマッチ」と、対戦相手を選択できる「プライベートマッチ」がありますが、プライベートマッチの利用には Facebook アカウントの登録が必要になるので、日本では使い辛いでしょう。
世界的な TD ですからプレイヤーは多く、クイックマッチでもマッチングに時間はかかりません

対戦には「アサルトモード」と「ディフェンシブモード」の2つがあり、アサルトモード資金を使って相手に風船を送り込めます
送り込む風船の種類と特性は自分で選ぶことが可能で、例えば「相手が大砲をメインにしてるから火に耐性がある黒風船を送ろう」とか、「向こうに火属性攻撃がないから火でないと壊せない鉛風船を送ろう」ということが可能です。

ただし最初から全ての風船を使える訳ではなく、ゲーム進行に合わせて種類が徐々に増えていく形です。
Wave が進めば迷彩やハート(自然回復)の効果を付加することも出来ます。(そのぶん高額になりますが)

しかしお金を使って送り込むということは、それでダメージを与えられなかった場合は無駄使いになる訳で、資金が限られている以上、攻撃がミスったら自分の首を絞めます。
基本的には防衛を優先し、ここぞと言う時にドカッと送るのが良いですね。
(継続的に送り続けて高い勝率を得ている人もいますが、相手が初心者でないと厳しいと思います)

ディフェンシブモードは風船を送り込む攻撃がないので、普通のタワーディフェンスです
このゲームの醍醐味はアサルトモードだと思いますが、やっぱり TD は TD らしくプレイしたいという人も多いようで、こちらのプレイヤーも多いです。

ディフェンシブモードは収入が少ない代わりに、収入をアップさせるボタンが付いています
費用の割に上がる収入が少ないので、活用している人は少ないようですが、私的には早期に収入を高めておくことがこのモードの攻略法だと思います。
初心者が多めなモードですが、こちらはこちらで計画性が必要になります。

Bloons TD Battles
※アサルトモードで大型飛行船を派遣し、さらにハート型の鉛風船を準備して、一気に勝負を決めに行っているシーン。
飛行船は Round 18 から使えるので、この方法を使うならそこまでに十分な資金を準備しておくのがポイントです。
ただし準備中にやられたら意味ないし、攻撃に耐えられると今後はこちらがピンチに。
ちなみに飛行船に書かれている黒いマーク(デカール)はメダルで購入できますが、あくまで飾りであって特殊な効果はありません。


Bloons TD Battles
※こちらはディフェンシブモード。 初期収入は $50 ですが、画像では $200 まで高めています。
守りを優先するあまり、収入を高めない人が多いのですが、$50 と $200 じゃ4倍違うわけで、Round 20 近くまで続く戦いになると収入が高い方がまず勝ちます。
序盤は多少風船を逃しても問題ないので、$100 ぐらいまで高めるパターンを作っておけば、勝率はかなり上がると思います。


ソーシャルゲーム的な「エネルギー」が存在しますが、対戦するだけならこのエネルギーは消費しません

対戦前にタワーの追加枠を利用すると1消費され、さらに対戦中にタワーの攻撃速度や相手の風船の速度を上げる特殊効果を使用した時にも1消費されます。
しかしこれらを利用しなければ消費されないので、プレイスタイルにもよりますが、ほとんど気にならないレベルで遊ぶことが出来ます

1プレイは 5~10 分ほどで、20 Wave までには決着が付きます。
長すぎず手軽に遊べ、それでいてタワーディフェンスとして楽しめるぐらいの時間になってますね。

プレイ後には経験値メダルを貰え、メダルは勝った時の方が獲得量が多くなります。
経験値が貯まることで各タワーのアップグレードを購入できるようになり、購入にはメダルを使います。

メダルは課金通貨にもなっていますが、自力で貯めていくことも十分可能なレベルです。
また長期戦になる事はあまりないので、上位のアップグレードは活用しない場合も多く、下位のアップグレードしかなくてもゲーム的にはあまり問題ありません

Bloons TD Battles
※タワーのアンロック画面。 メダルでタワーをアンロックすると同時に、第一段階と第二段階のアップグレードも習得できます。 第3段階以上はさらに経験値とメダルが必要になります。
右に見えている Monkey Engineer(モンキーエンジニア)は今回から初登場。
自分の周囲に追加の砲台を自動で設置する便利なスキルを持ち、かなり強いのですが、迷彩や鉛のバルーンは苦手です。


対戦型タワーディフェンスとして非常に完成度の高いゲームですが、大きな難点なのは「広告」。

このゲーム、無課金の状態だと対戦前に「広告を見たらエネルギーを補充しますよ」という選択が表示され、たびたび全面広告も表示され、さらに対戦後には広告ムービーまで現れます。
対戦前の広告はまだ選択ボタンがあるので良いのですが、対戦後の広告ムービーは問答無用
45 秒ほどある広告を無為に眺めさせられ、負けた後ですぐ再戦したい時にこれを出されたらメチャメチャ鬱陶しいです

広告は 50 メダル、170 円分の課金で削除でき、この 50 メダルというのは頑張れば自力で貯められる量ではあるのですが、あまりの鬱陶しさに耐えきれず、私は課金で消しました。

海外の基本無料+課金型アプリって、ガチャがない代わりにこういう全面広告とかムービー広告とかがあるから、そこが難点ですね・・・
もちろんボランティアではないのだから、どこかで収益が出るようにしないといけないのですが、広告の鬱陶しさが日本のバナー広告の比ではないです。

また、前述したように Bloon TD の基本システムを理解していないと勝てないゲームですが、1人用のゲームはチュートリアルしかないので、先にオリジナルの Bloon TD 5 をやっておかないとまともに戦えません
Bloon TD 5 はタワーとアップグレードの種類が非常に豊富で、簡単にマスター出来るゲームではないので、その点でやや敷居が高いですね。

まあ実際に対戦してみると初心者の方も多く、凍った風船にダーツを撃って跳ね返されてたり、迷彩風船対策をせずにアッサリ突破されるなど、システムを理解せずにプレイしている人もかなり多いのですが、このアプリだけで基本を学ぶのはちょっと辛いです。

またオンライン対戦ですから当然通信環境が必須であり、たまに接続不良になってゲーム進行がおかしくなる場合もあります
通信の同期が取れてない状態でも対戦が継続するので、相手の状況が正常に表示されなくなったり、相手が無敵になったりして、こちらが先にやられるか回線切れになるまで終わらなくなることもあります。
(そしてそんな負け方でも戦績には反映される)

対戦ゲームとしてもう1つ残念なのは、戦績に応じたマッチングが行われていないこと
上級者と始めたばかりの初心者がマッチングされることも多く、そのため戦績を見た時点で相手が逃げてしまったり、逆に初心者と当たって相手をフルボッコにするしかなく、気まずくなる場合もあります。

あくまでタワーディフェンスなので、条件に大きな差がある状態で始まったりする訳ではないのですが、もうちょっと戦績を考慮するか、レートやランクを用意してその条件でのマッチングが行われるようにして欲しかったですね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



アプリ本体は前述したように無料。 ただし広告削除を 170 円分のメダルで購入しないと、2戦に1回ぐらいの割合で対戦後に広告ムービーを見せられます。
アップグレードの購入も無課金だとやや辛いですが、170 円 x2 ぐらいの課金で不自由はなくなります

対戦型のタワーディフェンスとしては、現時点で間違いなく一番でしょう
オンライン対戦できる秀作タワーディフェンスには Spice Bandits もありますが、こちらは1回の対戦にかかる時間が長く、面白さは十分でしたが手軽ではありませんでした。
Bloons TD Battles は手軽さと TD の面白さの双方を兼ね備えてます

Bloons TD 5 の経験者の方には、文句なくオススメです。
それ以外の方は・・・ まず Bloons TD 5 を試してから、ですね。

Bloons TD Battles (iTunes が起動します)