トレーディングカードゲーム(TCG)を、トレーディングカードゲームそのままのルールでソーシャルゲームにした、そんな一風変わった純和風のアプリが登場しています。
サムライソウル」(SamuraiSouls)です。

デザイン、ゲームシステム、雰囲気など、すべて他のソーシャルゲームとは一線を画す内容で、今年前半の注目ソーシャルゲームの1つと言えました。

開発したのは 2000 年前後にゲーム・小説・アニメなどのマルチメディア展開を行った「東京魔人學園」シリーズで知られる「今井秋芳」さんという方。
販売は韓国の大手ゲーム運営会社「CJ インターネット」で、開発は「ナウプロダクション」というファミコン時代から続く老舗の下請け開発会社が行っています。
音楽はなんとファイナルファンタジーでおなじみの植松伸夫さんが担当しています。

韓国の CJ インターネットと言えば、こんなことを今更ほじくり返すのも何なのですが、大航海時代 Online の運営において「韓国の歴史観を反映させ、日本のゲームの歴史歪曲を無くす」などと公に堂々と発言し、物議を巻き起こしたところなので、大航海プレイヤーだった私としては色々思うところもあるのですが・・・

とりあえずこのゲームに関しては完全に和風であり、不穏な感じは一切ありません。

サムライソウル SamuraiSouls

ゲームを始めると、チュートリアルを兼ねたラノベ的なストーリーシーンが展開されます。
このゲームはソーシャルゲームには珍しく、しっかりした世界観とシナリオが存在しており、いきなり先が見たくなる物語が始まります
冒頭から既存のソーシャルゲームとは違う雰囲気を感じられますね。

ゲームは本編のストーリーが語られる「話説」と、全国47都道府県にある「鬼門」を封印して回るモード、さらに他プレイヤーのデッキと戦う「戦闘」があるのですが、メインとなるのは鬼門の全国モードです。

封印を解きに行く都道府県を選ぶとエリアマップになり、カードバトルでエリア内のマスを1つずつ解放しながら、ボスである「鬼」のいる場所を目指します。

サムライソウル SamuraiSouls
※このゲームは現代が舞台ですが、「ジュヴナイル伝奇」と呼ばれる日本の古い伝承にちなんだ世界観を持ち、各都道府県にはそれにちなんだ解説文が付属されています。
エリアマップで「霊場」と呼ばれる場所を解放すると、一定時間ごとに「氣」を得られるようになるのですが、ボスを倒せば全てのマスが解放されるため、ボスに直行しても構いません。
氣はたくさん集まると、カードのレベルアップなどに使える「霊玉」に変換されます。


そして肝心のカードバトルですが、前述したように TCG(トレーディングカードゲーム)になっています。

最初に先行と後攻を決め、自分のターンになったら、デッキ(山札)から2枚のカードを引きます。
そして手札の1枚を「ソウルチャージ」に使うことができます。
ソウルチャージすると、そのカードのコスト分だけ「ソウル」の最大値が増え、このソウルを使用してカードを場に出せるようになります。
つまりソウルは、他の TCG で言うところの「マナ」ですね。

ソウルを増やしたら、その数値内のコストのカードを場に出します。
出せる場所は前列2つ、後列1つ、計3ヶ所のみです。
ソウルが十分にあるなら同時に2枚や3枚のカードを出すことも可能ですが、前列が埋まっていないと後列にカードを配置することはできません

サムライソウル SamuraiSouls

カードを配置しても、そのターンに攻撃は行えません。
俗に言う「召喚酔い」があり、攻撃できるのは次のターンからです。(攻撃された時の反撃は可能)
また攻撃か反撃するまでの間は、そのカードは裏になっていて、伏せられています。
相手はそのカードの中身を確認できません。

カードの配置が終わったらアタックフェイズになり、(攻撃可能な)近接攻撃キャラは正面の敵を攻撃できます。
ただし相手がその攻撃に耐えた場合は反撃を受けるので、攻撃しないという選択もあります。
遠距離攻撃のキャラは好きな場所の敵を攻撃でき、しかも反撃を受けません。
ただし遠距離攻撃キャラは前列に配置されていると、攻撃力が半減します。

攻撃によって前列のカードの HP が 0 になると、そのカードは破壊され、もし後列にカードが配置されている場合は自動的にそのカードが前列にスライドしてきます
攻撃する相手のカードがない場合は、攻撃は相手プレイヤーに行われ、相手の体力が1点減ります。
プレイヤーの体力は3点で、これが先に尽きた方が負けですね。

以上を交互に繰り返しますが、デッキの枚数が 0 になり、ドロー(カードを引くこと)ができなくなると、先に出来なくなった方の負けになります。
ゲームは先行の方が有利ですが、デッキの初期枚数は常に 20 枚なので、先行の方が(スキル等の影響がない限り)先にカードが尽きるため、後攻は粘り続けていればデッキ切れで勝利できます

サムライソウル SamuraiSouls
※置ける場所は3ヶ所、体力は3点しかないので、ハマれば早期に決着が付きます。
左の画像のように前列2ヶ所に近接キャラを置き、後列に遠距離キャラを配置できれば、ほぼ勝利確定ですね。
ただカードはどんどんやられていくので、そう簡単にこの形に持っていくことは出来ません。
カードには「属性」があり、有利な属性だとダメージが2倍になる「相剋」が発生します。
属性は陰陽五行になっていて、木(緑)土(黄)水(黒)火(赤)金(白)木(緑) という関係になっています。
水が青じゃなくて黒とか、金が黄色じゃなくて白とか、ちょっと解りにくいのが難点。


カードの攻撃力と体力は、基本的に同じです。 100 の戦力のキャラなら、攻撃力も体力も 100 ですね。
コストが同じなら戦力もだいたい同じなので、先に攻撃したキャラが相手のカードを一撃で破壊する場合が多いです
そして召喚酔いがあるため、相手の前にカードをただ置くだけでは、置いた端から破壊されます。

相手の攻撃力より高い戦力を持つカードを置くか、前列と後列に2枚同時に置き、前列を捨て駒にしてスライドしてくる後列のカードで攻撃するようにしなければなりません。

カードには「スキル」が付いている場合があり、属性が追加されるものや、召喚酔いがなくなるもの、攻撃で HP を回復するものなどが存在します。
遠距離攻撃も、正確には「狙い」というスキルの効果によるものです。

カードに描かれているキャラクターはすべて歴史上の人物や、伝記の登場人物などで、戦国時代の武将の他に、江戸時代の剣術家、幕末の剣客、西部劇のガンマン、ヨーロッパの騎士などが登場します。

最近は織田信長や関羽雲長がおっぱいキャラになってるような萌え路線のソシャゲが多いですが、このゲームはそういう方向ではなく、史実の女性は女性、男性はちゃんと男性になっていて、カッコいいキャラはカッコよく、渋いキャラは渋く描かれています
その人物の史実の解説文もあり、チャラチャラした感じではありませんね。

サムライソウル SamuraiSouls
※左は西部劇の保安官。 サムライソウルだけど、こんなキャラもアリです。 ガンマン系は多くが遠距離攻撃キャラですね。
ちなみにこの絵はウィザードリィで有名な末弥純さんが描かれているようで、絵師の人選も渋い。
右はストーリーシーンの一コマ。 背景が写真なのが特徴。 この辺も他のソシャゲとは違う雰囲気です。


あくまでソーシャルゲームなので、1ゲームはかなり短く、倍速を利用すれば1分ほどで決着が付くことも多いです。
かなり簡易的であることは否めませんが、しかしちゃんと「トレーディングカードゲーム」していて、「TCG っぽいなにか」ではありません
そして間違いなく TCG の中では、一番手軽に楽しめますね。

グラフィックや演出、サウンドのクオリティーも高く、攻撃時には剣客なら相手のカードをバラバラにし、騎士なら真っ二つに、ガンマンなら蜂の巣にします。

カードの強化方法はちょっと変わっていて、ログインボーナスやゲームの進行で得られる「霊玉」というものを使用してレベルアップさせます。
カード合成もあるのですが、これは一定以上のレベルのカードにスキルを継承させるために使うもので、よっていらないカードは合成に使うのではなく、売るしかありません。
ただ、売ることで「氣」を得られ、氣が貯まると霊玉になるので、最終的にレベルアップ素材になるのは同じですが。

この霊玉はガチャにも使用できるのですが、レアカードは普通のゲーム進行でも十分に得られる印象です。
またレアカードが強いとは限らず、スキルとコスト、戦力値の組み合わせによってはノーマルでも十分に使えますし、ノーマルの方が強化もしやすくなっています。
ゲームの進行でガチャ(カードパック)を引けるようになる場合も多く、少なくともカードの入手に課金が必須という印象はありませんね。

難点は「鬼門」の全国モードで、どの県にいっても大して変わり映えしないこと。
ゲームの進行に合わせて徐々に相手が強くなっていくようですが、県ごとの特色のようなものはほとんどありません。
せっかく日本地図を使っているのですから、もうちょっと変化が欲しいところです。

また「話説」のストーリーの配信が遅い
すぐ終わってしまうストーリーなのに2週間から3週間に1話ずつしか配信されておらず、なかなか進まない印象です。
現時点(2013/8/1時点)では9話までありますが、ここまで割と早く進めてしまうので、せっかくの世界観もあまり楽しめません。

さらに「戦闘」の対戦があまり楽しくない
他の人のデッキと戦えますが、相手の行動を担当するのは AI なので、しょせんはリアルタイムのバトルではなく、対戦っぽさがありません。
連勝してもランクアップや階級みたいなものはなく、やり応えもありません。

手軽にアレンジされた TCG のゲーム自体は面白いのですが、その周囲の要素には物足りなさがありますね

以下は Youtube で公開されている公式のプロモーションビデオです。
(ただ、現時点ではこの PV に登場するキャラは半分も出てきません)



アプリ本体は無料。 課金もほとんど必要なく、無料のままで十分に遊べます。
本当に、これで儲かるのか疑問なレベルです

今のところは企画や構想に開発が追い付いていない印象がありますが、ストーリーの配信は今後も続いていくようだし、全国モードは相応に長丁場なので、じっくりプレイしていけば長期間楽しめるゲームだと思います
また、ソーシャル要素やバトル要素などを強化する「サムライソウルイクサ」という新バージョンも開発されているようです。
それが発売されたとき、現行バージョンがどうなるのか気になりますが。

色々な意味で既存のソーシャルゲームとはタイプが異なるアプリです。
ポチポチゲーではなく、ちゃんとゲームであり、課金演出も強くないので、十分オススメできるアプリですね。

・サムライソウル / SamuraiSouls (運営終了)