※このゲームの iOS 版は公開終了しています。
高度に発達した科学技術により機械化と情報統制が進み、貧富の差も拡大した社会で、最新テクノロジーにより強化された兵士が自らの選択に従って戦いを繰り広げる、サイバーな雰囲気の FPS(3D ガンシューティング)が登場しています。
「Deus Ex: The Fall」(デウスエクス:ザ・フォール)です。
発売したのがスクエニであるため、日本ではその点で注目されていますが、開発したのは N-Fusion というアメリカの会社で、原作も Eidos というイギリスのメーカー。
PS3 や XBOX などで発売されている本家のデウスエクスはスクエニが移植に関わっていましたが、今回の「The Fall」は iOS 用に作られたスピンオフ作品であり、スクエニは開発にノータッチのようで、メッセージは全文英語のままです。
よって「スクエニのゲーム」とは思わない方が良いのでご注意下さい。
デウスエクスらしい非常にハイクオリティーな 3D グラフィックと、FPS でありながら多彩な選択が可能なゲームシステムは iOS 版でも健在です。
ただしボリューム不足は否めないので、その点はご注意を。
グラフィックのクオリティーはご覧の通り。 もう圧倒的な美しさ。
ムービーシーンも多く、会話も全編フルボイスで、スクエニが作ったゲームだと思っている人もいるようですが、それも無理ないぐらいにスクエニっぽさがあります。
FPS(3D ガンシューティング)ではありますが、常にドンパチする訳ではなく、町中では普通に移動し、町の人との会話も可能です。
ゴミ箱を漁ったり、落ちているものを拾ったり、ハッキングで鍵のかかったドアを開けて金庫から金品をかすめ取ったりもでき、色々な所にアイテムが落ちているので散策する楽しみがありますね。
戦闘は壁や障害物に身を隠せるタイプで、遮蔽物をダブルタップすることでサッと隠れることが出来ます。
他の遮蔽物に飛び移ったり、遠くの遮蔽物にダブルタップで自動移動することもでき、スティックの操作も違和感なく、射撃中に指を動かすことで照準の微調整も出来ます。
FPS としての操作性はかなり良い方と言えます。
ただ、このゲームは敵がいても、必ずしも銃撃戦をすれば良いとは限りません。
建物内には入ることの出来る通風孔などが存在し、それを利用して見つからないように進むこともできます。
屈めば足音がなくなるので、それを利用して敵の背後にこっそり近づき、そこから近接格闘で倒すことも出来ます。
銃弾が多くなく、体力も少ないため、「メタルギア」で進んだ方がスムーズに進行できる場合が多いのですが、武器は割と豊富に用意されています。
自分の好みのスタイルで遊べることがこのゲームの特徴ですね。
武器には敵を気絶させるスタンガンが用意されていて、格闘時にも敵を気絶させる攻撃と、そのまま殺傷してしまう攻撃を選ぶことが出来ます。
殺しても気絶させても敵はそのまま消滅するのですが、殺したかどうかは会話時の相手の態度などに影響するようで、これがデウスエクスシリーズの特徴でもあります。
※隠れる時はその場所をダブルタップ。 隠れ状態の解除は画面下のボタンを押すか、後ろに下がります。
メタルギアと同じく、見つかると敵兵はその場所を確認しに行くので、これを逆用して敵をおびき寄せることも可能。
プレイスタイルにもよりますが、どちらかと言うとこのゲームは FPS よりメタルギアですね。
※後ろから近づいて格闘攻撃。 ただ、主人公の右手は機械化されたアームになっていて、格闘時はこれを使うので、アームのバッテリーがないと使えません。
バッテリーはステルス機能など他の用途にも使うので、アイテムのバッテリーパックは多めに購入しておきましょう。
なお、バッテリーや体力は自然に回復していきますが、体力は半分、バッテリーは一目盛分しか自然回復しません。 それ以上にしたい時はアイテムを使う必要があります。
※メニュー画面からいつでもマップを確認可能。
「ここに隠し通路ありそうだなぁ」という場所にはだいたい通路があるので、この画面を見ながら攻略ルートを考えるのがメタルギア戦法のコツ。
もちろん最初から銃をバンバン撃ちまくってもいいんですが。
敵を倒したりミッションを達成する事で経験値やクレジットが手に入り、それで主人公の強化や武器&アイテムの購入が可能です。
主人公は特殊スーツと機械化アームを身に着けた強化人間であり、それを利用した様々な特技を得られます。
例えば、光学迷彩や重量物の移動、電子ロックを開けるハッキング機能、レーダー範囲の拡大や銃の集弾性アップなど。
まあ光学迷彩(クローキング)以外は単なるパワーアップに過ぎなかったりするのですが、このゲームはレーダーを使えたり体力がどんどん回復するのは「最新テクノロジーの装備を身に着けているから」ということになっています。
アイテムと銃は「クレジット」さえあればどこでも購入でき、クレジットはあくまでゲーム内のお金であって、課金通貨ではありません。
(クレジットの通貨記号がVに横棒が2つ入った形で、「¥」によく似ているため、日本人にとってはかなり紛らわしい)
追加課金でクレジットを買うことも出来ますが、課金しなくても普通にクリア出来るゲームバランスです。
※習得できるスキルはかなり豊富。 レベルアップするとスキルポイントを1つ貰えます。
旗のマークの HACKING CAPTURE はゲームの進行に合わせて上げておかないと後で困ります。
また SKIN の CLOAKING(光学迷彩)は敵が多いときに非常に便利で、バッテリーパックを使いながら使用すれば敵が多くても突っ切れたりします。
ARMS の STRENGTH も、これがないと重いものが動かせなくて通れない通路が出てくるので必須。
あとはバッテリーのリチャージを早くしたいですね。
※最初のターゲットを追い詰めたシーン。 ここでは CAPTURE HIM(捕まえる)と、KILL HIM(殺す)の選択肢が出てきます。 命乞いしてきますが、上司の命令は「殺せ」。
こうした選択肢が何度も出てくるのが特徴で、「管理社会の中で自らの選択を行う」というのがテーマになっているのですが、英語だからよく解らない・・・
ゲームとしては、グラフィック、演出、ゲーム内容、サウンド、どれを取っても一流です。
ゲームオブザイヤーにも選出されたというクオリティーの高い内容が遜色なく iOS でも再現されています。
しかし難点なのは・・・ ムービーシーンが多く会話もかなり長いのですが、それらが全て英語であるため、日本人だと意味がよく解らないこと。
海外のゲームだから仕方ないのですが、にしてもこのゲームは翻訳がないことのデメリットが高すぎる。
ファイナルファンタジー並みに長めのムービーシーンが何度も出るにも関わらず、そこでの会話の意味が解らないのでは魅力は半減。
途中で何度も選択肢が出て来ますが、その選択肢の意味も解り辛く、選んだ結果どうなったかも解らない。
移動先が何度も変わりますが、なぜそっちに行くのかも解らない。
さらに会話「のみ」でストーリーが説明される場合が多いので、見た目では展開が解りにくい。
クエストの移動先がカーソルで示されるため、ゲームの進行で困ることはないのですが、やはりストーリーが解らないと「やらされてる感」が強いです。
同じ英語のゲームでも、英語が解らなくても楽しめるものと、解らないとあまり楽しめないものの2通りがありますが、このゲームは明らかに後者ですね。
そしてもう1つの難点は、メインストーリーが短い。
この手のゲームとしてはエンディングまでのボリュームが少なめで、ややネタバレになりますが、物語のプロローグが終わった辺りで終了します。
長さ的にもストーリー的にも、序章と1章が終わって「俺たちの戦いはこれからだ!」というところで「完」になる感じ。
メインストーリーだけ追っていくと早く終わるので、あちこち散策したりとか、隠し通路を駆使して敵を倒さずに進行するのを目指すとか、そういう遊び方をしないとあっけなく感じるかも知れません。
本当は1周目だけではキャラをあまり育てられないし、途中の選択や行動でストーリーが分岐するようなので、何周もすることを想定しているのだと思います。
キャラのパワーアップを引き継ぎ、敵も強くなる「強くてニューゲーム+」も用意されています。
しかし肝心のストーリー変化が英語のおかげで解らないため、この点でも日本人にとっては魅力減少ですね・・・
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
価格は 600 円。 クオリティーは本当に高く、追加課金も必要ないので、決して高くないと思います。
iTunes には「落ちる」という意見も見られますが、私が iPad 3 でやった限りでは1度しか落ちませんでした。
でも重量級のゲームであることは確かなので、起動前には本体再起動をしておくことをオススメします。
オススメかどうかは難しいですね・・・
ゲーム自体は非常に良いので、FPS やメタルギアが好きな方、英語を苦にしない方、オリジナルのデウスエクスをプレイ済みの方にはオススメでしょうか。
総合的に見て、ライトユーザーには向かない、ヘビーゲーマー向けのアプリと言えますね。
・Deus Ex: The Fall (公開終了、Steam 版のみ存在)
コメント一覧 (12)
-
- 2013/08/04 10:22
- スクエニじゃないと聞くと逆に安心できる不思議。
でも英語が出来ないとろくに楽しめないみたいなのが残念です。(英語2)
-
- 2013/08/04 10:37
- >>日本人で列挙された条件を満たせるのはヘビーゲーマーくらいのものという意味なのか、ゲーム自体がヘビーユーザー向けにデザインされたものなのか、よく分かりません。
その辺全部を総合的に見ての話ですが、どれかを選ばないといけないのなら後者かな。
FPS という時点でヘビーユーザー向けで、さらに英語、加えてこの内容ですからね。
表記は少し変えておきます。
>>英語が出来ないとろくに楽しめないみたいなのが残念です
世界観とか凄く詳細に作られているようなんですが、凄いだけに翻訳されてないとサッパリ解らないという・・・
ゲーム自体は良いですよ。
-
- 2013/08/04 11:00
- 「ユーザー」と「ゲーマー」でライトヘビーの意味合いが大きく違ってきますので、どちらかに統一した方がいいかと
その中の各分類についてはある程度執筆者の自由に使われるべきかなとは思います
-
- 2013/08/04 11:09
- 確かにユーザーとゲーマーでは感じ方が違うかもしれませんが、だからこそ「ライトユーザー」「ヘビーゲーマー」にしてますね。
「ライトゲーマー」だったら「ゲーマー」なので「どっちだ」って感じですし。
4さんが思われている「ユーザー」の考え方で、ライトユーザーは使っているつもりです。
見ている人にそこまで伝わるとは思えないけど、あくまで印象として。
-
- 2013/08/04 11:48
- うーん…、脈絡がないというほどの事ではないと思うんだけどなぁ。
ターオさんが言わんとしている事は、十分に理解出来ますし。
-
- 2013/08/04 11:52
- 他の呼称もあるし「ヘビーゲーマー」についても色々言いたいんですが、やめておきます
使い方も含めて主観的なものだと思っておきます
ゲーマーと区別したいのも理解しています
用語使わず日本語で書いた方が、とも思いますが、やめておきます
使いたいでしょうし
-
- 2013/08/04 12:30
- 追求しない方が良いと思うんだけど、気になるので・・・
さっぱり言われていることが解らないのですが、つまり模範解答は何なのでしょうか?
名無しさんの言う「使い方」と「日本語」とは何なのでしょうか?
なにか凄く不毛な話になりそうだけど。
-
- 2013/08/04 12:41
- 「僕ちん英語できないけどヘビーゲーマーだい!」って言いたいの?
ゲームレビューにおいて大したことでもないのに突っ込むのはナンセンスかと
そもそも「総合的に」とあるし平均レベルの読解力があればターオさんに悪意があるなんて発想起こらないと思うけどなぁ
-
- 2013/08/04 14:29
- 英語出来る人でも、母国語でやるのが一番すんなり入るから、言語と難易度の関連性はやっぱりあると思う。
-
- 2013/08/06 18:15
- 最初に表記を指摘した者ですが、私は修正後の表記ですごくしっくり来ました。
意図もはっきり分かりましたし、問題ないような気が……?
-
- 2015/07/16 13:02
- 現在、日本のストアで配信されていない。
スクエニェ……。
※スパム投稿が多いため「http://」は禁止ワードにしています。
※招待コードの書き込みは禁止です。
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
英語ができる人がヘビーゲーマーにカテゴライズされるわけではないですし。
最後の一文が、若干脈絡ないような気がします。
日本人で列挙された条件を満たせるのはヘビーゲーマーくらいのものという意味なのか、ゲーム自体がヘビーユーザー向けにデザインされたものなのか、よく分かりません。