カプコンの隠し球!? 電車に乗って全国を旅するという、JR や交通新聞社が公式に協力している鉄道ソーシャルゲームが登場しています。
完乗!全国鉄道の旅」です。

事前情報が一切なかったゲームですが、多くの鉄道写真が登場する鉄道マニア垂涎のゲームで、演出のクオリティーも高いです。
昨今、旧日本軍の軍艦が美少女化されている「艦これ」が話題になっていますが、こちらはそういう擬人化は一切なく、電車がそのまんま電車です

鉄道にそんなに興味がない私としては、数々の鉄道ファンらしい演出が妙に笑えて、もう「バカゲー」にしか思えないのですが、「だがそれがいい」。
ヘンな(?)魅力があるソーシャルゲームですね。

完乗!全国鉄道の旅

ゲーム内容は一言で説明できます。 「ポチポチゲー」です。

路線を選び、画面をポチポチ押すごとに電車が走り、駅へと向かいます。
途中でライバルに出会うと簡易的なカードバトルになり、路線を完走するとボスが出現、倒せば次の路線が現れます。
走るごとにポイントが減っていき、なくなると一定時間経つまで再開できなくなります。

何の変哲もないポチポチゲーですね。 よってゲームシステムの説明は以上です。
ご静聴ありがとうございました。

しかしこのゲームの特徴は、そんな基本システム以外の部分にあります。

まず、電車が走っているシーンがリアルな 3D グラフィックで表現されていて、路線によって電車の内装が異なり、窓の外を流れる風景まで 3D になっています。
その風景は都市部、住宅地、田舎などが用意されていて、夕方や夜景になることもあります。
妙に凝っているそのグラフィックのおかげで、電車に乗っている感じが良く出ていますね

ガチャを引く際も 3D の自動改札が出てきて、チケットを切符のように入れると改札の先でカードが出てくるというものになっており、最初に見た時は鉄道らしすぎるその演出に思わず笑いました。
なにかもう、見ているだけで作り込みというか、作り手の「鉄道愛」を感じます。

完乗!全国鉄道の旅
※一定距離を走るごとに駅に到着します。 その路線の実際の駅名が表示され、駅によっては背景もホームになります。
内装や景色が 3D なのでリアル感があり、そこいらのショボいソーシャルゲームとは違う印象を受けますね。
右は初めて見た人は必ず笑うであろう、ガチャの改札画面。 こういうセンス好きです。


カードバトルは非常に簡易的で、デッキの電車カードの合計攻撃力の分だけダメージを与え、合計 HP の分だけ相手の攻撃に耐えられるというもの。
攻撃は交互に行い、たまにスキルが発動して HP が回復したりダメージが増えたりするものの、バトル自体は「ポチポチゲー」らしいとてもシンプルなものになっています

そもそもデッキの編成も「おまかせ編成」があり、所持カードに合わせて自動で修正してくれるので、自分で選ぶ必要さえありません。
バトルシーンもタップすれば一瞬で終わらせる事が出来ます。

ただこのバトルも、そういうシステム以外の部分に魅力(?)があります。

いきなり可愛い女子高生が「鉄道に詳しいの? だったらお話ししていいですか?」などと話しかけてくる 256 %あり得ない展開で、「電車ってかわいいよね!」と言いながら攻撃してくる、鉄道に興味がない私には例え宇宙が何巡かしても理解できないであろうセリフが連発されます。

そもそもバトルが「あふれる鉄道熱で相手を圧倒し、どちらが真の鉄道ファンなのかを競う鉄道熱ファイト」という設定で、もう何が何だか解らない。

各路線の最後に待ち受けるボスも、ヘンな人形を担いだ駅員とか、謎のネコ駅長とか、マジメなんだかおバカなんだか解らない展開になっています。
こう言っては鉄道ファンに失礼かもしれませんが、バカゲー愛好家としてはたまりません。

完乗!全国鉄道の旅
※左はバトル時の画面。 バトル自体は交互に攻撃するだけのシンプルなもの。
「暖色な鉄道って最高にかわいい!」らしいですが・・・ 解らん・・・ 全然解らん・・・
バトル相手にはザコキャラと固有キャラがいて、ザコキャラは1撃で倒せるほど弱いのですが、固有キャラはその数十倍の HP を持ちます。
右の画像は勝てば駅弁カードが手に入る「駅弁くん」。 駅弁はいわゆる「成長カード」で、これを合成すると鉄道カードのレベルが大きく上がります。
他に風景の画像とか、鉄道以外の写真も多く盛り込まれています。


完乗!全国鉄道の旅
※カードは合成によって強化できますが、成長力がカードごとに異なっています
そのため成長すると R+ より R の方が強くなるとか、初期値は高いけど成長力がまるでないとか、電車ごとに違う結果になります。
まずレベルを1つだけ上げて、成長力をチェックしてから、メインにするかどうか決めた方が良いかも。
もちろん地元の路線や好きな鉄道を優先するのも良いと思いますが。


価格は無料。 もちろん課金はありますが、課金アピールはそんなに強くありません
鉄道ファンならいざ知らず、普通の人は特に課金しなくても遊べますね。
エネルギー(鉄旅ポイント)が尽きるのが早いので、プレイ時間が短い印象はありますが。

このゲームは「ポチポチゲー」ではあるのですが、その「ポチポチ」の過程に意味を持たせたものと言えます
単に進行度が増えるだけではなく、電車が走り、風景が変わり、実在の駅名が表示される「鉄道の旅」にしていることで、ポチポチ自体を楽しめるものにしています。

それでもただボタンを押すだけではあるのですが、乗ったことがある路線をプレイしていて、知っている駅名が出てくると、「あぁ、あの駅かぁ」とか「今あの辺かぁ」とか思えたりしますね

鉄道カードについても、人によるとは思いますが、単なる架空の絵よりも電車のような実在するものになっていた方が、コレクション性は高く感じます。

「面白いところに目を付けたなぁ」と思うソーシャルゲームで、これもアイデアの1つと言えそうですね。

完乗!全国鉄道の旅 (iTunes が起動します)