スマホの2大レーシングゲームと言えば、リアル系の「Real Racing」シリーズと、カジュアル系の「アスファルト」シリーズですね。
特に アスファルト7:Heat は遊びやすいゲーム性と低価格で、世界的な大ヒット作となりました。
そのアスファルトの最新作が、満を持して登場しています。
アスファルト8:Airborne」です。

今作はもう、「凄い」です。
グラフィックが凄い、スピード感が凄い、そしてハチャメチャっぷりがもの凄い。
エアボーンの名の通り自動車なのに飛びまくり、ビルを突き破るわ、川を客船ごと飛び越えるわ、建物の上を飛び移るわ、道なき道を爆走します。

派手なクラッシュシーンも相変わらずで、ライバルを次々と粉砕。
それでいて遊びやすさは維持されていて、きっちりとした減速やコース取りをしなくても、何となく走れてしまう手軽さはそのままです。

コースレイアウトも前代未聞で、立体的な分かれ道や裏道がそこら中に存在し、アスファルトの良い部分を極限まで高めた内容になっています。

アスファルト8:Airborne

スライド操作やタップ操作も用意されていますが、初期設定は本体を傾けての操作です。
画面左側をタップでブレーキ、右側をタップで「ニトロ」を使用して加速します。
操作性はかなり良好で、アスファルトシリーズの操作のしやすさは健在です。

車の挙動はリアル系ではなく、ゲーム的に遊びやすくアレンジされていて、細かいブレーキングやスピード調整は必要ありません。
ただ、前作よりもノーブレーキで曲がれるカーブは減っていて、ヘアピンカーブなどではちゃんとブレーキングする必要があります。

と言っても、スローイン・ファストアウトのようなものを考慮する必要はありません。
カーブ中に一度ブレーキすると「ドリフト」になり、コーナリングが良くなって、急カーブでもそのまま曲がりきることが出来ます。
ドリフト中の挙動も調整しやすく、再度ブレーキを押すことで解除も簡単に行えます
(よってブレーキはドリフトの ON/OFF ボタンとも言えます)
ただし今作はドリフト中の減速率がやや高いので、ドリフトなしで曲がれるならその方が速いです。

コース上にあるニトロアイテムを取ったり、ドリフトやジャンプなどを行うことで「ニトロゲージ」が貯まっていき、ゲージがある状態で画面右側をタップすると、ゲージを消費して急加速します。

今作はニトロ使用中に再度ニトロボタンを押したり、タイミング良くニトロを再使用することで、さらに加速力を高めることが出来ます。
この超加速中はライバルカーにぶつかるだけで相手を吹っ飛ばすことができ、爽快にクラッシュさせまくることが出来ます。

今作には物理エンジンが盛り込まれていて、クラッシュした相手の車やパーツ、ぶつかった街灯や看板などが「リアルに」吹っ飛ぶようになりました。
クラッシュした瞬間には破片が飛び散ってスローモーションになる演出もあり、事故シーンの派手さは相変わらずです。

ただ、クラッシュしてもさせても、若干タイムロスするだけですぐコースに復帰します。
この辺もリアル系ではない、カジュアル系のレースらしい部分ですね。

アスファルト8:Airborne
※クラッシュシーン。 砕けるガラス、吹っ飛ぶドアとバンパー! さらに壊れた車自体がゴロゴロと転がっていきます。
物理エンジンの導入のおかげで、車の傾きや飛びっぷりは以前よりリアルになりました。
なお、ニトロの中断はブレーキで行います。


アスファルト8:Airborne
※メニュー画面もなかなかオシャレ。 キャリアモードや限定レースに移行するボタンの他に、フレンドの動向なども表示されます。
画面上部の緑色のボタンでショップへ移動、左上の車の表示をタップすると乗っているマシンを切り替えられます。
左下の「ワールドシリーズ」は1人用ではなく、オンライン対戦です。


そしてなんと言っても今作の特徴はコース。 もう、とんでもないコースになっています
これまでのアスファルトシリーズも裏道があったり、看板を突き破ったりしていましたが、従来の比ではありません。

分岐は数え切れないほど多くあり、コースによっては途中で道が5つぐらいに分かれていることも。
さらにあちこちにジャンプ台があり、これを使った立体的な分岐が多数存在します

ジャンプして隣の高速道路に飛び移るとか、建物の上に着地するとか、地下の排水溝を走るとか、巨大な乗り物の上に飛び移って踏み台にするとか、もう何でもアリ。
このためコースの全体もかなり広くなっています

あまりに分岐が多く、ライバルがちりぢりになり、順位や上位との差がよく解らなくなることもありますが、走っていて楽しいコースばかりなので、前作にも増して面白くなってますね。

アスファルト8:Airborne
※東京コース名物、イスやテーブルを蹴散らしながらビルの中を突っ切るシーン。
もはやゲームは暴走ドライブアクションの元祖「ランナバウト」のような状態。
ライトの光や車体の写り込みも美しいですね。 グラフィックの質はアスファルト7と同じく、使用機種によって調整されるようです。


アスファルト8:Airborne
※特大ジャンプで滑空中。 ジャンプ中でもコントロールが可能で、着地地点を調整できます。
きりもみ回転する「バレルロール」や、スピンしながらジャンプする「フラットスピン」などの曲芸ジャンプも可能。
ジャンプ中はニトロゲージが増えるのでうまく活用しましょう。


ゲームのメインは「キャリアモード」で、順位や条件の達成により最大5つの「★」を獲得でき、これを集めることで上位のレースがアンロックされていきます。
また、成績に応じて賞金が貰え、これで新しい車を購入することが出来ます

レースは通常のものの他に、他の車をクラッシュさせた数を競う「ノックダウン」や、最下位が時間と共に脱落していく「エリミネーション」などの変わり種もあります。
今作からは最下位が「ウィルス」に感染し、他の車に触れるとそれが伝染、感染している車はニトロが使い放題になるが一定時間後にクラッシュするという「インフェクション」というレースも追加されました。

ただ、特定のマシンを持っていないと参戦できないレースも増えています。
またマシンは D から S までの5クラスに分かれていて、クラス制限があるレースも多いです。
このため必然的に、様々なマシンを購入して随時乗り換えていくことになります
マシンのチューンナップ(パワーアップ)も出来ますが、2段階目からはかなり高額なので、参戦できるレースを増やすためにもマシンの購入を優先した方が良いですね。

購入にかかる費用は、上位のマシンを買うのは相応に大変ですが、当面は無課金でも貯められるレベルです
Real Racing 3 のように「ものすごーく頑張ってようやく新しい車が1台買える」とか「課金しないと長期的にはとてもやってられない」みたいな残念な仕様にはなっていません。
もちろん「納車やチューンナップには実時間がかかる」みたいなこともありません。
さすがに後半は辛くなってくるようですが・・・

キャリアモードの他に、オンライン対戦である「ワールドシリーズ」も用意されています。
マッチメイクは自動で行われ、対戦中のレスポンスも快適
他プレイヤーの車の挙動も自然で、通信ラグを感じさせません。

マシンのクラス分けなどがないので、性能差があるマシンがマッチングされてしまう事があるのが気になりますが、手軽に対戦できるのは良いですね。
また、このオンライン対戦でも賞金を稼ぐことができます。

アスファルト8:Airborne
※キャリアモードのレース選択画面。 8つの「シーズン」に分かれていて、最初のシーズン1だけでも 12 のレースがあります。 レース総数は180。
コースは全部で9つですが、レースによってスタートとゴールが変化し、逆走コースもあります。
最下位がウィルスに感染してニトロ使い放題になる「インフェクション」は、どちらかと言うとオンライン対戦向きかな。


アスファルト8:Airborne
※マシン選択画面。 マシンの評価が「ランク」という数値で表されていて、そのレースに参戦するのに適している「推奨ランク」が右上に表示されています。
ランクが推奨より 100 ぐらい低いと勝つのはかなり難しいので、新しいマシンの購入も考えましょう。
マシンの価格は「速さ=価格」ではありません。 同じクラスで上位のマシンほど高くなります。
C クラスの上位のマシンは、B や A の下位のマシンより遅いですが、価格は高いです。
つまり「価格=レースの勝ちやすさ」ですが、オンライン対戦の場合は単純に速い方が有利。


価格は 85 円。 ハッキリ言って破格値です。
アスファルト7 の時も「こんなのが 85 円で販売されたら、他のメーカーは商売あがったりじゃないか」と思ったのですが、今回も同様です。
課金圧力も高くないし、コストパフォーマンスは最高ですね

アスファルトシリーズはゲームロフトの看板タイトルになっていますから、かなり気合いが入ったものが出てくるだろうとは思っていましたが・・・ 予想以上でした

とにかく走っていて面白いゲームになっていて、Real Racing 3 が色々と不便なシステムになったので、私的な評価はもう完全にアスファルトの方が上です。
今作も間違いなくスマホの定番レースゲームになり、そして世界的なヒットになることでしょう。

アスファルト8:Airborne (iTunes が起動します)