四文字熟語を正しく答えると物語が進む、ストーリー付きの漢字クイズゲームが登場しています。
怪盗ニポンスキー」です。

開発したのは Comcept というメーカーで、「ロックマン」や「鬼武者」「バイオハザード」などの開発に携わった後でカプコンを飛び出した、著名なゲームクリエイター 稲船敬二 さんが起こした会社です。
スマホではすでに「おっさんたまご」などを公開しています。

ゲーム自体より、Comcept の(稲船敬二 さんの)作品ということで注目されているアプリですね。
内容はシンプルな語学クイズで、特筆するほどのものではないのですが、グラフィックや演出などのクオリティーは相応に高いです。

怪盗ニポンスキー

1章が12 話で構成されていて、ステージを選択するとちょっとしたストーリーシーンになり、その後に「熟語錠」と呼ばれる鍵を開ける四文字熟語クイズになります。

クイズシーンでは表示されている4つの漢字の中で、四文字熟語としておかしい文字を修正します
漢字はダイヤルになっていて、上下にスライドすると文字が変わり、正しい文字にして「解錠」ボタンを押すと正解なら次の問題に進み、誤答なら制限時間が減少します。
制限時間内に規定の問題数を解けばステージクリア。 制限時間の半分でクリア出来れば「お宝」が手に入ります。

似たようなクイズがテレビ番組の「ネプリーグ」に出てきますが、それをアプリ化したものと考えて良いでしょう。
テンポよく進みますし、無難に遊べる内容ですね。

ステージの合間には、声にやる気がない美少女怪盗や、頭がリーゼントの銭形風の警部、怪盗に一杯食わされるために生きているような大金持ちなどが登場し、寸劇を繰り広げます。

怪盗ニポンスキー
※一般的な四文字熟語の他に、何かの固有名詞とか、歴史上の人物の名前とかも出てきます。
解らない時は「お助け」のボタンを押せば、「間違っている文字の表示」「時間一時停止」「問題をパス」のアイテムを使えますが、パス以外のアイテムは使い捨てです。


怪盗ニポンスキー
※ルパンを追う銭形警部のポジションの豊野警部。 セリフもそのまんま。
ただストーリーシーンはかなり短いので、物語としての面白さを期待しすぎるとガッカリするかも。


怪盗ニポンスキー
※タイムオーバーになると解らなかった問題の答えを教えてくれます。
よって謎のまま終わるということはなく、ちゃんと語学学習として使えるものになってますね。


ちょっとしたボイスもあるし、サウンドや演出も良く、全体としては良く出来ています。

ただ、欠点に思えるのは・・・ 内容が単調すぎること
ダイヤルで文字を変え、四文字熟語を答える、そのたった1つのクイズ形式しかないので、ずっとやってると流石に飽きます。
各章のラストにボスが出るとか、特殊なクイズが出てくるとか、そういうゲーム的な「盛り上がり」が皆無

ステージ間のストーリーも非常に短く、セリフが1つ出て終わりという場合もあって、物語自体がそんなに先が読みたくなるとか、ワクワクするものでもないので、長くやる気になれません
このゲームは通勤通学時などに、ちょっとずつ進めていくのが良いでしょうね。

さらにアプリ本体は無料ですが、4章目以降は1章ごとに、課金通貨の「クリスタル」で購入する必要があります。
いわゆる「細切れ課金」であり、しかもいくら払えば最後までプレイ出来るのかが明確になっていません。

クリスタルは各章をパーフェクトクリアしても貰え、制限時間内の解答数を競う「チャレンジモード」でも獲得でき、それらを含めて計算すると、無課金でも最後の 10 章までアンロックできるようにはなっているようですが・・・
しかし全ステージでパーフェクトクリア出来なければもちろん無理。
消費アイテムを買ったり、パスできる回数を増やしたりしても当然足りなくなります。

そしてパーフェクトなどを考慮せずに 10 章までのアンロックに必要なクリスタルを計算すると、最低でも 435 円の課金が必要で、アイテムなどを使っていればもっと高くなります。

こういう課金形態はずっと非難されてきた訳ですが・・・ リサーチしていなかったということなのでしょうか?

さらにもう1つ難点を言うと、ダイヤルの操作がややし辛い
思わず回転させすぎてしまうミスが多発します。
タップで1コマずつ回転させられるようになっていれば、まだ遊びやすかったと思うのですが・・・

怪盗ニポンスキー
※ステージセレクト画面。 12 のステージ全てで★3つを獲得すると、達成時にクリスタルを3つ貰えます。
クリスタルは最初に5つ持っていて、1章から9章までパーフェクトすると 3x9 で 27 個。 合計で 32 個。
4章以降をアンロックするのに必要なクリスタルは5つなので、必要量は 5x7 で 35 個。
難易度はそんなに高くないので、チャレンジモードで3つ獲得できれば、なんとか無課金でいけないことはないのですが・・・


怪盗ニポンスキー
※クリスタルの購入画面。 熟語が苦手な人がアイテムを使いながらプレイしたかったら、700 円はいると考えた方が良いかもしれませんね。
まあ今更ですが、タダより高いものはないです。


オススメかどうかは難しいところですね。
問題がそんなに難しくなく、それでいて展開が単調なので、大人や大学生など、それなりの知識レベルがある人だとあまり楽しめないと思います。

しかしそこまでの知識レベルではない小中学生なら、四文字熟語の勉強になり、序盤は無料でも遊べ、相応にクオリティーも高いので、オススメと言うよりは、学習系アプリとして推薦できますね

個人的には、「有名クリエイターによる Comcept の作品」として考えると、正直物足りないです。
演出面はともかく、内容的には「携帯電話ゲー」に過ぎない感じ。
Comcept は怪盗ニポンスキーの他に「みじんこパズル」というものも公開したのですが、これも制限時間付きの「さめがめ」で、手軽に楽しめるアプリではあるけど、凡庸な内容です。

まあ、どちらも「中小の新興メーカーのアプリ」として考えると悪くない内容なので、そのぐらいに考えておいた方が良いのかもしれませんね。

怪盗ニポンスキー (iTunes が起動します)
みじんこパズル (iTunes が起動します)