2009 年に XBOX 360 で発売され、口コミでその評判が広まり、PS3・PC・PSP/Vita・iOS と様々な機種に移植され、小説化・アニメ化・漫画化・舞台化まで行われている近年最大のアドベンチャーゲーム(ノベルゲーム)のヒット作「シュタインズゲート」

スピンオフ作品もいくつか登場していますが、その1つが先日 iOS で公開されました。
STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん」です。

ただ先に言っておきますが、サスペンスが中心であった本編のシュタインズゲートとは異なり、こちらは登場人物の日常(?)を描いた普通の「ギャルゲー」と言える内容です。
シリアスなシーンや本編ストーリーに絡む内容は一切なく、登場人物のドタバタと恋愛っぽい要素を楽しむ、あくまで「ファンディスク」に過ぎません。

ですからタイムトラベルに関する物理学的な考察が展開された本編のシナリオを期待すると、「アレ?」となりますのでご注意下さい。
本来のこのメーカー(5pb. とニトロプラス)の作風に立ち戻った感じですね。
またファンディスクですから、本編を先にやっていることが前提で、これ単体では流れが解らないので悪しからず。

STEINS GATE シュタインズゲート 比翼恋理のだーりん

シュタインズゲートはアドベンチャーゲームと言うよりは、「ノベルゲーム」です。
ほぼ文章を読み進めていくのみの小説に近い内容で、途中で移動や調査などのコマンド入力を行ったり、ミニゲームをプレイしたりすることはありません。

ただ、途中で携帯電話にメールが入って来て、それに返信することが可能です。
そして、メールに返信したか無視したか、返信したとしてどういう内容にしたかで、物語が分岐する場合があります。

ただ、ややネタバレになりますが、今作はファンディスクであるためか、分岐点は1ヶ所のみ
そこから各ヒロインのシナリオに枝分かれする形で、さらにメールの返信が分岐に関わる点も少なめです。
この辺はあえて複雑にしていないようですね。

ですから1章の終わりにある分岐点の直前でセーブしておけば、簡単に各シナリオに移動できます。
さらに物語の節目で自動的にクイックセーブが行われ、そのデータは最大 48 個まで保存されていき、いつでも各データに戻ることが出来ます。 手動セーブも大量に保存可能
かなり手軽に攻略できるようになっていますね。

STEINS GATE シュタインズゲート 比翼恋理のだーりん
※携帯電話の操作は前作と同じ。 Phone のボタンを押せば出現しますが、iPhone / iPod touch の場合は縦持ちにすることで出現 / 操作します。
メニュー表示は二本指タップ、右フリックで既読スキップ、左フリックで全スキップ、下フリックでログ表示。
インターフェイスは良好で、この辺はさすが MAGES.(5pb.)のノベルゲームです。


STEINS GATE シュタインズゲート 比翼恋理のだーりん
※第一章のラスト、「Dメール」を送信する時にどのタイミングで送信したかでシナリオが分かれます。
謎解きをするようなゲームではないので全部言ってしまうと、Dメールの文章の内容と、最後まで送信しなかった場合で5つに分岐。
さらに「まゆり」からの最初のメールで「夏休みの宿題」「補習授業」について返信し、さらに「電車の中だよー」のメールに「ありがとう」について返信するとフラグが成立。 その後にDメールを「もっとよく考えろ」で送るともう1つのルートに分岐します。


インターフェイスなどは前作と同じで、特筆すべき特徴や欠点はありませんが、表示される人物が文章に合わせて頻繁に入れ替わり、口パクも行われ、ウィンドウの表示もパッと変わるのではなくアニメーションして出てくるなど、細かい部分の演出はしっかり作られています。
他社のノベルゲームと比べると、クオリティーは1ランク上ですね。

今作もセリフは全編フルボイス
ボリュームも本編よりは短いですが、全シナリオを含めれば十数時間の規模になります。
ただしそのおかげでインストール後の容量は 1.85 GB あるのでご注意を。

グラフィックは前作とほぼ同じ。 ただ今作は iPad 用の Retina 解像度に対応しています。
よって iPad 3 以降で見た場合、前作より画質が向上しています。

元が家庭用ゲーム機やパソコンのゲームですから、4インチディスプレイには対応しておらず、iPhone 5 以降で表示すると左右に帯が出来ます。

STEINS GATE シュタインズゲート 比翼恋理のだーりん
※本編は 2009 年のゲームでしたが、今作は 2011 年の作品。 そのためその2年の間に新しく出てきたネットスラングや新ネタ、流行語が新たにセリフなどに盛り込まれています。
基本的に、オタク向けや2ちゃんねらー向け、もしくはそこまで行かなくてもネットに詳しい人向けのネタが多いですね。
今回は日常のストーリーという感じなので、物理学用語はあまり出てきません。


価格は 2500 円。 前作より少し安いとはいえ、iOS アプリとしてはかなり高め。
ただ、フルプライス(6000円~9000円)の家庭用ゲーム機版と全く同じ内容なので、それを考えるとむしろお得と言えます。
なんと言うか、中古市場涙目。

私的には、少しは本編の謎に触れるようなストーリーが展開されるのかと期待していたので、まったくそういう感じではなかったため、物足りなさがあるのも本音です。
でも、「ファンディスク」って言うのはそういうものでしょうね。

決して万人向けではありませんが、前作の経験者で、「シュタインズゲートの登場人物たちのドタバタ劇をもっと見たい!」という人なら、楽しめる作品だと思います。

ただし改めてになりますが、本編のシュタインズゲートはオタクの話ではありましたが、「SF 科学サスペンス」であり、ギャルゲー成分は少なめでした。
今回はその逆であり、ジャンルが違っているため、その点は理解しておきましょう。

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん (iTunes が起動します)