最近、過去に発売された秀作のボードゲーム、及びボードゲーム風シミュレーションが、次々と日本語化されています。
iTunes のランキングでトップ継続中の Plague Inc. は皆さんご存じだと思いますが、他にも第二次世界大戦のドイツの進撃を元にした Battle of the Bulge も iPhone 対応&日本語化されました。
そしてもう1つ、協力型ボードゲームの秀作も先日、日本語に対応しています。
「禁断の島 - Forbidden Island」です。
ただし iPad 専用ですので、その点はご了承下さい。
このゲームは先日ご紹介した Pandemic に非常によく似ています。
と言うか、同じ原作者の方のゲームで、まず Pandemic が作られ、それをもっと簡略化して遊びやすくしたものがこの Forbidden Island です。
よってルールには共通している部分が多くあります。
受賞歴については、Pandemic が 2009 年の、Forbidden Island は 2011 年の、「ドイツ年間ゲーム大賞」のノミネート作品です。
ただし iOS アプリとしては Forbidden Island は 2011 年に発売されており、先日出たばかりの Pandemic よりも先発です。
1~4人で目的の達成を目指す協力型のゲームで、iOS 版だと1人で各プレイヤーを担当することが多いでしょうから、「ソリティア型」と言っても良いでしょう。
各プレイヤーは自分の番になったら、移動や補強などの行動を3回行えます。
補強は自分のいる場所か、その隣の「浸水」状態を回復させます。
行動が終わったらカードを2枚引いて手札とし、さらに「浸水カード」を引きます。
浸水カードには土地の名前が書かれていて、該当の土地が普通の状態なら「浸水」になり、浸水状態なら「水没」してしまいます。
水没した土地には移動することが出来ず、もしその場所にいた場合は隣のマスに避難(強制移動)しなければなりません。
水没した土地は、もう復活することはありません。
プレイヤーの手札のほとんどは「財宝カード」で、同じ財宝のカードを4枚集め、その財宝がある土地に移動すれば、それをゲットすることが出来ます。
4種類の財宝をすべて回収し、ヘリポートに全員集まって脱出する(ヘリカードを使う)とゲームクリアとなります。
しかしカードを引いた時に「水位上昇カード」が出てしまうと、「水位メーター」が上がり、一定量を越えると各ターンに引かれる「浸水カード」の枚数が増えてしまいます。
さらに浸水カードがシャッフルされ、同じ土地で再び浸水が起こる可能性があります。
(逆に言うとシャッフルされない限り、同じ土地で連続で浸水は起こりません)
Pandemic をやったことがある方なら、ここまで読んだ時点でルールが共通していることが解るでしょう。
プレイスタイルも全く同じような感じですね。
ただ、浸水によって土地がどんどんなくなっていくため、場合によっては必要な土地を死守し、他の場所はあきらめるといったことも必要になります。
水位メーターの上昇によって浸水はどんどん加速し、さらに水没した土地の浸水カードは山札から取り除かれるため、残っている土地の浸水カードが出るペースも上がっていきます。
崩壊が止まらない島で、冒険者がどんどん追い詰められていく様子が表現されています。
水没により未回収の財宝がある土地がすべて沈んだ場合や、脱出に必要なヘリポートが沈んだ場合は、その時点でゲームオーバーになります。
またプレイヤーがいる土地が沈み、逃げる場所がない場合もゲームオーバーです。
※すべての財宝を回収して勝利寸前! しかし島の大半が沈んでいて、みんなが集まるまで必死でヘリポートを死守している状態。
こういう冒険映画っぽいギリギリの勝負が出来るのが良いですね。
※パンデミックと同じく、各プレイヤーの役職が勝負のカギを握ります。
役職にはナナメに動けるエクスプローラーや、水没エリアも移動できるダイバー、一度に2ヶ所の補強が出来るエンジニアなどがあります。
役職の解説は日本語で書かれているので、使い方で迷うことはないでしょう。
なかなか難易度の高いシビアなゲームですが、お助けカードは Pandemic より強力です。
手札になるカードには「財宝カード」の他に、「補強カード」と「ヘリコプターカード」があり、土嚢が描かれた補強カードは好きなタイミングで、好きな場所の浸水を消すことが出来ます。
浸水カードを引くフェイズに割り込んで使用することも出来るため、例えば「沈んだら負け」の土地が浸水した状態で「水位上昇」のカードが出ても、次の瞬間に割り込んで補強カードを使い、負けになる土地の浸水を解除することが出来ます。
パンデミックの場合「突発的なゲームオーバー」が起こる事がよくあり、運の要素がかなり強かったのですが、このゲームはそういう突然死をカードで回避可能なので、「運ゲー度」はパンデミックより低めです。
「ヘリコプターカード」も自分が移動するのではなく、「好きな人を好きな時に、好きな場所に移動させられる」ため、かなり便利です。
また、カードの交換に制約があったパンデミックとは違い、こちらは同じ場所にいれば好きなカードを他のプレイヤーに渡せるようになっています。
この影響でゲームが解りやすく、プレイもしやすくなっています。
ただ、ゲームのシステムが易しくなっている分、浸水していくペースは早いので、的確で素早い行動が必要です。
この辺はゲーム時間の短縮化も考慮しているのだと思われます。
※水位上昇カードがいつ出るかは運次第。 やはりソリティア系なので、運の要素は強いです。
浸水カードを引く枚数の増加と、土地の水没による浸水カードの回転率アップにより、浸水速度が加速度的に上がっていくのがこのゲームの特徴。
また、同じカードを4枚集めないといけないのに、手札を5枚しか持てないのもポイントで、そのためカードの交換をうまく行う必要があるのですが、交換にも行動力を使うため浸水防止に手を回せなくなるのが悩ましい・・・
アプリとしての長所は、まずなんと言っても日本語化されていること。
ゲーム中のメッセージはもちろん、マニュアルなどもすべて日本語で、翻訳を日本人の方が担当しているため文章におかしな点もありません。
そしてそのマニュアルが、タップやスライドでのページ送りに対応していて、レイアウトも書籍風、ページがめくれるアニメーションまであり、まるで電子書籍のようになっています。
これのおかげでルールで悩むことはないですね。
また、このゲームは対面側のプレイヤーの表示を逆向きにすることができ、iPad を囲って複数のプレイヤーでゲームを楽しめるようになっています。
カードの演出や動きも良く、グラフィックの面でドイツゲームアプリとして見劣りする部分はありません。
ただ、効果音はありますが、ゲーム中の BGM がないのが残念です。
そしてゲームの短所というか、比較して問題なのは・・・ Pandemic の存在。
冒頭で述べたように Forbidden Island(禁断の島)というゲームは、Pandemic を簡略化して遊びやすくしたものです。
ただ、そのために Pandemic ほどの派手さがありません。
Pandemic は連鎖で感染爆発が起こるなどの派手な展開がウリで、それにより不条理なゲームオーバーになったりもしますが、それと比べてしまうとやはり地味。
また Pandemic の iOS 版は演出が派手で、もはやボードゲームレベルではなく、効果音や BGM も感染が広がった時の焦燥感を感じさせてくれました。
そうしたサウンド演出が見事だっただけに、それを見た後に禁断の島をやってしまうと・・・
BGM が全くないので、島がどんどん崩壊していく危機的な状況であるにも関わらず、なんだか淡々とした印象を受けてしまいますね。
※電子書籍化されているマニュアルはすごく読みやすい。
ドイツゲームは日本語化されていないものが多く、ルールも複雑な場合が多いですが、このゲームは「日本人にとっての解りやすさ」という点では1番ですね。
価格は 450 円。 ドイツゲームのアプリとしては標準的な価格です。
85 円の課金で変わった形のマップを利用することも可能です。
ソリティア型ボードゲームの入門用、といったところでしょうか。
先日の Pandemic よりルールが解りやすく、解説も日本語で、マニュアルも丁寧です。
まあ難易度は結構高いし、運にも左右されるので、この手のゲームに慣れていない人だと最初はかなり苦戦すると思いますが、それはそれでやり応えがありますね。
Pandemic の方がクオリティーは高いのですが、こちらもドイツゲームアプリとしてはレベルの高い作品です。
この系統が好きな人にはお勧めできますね。
・禁断の島 - Forbidden Island (iTunes が起動します)
iTunes のランキングでトップ継続中の Plague Inc. は皆さんご存じだと思いますが、他にも第二次世界大戦のドイツの進撃を元にした Battle of the Bulge も iPhone 対応&日本語化されました。
そしてもう1つ、協力型ボードゲームの秀作も先日、日本語に対応しています。
「禁断の島 - Forbidden Island」です。
ただし iPad 専用ですので、その点はご了承下さい。
このゲームは先日ご紹介した Pandemic に非常によく似ています。
と言うか、同じ原作者の方のゲームで、まず Pandemic が作られ、それをもっと簡略化して遊びやすくしたものがこの Forbidden Island です。
よってルールには共通している部分が多くあります。
受賞歴については、Pandemic が 2009 年の、Forbidden Island は 2011 年の、「ドイツ年間ゲーム大賞」のノミネート作品です。
ただし iOS アプリとしては Forbidden Island は 2011 年に発売されており、先日出たばかりの Pandemic よりも先発です。
1~4人で目的の達成を目指す協力型のゲームで、iOS 版だと1人で各プレイヤーを担当することが多いでしょうから、「ソリティア型」と言っても良いでしょう。
各プレイヤーは自分の番になったら、移動や補強などの行動を3回行えます。
補強は自分のいる場所か、その隣の「浸水」状態を回復させます。
行動が終わったらカードを2枚引いて手札とし、さらに「浸水カード」を引きます。
浸水カードには土地の名前が書かれていて、該当の土地が普通の状態なら「浸水」になり、浸水状態なら「水没」してしまいます。
水没した土地には移動することが出来ず、もしその場所にいた場合は隣のマスに避難(強制移動)しなければなりません。
水没した土地は、もう復活することはありません。
プレイヤーの手札のほとんどは「財宝カード」で、同じ財宝のカードを4枚集め、その財宝がある土地に移動すれば、それをゲットすることが出来ます。
4種類の財宝をすべて回収し、ヘリポートに全員集まって脱出する(ヘリカードを使う)とゲームクリアとなります。
しかしカードを引いた時に「水位上昇カード」が出てしまうと、「水位メーター」が上がり、一定量を越えると各ターンに引かれる「浸水カード」の枚数が増えてしまいます。
さらに浸水カードがシャッフルされ、同じ土地で再び浸水が起こる可能性があります。
(逆に言うとシャッフルされない限り、同じ土地で連続で浸水は起こりません)
Pandemic をやったことがある方なら、ここまで読んだ時点でルールが共通していることが解るでしょう。
プレイスタイルも全く同じような感じですね。
ただ、浸水によって土地がどんどんなくなっていくため、場合によっては必要な土地を死守し、他の場所はあきらめるといったことも必要になります。
水位メーターの上昇によって浸水はどんどん加速し、さらに水没した土地の浸水カードは山札から取り除かれるため、残っている土地の浸水カードが出るペースも上がっていきます。
崩壊が止まらない島で、冒険者がどんどん追い詰められていく様子が表現されています。
水没により未回収の財宝がある土地がすべて沈んだ場合や、脱出に必要なヘリポートが沈んだ場合は、その時点でゲームオーバーになります。
またプレイヤーがいる土地が沈み、逃げる場所がない場合もゲームオーバーです。
※すべての財宝を回収して勝利寸前! しかし島の大半が沈んでいて、みんなが集まるまで必死でヘリポートを死守している状態。
こういう冒険映画っぽいギリギリの勝負が出来るのが良いですね。
※パンデミックと同じく、各プレイヤーの役職が勝負のカギを握ります。
役職にはナナメに動けるエクスプローラーや、水没エリアも移動できるダイバー、一度に2ヶ所の補強が出来るエンジニアなどがあります。
役職の解説は日本語で書かれているので、使い方で迷うことはないでしょう。
なかなか難易度の高いシビアなゲームですが、お助けカードは Pandemic より強力です。
手札になるカードには「財宝カード」の他に、「補強カード」と「ヘリコプターカード」があり、土嚢が描かれた補強カードは好きなタイミングで、好きな場所の浸水を消すことが出来ます。
浸水カードを引くフェイズに割り込んで使用することも出来るため、例えば「沈んだら負け」の土地が浸水した状態で「水位上昇」のカードが出ても、次の瞬間に割り込んで補強カードを使い、負けになる土地の浸水を解除することが出来ます。
パンデミックの場合「突発的なゲームオーバー」が起こる事がよくあり、運の要素がかなり強かったのですが、このゲームはそういう突然死をカードで回避可能なので、「運ゲー度」はパンデミックより低めです。
「ヘリコプターカード」も自分が移動するのではなく、「好きな人を好きな時に、好きな場所に移動させられる」ため、かなり便利です。
また、カードの交換に制約があったパンデミックとは違い、こちらは同じ場所にいれば好きなカードを他のプレイヤーに渡せるようになっています。
この影響でゲームが解りやすく、プレイもしやすくなっています。
ただ、ゲームのシステムが易しくなっている分、浸水していくペースは早いので、的確で素早い行動が必要です。
この辺はゲーム時間の短縮化も考慮しているのだと思われます。
※水位上昇カードがいつ出るかは運次第。 やはりソリティア系なので、運の要素は強いです。
浸水カードを引く枚数の増加と、土地の水没による浸水カードの回転率アップにより、浸水速度が加速度的に上がっていくのがこのゲームの特徴。
また、同じカードを4枚集めないといけないのに、手札を5枚しか持てないのもポイントで、そのためカードの交換をうまく行う必要があるのですが、交換にも行動力を使うため浸水防止に手を回せなくなるのが悩ましい・・・
アプリとしての長所は、まずなんと言っても日本語化されていること。
ゲーム中のメッセージはもちろん、マニュアルなどもすべて日本語で、翻訳を日本人の方が担当しているため文章におかしな点もありません。
そしてそのマニュアルが、タップやスライドでのページ送りに対応していて、レイアウトも書籍風、ページがめくれるアニメーションまであり、まるで電子書籍のようになっています。
これのおかげでルールで悩むことはないですね。
また、このゲームは対面側のプレイヤーの表示を逆向きにすることができ、iPad を囲って複数のプレイヤーでゲームを楽しめるようになっています。
カードの演出や動きも良く、グラフィックの面でドイツゲームアプリとして見劣りする部分はありません。
ただ、効果音はありますが、ゲーム中の BGM がないのが残念です。
そしてゲームの短所というか、比較して問題なのは・・・ Pandemic の存在。
冒頭で述べたように Forbidden Island(禁断の島)というゲームは、Pandemic を簡略化して遊びやすくしたものです。
ただ、そのために Pandemic ほどの派手さがありません。
Pandemic は連鎖で感染爆発が起こるなどの派手な展開がウリで、それにより不条理なゲームオーバーになったりもしますが、それと比べてしまうとやはり地味。
また Pandemic の iOS 版は演出が派手で、もはやボードゲームレベルではなく、効果音や BGM も感染が広がった時の焦燥感を感じさせてくれました。
そうしたサウンド演出が見事だっただけに、それを見た後に禁断の島をやってしまうと・・・
BGM が全くないので、島がどんどん崩壊していく危機的な状況であるにも関わらず、なんだか淡々とした印象を受けてしまいますね。
※電子書籍化されているマニュアルはすごく読みやすい。
ドイツゲームは日本語化されていないものが多く、ルールも複雑な場合が多いですが、このゲームは「日本人にとっての解りやすさ」という点では1番ですね。
価格は 450 円。 ドイツゲームのアプリとしては標準的な価格です。
85 円の課金で変わった形のマップを利用することも可能です。
ソリティア型ボードゲームの入門用、といったところでしょうか。
先日の Pandemic よりルールが解りやすく、解説も日本語で、マニュアルも丁寧です。
まあ難易度は結構高いし、運にも左右されるので、この手のゲームに慣れていない人だと最初はかなり苦戦すると思いますが、それはそれでやり応えがありますね。
Pandemic の方がクオリティーは高いのですが、こちらもドイツゲームアプリとしてはレベルの高い作品です。
この系統が好きな人にはお勧めできますね。
・禁断の島 - Forbidden Island (iTunes が起動します)
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