日本時間10月23日の午前2時より、Apple の 大自慢大会 製品発表会が行われ、その会場で新型の iPad が発表されました。
第5世代 iPad となる「iPad Air」と、待望の Retina 化を実現した「iPad mini(第2世代)」です。

CPU は共に iPhone 5s に搭載されている Apple A7 を使用。
今回のウリは iPad は薄くて軽くなったこと、iPad mini は Retina ディスプレイによる高画質化ですね。

発売日は iPad Air が11月1日から。 iPad mini 2nd は11月下旬の予定。
現時点では予約についての言及はありません。

という訳で今回も、パソコン解説サイトも運営している目線で、ハードウェアから見た(現時点で解っている範囲の)解説と感想を書いておきたいと思います。


まずは薄くて軽くなった iPad Air から。

iPad Air

厚さは 7.5 mm になっており、iPad 2 の 8.8 mm、iPad 3 / 4 の 9.4 mm から 1~2 mm ほど薄型化
重さも 469 g で、軽いと評判だった iPad 2 の 601 g より 132 g 軽くなっています
iPad 3 / 4 は 652 g だったので、それと比べると 183 g 軽減
また、iPad 2~4 と比べると幅が 16 mm ほど小さくなっています。

発表会では「43 %軽くしたぜ! すげー頑張ったぜ! 超持ちやすいぜ!」とアピールされていました。
iPad 3 / 4 との比較では 30 %弱なんですが、それでもすでに極限に近かった前モデルからそれだけ減らしたのは凄い。
タブレットもウルトラブック化(軽量薄型 PC 化)の時代でしょうか?

CPU は前述した通り iPhone 5s にも搭載されている Apple A7
サブ CPU としてモーションセンサー関連を処理する M7 が搭載されているのも同じです。

・・・が、それだと画面のサイズが iPhone の2倍ある iPad では、グラフィック処理速度は iPhone 5s の半分になってしまう。
ベンチマークスコアでは iPhone 5s の速度を 6000 とすると、iPad 第4世代が 4600。
単純に 5s の半分の速度とするとスコアは 3000 になってしまいますが、それじゃあ iPad 第4世代より性能が悪化してしまうことになります。
(それでも iPad 3 が 2500、初代 iPad mini が 2800 なので、それより上だけど)

しかし発表会では CPU は「A7」としか言われておらず、iPad 第4世代の「A6X」みたいな「X」といった呼称は使われていません。
おそらく実質的には「A7X」相当だと思いますが、この辺がどうなっているのかは発売後の測定待ちですね。
また、例によってメモリは非公開です・・・

バッテリー駆動時間は公称 10 時間で、噂されていた指紋認証は非搭載。
フェイスカメラは iPhone 5s / 5c と同等にパワーアップ(1.2 メガピクセル)。
しかしメインカメラは 5 メガピクセルで iPad 3 / 4、及び iPhone 4 時代と同等。(iPhone は 4S 以降から 8 メガピクセル)
ただ顔認証やオートフォーカスなどのソフト面は最新のものが導入されているようです。
マイクは2つ搭載されていて、より音声をクリーンに集音できる模様。

色はスペースグレイ(表が黒、裏が濃いグレー)と、シルバー(表が白、裏が薄いグレー)の2種類。
データ容量と価格のラインナップは以下の通りです。

16 GB : 51800 円
32 GB : 61800 円
64 GB : 71800 円
128 GB : 81800 円


上記は Wi-Fi モデルの価格。
Wi-Fi+セルラー(LTE 対応)のモデルは、例によってキャリアの値段設定に左右されます。
なお、販売するキャリアはソフトバンクと au のみのようで、現時点でドコモは入っていません。

総括としては・・・ まだよく解らない点もありますが、もし CPU が iPhone 5s と同等である場合、これまでの「iPad の方が iPhone よりスペックが1つ上」というのがなくなります。
iPad 5 や New New New iPad ではなく、iPad Air という名前にしたのも、ウリがスペックではなく薄さ・軽さであるためなのかもしれません?


続いて、新しい iPad mini(Retina ディスプレイモデル)です。
iPad mini Retina

厚さは 7.5 mm で iPad Air と同じ。 初代 mini が 7.2 mm なのでほんのちょっとアップ。
重量は 331 g でさすがに軽いですが、初代が 308 g だったので、こちらも少しアップ

画面は Retina 化したことで 2048x1536 ピクセルとなり、普通の iPad と同じに
それでいて画面全体のサイズが一回り小さいので、表示の高画質っぷりは iPad 以上で、「もうドットは見えないでしょう! 印刷物と変わらないよ!」とコメントされていました。

が、スペックについての話が、発表会では一切なし!
画質以外の性能については一言も言及がありませんでした。(iPad mini の発表の時間自体も短かった)

Apple 公式サイトの表記によると、CPU は Apple A7 でサブ CPU に M7 も搭載。
カメラ関連は iPad Air と変わらず 5 メガピクセルのメインカメラと、1.2 メガピクセルのフェイスカメラ。
メモリは不明だし、グラフィック関連もまだ解らず。
これらのスペックを見る限りでは、「小型 iPad Air」と言っても良いような気がしますが・・・?

バッテリーは iPad Air と同じく公称 10 時間
色も同じで、スペースグレイ(黒+濃グレー)と、シルバー(白+薄グレー)の2種類。 噂されていたゴールドはなし。
データ容量と価格のラインナップは以下の通りです。

16 GB : 41800 円
32 GB : 51800 円
64 GB : 61800 円
128 GB : 71800 円


要するに各モデルが iPad Air より1万円安いです。 それを高く見るか、安く見るか・・・
1万円ならデカい方が良いんじゃない? という人も言れば、小さい方が便利! という人もいるでしょうね。
セルラー(LTE)モデルは、こちらも当面ソフトバンクと au のみの取り扱いで、価格はキャリア側の設定に左右されます。

なお、iPad 2 16GB は 39800 円、初代 iPad mini 16GB は 31800 円で、販売は続行されます。
今さらこれの新品を選ぶ人がいるのかどうかは疑問ですが。


という訳で、ようやく新型 iPad もお披露目となりました。
私も新型が出るまで新しい iPad の購入を我慢していたので、発売されたら速攻で買う予定です。
まあ田舎住まいなので、実際に手に入るのは当分先でしょうけど。

巷では一回り小さい iPad mini Retina の方が人気になるかもしれませんね。
「iPad mini は Retina になったものが本命」と前から言われていましたし。

ただ、ハード的にはまだ解らない点が多いので、慎重にいきたい人は、まず人柱の皆さんの報告を待った方が良いでしょう。