昨年(2012年)にセガから発売された 3DS 用の音楽ゲーム「リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産」が、iPhone 用にアレンジされて移植されました。
「リズム怪盗R プレミアムライブ」です。
レイトンシリーズのような親しみやすい絵のタッチとストーリーを持ち、ゲームは「リズム天国」のようなボタンが少なくタイミングのみで勝負するタイプ。
iOS 版はそれに移動シーンと、ソーシャルゲームのようなキャラクター収集要素が加えられています。
3DS 版よりも解像度が上がっているため、グラフィックが綺麗になっており、音質が向上しているためか曲も全てリミックスバージョンとなっています。
ただしムービーが紙芝居になっているなど、オリジナルよりも簡易化されてしまった部分もあります。
ゲームを再現しつつ、データ量を食う部分はカットし、逆にスマホに合わせてソーシャル要素を加えたという感じで、「スマホ最適化バージョン」と言えるかもしれません。
音楽ゲームですから、高音質を楽しむためにもイヤホンを付けてのプレイを推奨します。
ミッションを開始すると、まずスゴロクのような移動シーンになります。
といってもサイコロを振る訳ではなく、1マスずつ順番に進むだけなので、単なる演出と言えますね。
ミッションによってはコースに分岐がある場合もあり、マスによってはミニゲームが発生してアイテムを得られることもあります。
ミニゲームは宝箱を素早くタッチしていくものや、指定の秒数でストップウォッチを止めるものなどの簡単なものばかりですが、種類は豊富です。
そしてリズムゲームのマスに移動するとメインのゲームが始まります。
リズムゲームの種類もかなり豊富で、バックダンサーの動きに合わせてフリックでダンスするものや、出てくる彫像の色に合わせて4色のボタンを押すもの、襲いかかってくる敵をパンチで撃退するものなど様々です。
ただ共通しているのは、色々なボタンを押し分けたり、画面のあちこちをタップするのではなく、リズム感のみで勝負するゲームが多いこと。
例えば、ダンスゲームは画面のどこをフリックしても良く、敵を撃退するゲームもボタンは1つか2つのみ。
彫像の色に合わせてボタンを押すゲームはボタンが4つありますが、それをビートマニアのように連打することはなく、曲に合わせて1つずつポンポンと押していく感じです。
このためタッチパネルでも非常に遊びやすく、音楽ゲームとして十分に楽しめる内容となっています。
やはりスマホの場合、指が邪魔になったり持ち辛くなったりするため、あちこちタップするゲームより、太鼓の達人 や グルーヴコースター のようなタップ位置を問わないゲームの方がやりやすいですね。
まあ、この辺は好みもあるとは思いますが。
もう1つの特徴は、タイミングは曲と画面の演出のみで判断し、「マーカーがラインに重なったらボタンを押す」といった目安の表示がないこと。
そして目安の表示がなくても、ちゃんとタイミングを計れるような曲と演出になっていること。
一応、タイミングを示す表示が画面の左上にあるのですが、小さい表示だし、まったく見なくてもプレイ可能です。
これがより「リズム感の良さ」「ノリやすさ」をプレイヤーに与えてくれます。
また、音楽ゲームの初心者の方はどうしてもリズムではなく、マーカーを見ながら「目押し」してしまう傾向がありますが、このシステムなら自然と目押しではなくリズムで押すことを覚えます。
この辺もリズム天国やリズム怪盗が多くの人に支持されている理由ではないかと思います。
※ 唐突にカフェのキッチンで料理を始めてしまう怪盗R。 料理が音ゲーになってるのはいかにもリズム天国ぽいですね。
3D だけど 2D に見える絵柄も味があって良いです。
※「サンバ de アミーゴ」風のリズムゲーム。 このゲームだけはマーカーが円に入った時にタップする、ビートマニア型のスタイルになっています。
ただ、ポップンリズミン のような外側からマーカーが飛んで来るタイプではなく、ラブライヴ!のような中央から外に向かってマーカーが動くタイプなので、指でマーカーが隠れてしまうことはありません。
偶然にもサンバ de アミーゴのレイアウトは、タッチパネル向きだと言えますね。
※ ニセ怪盗との対決シーン。 ここはなんと「スペースチャンネル5」をセルフリスペクトしたものになっています。
リズム怪盗が「アップ・ダウン・アップ・ダウン・チュゥ・チュゥ・チュゥ」って言いますw
出来ればスマホやタブレットでスペースチャンネル5が出て欲しいけど、「スペースマイケル」とかいたから色々難しいんだろうなぁ・・・
iOS 版の リズム怪盗R で賛否両論・・・ というか、明らかに「否」の意見の方が多いのが、ソーシャル要素が付いたこと。
ゲームの進行や「ガチャ」によってサポーターと呼ばれるキャラクターを得られ、これをメンバーに加えることで体力や回復力がアップし、特殊能力などを得られます。
もちろん上位のサポーターは課金ガチャでないと入手困難です。
さらに iOS で加えられた追加ミッションも課金通貨を使ってアンロックするようになっています。
このため「また課金ゲー化かよ!」「定価 900 円のゲームのくせに課金ガチャかよ!」という意見が続発しているのですが、やってみた感じでは、本編を進めるのに課金は全く必要ない印象です。
というか、サポーターは単なる収集要素・おまけ要素に近く、攻略的にはいらない感じ。
なぜならサポーターによりアップするのはミスった時に減る体力と、減った体力が回復していく回復力であるため、つまりミスらなければサポーターが全員 Lv1 でも普通にクリア出来るからです。
スキルを持っているキャラもいるのですが、経験値や入手ゴールドを増やすものが多いため、それは音ゲー自体には影響しないし、「ダメージを軽減」「ミスを帳消し」「ピンチ時に自動回復」などもミスらなければ必要なし。
ラブライブ! や オトレンジャー には攻撃力に相当するものがあったため、ミスなくプレイしても仲間を強くないと上位の成績を得られなかったり、強敵を倒せなかったりしましたが、リズム怪盗R ではそういう事はありません。
そしてその方が、ちゃんとプレイヤーのテクニックが評価に反映されるため、音楽ゲームとしては良いと思います。
よって「ソーシャル部分はあくまでオマケなんだ」「追加ミッションは本編ではなく追加要素なんだ」「初心者救済の要素だ」と考えれば、新たに加えられた拡張要素、やり込み要素として、悪くはないかなと思います。
ただ気になるのは、前述したように音ゲー的に必須ではないため「取って付けた感」がアリアリで、しかもそれが課金要素でありガチャである訳だから、批判されるのは当たり前、それに対するユーザーの感情を甘く見ていた感があること。
「ガチャ」という単語をそのまま使っているのもどうかと思うし、もうちょっとこう、やりようがあったんじゃない? と思うのも本音です。
そしてもう1つの難点は・・・ メインストーリーが中途半端なところで終わり、後半は課金しないと遊べないこと。
「追加ミッション」に課金が必要なのは、追加分なのですから、それは解ります。
しかし本編がいきなり中断され、事前の説明もなく「これ以上進めたいならお金を払ってね」というのは、さすがに反則過ぎる。
「本編後半は追加分です」と言われても、前編のボリュームとストーリー的に納得がいかない。
ここはさすがに、アコギな印象を受けますね。
※ミッションの移動シーン。 3D グラフィックで綺麗に作られており、ミニゲームも豊富で、悪くはありません。
リズムゲームが連続した場合、前のダメージを次に引き継ぐので注意。
※キャラクターと合成用アイテムは別になっていて、いらないキャラは今のところ売るしか使い道はありません。
合成費用は(ベースキャラクターのレベル×50)になっていて、レベルが上がるほど高くなるので、出来るだけ一気にレベルを上げた方がリーズナブル。 この辺は既存のパズドラ系と同じですね。
まあこのゲームは良い意味でメンバーの強弱があまりゲームに影響しないので、必死で強いキャラを育てる必要はあまりありません。
定価は 900 円。 (11月13日までは発売セールで 400 円です)
ムービーなどがないとはいえ、ゲーム部分はオリジナルの高画質・高音質版であり、3DS 版は約 3000 円でしたから、かなりお得と言っても良いでしょう。
有料ガチャも難易度的に考えて、無理に必要ではありません。
ただし本編後半をプレイするには 800 円分の課金通貨が必要です。
最初に課金通貨をその半分持っているので、それを一切使わなければ 400 円でアンロックすることも可能ですが・・・
実質的には 900+800 で、1700 円のゲームなんだと思った方が良いかもしれません。
しかし音楽ゲームとして面白いので、オススメできるゲームであることは確かです。
最近は オトレンジャー や ポップンリズミン など、他にも「音楽ゲーム+ソーシャルゲーム」が発売されていますが、このゲームは「きっちりリズムゲーム」であり、この中では間違いなく一番ですね。
まあ元が 3DS のゲームなので当然かもしれませんが。
私的には、有料ガチャがなければケチは付かなかっただろうに、とも思うのですが、収益を考えるとガチャは入れないとダメだったんだろうなぁ・・・
・リズム怪盗R プレミアムライブ (iTunes が起動します)
コメント一覧 (5)
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- 2013/11/03 13:17
- レビューを見ると、音が途切れるという報告があるのですが、どの程度なんでしょうか?
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- 2013/11/03 15:07
- 自分は途切れる症状が出たことは全くないですね。
たぶん iPhone 5 以上ではその症状は滅多に発生しないと思います。
ミクフリックを旧機種でプレイして、処理が追い付かなくなって音とタイミングにズレが生じると、強制的に同期させる機能が実行されるんですが、その時に音飛びが発生するため、それと同じものではないかと思います。
つまり処理が追い付かなくなるような旧機種でないと発生しないんじゃないかなと・・・
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- 2013/11/04 16:22
- リズム天国がやっとな私はこれでも触るボタンが多くてきつい…
像に隠れるやつでえっ、となってマラカス振るやつでぎゃーとなってしまう。
それでも(今のところ)いちおうクリアできてしまうのですが…
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- 2013/11/05 21:37
- 劣化移植ですね、正直。
解像度こそ上がったけど演出は劣化してるし、ストーリーは簡略化しすぎて意味不明だし。(初対面なのに自分の正体を明かし始めたり)
これに1700円出すなら、BEST版が3000円弱だしそっちの方が…
原作のファンで、一部のリズムゲームをさくっと楽しみたい人向け…なんですかね?
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- 2014/07/06 22:28
- 後半のストーリーのアンロックは、ガチャやコンティニューなどでコインを使わずに残しておけば、最初の5枚と、ログインボーナスで貰う何枚かで、アンロック可能でした。それなりに楽しんでいます。ただ、私にとっては、結構難しいです。
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