スマホの麻雀アプリは、長らく 雷神天極牌 の天下が続いていました。
その辺は以前公開した iPhone おすすめゲームアプリ テーブルゲーム編 の時にもお伝えしましたが、今年の夏、ゲーセンで人気のオンライン対戦麻雀が満を持して iOS アプリ化されました。

セガの「NET麻雀 MJモバイル」と、コナミの「麻雀格闘倶楽部Sp」です。
麻雀格闘倶楽部の iOS アプリは、正確には二代目ですね。

そこで今回は、この新しいオンライン対戦麻雀を既存のものと比較しながら、合わせてご紹介したいと思います。

---------

NET麻雀 MJモバイル

セガの運営するオンライン麻雀で、7月末に PC 版と iOS 版が同時公開されました。
PC 版は 公式サイト で無料ダウンロード可能、さらにセーブデータを PC と iOS で共有可能です。

ただこのゲーム、公開直後はサーバーが不安定でまともにプレイ出来ず、ログイン障害や通信障害、臨時メンテが多発しまくり。
「セガのオンラインゲームはスタートダッシュでコケる」という、長年の伝統を忠実に守っていました。

しかし現在はサーバーも安定し、快適にプレイが可能、一方で過疎っていることもなく、ユーザーも多いです。
そして何より従来のレベルを大きく超えたグラフィックと演出で、「さすがセガ!」と思えるだけのクオリティーを誇ります。

NET麻雀 MJモバイル

自由にオンライン対戦や CPU 戦が出来る「Free モード」と、課金通貨のゴールドを使って段位認定戦や大会参加を行う「公式モード」の2つがあります。
Free 対戦は無料で好きなだけ遊べ、こちらでも経験値の取得と段位のアップは可能です。

なんと言っても特筆すべきはそのグラフィック。
非常にリアルな麻雀卓が表示されており、捨て牌の置かれ方もまるで実物のようです
しかも並べ方がズレてくるとそれを手で直したりするなど、手の動きもめちゃリアル。

手牌は画面下に大きく表示されていて、視認性や操作感は良好。
あがり牌の表示やドラがキラッと光る演出の他に、ツモ切り牌が暗く表示され、誰かが上がった時には当たり牌に枠が付くなど、プレイしやすくなる様々な視覚効果が盛り込まれています

そして何より、上がった時の演出が超ハデ
落雷が落ちたり、閃光が発せられたり、振動が生じるなどの様々な効果が、他のゲーム以上に派手に起こります。
一発ツモの時にオーラをまとった手が残像を残しながらツモるシーンが表示され、その後に天空から陽光が降り注いでくる演出は、最初に見た時は爆笑しました。

通常の四人打ち東風戦の他に、三麻(三人打ち、南入する、二萬~八萬なし、チーなし、北は常に役牌)もあり、さらに「2連勝しろ」「2試合で2位以上になれ」などの条件が書かれたカードを入手でき、それを装備して条件を達成するとメダルを獲得、それを使ってアバターの衣装を購入したりする要素もあります。
ただしカードが有効なのは、「公式モード」に限ります。

NET麻雀 MJモバイル
※三人打ちもある。 こちらの方が大きな手を狙いやすいから楽しいかも。
ただ、このゲームの三人打ちは南入するので、東風戦よりも一局の時間は長めになる事が多いです。
誰かがハコると終わるので、それで終了するケースの方が多い気も。


NET麻雀 MJモバイル
※裏ドラをめくってるシーン。 このドラをめくる時の手と牌の動きがまたリアル。
綺麗にそろっているのではなく、微妙にガタついてるところに作り手のこだわりを感じます。


難点というか、最初やや戸惑ったのは、考えられる時間がかなり短いこと。

このゲームは 30 秒の持ち時間制になっていて、1手ごとの猶予時間がなくなると、この持ち時間が減っていきます。
そして対局モードには「長考卓」と「通常卓」があるのですが、公式モードは「通常卓」のみで、この通常卓は1手ごとの猶予時間が1秒ぐらいしかありません
つまり常に早打ちしなければ、持ち時間はあっと言う間に尽きてしまう。
「長考卓」でも1手ごとの猶予時間は3秒ほどで、「長考」と言える程じゃない

そして持ち時間が尽きると通常卓の場合、1秒で勝手に切られます。 もはやツモ牌を視認することさえ出来ない状態
初回プレイの時、ここまで厳しい時間制限になっているとは思わず、いつ間にか持ち時間がなくなって、他家がリーチしまくっている状況にも関わらず勝手にツモ切りされていく様子に唖然としました。
おまけに1手あたりの時間制限もあり、持ち時間があっても長めに考えすぎるとやはり勝手に切られます

何度かやれば慣れてきますが、常に急いだプレイが必要で、持ち時間は鳴きの選択の時にも減っていくため、鳴きたい時は他家の番にも常に気を張っておかなければなりません。
様々なオンライン麻雀をやりましたが、もっとも早打ちを要求されるゲームと言えるでしょう。

もちろん条件はみんな同じなので、慣れれば一番サクサクプレイ出来る対戦麻雀でもありますが。

NET麻雀 MJモバイル
※カードには条件を達成するとご褒美が貰える「チャレンジ」が書かれています。
「装備」しないと条件を満たしても褒美が貰えないので注意。 また、対応したモードで対局する必要があります。
カードは1日1回行える無料ガチャか、有料ガチャで入手可能。


アプリ本体は無料。 ただし公式戦は1試合 60 G 必要で、ゴールドは 300 円 240 Gで売られています。
つまり公式戦1局あたり 75 円。 ただし1位になった場合は無料。
フリー対戦は前述したように無制限で遊べます。 CPU 戦もあり。

全体として、非常にハイクオリティーでオススメできる麻雀アプリです。
早打ちに慣れるまでは大変ですが、慣れればとても快適に遊べます。
もうちょっとゆったり遊べるモードも欲しい気はするけど。

フリー対戦の「長考卓」なら気軽にタダで遊べるので、私的にはこちらのほうが良いですね。
こちらも相応に急ぎながらプレイしないとダメですが。

NET麻雀 MJモバイル (iTunes が起動します)

---------

麻雀格闘倶楽部Sp

ゲーセンのオンライン対戦麻雀のパイオニアと言える、大ヒットゲームの iOS 版です。
iPhone では以前「麻雀格闘倶楽部 touch」というアプリが公開されていて、それもなかなか高クオリティーだったのですが、麻雀 雷神 と公開がかぶってしまい、太刀打ち出来ないまま敗北しました。

果たして今回は倍返しとなるでしょうか?
って言うか結論から言ってしまうと、もうすでに MJ に敗れる雰囲気アリアリなんですが。

ただしアーケード連動機能があるので、ゲーセンで麻雀格闘倶楽部をやっている方ならこちらの方が良いかも。

麻雀格闘倶楽部sp

正直、見た目が残念。 アーケード版と同じような見た目だし、決して悪い訳ではありません。
麻雀格闘倶楽部らしい派手な落雷や振動もそのままで、麻雀をやるにあたって不足しているレイアウトではありません。
ボイスも豊富で、演出的には優れています

が、セガの NET麻雀 MJ と見比べてしまうと・・・ さすがに厳しい。
見劣り感は否めません

前作よりも手牌が大きく表示されていて、操作性は問題ありません。
ゲームモードには東風戦の他に、半荘戦一局戦三麻半荘戦(西家までプレイ)の4つがありますが、フリー対局や CPU 対戦はありません

思考時間は1手あたり約4秒で、相応に早打ちしなければなりませんが、MJ ほどではないですね。
ただし持ち時間制ではないので、鳴きの選択時やリーチ時などに、少し長めに考えるということは出来ません。
「長考」ボタンはありますが、1局1回しか使えず、数秒伸びるだけなのでそんなに「長考」は無理です。

そして特徴的なのは、対局をするのに課金通貨 250 MG で 20000 点分の点棒を買ってスタートし、終了後に残っている点棒がまた MG に換金されること。
つまり「1戦あたりいくら」ではなく、結果に応じて必要な通貨が変わります

ハコれば 250 MG が全部なくなりますが、20000 点で終われば 200 MG 戻って来ます。
トントンでも 50 MG は減る訳ですが、勝てばプレイ前より増える事もあり得ます。

通貨の料金が 250 MG で 200 円なので、つまりハコって負けた場合、1回の対戦で 200 円。
これはさすがに高く、そしてフリー対戦はありません。
ただ、実力に応じて課金通貨が増減するというのは、腕に自信のある人には面白いシステムかも?

麻雀格闘倶楽部sp
※対局終了時の換金画面。 残った点棒の分だけ課金通貨が戻って来るのは本来の麻雀らしいですね。
4位の人は1位の人に 5000 点取られ、さらに有段者は「オーブ」と呼ばれる経験アイテムを奪われます。


注目のアーケード連動機能ですが、ID を登録しておくと、アーケード版をプレイすると iOS 版でボーナスの MG を貰えるようです。
よってフリー対戦はありませんが、ゲーセンで麻雀格闘倶楽部をやっている方なら、iOS 版を実質フリーでプレイすることも出来るようです。

全体として、玄人向け、および麻雀格闘倶楽部の経験者向けと言えますね。

麻雀格闘倶楽部Sp (iTunes が起動します)

---------

という訳で、私的な総評としては・・・

縦持ちでプレイしたい人や1人用も楽しみたい人は 天極牌
上級者やゲーセンの麻雀格闘倶楽部プレイヤーは 麻雀格闘倶楽部Sp
それ以外なら NET麻雀 MJモバイル
ただし早打ちが苦手なら 雷神

と言ったところでしょうか。
ともあれ、2年ぶりに一線級の麻雀アプリが出てきたな、という印象です。
候補が増えたのは嬉しいことですね。