※このゲームは 2015年1月21日 にサービスを終了しました。

ケイブの新作シューティング! しかしモバゲーのソーシャルゲーム。
そんなシューティングファンにとって激しく微妙な、ライトユーザー向けのカジュアル・ソーシャル・シューティングが公開されています。
ドンパッチン」です。

このゲーム、今年の春に行われたケイブのイベントでポスターが貼られていたため、タイトル名だけは知られていたのですが、「ソーシャルシューティング」と題されていたうえにイラストがソシャゲ丸出しという感じで、既存のケイブファンが注目するようなタイトルではなかったため、ほぼスルーされて来ました。
それが先日、モバゲーの下で発売に至ったのですが・・・ まあ、案の定でしたね。

ただ、こんな事を言うのも何ですが、シューティングを捨てて DeNA と共にソーシャルゲームに活路を見出そうとしてうまく行かず、一悶着あった後に慌ててシューティングに戻ろうとしている、今のケイブらしいゲームである気もします。

ドンパッチン

内容は「LINE 系のシューティング+パズドラ系」と言った感じです。
LINE 系のシューティングゲームは、縦スクロールで、自機が左右にしか動けず、敵の攻撃はほとんど体当たりのみという、シンプルなシューティングです。
どこまで進めるかを競うミニゲームに近く、「縦シューをショートゲーム化したもの」と言っても良いでしょう。

ただしドンパッチンはもう少し普通のシューティングに近く、ステージクリア制になっています。
また、5体のロボット+助っ人1体でパーティーを組んで出撃する「パズドラ系」のソーシャルゲームになっており、ミニゲームというほどシンプルな訳ではありません。
自機が左右にしか動けず、あまり弾が飛んでこない点は共通していますが。

ゲーム中は常に画面上部にボスがいて、ザコも次々と出て来ます。
ザコを倒すと5色の「ジェム」がバラまかれ、これを集めることで対応した色のパーティーメンバーの攻撃力が上がっていきます。
そして敵の編隊を倒すと★アイテムが現れ、これを取るとパワーゲージが貯まり、最大になるとパーティーロボットがボスに攻撃を行います。

自機のショットではほとんどボスにダメージを与えられないため、ダメージソースはパーティーメンバーの攻撃であり、シューティング部分はその準備、パズドラで言うところのパズル部分と言えますね。

敵と一緒に爆弾が落ちてきて、これを破壊すると大きな爆発が発生、回りの敵や弾を一掃できます。
また、ゲームが進むと「タメ撃ち」も可能になり、硬い敵や弾を消せる貫通ウェーブを発射できます。
これらを使って「弾消し」を行うとジェムや★がたくさん出現します。 この辺はケイブシューらしいですね。

敵の弾はそんなに飛んで来る訳ではなく、難易度は低いです
そこそこシューティングゲームが出来る人なら、まず被弾することはないでしょう。
もし被弾しても「燃料」が減るだけで、即死はしません。
正直、普段からシューティングゲームをやっている人だと物足りない難易度です

※当然ですが、ステージが進めば難易度は相応に上がっていきます。
またアップデートにより「上級」「超級」などの高難度ステージも用意されるようになりました。


ただ、超連射される自機の攻撃、派手な爆発と演出、バラまかれるアイテムなどにはケイブらしさがあり、他の LINE 系のシューティングである「ドラゴンフライト」や「GOGO! ツインビー」よりは、明らかに上のクオリティーです

ドンパッチン
※落ちてくるジェムは、パーティーメンバーにその色の属性のロボットがいる場合は大きく、いない場合は小さく、いる場合で自分がその時に使用している色は特大になります。
そして特大のジェムは少し近づくだけで自動的に吸い込まれます。
パーティーにいる色のジェムを取ると攻撃が強化され、いない色を取ると弱体化するため、パーティーにいない色のジェムはマイナスアイテムであり、取らないようにした方が良いです。
ゲームに慣れてきたら、メインにしている色のジェムを重点的に集めましょう。
画面右上にはコンボ表示があり、同じ色のジェムを取ることで増加、100 コンボになると★がたくさん落ちてきます。


ドンパッチン
※★ゲージが貯まればパーティーが攻撃開始! この時、ジェムカウンターが規定数以上(大抵 30 個以上)なら攻撃前に強化や追加攻撃のスキルが発動します。(ただし同じスキルはどれか1つしか発動しません)
属性は 赤 → 黄 → 青 → 赤 という強弱があり、強い相手にはダメージが2倍になります。 黒と白は互いに強い関係です。 苦手な相手だとダメージ 1/3。
開始前にそのステージで有利になる属性を確認できるので、その属性をメインにした編成で挑みましょう。
右はボス撃破のシーン。 爆発が文字なのがユニークですね。


ソーシャルゲーム部分は既存のパズドラ系と大差ありません
ステージをクリアするとロボットが得られ、「合成」でレベルアップさせられます。
素材が同じ属性なら経験値が 1.5 倍、合成費用はベース側のレベルに応じて高くなる、などの点も同じです。

ガチャには普通のガチャ(ゲーム内の資金を使って行うガチャ)と有料ガチャの他に、チケットで行うガチャもあり、このチケットはゲームの進行で割と頻繁に手に入ります。
よって SR クラスはともかく、レアクラスのロボットは入手しやすいですね。

ただ、やはりソーシャルゲーム。 ゲームの進行はテクニックよりロボットの強さに左右されます・・・
ゲーム中は徐々に「燃料」が減っていき、各エリアの最後のボスなどは耐久力が高いため、パーティーの攻撃力が十分でない場合、全く被弾していなくても途中で燃料が尽きてしまいます
メンバーのレベルに見合っていない強さのボスは、ゲームオーバーが避けられません。

タメ撃ちをうまく使えばジェムや★の入手量を上げることも出来ますが、明らかに攻撃力不足の場合は多少のテクニックではカバー出来ませんね。

ソーシャルゲームですから「スタミナ制」もあり、プレイごとに AP というポイントが減少し、なくなるとしばらく待たなければ再プレイできません。

ドンパッチン
※ロボットの「進化」は上位のロボットにするのではなく、同じロボットを合成してベースの能力を底上げするものです。 ただしその際にレベルが1に戻ってしまうので注意。
ロボットの能力は攻撃力だけでなく、燃料にも注目しましょう。 燃料がなくなればゲームオーバーであり、燃料の最大値はパーティーメンバーの燃料の合計になります。
そしてこの燃料は、強化合成によるレベルアップでは上昇しません。


ドンパッチン
※ワールドマップにはフレンドがどのエリアを攻略中かが表示されます。
そしてフレンドのロボットをメンバーに加えてステージクリアすると、そのフレンドを「応援」できて、AP(スタミナ)が 5 回復し、資金も少し増えます。
この AP +5 がかなり大きいので、フレンドは積極的に増やしておきたいところ。
応援された人は、応援した人を連れて出撃した時のボーナスが増加します。


ケイブのシューティングゲームとして見た場合、ゲーマーやコアなシューティングファンにとってはガッカリな作品であることは否めません。
ただ、私は一概に否定することは出来ない気もしています。

私は 1990 年代まであれほど隆盛していたシューティングゲームが、2000 年代に入って急速に衰退したのは、難易度が高騰しすぎて一般のユーザーが離れてしまったからだと考えています。
特に弾幕シューティングはゲーマーにとっては面白い反面、見た目が極端に難しそうで、ただ置いてあるだけで一般の人を遠ざけていた印象があります。

だからこういう簡単な一般向けのシューティングが出て来ること、それをシューティングの老舗であるケイブが作るということは、決して悪くはないのかな、と思います。
LINE 系のミニゲームよりは、明らかに「シューティング」していますしね。

ソーシャルゲームなのもまあ、課金次第でシューティングが苦手な人でも進めるゲームになっていると言えない事もありません。
これでシューティングの裾野が広がるんだったら、それで良いのかなと思います。

あと、やや話が逸れますが、このゲームを見ていて特徴的だと思ったのは、モバゲーでの運営のゲームなのにモバゲーが表に出ていないこと。
モバゲーのアカウントがなくてもゲストアカウントでプレイ可能で、ゲーム中にモバゲーの宣伝バナーが出るようなこともなく、課金時ぐらいしか Mobage や DeNA の文字は出てきません。
iTunes のメーカー表記も CAVE になっています。

先月公開された マジック&カノン もゲストアカウントでプレイ可能だったし、モバゲーの iPhone における運営方針の変化が感じられますね。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



本体は無料、当然ソーシャルゲームですから課金はあります。
課金ガチャは1回 300 円。 ただチケットガチャからレアを入手できますし、属性などを考慮してパーティーを編成していけば、無課金でも進んでいけます。

敵弾をかわしたり、ボスを攻略したり、ハイスコアを競ったり、そういう面白さはこのゲームにはありません。
しかしケイブシューらしい破壊と回収の爽快感は健在です
シューターの人も最初は「なんだこりゃ」と思うかもしれませんが、やってるうちに相応に楽しくなってくる・・・ かも。
そして「自分はシューティングが苦手で・・・」という人には、むしろ試してみて欲しいゲームですね。

・ドンパッチン (iTunes が起動します)(運営終了)