囚われたお姫様に一目惚れしてしまった下っ端のドクロ兵士は、魔王様を裏切り、お姫様を逃がしてあげることにしたのでした・・・
3DS で「パズドラZ」の発売をひかえ、さらにヨーロッパ&オセアニアでパズドラの展開を開始した絶好調のガンホーが、PS Vita で発売されていたアクションパズルゲームを iPhone / Android でも公開しました。
Dokuro」です。

PS Vita 版は昨年の6月に公開されており、国内外で高く評価され、様々な表彰も受けています
ダークな雰囲気の真横視点のアクションパズルという点では「Nihilumbra」や「LIMBO」に似ていますが、キャラクターが可愛らしく、ストーリーもコミカルで、親しみやすいデザインになっています。
チョークで描かれたような独特な絵柄も良いですね。

発売はガンホーですが、開発はゲームアーツというメーカーで、かつて「テグザー」や「シルフィード」、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」シリーズや「LUNAR」シリーズなどを作っていた老舗のメーカーです。
セガのハードで名作を作っていた印象が強く、現在はガンホーの子会社になっているようですね。

dokuro

左右移動の方向キーと、ジャンプボタン、アクションボタンで操作します。
アクションボタンは近くに何もない時は骨や剣などで攻撃を行い、レバーがある時はそれを操作、ブロックがあれば押したり引いたりできます。

操作性は良好で、近日発売される物理コントローラーに対応することがすでに告知されていますが、その必要を感じないほどタッチパネルでも快適にプレイ出来ます

ゲームの目的は、お姫様と一緒にゴール地点に到達すること。
お姫様は自動で動き、道があれば進み、段差があれば止まり、敵がいれば逃げます。
直接の操作はできないので、主人公のドクロはお姫様を護り、ブロックなどで道を作りながら、その進行をサポートします

また大きな特徴として、薬のボタンを押すとドクロが一定時間「イケメン王子様」に変身します。
王子様だとお姫様を抱っこして移動することができ、剣を振って敵を撃退することも可能です。
ただ、ドクロの時は2段ジャンプが可能で、さらに背が低いため狭いすき間に入れます。
ゲーム中はドクロと王子の形態を使い分け、それぞれの特徴を生かしながらパズルを解いていくことになります。

もう1つの大きな特徴は、画面を直接なぞって線を引く「チョーク」というアイテムがあること。
白いチョークで鉄球と支柱の間に線を引くとロープで繋がったり、赤いチョークで炎とロウソクを繋げると導火線になったりします。
PS Vita にもタッチパネルがあるので、それを生かそうとしたギミックのようで、当然スマホにもタッチパネルがありますから、違和感なく使えますね。

dokuro
※変身薬で王子様に変身! お姫様を直接抱っこできるので、段差を降りたり、素早く移動したい時にはこちらを使います。
でも正体はドクロなので、あとでお姫様がどう思うか・・・ その辺も物語のポイントですね。


dokuro3
※赤いチョークで大砲に導火線を引き、姫を撃ち出すシーン。
何の躊躇もなく大砲に収まるお姫様が笑えますw
他にもロウソクに火を灯し、明かりに弱い敵を撃退するなど、使い道は豊富。


dokuro
※レバーをグルグル回して足場を回転させるシーン。 自分だけではなく、お姫様の進行をサポートしないといけないのがこのゲームの特徴。
ただ、お姫様は敵には近づかないし、穴に勝手に落ちたりすることもないので、自分がヘタをしない限り「姫が勝手に死んでムカツク!」みたいなことにはなりません。 この辺の調整はうまく作られてますね。


1つのステージは 10 のエリアで構成されていますが、1つのエリアは短く、序盤は1~2分程度でクリアしていけます
だんだんパズルの難易度が高くなり、タイミングがシビアなシーンも出てきますが、1つのしかけをクリアするごとに区切りが付き、ミスっても直前からリトライできます。

この辺は海外のゲームに良くある、リトライを繰り返しながら進めていくスタイルだと言えますが、区切りごとに1つのエリアになっているおかげで、いつでも任意のシーンを再開・再プレイすることができます。
各エリアにシークレットコインが隠されていますが、とりあえずクリアしてコイン探しは後で行う、ということも容易ですね。

全部で 15 のステージがあり、よって総エリア数は 150 +α。
序盤はサクサク進みますが、後半は 10 分以上悩むようなエリアもあり、全体のボリュームは十分です
元々 PS Vita のソフトですし、市販ソフトのボリュームだと思えば良いでしょう。

ステージによっては巨大なボスも登場し、ストーリーも魅力的でユニークなタッチの絵で語られます。
BGM も素晴らしく、キャラの仕草も妙にかわいく、全体的にセンスの良さを感じるゲームですね。

dokuro
※手書きっぽい絵柄のストーリーシーン。 ちょっとジト目なドクロがやたらかわいいです。
一見すると暗いのですが、憂鬱な感じはなく、ほのぼの LIMBO って感じですね。

dokuro
※ボスも登場! それぞれ異なる攻略法が必要で、この手のパズルアクションのボスとしては、アクション性がやや高め。
でも難易度はそれほど高い訳ではありません。 ボスの動きがコミカルで良いです。


dokuro
※やや気になったのは白いチョークで鉄球や足場を繋げるシーン。 判定がややシビアで、少しでもズレていると繋がりません。
(そして「別の解法があるのかな?」と思ったりして、悩んでしまう・・・)
うまくいかない人はなんども繰り返してみましょう。


dokuro
※ステージ 4-6 のワンシーン。 序盤のエリアは割とサクサク進めるのですが、ステージ 4-5 と 4-6 だけは急にパズルの難易度が上がります
こういうシーンで試行錯誤を繰り返すのも楽しみと言えますが、この2つは本当に「前半の壁」と言えるので、どうしてもクリア出来ない人は 10 回使える「パス」の機能を使って後回しにするのをオススメします。
ここさえ突破してしまえば、またしばらく適度な難度のエリアが続きます。
再びパズルが本格化してくるのはステージ8の辺りからですね。


定価は 300 円。(しばらくは発売セールにより 100 円
昨年発売された PS Vita 版はカード版 2400 円、ダウンロード版でも 1800 円だったので、破格値もいいところです。
ボリュームとクオリティーを考えてもかなりお得ですね

操作が気になる事もほとんどないし、アクションパズルとしてケチを付けるような点は特にありません
PS Vita で発売された時は「ホノボノ系の割に後半が難しい!」という意見があったようですが、アクションパズルとしてはこんなもんだと思います。(海外製だともっとマゾいのが多いので・・・)
それに PS Vita 版の発売から1年経ってますから、ネット上に攻略情報も散見されますしね。
(また、スマホ版は難易度等の調整や最適化が行われているようです)

欧米を中心に、数々の賞を受賞したのも頷けるゲームです。
これが 100 円とか 300 円とか・・・ コストパフォーマンスは最高ですね。

Dokuro (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されている公式の PV です。
PS Vita 版のものですが、スマホ版とゲーム内容は変わりません。