広大な町を自由に散策できる「オープンワールド」のゲームであり、強盗や殺人など何でもやりたい放題できてしまう「クライムゲーム」(犯罪ゲーム)の代名詞でもある「Grand Theft Auto」(グランド・セフト・オート)シリーズ。 通称「GTA」。
道徳的に問題のあるゲームですが、その自由度の高さで世界的に人気のあるシリーズです。
スマホではすでに「Grand Theft Auto 3」や「Grand Theft Auto: Vice City」が発売されていますが、先日さらにシリーズ作が公開されました。
「Grand Theft Auto: San Andreas」です。
オリジナルは 2004 年に公開されていますが、日本で発売され始めたのは 2007 年になってから。
日本での発売が遅れた理由は、その非道徳的な表現がアメリカで問題となり、司法を巻き込んだ大きな騒動に発展したからで、そのため PS2 で発売された日本版には様々な規制が加えられました。
しかし今回発売された iOS 版は、日本版 GTA:SA で規制されていた「人を殺すとお金が出る」「倒れた人への追撃」「イベントでの麻薬の表現」などがそのまま残っているため、基本的に海外版と同じだと思われます。
いずれにせよ、暴力表現や犯罪行為の強いゲームなので、子供に見せられるようなゲームではありません。
この点にはご注意下さい。
主人公は故郷に帰ってきた黒人ギャング。 舞台は 1992 年のアメリカ西海岸です。
彼が不在の間にファミリーの所属するギャング組織は麻薬と抗争によって弱体化しており、それを復活させるために奔走することになります。
ただ、オープンワールドのゲームなので、本編そっちのけで好きなことをやって構いません。
その辺の人をぶん殴って金品を奪うことも、車を強奪して乗り回すことも、商店で銃を乱射しまくることも自由です。
ただし犯罪行為を行った場合、警察に追いかけられる事になり、それでも罪を重ねていると「手配レベル」が上がって大量のパトカーに追われ、そのうちヘリや特殊部隊まで現れる事になります。
まあ警察に追われながらハチャメチャな銃撃戦やカーチェイスをするのも、このゲームの醍醐味ではありますが。
また、今回はギャング同士の抗争は大目に見られているようで、他のギャングのメンバーを撃ち殺したり、車で轢いたりしても、手配レベルは(流れ弾が市民に当たったりしない限り)上がりません。
向こうから発砲してくることも多く、従来より戦闘が起こりやすくなっています。
ゲームの進め方は前より解りやすくなっていて、メインミッションの発生場所は自宅の近く。
少なくとも序盤は、依頼人があちこちにいたりすることはありません。
警察に捕まったりライフがなくなって倒れたりしても、若干($100)のワイロや治療費で放免となります。
ただしメインミッション中にやられた場合はチェックポイントからの再開となります。
中盤からのミッションにはかなり難しいものもあり、リトライを繰り返さないといけない場合もありますね。
※町には複数のギャング団がいて、シマ(縄張り)を争っています。
画像は別のギャング団同士がたまたま遭遇して銃撃戦を始め、援軍もやってきて、さらにそれに巻き込まれた車が止まって渋滞を引き起こしつつある状態。
ここにさらにパトカーが来たりすると大カオス状態になります。 そしてそういうケースがこのゲームでは珍しくありません。
※主人公が何もしてなくても、パトカーやヘリが犯人を追ってたり、どこかで銃撃戦が起きたりしています。
車を盗んだり通行人を殴っても、すぐ手配レベルが上がることはありませんが、警官の近くで犯罪行為をしたり、パトカーにぶつかったりすると現行犯ですぐ手配されます。
手配レベルが高くなると逃げ続けても減らないので、車に乗って塗装屋に入るか、一旦家に戻りましょう。
家に戻ってセーブすると時間が経過し、手配がなくなり、ダメージも回復します。
そして今作の特筆すべき点は、大幅に向上したオープンワールドならではの自由度。
まず、町が広い。マジで広い。
前作の時点で凄く広大だったのに、その5倍の広さを持つという今回のフィールドは、散策するだけで何時間かかるのか解らないレベル。
ユニークな地形や建物、壁画なども多く、迷子になっているだけでも楽しめます。
さらに利用できるショップが増えました。
前作までは町が広い反面、利用できる施設は少しだけでしたが、今回は飲食店、洋服店、バー、トレーニングジム、理髪店、車両改造屋など店が豊富で、ジムでは実際にトレーニングして筋力をアップでき、服を購入すれば自宅で着替えられます。
サブミッションも豊富にあり、タクシーや救急車で人を運ぶおなじみのものや、公道レース、侵入窃盗、パトカーで凶悪犯を追いかけるものなどもあります。
メインミッションもフォークリフトで荷物を運ぶとか、音ゲーの如くダンスするとか、バラエティーに富んでいます。
ガールフレンドとのデートや教習所での試験、他ギャングとの縄張り争い、カジノでのギャンブルなどもあり、とにかくやれる事がたくさんあります。
加えて細かいステータスやスキルが用意されており、自転車で走っていれば自転車スキルが上がって転け辛くなり、ピストルやマシンガンを撃っていれば照準が拡大します。
食べれば体脂肪が増えて太りますが、走っていれば痩せ、さらにスタミナも上がります。
「オープンワールド」の本領発揮といったところで、延々と遊べるゲームになってますね。
※車でダンス、フォークリフトで荷物運び、走り屋とレース、ジムでトレーニング。 他にもバスケとかカジノとか、色んなものがてんこ盛り。
本編も電車をバイクで追いかけるとか、屋敷に忍び込んでお宝をこっそり持ち出すとか、単なる「お使い」ではないミッションが豊富に用意されています。
※ハンバーガーショップで彼女とデートして好感度アップ。 もう何のゲームなんだか。
イベントシーンの人物の動きは相変わらず細かく、身振り手振りがリアルです。
ただ映画をリスペクトしていた前作 GTA:VC と比べると、カメラワークや動きが映画演出っぽくない。
今回は全体的に、アメリカの連続テレビドラマという雰囲気ですね。
9年前のゲームなので、さすがに今見ると 3D グラフィックのレベルは見劣りしますが、画面の解像度が増しているため、オリジナルより綺麗になっています。
iPhone 5 以上なら光と影の表現もリアルになり、車体への景色の写り込みも行われます。
旧機種だと影が省略され、色ものっぺりした感じになるようですが、動作速度は iPhone 4S や iPad 2 でも快適なようですね。(iPhone 4 以下はプレイ出来るレベルではない模様)
難点は、これは前々作からなのですが、iPhone でプレイすると文字がかなり小さいこと。
アルファベット表記以外はあまり考慮されていないようで、iPhone だと説明文などはギリギリ読めるといったレベル。
全体マップは見やすいものに一新されてますが、アイコンの説明は相変わらず小さいです。
iPad なら問題ないので、出来れば iPad でのプレイをお勧めします。
まあ文字がはみ出たり、文字化けしている訳ではないし、日本語化されているだけでも喜ぶべきでしょうか。
翻訳は問題なく、これまで同様、ギャングらしい口調の自然な文章になっています。
道徳的なものを考慮したのか、ポン引きの訳が「人材派遣」になってたりしますが。
※車体のボンネットとガラスの写り込みに注目。 これはオリジナルにはなかった模様。
車体のダメージ表現は相変わらず細かく、ちゃんとぶつかったところが壊れます。
※マップ画面。 今回はすごく広いので、上記に写っているのはほんの一角。
色分けされているのは各ギャング団のシマを表していて、ゲームが進むとこのシマの争奪戦を行う事になります。 もちろん相手から攻め込まれることもあり。
価格は 700 円。 このクオリティーとボリュームなら、むしろ安いぐらいでしょう。
本当、ボリュームという点では圧倒的であり、遊び尽くそうと思ったら何十時間かかるのか予想が付きません。
寄り道要素てんこ盛りのゲームですが、本編だけでも相当な量です。
私はオープンワールドのゲームは、そこで様々なことが出来るようになっていないとその意味がないと思っていますが、これだけ各要素が豊富だと文句なしですね。
戦闘中心のゲームではないので、FPS や格闘ゲームと比べると戦闘部分は簡易的ですが、前よりも多人数での撃ち合いが発生しやすく、そこから大事故に発展する場合も多いので、予想しない出来事が起こる面白さもあります。
まあクライムゲームなので、ここでオススメとは言えません。
日本のゲームほど解りやすい訳ではないし、かなりヘビーなゲームですから、それほどゲームをやらない人には重すぎるでしょう。
「良くも悪くも最高クラスの洋ゲー」と言えるでしょうか。
・Grand Theft Auto: San Andreas (iTunes が起動します)
道徳的に問題のあるゲームですが、その自由度の高さで世界的に人気のあるシリーズです。
スマホではすでに「Grand Theft Auto 3」や「Grand Theft Auto: Vice City」が発売されていますが、先日さらにシリーズ作が公開されました。
「Grand Theft Auto: San Andreas」です。
オリジナルは 2004 年に公開されていますが、日本で発売され始めたのは 2007 年になってから。
日本での発売が遅れた理由は、その非道徳的な表現がアメリカで問題となり、司法を巻き込んだ大きな騒動に発展したからで、そのため PS2 で発売された日本版には様々な規制が加えられました。
しかし今回発売された iOS 版は、日本版 GTA:SA で規制されていた「人を殺すとお金が出る」「倒れた人への追撃」「イベントでの麻薬の表現」などがそのまま残っているため、基本的に海外版と同じだと思われます。
いずれにせよ、暴力表現や犯罪行為の強いゲームなので、子供に見せられるようなゲームではありません。
この点にはご注意下さい。
主人公は故郷に帰ってきた黒人ギャング。 舞台は 1992 年のアメリカ西海岸です。
彼が不在の間にファミリーの所属するギャング組織は麻薬と抗争によって弱体化しており、それを復活させるために奔走することになります。
ただ、オープンワールドのゲームなので、本編そっちのけで好きなことをやって構いません。
その辺の人をぶん殴って金品を奪うことも、車を強奪して乗り回すことも、商店で銃を乱射しまくることも自由です。
ただし犯罪行為を行った場合、警察に追いかけられる事になり、それでも罪を重ねていると「手配レベル」が上がって大量のパトカーに追われ、そのうちヘリや特殊部隊まで現れる事になります。
まあ警察に追われながらハチャメチャな銃撃戦やカーチェイスをするのも、このゲームの醍醐味ではありますが。
また、今回はギャング同士の抗争は大目に見られているようで、他のギャングのメンバーを撃ち殺したり、車で轢いたりしても、手配レベルは(流れ弾が市民に当たったりしない限り)上がりません。
向こうから発砲してくることも多く、従来より戦闘が起こりやすくなっています。
ゲームの進め方は前より解りやすくなっていて、メインミッションの発生場所は自宅の近く。
少なくとも序盤は、依頼人があちこちにいたりすることはありません。
警察に捕まったりライフがなくなって倒れたりしても、若干($100)のワイロや治療費で放免となります。
ただしメインミッション中にやられた場合はチェックポイントからの再開となります。
中盤からのミッションにはかなり難しいものもあり、リトライを繰り返さないといけない場合もありますね。
※町には複数のギャング団がいて、シマ(縄張り)を争っています。
画像は別のギャング団同士がたまたま遭遇して銃撃戦を始め、援軍もやってきて、さらにそれに巻き込まれた車が止まって渋滞を引き起こしつつある状態。
ここにさらにパトカーが来たりすると大カオス状態になります。 そしてそういうケースがこのゲームでは珍しくありません。
※主人公が何もしてなくても、パトカーやヘリが犯人を追ってたり、どこかで銃撃戦が起きたりしています。
車を盗んだり通行人を殴っても、すぐ手配レベルが上がることはありませんが、警官の近くで犯罪行為をしたり、パトカーにぶつかったりすると現行犯ですぐ手配されます。
手配レベルが高くなると逃げ続けても減らないので、車に乗って塗装屋に入るか、一旦家に戻りましょう。
家に戻ってセーブすると時間が経過し、手配がなくなり、ダメージも回復します。
そして今作の特筆すべき点は、大幅に向上したオープンワールドならではの自由度。
まず、町が広い。マジで広い。
前作の時点で凄く広大だったのに、その5倍の広さを持つという今回のフィールドは、散策するだけで何時間かかるのか解らないレベル。
ユニークな地形や建物、壁画なども多く、迷子になっているだけでも楽しめます。
さらに利用できるショップが増えました。
前作までは町が広い反面、利用できる施設は少しだけでしたが、今回は飲食店、洋服店、バー、トレーニングジム、理髪店、車両改造屋など店が豊富で、ジムでは実際にトレーニングして筋力をアップでき、服を購入すれば自宅で着替えられます。
サブミッションも豊富にあり、タクシーや救急車で人を運ぶおなじみのものや、公道レース、侵入窃盗、パトカーで凶悪犯を追いかけるものなどもあります。
メインミッションもフォークリフトで荷物を運ぶとか、音ゲーの如くダンスするとか、バラエティーに富んでいます。
ガールフレンドとのデートや教習所での試験、他ギャングとの縄張り争い、カジノでのギャンブルなどもあり、とにかくやれる事がたくさんあります。
加えて細かいステータスやスキルが用意されており、自転車で走っていれば自転車スキルが上がって転け辛くなり、ピストルやマシンガンを撃っていれば照準が拡大します。
食べれば体脂肪が増えて太りますが、走っていれば痩せ、さらにスタミナも上がります。
「オープンワールド」の本領発揮といったところで、延々と遊べるゲームになってますね。
※車でダンス、フォークリフトで荷物運び、走り屋とレース、ジムでトレーニング。 他にもバスケとかカジノとか、色んなものがてんこ盛り。
本編も電車をバイクで追いかけるとか、屋敷に忍び込んでお宝をこっそり持ち出すとか、単なる「お使い」ではないミッションが豊富に用意されています。
※ハンバーガーショップで彼女とデートして好感度アップ。 もう何のゲームなんだか。
イベントシーンの人物の動きは相変わらず細かく、身振り手振りがリアルです。
ただ映画をリスペクトしていた前作 GTA:VC と比べると、カメラワークや動きが映画演出っぽくない。
今回は全体的に、アメリカの連続テレビドラマという雰囲気ですね。
9年前のゲームなので、さすがに今見ると 3D グラフィックのレベルは見劣りしますが、画面の解像度が増しているため、オリジナルより綺麗になっています。
iPhone 5 以上なら光と影の表現もリアルになり、車体への景色の写り込みも行われます。
旧機種だと影が省略され、色ものっぺりした感じになるようですが、動作速度は iPhone 4S や iPad 2 でも快適なようですね。(iPhone 4 以下はプレイ出来るレベルではない模様)
難点は、これは前々作からなのですが、iPhone でプレイすると文字がかなり小さいこと。
アルファベット表記以外はあまり考慮されていないようで、iPhone だと説明文などはギリギリ読めるといったレベル。
全体マップは見やすいものに一新されてますが、アイコンの説明は相変わらず小さいです。
iPad なら問題ないので、出来れば iPad でのプレイをお勧めします。
まあ文字がはみ出たり、文字化けしている訳ではないし、日本語化されているだけでも喜ぶべきでしょうか。
翻訳は問題なく、これまで同様、ギャングらしい口調の自然な文章になっています。
道徳的なものを考慮したのか、ポン引きの訳が「人材派遣」になってたりしますが。
※車体のボンネットとガラスの写り込みに注目。 これはオリジナルにはなかった模様。
車体のダメージ表現は相変わらず細かく、ちゃんとぶつかったところが壊れます。
※マップ画面。 今回はすごく広いので、上記に写っているのはほんの一角。
色分けされているのは各ギャング団のシマを表していて、ゲームが進むとこのシマの争奪戦を行う事になります。 もちろん相手から攻め込まれることもあり。
価格は 700 円。 このクオリティーとボリュームなら、むしろ安いぐらいでしょう。
本当、ボリュームという点では圧倒的であり、遊び尽くそうと思ったら何十時間かかるのか予想が付きません。
寄り道要素てんこ盛りのゲームですが、本編だけでも相当な量です。
私はオープンワールドのゲームは、そこで様々なことが出来るようになっていないとその意味がないと思っていますが、これだけ各要素が豊富だと文句なしですね。
戦闘中心のゲームではないので、FPS や格闘ゲームと比べると戦闘部分は簡易的ですが、前よりも多人数での撃ち合いが発生しやすく、そこから大事故に発展する場合も多いので、予想しない出来事が起こる面白さもあります。
まあクライムゲームなので、ここでオススメとは言えません。
日本のゲームほど解りやすい訳ではないし、かなりヘビーなゲームですから、それほどゲームをやらない人には重すぎるでしょう。
「良くも悪くも最高クラスの洋ゲー」と言えるでしょうか。
・Grand Theft Auto: San Andreas (iTunes が起動します)
銃撃戦時かなり重宝するのに