様々な戦法をパズルのように連鎖させ、敵をフルボッコにするのが楽しい、三国志をテーマにしたシミュレーション RPG が iOS で公開されました。
三國志戦記」です。

このゲームは元々 PS2 で 2002 年に公開されていたもので、その移植となります。
このゲームには1と2がありますが、今回移植されたのは1の方です。

正直、このゲームが発売されたことは私的には凄く意外でした。
コーエーは iOS で「信長の野望 全国版」や「三國志2」を発売しているものの、普通のゲームはここ3年ぐらい公開しておらず、携帯やスマホにおいては「ソーシャルゲーム専門メーカー」という印象がありました。

さらに普通のゲームを発売するとしても、まさか三國志戦記を選ぶとは・・・
無双とか、太閤立志伝とか、コーエーテクモだから Dead or Alive とか、他にもメジャータイトルが色々あるだろうと・・・

とは言え、私はこのゲームは PS2 でかなりやり込んでいたので、移植されたことは嬉しいですね。
インターフェイスもスマホ / タブレットに最適化されており、多数の兵士が現れる戦闘演出や、美しいストーリームービーなどもそのままです。
データ量が多く、インストール後のサイズは 1.29 GB あるのでご注意下さい。

三國志戦記

フィールドは四角のマスで区切られており、機動力の分だけ部隊を移動させ、敵を攻撃して全滅させるか、大将を撃破すれば勝利になるシミュレーション RPG です。

ユニットは「戦意」が高い順番に行動するため、敵と味方が交互に動く訳ではありません。
また、戦意は攻撃やダメージによって増減するため、各ユニットの動く順番は毎ターン変わります
ただ、ユニットの上には動く順番が表示されているため、「誰がいつ動くのか解らない」ということはありません。

このゲームの大きな特徴は、敵や味方を強制的に移動させる効果を持つ様々な「戦法」があり、しかもそれが連鎖で発動すること。
例えば、「突撃」を持つ武将の前に、攻撃した敵を引き寄せる「偽退誘敵」で敵を誘い込むと、この2つが連続で発動して大きなダメージを与えられます。

うまくしかければ、味方を前進させる「督戦」を使って突撃を持つ武将を前に出し、相手にダメージを与えつつ「突撃」で敵を押し込み、押し込んだ先には「伏兵」を持つ武将が待ち構えていて、さらに伏兵を受けて逃げた先には「側面攻撃」を持つ武将がスタンバっていて、さらにそこから逃げた先には「単騎駆」を装備した関羽が待ち構えている、というような文字通りの「孔明の罠」をしかけることができます

ここまでフルボッコにしなくても合戦には勝利できるのですが、大ダメージを与えれば部隊は大きな経験値を得られますし、相手を捕縛して味方に加えられる確率も上がります。

うまく戦法を連鎖させるには、敵味方の行動順に注意し、連鎖する順番を逆算しながら各武将の位置と向きを整えていく必要があります。
その過程はシミュレーションと言うよりはパズルに近く、ある意味「シミュレーションパズル」「ピタゴラ系+戦術 SLG」と言っても良いかもしれません。

戦法が発動する際には多数の兵士が登場する、3D グラフィックのリアルな戦闘シーンが表示されます。
武将のボイスも豊富で、時には一騎討ちが発生したり、ライバル武将の激突が起こる場合もあります。

三國志戦記
※連鎖発生中のシーン。 四撃、五撃と連鎖数が表示され、その度に与えるダメージが増加していきます。
たまに戦法の字が燃え上がり、この時はクリティカルが発生します。
普通の攻撃でも相手がザコの場合、一騎討ちによる一撃必殺が起こる場合もあります。


三國志戦記
※軍師のみ「連環」という技を使うことが出来ます。 これは戦法の実行の予約で、使った相手には輪っかが表示されます。
この状態で味方の誰かが戦法を使うと、その場所に関わらず、連環で予約していた戦法も実行されます。
これにより離れた場所でも連鎖を繋げることが出来ますが、連環実行中の軍師が攻撃を受けると解除されてしまいます。


三國志戦記
※張遼と甘寧が戦闘で遭遇したシーン。 こういうミニイベントがたくさん盛り込まれているのも特徴。
会話があるイベントのセリフはすべてフルボイスです。
曹操のセリフは銀河万丈さんなので、なんだかとってもギレン・ザビ。


戦闘の合間には「戦略シーン」があり、ここで軍団の編成や移動などを行うことが出来ます。

ただ、内政のようなものはなく、武将を「使者」にして交友のある在野武将を登用したり、外交の特性を持つ武将を他国に送って同盟交渉をしたり出来ますが、ストーリーの進行に合わせて占領目標や参戦勢力、制限ターン数などが決められていて、無関係な相手を攻めたりすることはできません。

シナリオ開始時に作戦が提示され、それに沿って動く形ですね。
戦略シミュレーションではなく、あくまでステージクリア制のゲームといった感じです。

ただ、シナリオによっては作戦が複数提示される場合もあります。
例えば劉備の場合、呂布と同盟するか、それとも交戦するかでストーリーが分岐します
曹操の場合、袁紹が勢力を拡大した時、袁紹と対決するか、袁紹と一旦同盟するかを選べます。

必ずしも史実通りの選択が良いとは限らず、史実に反した展開に持ち込むことも出来るので、その辺もこのゲームの面白さでしょう。
オープニングや重要な場面では見応えのあるムービーも表示されます

三國志戦記
※戦略画面。 でも出来るのは在野武将の登用と軍団の編成・移動ぐらい。
在野武将の登用には友好関係のある武将が必要なので、取れる武将は限られています。
基本的に他国武将は、戦場で連鎖を決めてゲットするものだと思った方が良いでしょう。
なお、「工作」の特技を持つ武将を使者にして戦地に派遣すると、工作部隊として戦場に登場します。


三國志戦記
※劉備編のオープニング。 毎度おなじみの桃園の誓い。
ムービーは結構たくさん盛り込まれていますが、マルチストーリー&マルチエンディングのゲームなので、すべて見ようと思ったら様々な展開を試さないといけません。
2周目以降でないと発生しない展開もあります。


iOS 版の特徴ですが、まずグラフィックが高解像度に合わせて細密になりました。
PS2 の 3D モデルなので、iPad で見るとやや角張った感もありますが、iPhone ではかなり綺麗ですね。
ムービーはさすがに高精細に出来ないので、ややぼやけた感じがありますが、元々の品質が高いため、十分美しいと言えるレベルです。

また、新しいルールとして「行動順自由」が追加されました。
これをオンにすると戦意による行動順がなくなり、こちらが全員動いたら相手の番になるという、完全なターン制のゲームになります
このルールだと連鎖中に敵に割り込まれる心配がなく、こちらの全部隊を使って連鎖のしかけを好きなように組み立ててから発動できるので、手軽に大連鎖できます。

ゲームが簡単になり過ぎる印象があり、激励や威圧などの戦意をコントロールする戦法の意義も乏しくなりますが、連鎖の組立は慣れないと難しいので、スマホのゲームである事も考えると、こういうイージーモードも必要かもしれませんね。
なお、行動順自由のオンオフに制限はなく、戦略画面でいつでも切り替えられます。

課金要素が加わったことも、一応変更点と言えるでしょうか・・・
好きな戦法を習得させられる「兵法書」と、真・三國無双7のキャラクターモデルが課金アイテムとなっています。
ただ、どちらも必須なものではありません。

オートセーブも備わっており、これと言った難点は見当たりませんが、強いて言えば連鎖の組立で頭が混乱するかもしれません。
普段あまりゲームをしない人には、ちょっと複雑なシステムと言えそうです。
まあ「行動順自由」でだいぶラクになりますが。

三國志戦記
※2人の軍師の提案。 たいてい2つの献策が行われ、どちらかを実行することになります。
史実通りの行動を行えば、史実通りの結果になっていきますが・・・ まずは思うままに選択していくのが良いでしょう。


本体は無料ですが、そのままでは体験版に過ぎず、序盤の2ステージしか遊べません。
課金は全ストーリーの一括購入で 1600 円
個別購入の場合、魏・呉・蜀 の前編・後編がそれぞれ 300 円です。

個別で全部買うと 300x6 で 1800 円になるので、全てやり尽くすつもりなら一括購入の方が良いです。
ただ、このゲームは1つの勢力だけでも相応のボリュームがあります
その勢力の全エンディングを見ようと思ったら尚更です。
個別で全部買っても 200 円しか違わないので、とりあえず好みの勢力を 600 円で前後編買う、というのも良いですね。

PS2 時代のゲームソフトの移植なので、ちょっと古く見える部分もありますが、ボリュームやクオリティーなどは十分です。
三国志や戦術シミュレーションゲームが好きな人にはオススメですね。
最近、大航海時代の新作をブラウザゲームで出すという発表も行われましたが、コーエーも脱ソーシャルゲームに向かっているということなのでしょうか?

三國志戦記 (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

・連鎖は敵の行動順を見て、そこから逆算して考えましょう。
・例えば行動順が7番目の敵がいた場合、近くに6番目に動ける味方がいるなら、その味方が起点となります。
・そしてその敵を攻撃できる位置の味方の戦法をチェックして、どんな連鎖が出来るか考えます。
・ただし5番目に動く敵が近くにいる場合、その敵の行動によって邪魔される場合があります。 起爆前に動く敵がいる時は、連鎖は出来ないと思った方が無難です。

・戦法を受けて敵が動く場合、移動方向を向きますが、「奮闘」や「突撃」で動いた敵は移動後に攻撃した部隊の方を向きます。
・移動先が塞がれている場合は動きません。 相手を完全に取り囲んでしまえば連鎖は容易になります。
・連鎖を発動できる味方が複数いる場合、戦意の高い方から行動します。
軍師の「連環」は手軽に連鎖数を増やせるので多用しましょう。

・戦法を使わない時でも、通常の攻撃を行っておきましょう。 それによって相手の戦意を少し落とせます。
・「督戦」「激励」「威圧」などの戦意を増減させる特技は、行動順を有利にしたり、武将の特性を発動させるため、連鎖でなくても活用しましょう
・「後方奇襲」は相手を混乱させます。 単発でも便利な特技で、混乱した敵は次のターンは動けないので、ゆっくり連鎖を準備できます。
・「挑発」は遠くにいる敵を移動力を無視してこちらに引き寄せる強力な戦法です。 「陥穽」も同じ使い方ができます。

・曹操(奸雄)は戦意 80 以上で知謀・統率の戦法が使い放題になります。 「挑発」「激励」「後方奇襲」などを連発できます。
・劉備、孫権、曹丕(英雄)も戦意 80 以上で統率系を使い放題なので、「激励」「後方奇襲」があれば連発できます。
・孫策(覇王)と「万人敵」の特性を持つ人は戦意 80 以上で武芸系を使い放題です。 「督戦」は武芸系です。
・軍師タイプの人が持つ「策士」は戦意 80 以上で知謀系が使い放題になりますが、開始時の戦意が低い場合が多く、活用はやや難しいです。
・条件が満たされて武将の特性が発揮される状態になると、部隊から湯気(オーラ?)が上がります。

・ゲーム序盤はまだ戦法が少ないので、あまり無理はしないように。
・難しいと思ったら、戦意をあまり気にしなくて良い「行動順自由」でプレイした方が良いでしょう。 そこである程度慣れてから、通常のプレイに切り替えた方が良いかもしれません。