先日、Apple が選出した 2013 年の優秀アプリの表彰「BEST OF 2013」が発表されました。
その内容は 先日お伝えした 通りで、日本の Apple で選ばれた「ベストゲーム」は、アスファルト8 だった訳ですが・・・
しかし、これはあくまで日本の話

欧米各国など、多くの国で選ばれている BEST OF 2013 は、全く別のアプリです。
Ridiculous Fishing - A Tale of Redemption」です。

魚を釣り上げて銃で撃ちまくるというゲームで、こういう表現は何ですが、いかにも狩猟文化的、銃社会的なゲームですね。
しかし内容はベストアプリに選ばれるのも解るぐらい面白く、手軽に遊べます。
公開はオランダの小メーカーのようです。

Ridiculous Fishing

このゲームは3つのステップで成り立っています。

まず、ルアーを投下して出来るだけ深く沈めていくシーン
魚釣りのゲームではありますが、このシーンでは魚をひたすら避けていきます。
操作は本体を傾けて行い、操作性は悪くありません。

上位のルアーを手に入れると、画面を押しっぱなしにすることでルアーがドリルのようになり、魚を突き破ることが出来ます。
ただしドリル使用中はエネルギーが減っていき、なくなると使用できません。
釣り糸の限界まで達するか、ルアーが魚に触れて食いつかれてしまうと、次のステップに移ります。

次のシーンではルアーを引き上げながら、次々と魚を釣っていきます
引き上げは自動で行われ、ルアーに触れた魚は次々と食らいつきます。
と言うか、ルアーで魚を引っかけていくような感じですね。
この時は沈める時とは逆に、出来るだけ魚を取っていきますが、クラゲを引っかけてしまうと後でマイナスになります。

引き上げ終わると、釣った魚がバーッと上空に放り投げられて次のステップに。
最後は放り投げられた魚を、なんと銃で撃ちまくります

画面をタップしまくり、ショットガンをバンバン売って魚を粉々にしていきます。
ゲームが進めば押しっぱなしで連射するマシンガンや、広範囲を攻撃できる爆裂銃なども使用できます。
一応、売った魚は換金されているという設定ですが、まあ木っ端微塵にしているようにしか見えません。
爽快感のあるシーンですが、クラゲは撃つと減額されるので、出来れば避けた方が良いです。

最後に釣果(?)に応じてお金を貰え、それで糸やルアー、銃などの様々なアイテムを購入できます。

Ridiculous Fishing
※左は魚を撃ちまくっているシーン。 食わずに撃つ。 もはやフィッシングと言うよりハンティング。
軽い魚は月が見えるぐらい上空まで飛んでいきます。
右はショップ画面で、釣りをする前にスマホのアイコンをタップするとメニューが表示されます。
釣りの中断はアイテムのナイフを購入しないと行えません。


まったくゲーム性の異なる3つのシーンが連動して1つのゲームになっているのがユニークですね。
最初の回避と引き上げのシーンを経ているからこそ、その後の銃撃シーンの爽快感も増していると言えます。

また、このゲームの面白さは、その効果がハッキリしていて、テンポ良く実行できるパワーアップにもあるでしょう。
ルアーを買い換えればドリル化した時のスピードが上がり、燃料タンクを買えばドリルの使用時間を延長できます。
深く潜るには糸の買い換えが必要で、深海に行くには暗がりを照らすライトが必要。

これらのアイテムの購入によって、目に見えてゲームがラクになり、より深く潜れるようになっていきます。
パワーアップのバランスが良く、ゲームがサクサク進行するため、思わずハマってしまいます。

もちろん深く潜れば新しい魚を発見できます。
そして釣り上げた(撃ち落とした)魚の種類が一定数を超えると、次の海域に移動することが出来ます

Ridiculous Fishing
※左は釣った魚の種類の確認、右は海域移動画面。
後の海域ほど魚の換金額が高くなりますが、向こうから食らいついてくる魚や、分裂するクラゲなど、厄介な奴も出てきます。 特に水色の分裂クラゲは要注意!
なお、ショートゲームと言えますが、あるものを釣り上げるとエンディングになります。 ちゃんとエンディングがあるゲームは良いですね。


楽しめるゲームですが、難点というか、不謹慎というか、そういうのを強く感じるのは・・・
釣った魚を銃で粉々にする(ように見える)その内容でしょう。

日本では釣った魚は食べるというのが当たり前で、生き物に対する道徳のようなものでもありますが、このゲームはそうじゃない。
根こそぎ釣った魚をガンガン銃で撃ちまくり、粉微塵にします

そこに日本人が感じる不道徳性は、もう善悪の話じゃなくて、文化の違いとか、狩猟民族と農耕民族の違いとか、銃社会かそうでないかとか、そんなものである印象を受けます。

もちろんこれはあくまでゲームであり、ジョークであることは百も承知です。
アプリ名も Ridiculous Fishing(おバカなフィッシング)ですからね。
が、日本人だとジョークとしてもこれはない
このアプリが日本だけ Best of 2013 の選出から外れているのは当然と言えるでしょう。

以下は Youtube で公開されているゲームトレーラーです。



価格は 300 円。 ショートゲームとしてはやや高めですが、値段以上の面白さがあり、課金もありません。
(ゲームが進むと、追加課金のあるゲームを皮肉るような魚も出てきますw)

道徳性についてネガティブなコメントをしましたが、ゲーム自体は欧米の Apple がベストゲームに選んでいるだけの楽しさがあります。
サクサク進む分、割と早い段階でエンディングや最後の海域に到達できてしまいますが、このゲームはテンポの良さも長所でしょうから、これで良いと思います。

こういう日本では作られないようなアプリを楽しめるのも、世界市場である iTunes の良い点と言えるでしょうか。

Ridiculous Fishing - A Tale of Redemption (iTunes が起動します)