地中深く掘り進み、鉱石やお宝を探していく、シンプルでスピーディーな穴掘りゲームが人気になっています。
ディグディグ」です。

欧米各国でスマッシュヒットを飛ばしていたアプリで、マインクラフト系の穴掘りをショートゲームにアレンジした内容と言えます。
先に言ってしまいますが、このゲームにまともな「ゲーム性」はありません
プレイヤーのテクニックがほとんど影響しない内容で、ゲームと呼ぶには単純すぎるシステムです。

ところが、テンポの良いゲーム展開、派手で爽快感のある演出、パワーアップによりどんどん掘り進めるようになるシステムなどにより、妙にハマれる内容に仕上がっています

このゲームは元はカナダのメーカーが作った「Pocket Mine」という名前のアプリでした。
実際に Android ではこの名前で公開されています。

しかし日本での販売と運営は、ハッピーストリート の日本運営も担当している 3rdKind という会社が行っており、日本語版のみ「ディグディグ」という名前に改められています
日本の会社がローカライズを担当しているため、翻訳におかしな点はありませんね。
なお「ディグダグ」とは何の関係もありません。 念のため。

ディグディグ Pocket Mine

画面が下へスクロールしていくので、画面から消えないよう土のブロックをタップして掘り進んでいきます。
ブロックを掘るとピッケルの耐久力が1減ります
たまに2回掘らないと壊せない石のブロックや、破壊できない硬いブロックも現れます。

カーボンや金が混じっているブロックを壊すと鉱石を回収でき、後でお金が増えます。
ピッケルの耐久力がなくなるとそれ以上掘れなくなり、そのままスクロールに押されて消えるとゲームオーバーです。

ピッケルの耐久力が 50 なら、50 回掘ったら終了です。
アイテムによって若干増える場合もありますが、掘れる回数が決まっている以上、どうあがいてもそれより深くは潜れません。
前述したようにテクニック云々のゲームではなく、進める距離がほぼ決まっています
そこに「ゲーム性」と呼ぶべきものは、あまり感じられません。

しかし稼いだお金でピッケルをパワーアップさせることで、どんどん耐久力を上げていけます。
ほぼ「進める距離=ピッケルの耐久力」ですから、パワーアップさせる事で「確実に」「誰でも」より深く進めるようになっていきます

1回のプレイが短く、確実にゲームが進展していき、それをテンポ良く繰り返せるため、「こんなのゲームと言えるのか?」と思いつつも、ずっとやり続けてしまいますね。

また操作性が良さも、この遊びやすさに繋がっています。
ブロックをタップすると、主人公はその場所に超高速で移動して穴を掘ります。
何もない空間をタップした時も、そこにすごい速さでハシゴをかけて、高速で昇っていきます。
とにかくストレスなくサクサクと動くのです

その快適さとスピード感は、同じ穴掘りゲームでありながら、常に操作を気にしなければならなかった iOS 版ミスタードリラー とは正反対ですね。

ディグディグ Pocket Mine
※地中にはランダムで爆弾や手榴弾、回復ボックスなどが埋まっています。
爆弾の爆発でもこれらを回収できるので、爆発物から回収した方がピッケルの節約になります。
右はゲームオーバー時の様子。 地中のアイテムが透けて見え、コンティニューを促されますが、コンティニューしてもピッケルの耐久力は少ししか回復しないので、またすぐ掘れなくなります。
課金通貨(ルビー)はキャラのアンロックにも使うので無駄使いしないように。


さらにこのゲームを延々と続けてしまう理由が、お宝の収集要素と様々なお助けアイテム

ゲーム中、「木箱」や「宝箱」が見つかる場合があり、木箱からは豊富な「コレクション」を手に入れられます。
その数は非常に多く、色々なものが出てくるため、思わず集めたくなります。
同じシリーズのお宝をコンプリートするとボーナスが貰えるおまけもあります。

そして宝箱からは「カード」を手に入れる事ができ、「爆弾の出現率アップ」や「鉱石が爆発するようになる」「ダイナマイトのパワーが増す」などの効果を得られます。
カードは使い捨てではありませんが、ゲーム開始前にランダムで3枚選ばれ、使うものを任意に選択することは出来ません。
ただ、多少の資金で「引き直し」が出来るため、カードが集まったらこれをうまく選ぶのがコツになります。

そしてこれらのカードでゲーム中に出てくる爆弾、可燃ガス、掘削ドリルなどの効果がアップすると、連鎖爆発で画面中の土砂がまとめて吹っ飛んだりするようになります
その際の爽快感はなかなかのものですね。

ただし宝箱を開けるには「」が必要になり、これはプレイごとに提示される条件(鍵ミッション)を満たさないと手に入りません。
「石を一定数壊す」「金鉱石を一定数集める」などの条件があり、鍵が欲しい時はそれらを優先する必要があります。
なお、同じカードは「合成」で強化できるので、入手カードがダブっても無駄にはなりません。

ディグディグ Pocket Mine
※左は使用するカードと鍵ミッションの表示画面。 カードは「シャッフルする」のボタンを押せば、ロックしていないものを入れ替えられます。
また、全部入れ替えたい場合は「戻る」を選択し、再度「PLAY」のボタンを押せば一新されます。 この方法で鍵ミッションも変更することが出来ます。
右はコレクションの画面。 Facebook アカウントがあれば、知人と交換が出来るようですが・・・


「カード」があったり「宝箱の鍵が必要」と聞くと、本体無料のゲームですから、「あぁ、課金ゲーか」と思う人もいるかもしれません。
しかしこのゲーム、無課金でも全く問題なく遊べます

鍵やカードはプレイを通して十分集められますし、深層に行けるようになればスーパーレアのカードが入った宝箱も入手できるので、課金ガチャをする必要はありません。

課金演出やスパム的なアピールが少ない訳ではなく、Facebook の知人に知らせると課金通貨が貰えたり新しいキャラクターがアンロックされるしかけがあり、そのアピールは頻繁に出てくるのですが、実行が必須なものではありません。

「スタミナ制」が存在し、1回プレイするごとに1減少、最大は5で1回復するのに 30 分かかります。
5回プレイしたら全回復まで2時間半ですね。
ただ割とレベルアップが頻繁で、その度に全快しますし、それほどプレイ制限は厳しくない印象です。

以下は Youtube で公開されている公式のプロモーションビデオです。



ゲームのルールはあまりにシンプル。
でもプレイが快適で演出や続けさせる工夫も非常にうまい、という感じでしょうか。

プレイ感としては、ただタップでクッキーを増やすだけなのに延々と続けてしまう Cookie Clicker や、コインを落とすだけなのに止め時が見つからないコイン落としゲーム、スロットを回すだけなのに演出と期待感で続けてしまうパチスロなどに通じるものがあると思います。

それでも私としては「もうちょっとテクニックや攻略要素の入り込む余地があれば」と思うのですが、あまり「ゲーム」が出来ないユーザーも取り込むことを考えると、これで1つの正解なのでしょうね。

ここ最近、テンポ良く繰り返しプレイでき、パワーアップが面白さの中心にあるものがヒットしている印象ですが、これもその1つと言えるでしょうか。

ディグディグ (iTunes が起動します)