ゲームオーバーになり、コンティニューされなかったゲームの主人公。
死んだ彼がメモリから消される前に見た、刹那の物語。
それが「continue?9876543210」です。

システムに消されていくコンピューターのデータの世界を描いたアクションアドベンチャーゲームで、死と消滅が避けられないメランコリックな内容ですが、演出や世界感には宮沢賢治の様な雰囲気がありますね。

全編英語のゲームなので、日本人には解り辛い部分もあるのですが、物語の流れは画面の演出によって表現されるため、文章が理解できなくても大丈夫です。
ぶっちゃけ「雰囲気ゲー」なので、細かい部分が解らなくてもフィーリングで楽しめます。

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ゲームで死んだ主人公がプログラムから切り離され、メモリの中のゴミデータの片隅で目覚めるところから始まります。
ここまでのオープニングがすでに見応えがあるので、いきなりゲームに引き込まれますね。

画面左の仮想スティックで移動し、右にあるボタンで剣を振ったり、会話を行ったりします。
スティックの位置は固定ですが、オプションでスティックなし(画面左側をスライドした方向に移動)に切り替えることも出来ます。
ただ、操作性はお世辞にも良いとは言えず、ここは難点と言えます。

最初のゴミデータのシーンを抜けると、11 あるエリアのどれかにランダムで移動します
炭鉱、農園、都市など、様々なフィールドがありますが、これらも消されるデータであり、主人公は消去が始まる前に次のエリアに移動しなければなりません。

ゲームの流れは、各所に湧き出てくる人と話し、お金(FOO)を払ってどこかの扉を開けて貰い、その中に入るのを繰り返します。
人と話した時に「PAY」と「EXIT」という選択が出てきた時、PAY の方を選べば、表記されている分だけお金を払います。

開いた扉に入ると、MY LIGHTNING(電撃)と MY PRAYER(祈り)のどちらかを選ぶか、質問をされるか、神殿になっているかの3つのパターンになります。

MY LIGHTNING を選ぶと、落雷によって道を塞いでいる障害物がランダムで破壊されます
これにより次のエリアへの道を切り開くことが出来ます。
MY PRAYER を選ぶと、リトルタウンのエリアに建物が1つ建ちます
これについては後述しますが、これを増やしていくことが当面の目的になります。

質問された場合は、三択で解答を行います。
誰もいない場合もありますが、この時も選択肢があるなら質問されているのと同じです。
答えに関する情報は町の人から得られるので、解らない時は「EXIT」で出て情報を集めましょう。
正解すれば MY LIGHTNING か MY PRAYER を選ぶことが出来ます。

ただ、誤答してもペナルティを受ける事は少なく、代わりにお金が貰えたり回復したりする事もあるので、時には勘で答えるのもアリですね。

神殿(SHRINE)は RETURN(返却)を選択すると、戻すアイテムを選択でき、正解なら MY PRAYER(祈り)と同じ効果になります。
しかしこちらは間違うと、せっかく建てた建物を破壊されるペナルティを受けるため、情報を得られるまで手を出さない方が無難です。

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※左下に PAY 10 と書いてあります。 これをタップすると、FOO を 10 支払って扉を開けて貰えます。
FOO は右上に小さく書いてありますが・・・ 正直言って見にくい。


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※扉に入ってボタンがいっぱい出てきたら質問されています。
人と話した時に「PAY」のボタンが出てこない時は、質問に対するヒントを話している場合が多いので、意味まで理解しなくて良いので、単語を覚えておきましょう。


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※神殿(SHRINE)に返還するアイテムの選択。 アイテムは探してくる必要はなく、最初から持っています。
注意として、各エリアには名前の異なる2つの神殿があります。
神殿の情報を得た時は、どちらの神殿の情報なのかよく見ておきましょう。


前述したように、主人公も各エリアもメモリ内の消されるデータです。
エリアには 45秒×4セット60秒x2セット の2種類があり、1セットの時間が経過すると周囲の地面が崩壊、ゴミデータを食べる四角いパックマンみたいな敵が襲いかかってくる戦闘シーンに落とされます
(建物の中や会話中は時間は進みません)

この戦闘シーンは複数用意されており、広いフィールドでひたすら敵が出てくるものや、スーパーマリオみたいな横スクロールのエリア、ゼルダのようなミニダンジョン、さらにインベーダーのようなシューティングシーンもあります。
切り抜けることで元のフィールドに復帰でき、さらにボーナスとして戦闘シーンで入手した鍵の数だけ扉が開き、道を塞ぐ障害物が破壊される場合もあります。

ただし一度落とされると通常のフィールドにも敵が出るようになり、触れると戦闘に巻き込まれます。
さらに規定のセットが全て終わると、システムによるガベージコレクション(メモリの解放)が始まり、フィールドはどんどん崩壊していきます。
もし落下するとペナルティとして MY PRAYER で建てた建物が複数壊されてしまうので、その前にエリアから脱出しなければなりません。

そして2つのエリアを抜けると・・・
主人公はリトルタウンに辿り着き、本格的なガベージコレクションが始まります。

主人公はリトルタウンに建てられた建物の中に避難し、ガベージコレクションの嵐が過ぎるのを待たなければなりませんが、建物はどんどん壊されていきます。
全ての建物が破壊されて逃げ場を失うか、時間内に次の建物に避難できなかった場合、主人公は消去され、物語は終わります。

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※横スクロールのアクションシーン。 この視点の時だけジャンプボタンが現れます。
フィールドの敵にぶつかった時も横視点の戦闘シーンになりますが、クリアすると FOO が貰えるため、金欠の時はあえてバトる手も。
ただしやられてライフ(RAM)が尽きると、80 FOO で復活するか、40 FOO で買える車のパーツを使うか、もしくは建物が破壊されるかを選ぶことになります。
基本的には建物が壊されることになってしまいます。


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※フィールドが壊されると、復帰してもこんな風に×マークや赤いブロックになってしまいます。
だんだん壊れていく世界に、ちょっとした恐怖感がありますね。


このゲームの最大の見どころは、その世界感と、ステージの合間に入る演出シーンでしょう
中空を飛ぶトラックに乗り、様々な世界を旅していく様子は、ちょっとした童話小説のような雰囲気があります。

キャラクターの動きも滑らかで、サウンドも非常に良いですね。
演出には何を表現したいのか解りにくいものもあるのですが、これはあえて抽象的にしているのでしょう。

価格は 400 円。 値段分の価値のある作品だと思います。
非常にクオリティーの高い「雰囲気ゲー」ですね。

continue?9876543210 (iTunes が起動します)


最後になりましたが、以下は Youtube で公開されているオープニングトレーラーです。