春のクソゲー祭り」延長戦、その1。
映画「レッドクリフ」で知られるジョン・ウー(呉宇森)監督が監修を行ったという、水墨画のようなグラフィックが印象的なバイオレンスアクションゲームが先日公開されました。
Bloodstroke」です。

監督のネームバリューと独特なビジュアルで、かなり注目されていた作品だったのですが・・・
悪い意味での「映画監督のゲーム」って感じですね。

ジョン・ウー監督は香港出身の方ですが、ゲームの開発はロサンゼルスのスタジオ Moonshark が行っており、販売は大手パブリッシャーの Chillingo です。

淡いモノトーンの背景に真っ赤な鮮血が飛び散るゲームで、同監督の作風である「バイオレンスの詩人」のイメージがそのまま表現されています。
ただし流血表現が強いため、そういうのが苦手な方はご注意下さい。

Bloodstroke

赤い服を着た主人公をスティックで操作し、同行者を護衛して、目的地まで送り届けます。
画面は自動でスクロールしていき、同行者も勝手に進んで行くので、その少し先を走って待ち構えている敵を排除していきます。

攻撃方法は体当たりによる斬撃と、ショットボタンによる銃撃
倒した敵は真っ赤な鮮血を吹き出して倒れます。
ただ、血は少し経つと黒くなっていくので、赤色が目立つ表現になっていますが、画面が血だらけになることはなく、そこまで残酷ではありません。

そしてこのゲームの主人公は、なんと無敵
敵は主人公や同行者にバンバン銃を撃ちますが、主人公は超強力な主人公補正を持っており、銃弾はかすりもしません。
体力は同行者にのみ存在し、そちらが撃たれてやられるとゲームオーバーです。

よってやることは、ひたすら敵に突っ込んで倒しまくるのみ。 回避とかガードとかは存在しません。
斬撃で倒すと得点が3倍になるので、出来るだけ体当たりで倒し、倒しきれない敵や斬撃できない位置の敵を銃で処理していく形ですね。

Bloodstroke
※数人にマシンガンを連射されても傷1つ付かず、ナイフの一降りで大男やエージェントをザクザク殺戮していく主人公。 いくらなんでも無敵すぎ。
現代の町の風景が水墨画で表現されている、ミスマッチ感のあるビジュアルはすごく良いですね。


Bloodstroke
※ステージ選択画面とストーリーシーン。 これらも全て赤と黒の墨だけを使ったスタイルで描かれています。
ぶっちゃけ、このビジュアルを見るためのアプリ、という感じですね・・・


で、ここまでの説明で、すでに不安になった方もいるでしょう。
「主人公が無敵なの? やられないの? それって面白いの?」と。

えぇ、ハッキリ言いましょう。 面白くないです。

全くダメージ受けないので、敵は単なる得点アイテムです
同行者を守る必要はありますが、内容としては「アイテムを逃したらダメージ」みたいな感じ。
自分がやられる可能性がないおかげで、スリルは欠片もなく、テクニックが必要な場面もほとんどありません

「もっとゲームが進めば面白い展開になっていくのかもしれない」という淡い期待を持ちながら、2時間ほどやってみましたが、結局何も変わりませんでした。
後半は敵が硬くなり、配置も難しくなってきますが、こんなゲームですから攻略と言えるものは敵の配置を覚えるぐらいで、ハッキリ言ってパターンゲー

そして決定的にダメだと思ったのが、バイクで走ってくる敵。
この敵は高速で同行者に突っ込み一撃で倒してしまうため、急いで対処する必要があるのですが、これが画面の後方、同行者のすぐ側に、何の前触れもなく出現したりするのです
一応出現前にはブルブルという音が聞こえるのですが、その時間が短いうえに、どこから来るのか解らない。
で、出た瞬間に同行者が斬られてゲームオーバー。 つまり完全に出現場所を知っていないと回避不可能。

初見殺しにも程がある訳で、これを見た瞬間に私の中でクソゲー認定が決まりました。
しかもこういうトラップが1ヶ所だけでなく、複数存在したりする。
面白くないうえに不条理で、先日「春のクソゲー祭り」と称していくつかゲームを紹介しましたが、それら比ではないクソゲーっぷりです。

映画監督が監修しているだけあって、ビジュアルは素晴らしいです
水墨画風の背景は非常に雰囲気が良いですし、他の色を一切乗せず、赤だけを強調するその手法にも美しさとバイオレンスが感じられます。
コートの女性が二丁拳銃を乱射し、クリア後のリザルト画面で鳥が飛ぶ様子などには、ジョン・ウー監督らしさも見ることが出来ます。

でも、それだけですね。 単なる「ファンアイテム」に過ぎません。

以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。



価格は 300 円。 ゲームとしてはオススメしません。
ジョン・ウー監督が好きな方が、その雰囲気を楽しむためアプリでしょう。

他のジャンルの著名人をゲームに関わらせることが悪い訳ではありませんが、ゲームの面白さとは別。
特にそれが芸術方面の場合、「雰囲気『だけの』ゲーム」に終わることが多く、これもそのパターンかなと思います。
それでなくてもゲームにおいては、「センス」を前面に出したものには地雷が多いですからね。

奇をてらわずオーソドックスな全方向スクロールシューティングにしてれば、まだ遊べたと思うんだけど・・・

Bloodstroke (iTunes が起動します)