1980 年代から 90 年代にかけてのダンジョン探索型 RPG を最新のグラフィックで再現した、コアゲーマー向けのヘビーなゲームが登場しています。
Coldfire Keep」です。

開発したのはスマホやタブレット用の本格オープンワールド RPG 「Ravensword: Shadowlands」を開発した Crescent Moon Games。
圧倒的な美しさの 3D グラフィックは今作でも健在です。

ただ、このメーカーの RPG はまさに「洋ゲー」であり、洋ゲー的な奥深さとリアルさを持つ反面、洋ゲー的な解りにくさと高難度も併せ持ちます。
ドラクエやファイナルファンタジーのような日本の解りやすい RPG とは訳が違うので注意して下さい。
まあ 80~90 年代の洋ゲー RPG がテーマということを考えると、それも再現の1つと言えますが。

全体の感じは、解る人にしか解らない説明ですが、雰囲気はダンジョンマスター、でもゲームシステムはマイト&マジック、といった感じですね。

Coldfire Keep

まずはキャラクターメイキングを行います。 顔と職業を選択し、ステータスポイントを振り分けます。
職業は戦士(Warrior)、盗賊(Rogue)、魔術師(Caster)、僧侶(Shaman)の4種類。
4人パーティーなので、各職業を1人ずつそろえるのが普通ですね。
名前やステータスは設定しなくても、そのままスタートすれば自動で決められます。

ダンジョン内では画面をフリックして移動や旋回を行いますが、ゲームステータス画面を開き、左下にある「Use Traditional Controls」を選ぶと移動用のボタンが現れます。
このゲームはこのボタンを使って操作した方がプレイしやすいと思います
iPhone / iPod touch だとボタンが小さく、やや押し辛さがありますが。

敵はダンジョン内をリアルタイムに徘徊していて、いきなりパッと現れるエンカウント式ではありません。
遠くからその姿を確認することができ、戦闘の途中で逃げれば HP が減ったままで周囲をうろつきます。

攻撃はキャラクターの顔の下にある剣ボタンで行い、魔法ボタンを押せば使用する魔法を選ぶウィンドウが開きます。
しかし攻撃はなかなか当たらず、ヒットしても与えたダメージは表示されません。
1体1体の敵が強く、ザコを簡単に倒しまくれるようなゲームではありません

ダンジョンの 3D グラフィックは非常にリアルで、移動時や旋回時には滑らかにスクロールします
ランプや棚、シミや血痕などの装飾があり、スイッチやトラップなどのしかけが各所に配置されていて、光源がある場所ではちゃんと壁に明暗が付けられています。

ゲームシステムはレトロスタイルですが、グラフィックは完全に現代のレベルであり、スマホやタブレットのゲームとしてはかなりの高クオリティーですね

Coldfire Keep
※壁から火が噴き出しているトラップ。 消えたタイミングを見計らって進まないとダメージを受けます。
他にも槍が突き出す床や、電撃を発する石像などのトラップが存在しますが、多くの罠はどこかにあるスイッチで OFF にできます。


Coldfire Keep
※アイテムを捨てると床に置かれます。 そのまま消える事はありません
持てる重量には制限があるので、どこかをアイテム置き場にして、そこに集めておくのが良いでしょう。


一応ストーリーはありますが、英語なのでメッセージを読むのは日本人には難しく、しかもダンジョン探索のゲームですから、別に理解できなくても問題ありません。
敵を倒し、鍵を手に入れて扉を開き、下へ下へと進んで行けば OK です。

ただし、やっぱり「洋ゲー」。
いきなりダンジョンに放り込まれ、「あとは自分で何とかして下さい」といった感じの放り投げ感と、最初に出会うネズミにさえ噛み殺される初期状態のひ弱さはいつも通り(?)です。

基本的に昔の欧米のダンジョン探索型 RPG は「サバイバルゲーム」であり、自分の力と知恵とセーブ&ロードで生き延びる方法を探らなければなりません。
ただ、だからこそ RPG らしい成長を実感できるというのもあります。

難易度だけでなくシステム的にもサバイバルゲームで、「空腹度」が存在し、食糧を確保して定期的に食べないと餓えてダメージを受けてしまいます。

ただこのゲームは1階に宿屋があって、お金さえあればそこで睡眠と食事を得られ、回復ポイントも各所に存在し、さらに各階の魔法陣に手軽にワープできる便利なアイテム(Conduit Rod)もあるので、そこまでマゾいゲームではありませんが。

Coldfire Keep
※最初に出会う大ネズミ。 洋ゲーの大ネズミは冒険者にとっての最初の難関! いきなり死ぬほど強敵です!
ドラクエのスライムみたいな「やられキャラ」ではなく、むしろこっちがスペランカー並のやられキャラなので、魔法も使いまくりながら全力で戦いましょう!


Coldfire Keep
※オートマッピングが付いているので迷子になっても安心。
Fishing Rank は釣りの熟練度で、ダンジョン内にある水場で釣りが出来ます。
腹がへったら「とったどー」して美味しく頂きましょう。最初はなかなか釣れないけど。


価格は 500 円。 本格的なダンジョン RPG で、ボリュームも十分なので、この価格は安いと言って良いでしょう。

ただし iPhone ではかなり字が小さいのが難点です。 ボタンサイズも小さめです
最初から iPad しか考慮しておらず、iPhone は「とりあえずプレイできる」というレベルに過ぎない気もしますね。
iPad を持っている方は、そちらでのプレイを強く推奨します。

文字サイズ以外の難点は・・・ 前述したように色々解りにくい点とか、最初はすぐ死ぬとか、英語とかですね。
ハッキリ言って、最近のゲームしか知らない方がプレイして楽しめるかどうかは疑問です。
当時の「洋ゲー」はゲーマーにとっても取っ付き辛いものだったので、ヘビーゲーマーでないと厳しいでしょう。

ただ、ゲームシステムを理解し、レベルが上がって探索しやすくなってくると、全体のクオリティーは高いので、十分に楽しむことが出来るはずです。

評価できる人とできない人が明確に別れるゲームでしょうね
それは Ravensword: Shadowlands と全く同じであり、そして多くの洋ゲー RPG の特徴でもあります。

Coldfire Keep (iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】

前述したように色々と解りにくい点が多いので、画像付きで解説していきたいと思います。
プレイされる際の参考にして頂ければと思います。

=キャラクターの職業=

戦士(Warrior、W)
ほとんどの装備を使える一番頼りになるキャラクター。
長柄武器を装備すれば後衛からでも攻撃できる。

盗賊(Rogue、R)
スイッチや宝箱にしかけられたトラップを発見し解除することができる・・・ ことがある。
隠された扉を察知することができる・・・ こともある。
装備は限られたものしか使うことが出来ない。
弓を使って後方から攻撃できるが、使用する度に矢を消費する。

魔術師(Caster、C)
様々な魔法を使える・・・ が、最初は1つしか使えず威力も弱い。 MP もすぐ尽きる。
魔法の数と効果はレベルアップにより増えていく。
杖を装備することで後方からでも物理攻撃が可能。

僧侶(Shaman、S)
回復や毒などの魔法を使える。 全体回復のヒールを最初から使えるのが便利。
意外と重装備が可能で、前に出てメイスで敵を殴ることも出来る。 弓も使用可能。
魔術師同様、魔法の数と効果はレベルアップにより増えていく。

※隊列は顔をドラッグすることでいつでも変更可能。 戦闘中でもピンチのキャラを後ろに下げたり出来る。

=ステータス=

Brawn : 筋力。 物理攻撃のダメージと命中率が上がる。 持ち歩ける重量も増える。
Agility : 素早さ。 AC(アーマークラス)が上昇し回避率が上がる。 盗賊は罠や隠し扉の発見率にも影響。
Intellect : 知性。 状態異常に対する抵抗などに影響。 魔術師は最大 MP にも影響する。
Vitality : 体力。 最大 HP に影響。 僧侶は最大 MP にも影響する。

※キャラメイキング時、ステータスが 13 以下なら1あたり1ポイントで増やせる。 14~15 だと2ポイント必要。 16~17 は3ポイント、18 は4ポイント必要で、最初は 19 以上には出来ない。

=画像による解説=

Coldfire Keep
※ この台座は回復ポイント。 魔力を帯びている時に触れれば HP が全快し、死んでいる人も復活する
一度使うと使用できなくなるが、しばらく経つとまた使える。

Coldfire Keep
※ キャラクターステータス画面。 顔の横にある緑色のバーは空腹度で、なくなるとダメージを受けるようになる。
黄色のバーは経験値で最大になるとレベルアップ。
装備に付いてる WRCS という文字は装備可能な職業を表している。 WR ならウォーリアとローグ。

Coldfire Keep
※ この赤い魔法陣はテレポートの魔法の出口。
序盤に手に入る Conduit Rod というアイテムを使うと、踏破済みの赤い魔法陣の場所にワープできる
MP などは必要なく、何度でも使用可能。

Coldfire Keep
※ よーく見ないと解らないが、丸印の石が凹んでいる。
これは隠しスイッチで、ここを押すことで隠し扉を開くことが出来る。
慣れれば見た目で判別できるので、何かありそうな場所はこの石に注目しよう。
盗賊が隠し扉を察知すると「○○ senses a moveable wall nearby.」というメッセージが表示されるが、その扉を開くスイッチが少し離れたところにある場合もあるので注意。

Coldfire Keep
※ 鎖がぶら下がっていて、それを引っ張ると扉が開く仕掛け。
簡単な仕掛けだが、明かりがないところだと鎖が見にくく、見落としやすい。
暗がりにスイッチがある時も見逃しやすいので、行き詰まったら何かないかよく観察しよう。

Coldfire Keep
※ 地面がモコモコしているところは、下を向いてタップすることで掘って調べる事が出来る。
お宝が見つかる場合もあるので見逃さないように。
タペストリーもタップでビリッと破り、裏側を調べられる。

Coldfire Keep
※ 休憩室が見つかることがあり、この向きでベッドをタップすると一睡して HP と MP が全快する。
ただし空腹度が大きく減少するため、食料がないのに寝ると腹ペコでダメージを受けてしまう。
1階の宿屋は一泊食事付きなので、お金に余裕があるならテレポートで戻り、宿屋に宿泊しよう。

Coldfire Keep
※ 水場では釣りが出来るが、まずお金を貯めて1階の道具屋で Fishing Tackle を買わなければならない
最初はなかなか釣れないが、ずっとやっていると熟練度が上がり釣れやすくなる。
釣り中にダブルタップすると 5G 使って「お祈り」できるが、祈っても釣れるとは限らない。
もし光るものが落ちている場合、それを引き上げられる時がある。

Coldfire Keep
※ ゴーレム出現! 宝箱を守っている強敵で、まともにやり合うと全滅必至!
でも動きは遅いので、うまく誘導して奧にあるお宝をかっぱらい、さっさと逃げることも可能
ゴーレムが出る部屋の入口には「Keep out」と書かれた表札があるので、セーブしてから突入しよう。