ガンホーの新しいソーシャルゲーム。
チェスや将棋のようなボードゲームと、パズドラ型ソーシャルゲームを融合させたようなアプリが登場し、大きな注目を集めています。
「サモンズボード」です。
「ガンホーが放つスマホ時代のボードゲーム!」「まったく新しい体験をスマートフォンを通じて届ける!」とか、「従来のボードゲームに新たな風を巻き起こす作品」「いままでのボードゲームの概念を覆す」とか言う宣伝文句が喧伝されていたため、どんな作品になるのかと私も期待していたのですが・・・
内容を一言で言うと、「どうぶつしょうぎ+パズドラ」でした。
これを聞いて何となく理解できた方には、もうこれ以上の説明は不要でしょう。
だってそれ以外に表現しようのないシステムなので。
「ボードゲーム」と言うと 桃鉄 のようなスゴロクや カタン のようなドイツゲームも含むので、ちょっと紛らわしいのですが、これはチェスや将棋に属するボードゲームですね。
で、そこで使うコマがモンスターになっているという感じです。
今のところ巷の評価は上々のようで、少なくとも ディバインゲート のような「期待はずれ感」が漂っていることはないようです。
ボード上は 4x4 のマスで構成されていて、そこに出撃させた4体のモンスターがコマとして配置されます。
パズドラ系と言えますが、今回は他プレイヤーの助っ人モンスターは参加しません。
モンスターは種類ごとに移動方向が決められていて、上下左右にしか動けないキャラや、将棋の「金」のようにナナメ前にも進めるキャラ、「銀」のように横と後ろに動けないキャラ、「飛車」のように上下左右にどこまでも行けるキャラなどがいます。
1ターンに動かせるコマは1つだけで、移動させた後に敵に隣接しているキャラがいる場合、攻撃を行います。
ただし移動可能な方向に敵がいないと攻撃できません。
複数のコマで1体の敵を攻撃すると「コンボ」になり、与えるダメージに倍率がかかります。
このコンボをいかに決めていくかがゲームのポイントになります。
敵と味方が交互にコマを動かし、相手を全滅させれば勝利、次の戦いに進みます。
1つのクエストは3~5戦ほどで構成されていて、2x2 マス分もある巨大なボスも出現します。
※左の画面はコマの初期配置。 3体目のキャラが右下隅の奥まった場所に配置される点を考慮しておきましょう。
こちらが先手ですが、ヘタに動くより、進んできた相手を囲うように動かした方が有利です。
右の画像はボス戦。 全方向への強力な吹っ飛ばし攻撃を行ってきたりするので、ザコとは比べものにならない強さです。
ゲームのルールは以上で、かなりシンプルです。
冒頭でも述べたように「どうぶつしょうぎ(ミニ将棋)+パズドラ」の一言で説明できるシステムですね。
ボード上に岩などの障害物があったり、体力を回復できるハートが現れたりしますが、効果が複雑なものはありません。
モンスターに付いているアイコンの意味はやや解りにくいですが、「羽マーク」は岩などの上を飛行可能で、「人マーク」はハートを取った時にその効果が味方全体に及ぶことを表します。
編成画面は旧来のパズドラ系を踏襲していて、クエストで手に入れたキャラクターを「合成」してレベルアップを行い、レベルを最大まで上げて素材モンスターを集めれば上位種に「進化」できます。
同じ属性で合成を行うと経験値が 1.2 倍になる点も同様です。
ただ、同じ属性のモンスターを多く合成することで、追加属性が付く場合があるようです。
ノーマルクエストと曜日クエストがある点などもパズドラと同じですが、このゲームにはもう一つ「ランキングバトル」(ランバト)というものがあります。
これは他のプレイヤーの編成と対戦して勝利ポイント(BP)をゲットし、上位になると報酬が貰えるというもの。
ギルドに所属している場合、ギルドのランキングも上がっていきます。
しかし対戦と言ってもリアルタイムの対戦ではなく、あくまで他プレイヤーの編成と戦うもので、それを動かすのはコンピューターです。
ブレイブフロンティア や ぷよぷよ!!クエスト の他プレイヤーチームとのバトルと同じですね。
ソーシャルゲームですからスタミナ制があり、クエストを実行すると減っていきますが、ランバトは「チケット」を消費して行うため、通常のスタミナとは別枠になっています。
※左はモンスターの詳細画面。 このモンスターの移動方向は将棋の「金」と同じ。
移動方向が多いと攻撃できる方向も多いので有利ですが、移動方向が少ないモンスターの方が攻撃力があったりするので、その辺は一長一短。
属性はパズドラと同じく 火 → 木 → 水 → 火 で、有利な属性に対してはダメージ 1.5 倍、苦手属性に対しては 0.8 倍。 光と闇は互いに 1.5 倍です。
右はランキング画面。 当然ですが強力なモンスターを持つ人が有利ですね。
インターフェイスや操作時の反応、演出やサウンドなどは「さすがパズドラのガンホー」と言え、非常にハイレベルです。
解りやすく遊びやすい形になっていて、やっていて目立った欠点はありません。
そつなくまとまっていて、模範的な完成度と言えますね。
ただ個人的には、ゲーム自体がアブストラクトゲーム(将棋やチェスのようなタイプ)なので、それとソーシャルゲームの相性という面で、悪いという訳ではないんだけど、微妙に思う部分もあります。
1人用のゲームとして見た場合、モンスターがどんどん強くなり、強力なボスに対抗できるようになっていく RPG としての成長要素があるのは良いのですが、もうちょっと戦術シミュレーションとしての面白さも求めたくなるのが本音ですね。
シンプル過ぎてゲーマーには物足りない感があります。
そしてアブストラクトゲームとして考えると、そもそも互角の条件で戦うボードゲームではないので、その点の思考性に欠けます。
自分だけ飛車と角が3倍の耐久力を持ってるような将棋ですから、手強い AI と将棋やチェスをやるような類の面白さはありません。
また個人的に残念だったのが、「ランバト」がリアルタイム対戦ではなかったこと。
もちろんリアルタイム対戦はマッチングの問題や、人がいない時の待ち時間の問題、負けそうな時に不正落ちする人の問題など、様々なハードルを越えなければ実装できません。
そう簡単に入れられるものではないのですが・・・
でもやっぱりこの手のゲームって、コンピューター戦と対人戦では面白さは全然違うと思うんですよね。
もちろんこのゲームシステムではモンスターが強い方が勝ってしまうのですが、最初に「ボードゲーム」で「ランキングバトルがある」と聞いたから、てっきり対戦が出来るのだと思い込んでいました。
スマホにはすでに 将棋ウォーズ のような高クオリティーのリアルタイム対戦将棋があるし、あの「ガンホー」なので・・・
レベル差をなくしてオンライン対戦できるモードとかあったら、とも思うのですが、でもそれではモンスターを成長させる意味がないし、やっぱりこのシステムでは成り立たないかな・・・
ただ今の状態だと「ボードゲームに新たな風を巻き起こす」「ボードゲームの概念を覆す」には至ってないよな・・・
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
ソーシャルゲームですから本体の価格は無料。
課金通貨の光結晶は1つ 100 円、6つ 500 円。 課金ガチャには5つ必要なので実質 400 円強。
この辺りの価格はパズドラと同じです。
ゲーム進行やキャンペーンで割と頻繁に光結晶を貰えるので、無課金でも数回は課金ガチャ可能です。
やっていて面白いのかどうかは、数日プレイしてもまだ判断つきかねます。
少なくともパズドラのような連鎖の爽快感などはありません。
面白くなくはないんだけど、でも「すげーおもしれー!」って感じではない・・・
このシステムだとある程度モンスターが成長し、かつ相手も強くなって、頭脳戦が出来る展開にならないと楽しめない気がしています。
将棋やチェスとまではいかないくても、せめて「どうぶつしょうぎ」クラスの戦略性が展開できるところまでこないと「おもしれー」にならない気がする。
もっとプレイしていたら、だんだんそうなって来るんだろうか・・・?
こういう事を言うのも何ですが、この「ミニ将棋の駒をソーシャルゲームのモンスターにする」と言うのは、誰もが思い付くことだと思います。
それでも今までなかったのは、「それで面白いのかどうか解らない」「それでヒットするのかどうか微妙」だったからではないでしょうか。
それを今回ガンホーが作ってみた。 ガンホークオリティーで完成度は確かに高い。
ただ、本当に「すげーおもしれー!」という形に持って行くのは難しそう・・・ という印象です。
でもやっぱりパズドラのガンホーのゲームなので、そこいらの凡庸なソーシャルゲームよりはずっと良いです。
話題作だし、無課金でも当面は問題なく遊べるので、やっておいて損のないゲームであることは確かですね。
・サモンズボード (iTunes が起動します)
チェスや将棋のようなボードゲームと、パズドラ型ソーシャルゲームを融合させたようなアプリが登場し、大きな注目を集めています。
「サモンズボード」です。
「ガンホーが放つスマホ時代のボードゲーム!」「まったく新しい体験をスマートフォンを通じて届ける!」とか、「従来のボードゲームに新たな風を巻き起こす作品」「いままでのボードゲームの概念を覆す」とか言う宣伝文句が喧伝されていたため、どんな作品になるのかと私も期待していたのですが・・・
内容を一言で言うと、「どうぶつしょうぎ+パズドラ」でした。
これを聞いて何となく理解できた方には、もうこれ以上の説明は不要でしょう。
だってそれ以外に表現しようのないシステムなので。
「ボードゲーム」と言うと 桃鉄 のようなスゴロクや カタン のようなドイツゲームも含むので、ちょっと紛らわしいのですが、これはチェスや将棋に属するボードゲームですね。
で、そこで使うコマがモンスターになっているという感じです。
今のところ巷の評価は上々のようで、少なくとも ディバインゲート のような「期待はずれ感」が漂っていることはないようです。
ボード上は 4x4 のマスで構成されていて、そこに出撃させた4体のモンスターがコマとして配置されます。
パズドラ系と言えますが、今回は他プレイヤーの助っ人モンスターは参加しません。
モンスターは種類ごとに移動方向が決められていて、上下左右にしか動けないキャラや、将棋の「金」のようにナナメ前にも進めるキャラ、「銀」のように横と後ろに動けないキャラ、「飛車」のように上下左右にどこまでも行けるキャラなどがいます。
1ターンに動かせるコマは1つだけで、移動させた後に敵に隣接しているキャラがいる場合、攻撃を行います。
ただし移動可能な方向に敵がいないと攻撃できません。
複数のコマで1体の敵を攻撃すると「コンボ」になり、与えるダメージに倍率がかかります。
このコンボをいかに決めていくかがゲームのポイントになります。
敵と味方が交互にコマを動かし、相手を全滅させれば勝利、次の戦いに進みます。
1つのクエストは3~5戦ほどで構成されていて、2x2 マス分もある巨大なボスも出現します。
※左の画面はコマの初期配置。 3体目のキャラが右下隅の奥まった場所に配置される点を考慮しておきましょう。
こちらが先手ですが、ヘタに動くより、進んできた相手を囲うように動かした方が有利です。
右の画像はボス戦。 全方向への強力な吹っ飛ばし攻撃を行ってきたりするので、ザコとは比べものにならない強さです。
ゲームのルールは以上で、かなりシンプルです。
冒頭でも述べたように「どうぶつしょうぎ(ミニ将棋)+パズドラ」の一言で説明できるシステムですね。
ボード上に岩などの障害物があったり、体力を回復できるハートが現れたりしますが、効果が複雑なものはありません。
モンスターに付いているアイコンの意味はやや解りにくいですが、「羽マーク」は岩などの上を飛行可能で、「人マーク」はハートを取った時にその効果が味方全体に及ぶことを表します。
編成画面は旧来のパズドラ系を踏襲していて、クエストで手に入れたキャラクターを「合成」してレベルアップを行い、レベルを最大まで上げて素材モンスターを集めれば上位種に「進化」できます。
同じ属性で合成を行うと経験値が 1.2 倍になる点も同様です。
ただ、同じ属性のモンスターを多く合成することで、追加属性が付く場合があるようです。
ノーマルクエストと曜日クエストがある点などもパズドラと同じですが、このゲームにはもう一つ「ランキングバトル」(ランバト)というものがあります。
これは他のプレイヤーの編成と対戦して勝利ポイント(BP)をゲットし、上位になると報酬が貰えるというもの。
ギルドに所属している場合、ギルドのランキングも上がっていきます。
しかし対戦と言ってもリアルタイムの対戦ではなく、あくまで他プレイヤーの編成と戦うもので、それを動かすのはコンピューターです。
ブレイブフロンティア や ぷよぷよ!!クエスト の他プレイヤーチームとのバトルと同じですね。
ソーシャルゲームですからスタミナ制があり、クエストを実行すると減っていきますが、ランバトは「チケット」を消費して行うため、通常のスタミナとは別枠になっています。
※左はモンスターの詳細画面。 このモンスターの移動方向は将棋の「金」と同じ。
移動方向が多いと攻撃できる方向も多いので有利ですが、移動方向が少ないモンスターの方が攻撃力があったりするので、その辺は一長一短。
属性はパズドラと同じく 火 → 木 → 水 → 火 で、有利な属性に対してはダメージ 1.5 倍、苦手属性に対しては 0.8 倍。 光と闇は互いに 1.5 倍です。
右はランキング画面。 当然ですが強力なモンスターを持つ人が有利ですね。
インターフェイスや操作時の反応、演出やサウンドなどは「さすがパズドラのガンホー」と言え、非常にハイレベルです。
解りやすく遊びやすい形になっていて、やっていて目立った欠点はありません。
そつなくまとまっていて、模範的な完成度と言えますね。
ただ個人的には、ゲーム自体がアブストラクトゲーム(将棋やチェスのようなタイプ)なので、それとソーシャルゲームの相性という面で、悪いという訳ではないんだけど、微妙に思う部分もあります。
1人用のゲームとして見た場合、モンスターがどんどん強くなり、強力なボスに対抗できるようになっていく RPG としての成長要素があるのは良いのですが、もうちょっと戦術シミュレーションとしての面白さも求めたくなるのが本音ですね。
シンプル過ぎてゲーマーには物足りない感があります。
そしてアブストラクトゲームとして考えると、そもそも互角の条件で戦うボードゲームではないので、その点の思考性に欠けます。
自分だけ飛車と角が3倍の耐久力を持ってるような将棋ですから、手強い AI と将棋やチェスをやるような類の面白さはありません。
また個人的に残念だったのが、「ランバト」がリアルタイム対戦ではなかったこと。
もちろんリアルタイム対戦はマッチングの問題や、人がいない時の待ち時間の問題、負けそうな時に不正落ちする人の問題など、様々なハードルを越えなければ実装できません。
そう簡単に入れられるものではないのですが・・・
でもやっぱりこの手のゲームって、コンピューター戦と対人戦では面白さは全然違うと思うんですよね。
もちろんこのゲームシステムではモンスターが強い方が勝ってしまうのですが、最初に「ボードゲーム」で「ランキングバトルがある」と聞いたから、てっきり対戦が出来るのだと思い込んでいました。
スマホにはすでに 将棋ウォーズ のような高クオリティーのリアルタイム対戦将棋があるし、あの「ガンホー」なので・・・
レベル差をなくしてオンライン対戦できるモードとかあったら、とも思うのですが、でもそれではモンスターを成長させる意味がないし、やっぱりこのシステムでは成り立たないかな・・・
ただ今の状態だと「ボードゲームに新たな風を巻き起こす」「ボードゲームの概念を覆す」には至ってないよな・・・
以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。
ソーシャルゲームですから本体の価格は無料。
課金通貨の光結晶は1つ 100 円、6つ 500 円。 課金ガチャには5つ必要なので実質 400 円強。
この辺りの価格はパズドラと同じです。
ゲーム進行やキャンペーンで割と頻繁に光結晶を貰えるので、無課金でも数回は課金ガチャ可能です。
やっていて面白いのかどうかは、数日プレイしてもまだ判断つきかねます。
少なくともパズドラのような連鎖の爽快感などはありません。
面白くなくはないんだけど、でも「すげーおもしれー!」って感じではない・・・
このシステムだとある程度モンスターが成長し、かつ相手も強くなって、頭脳戦が出来る展開にならないと楽しめない気がしています。
将棋やチェスとまではいかないくても、せめて「どうぶつしょうぎ」クラスの戦略性が展開できるところまでこないと「おもしれー」にならない気がする。
もっとプレイしていたら、だんだんそうなって来るんだろうか・・・?
こういう事を言うのも何ですが、この「ミニ将棋の駒をソーシャルゲームのモンスターにする」と言うのは、誰もが思い付くことだと思います。
それでも今までなかったのは、「それで面白いのかどうか解らない」「それでヒットするのかどうか微妙」だったからではないでしょうか。
それを今回ガンホーが作ってみた。 ガンホークオリティーで完成度は確かに高い。
ただ、本当に「すげーおもしれー!」という形に持って行くのは難しそう・・・ という印象です。
でもやっぱりパズドラのガンホーのゲームなので、そこいらの凡庸なソーシャルゲームよりはずっと良いです。
話題作だし、無課金でも当面は問題なく遊べるので、やっておいて損のないゲームであることは確かですね。
・サモンズボード (iTunes が起動します)
ただひたすら自分のターンをパスするだけのゲーム。