第二次世界大戦のドイツとソ連の戦いを描いた、戦車戦がテーマのターン制 戦術シミュレーションゲームが登場しています。
Tank Battle: East Front 1941」です。

※Tank battle: East Front 1942 も発売されました。 ただ、内容は同じなので一緒に扱います。

欧米にはターン制の戦術シミュレーションゲームは少なく、たまにあってもルールが独特だったりして日本人にはしっくり来ないものが多いのですが、このゲームはいわゆる「大戦略タイプ」のシステムであり、日本人でも取っ付きやすいものになっています。

この「Tank Battle」シリーズは 2012 年から毎年発売されていて、今作で3作目になります。
ただ 2012 年に発売された「Tank Battle: 1944」は移動後の攻撃ができないから待ち伏せが有利すぎるとか、日本語訳がダメすぎて雰囲気ぶち壊しとか、色々難点が多かったので当サイトでは取り上げませんでした。

しかし今回発売された「Tank Battle: East Front 1941」は完成度が上がっており、ユニットの種類も増えていて、アドバンスド大戦略風の戦術 SLG として十分楽しめるものになっています。

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa

フィールドはヘックス(六角形のマス)で区切られています。
自分のターンに味方の全ユニットを1回ずつ動かす事ができ、必要なユニットをすべて動かしてターンを終了すると相手の番になります。
生産や補給はなく、用意された戦力だけで勝利条件の達成を目指します
ただ途中で援軍が訪れ、ユニットが増える場合もあります。

割とオーソドックスなシステムですが、「戦車戦」がテーマであるため、それに則した独自のルールもあります。
まず大きいのが、「射界」が存在すること。

戦車は森や丘、建物や他のユニットの向こう側には砲撃を行うことが出来ません。
攻撃する際には両者の間に邪魔なものがない所に移動する必要があります。
逆に森や建物、味方の後ろにユニットを配置することで、弱いユニットを守ることができます。
ただし野砲や迫撃砲などの曲射砲は、障害物ごしに撃つことが可能です。

また、ほとんどのユニットは移動すると攻撃力が減少するか、もしくは攻撃できません
砲塔が付いている戦車は移動後の攻撃が可能ですが、威力は半減します。
駆逐戦車(車体に直接主砲が付いてる戦車)や自走砲は、移動すると攻撃は不可能です。
ただしユニットによっても異なり、火炎放射戦車は移動後に攻撃しても影響はなく、歩兵もペナルティは 30 %しか受けません。

各ユニットには射程がありますが、距離によって威力が異なり、基本的には近いほどダメージが増します。
また攻撃力には非装甲攻撃力(Soft)対甲攻撃力(Armoured)があり、ユニットによって得手不得手があります。

さらに防御力は前面と側面・後方で異なります
重装甲の戦車も後ろに回って撃つことで、大きなダメージを与えられます。
またこのゲームのユニットは攻撃を受けると、1回だけそちらに向きを変えます。
よって右から攻撃し、そちらに相手を向けて、それから左に回り込んで後ろから撃つという戦略も可能です。

他にも索敵ルールや地形効果があり、丘の上に登ると視界が広がります。
森や土嚢は防御力が 25 %向上し、遠距離からの射界を狭め、地雷原はダメージを受け、鉄条網は乗り越えると移動できなくなります。
また歩兵は建物の中に入ることができ、耐久力が大幅に増します。
歩兵や野砲の中には輸送車が付属しているものもあり、そうしたユニットは車両移動状態に変形可能です。

こういうとすっごく細かい複雑なゲームに思えますが、ターン制のゲームで、各ユニットは耐久力制で、それぞれが1回だけ移動と行動を行うという標準的な大戦略型、ファミコンウォーズ型のゲームなので、行動力制のゲームよりは解りやすく、プレイしやすいですね

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※画面右上の i ボタンを押すとコンバットアナライズという戦闘データを表示できるようになります。
上記の例だと、左の攻撃側は基本対人攻撃力 12、ベテランなので +20% アップ、よって攻撃力は 14.4、でも移動後の攻撃なので攻撃回数 -3。 黄色いメーターは1回あたりの攻撃命中率です。
基本の攻撃回数は耐久力と同じになります。
右の防御側は基本防御力 10、森にいるので +25%、合計防御力 12.5 ですね。


Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※ドイツの戦車「3号戦車J型」のステータス画面。
前面防御力は 19、側面・背面防御は 15。 攻撃力は1マス先は対人 14、対甲 20 ですが、2マス先は 10 と 14、3マス先だと 6 と 8 ですね。
さらに移動後の攻撃は攻撃回数が 50 %です。
Panzer(パンツァー)ではなく StuG と付いている戦車は駆逐戦車(突撃砲)です。 見た目で区別し辛いのですが、移動後の攻撃はできないので注意。


現時点(2014/3)で公開されているシナリオはチュートリアルと、ドイツ軍を操るシナリオ、ソ連軍を操るシナリオの3つ。
チュートリアルは7、それ以外は8ステージで構成されています。

ステージによって勝利条件が異なり、大抵は敵を全滅するか、旗が立っている「コントロールポイント」を占領および維持します。
ただし「戦力が 70 %を切ると負け」「条件を 16 ターン以内に達成する」「取ったコントロールポイントを失わない」などの条件が付いている場合もあります。

コントロールポイント(旗)はイベントの発生条件にもなっていて、これを取ることで援軍が現れたり、相手の援軍を遮断できたり、空軍を呼べたりします。
空軍は数ターンに1回使える特殊攻撃のようなものになっていて、任意の敵を爆撃して貰えますが、使えないステージの方が多いですね。

パッと見は 2D なのですが、ユニットはすべて 3D グラフィックで描かれており、車体が向きを変える時は滑らかに旋回し、攻撃時には砲塔が回ります
歩兵がやられるとその場に倒れ、戦車が走ると砂ぼこりが舞ってキャタピラの跡が付くなど、演出は結構細かいですね。
ただ、あまりズームすることは出来ないので、戦車の細かいディテールまでは確認できないし、パッと見で戦車の種類まで区別するのは困難ですが。

難易度はステージごとに CASUAL / STANDARD / HARD から選択でき、AI が異なります。
CASUAL は無謀に攻め込んできますが、HARD はあまり突っ込んで来ません。
HARD にしたからと言って相手の攻撃力がアップしたり、敵の数が増えたりすることはないようです。

なお、昨年発売されていた2作目「Tank Battle: North Africa」は北アフリカでのドイツとイギリスの砂漠戦が舞台になっています。
こちらもほぼ同じゲームシステムですが、コンバットアナライズがない、ステータス表示ボタンがないなど、ややインターフェイスに劣る点があります。
1作目「Tank Battle: 1944」は冒頭で述べたように明らかにチープなのでオススメしません。

Tank Battle: East Front 1941 / North Africa
※上の画像は2作目「North Africa」の画面。 ゲームシステムやグラフィックはこの2作目でほぼ完成されています。
下の画像は1作目「Tank Battle: 1944」のどうしてこうなった的な翻訳。 だいにじせかいたいせんのげーむでかんじがないのはさすがにつらいです。


価格は 200 円。 2作目と3作目、共に同じ値段です。
そんなにハイクオリティーなゲームではないのですが、スマホの戦術 SLG でここまで兵器の性能が細かく設定されているゲームはそうそうないし、それでいて割と遊びやすいので、シミュレーションファンなら見逃せないと思います。

やっぱりアドバンスド大戦略とかと比べると、長期的なユニットの育成や歴史の再現、兵器のコレクション要素などがないので、小粒な印象は否めませんが、まあこの値段ですしね。

決して万人向けのゲームではありませんが、ミリタリー系が好きな人にはオススメです。

Tank Battle: East Front 1941 (iTunes 起動、独ソ戦、3作目)
Tank Battle: East Front 1942 (iTunes 機動、追加シナリオ)

Tank Battle: North Africa (iTunes 起動、北アフリカ、2作目)
Tank Battle: North Africa Lite (2作目の体験版)