Clash of Clans(クラッシュ オブ クラン)と Hay Day(ヘイ・デイ)の世界的大ヒットにより、一躍スマホアプリのトップメーカーに躍り出たフィンランドのメーカー Supercell。
日本ではソフトバンク&ガンホーに買収されたことでも話題になりましたが、その Supercell の新作が満を持して正式公開されました。
「Boom Beach」です。
ゲーム内容は Clash of Clans の亜種です。
武器がマシンガンやライフルなどの近代兵器になっていて、集落のある島がたくさん点在しており、その島々の争奪戦を繰り広げます。
ただ、意外なことにこのゲームは Clash of Clans の拡張版ではなく・・・
むしろ手軽に遊べるようにアレンジした、縮小版でした。
「クラクラは難しい」「ちょっと重い」という人を取り込むのが狙いなのでしょうか・・・?
ゲームの基本的な流れは Clash of Clans(クラッシュ オブ クラン)と変わりません。
島に「住居」と「木こり小屋」を建てると、時間の経過により「資金」と「木材」を回収できるようになります。
資金と木材を保持できる量は「金庫」と「木材倉庫」を建設し、拡張することによって増加します。
資金は主に兵士の雇用や研究、海域の探索に、木材は施設の建設に使います。
島には司令部と港もあって、ガンボート(砲撃船)と上陸艇が用意されています。
上陸艇には兵士を雇用して配備でき、海域マップから敵のいる島に攻め込むことができます。
ただクラッシュオブクランとは異なり、自由に他のプレイヤーの島に攻め込むことはできません。
他の島々は最初 Blackguard(ブラックガード)と呼ばれるコンピューターの軍勢に制圧されていて、まずはここを攻略していくことになります。
戦闘はクラッシュオブクランと同じく、出撃させる兵士を選び、海岸にある出撃地点をタップするだけ。
あとは兵士が自動で進軍し、敵の建物を攻撃していきます。 もちろん敵も砲台や防御塔などで反撃してきます。
司令部を破壊すれば、他の建物が残っていてもその時点で勝利です。
戦闘中にはガンボートからの支援砲撃も可能で、キャノン砲、発煙弾、回復キットなどがあり、キャノン砲は敵にダメージを与え、回復キットは周囲の兵士をしばらく回復させます。
クラッシュオブクランとの違いであり、戦略の重要なポイントになるのが「発煙弾」です。
これを撃ち込むと兵士はその場所に向かい、そこにある施設を優先して攻撃します。
つまりこれを使って兵士に指示を出すことが可能です。
守りの薄い方に迂回させたり、地雷原を回避する事も可能で、敵の配置によってはその裏をかくことも出来ますね。
ただしガンボートからの砲撃にはエネルギーが必要で、使える回数には限りがあります。
エネルギーは敵施設を破壊すると増えるので、時にはそれを考慮した作戦を立てる必要もあるでしょう。
もう1つクラッシュオブクランと違うのは、生き残った兵士がそのまま帰還すること。
つまり兵士の消耗が少なければ、すぐ連戦することが出来ます。
被害を抑えるための戦略が、より重要になっていますね。
※上陸作戦開始! 砂浜に次々と上陸艇が突入します。
上陸前なら敵施設をタップすることでレベルや耐久力、射程などを確認できるので、それを見ながら作戦を立てましょう。
※兵士には一般兵タイプと傭兵タイプがいます。 傭兵タイプは人数が少なく、攻撃力に劣りますが、耐久力があって損耗しにくいので、やられなければ連戦できるこのゲームでは便利。
先に傭兵を前に出して盾役にするのも有効です。
戦闘に勝利すると、その島の原住民の集落が復活し、時間の経過に応じて収入を得られるようになります。
また資源の島もあり、ここを占拠していると木材などを入手できます。
本拠地の島にレーダーを作ると遠方の海域に探索に行けるようになり、さらに新しい島を発見できます。
これを繰り返して支配地を広げ、収入を増やしていくのがゲームの当面の目標ですね。
ただ、ログアウト中に敵軍の反撃で島が奪還される場合があります。
さらにある程度ゲームが進むと、新たに見つかった島や奪還された島が、他のプレイヤーの島になっていることがあります。
他のプレイヤーへの攻撃は、これらの島に攻め込んだ時に発生します。
この状態になると、自分が他のプレイヤーに攻め込まれることもあります。
クラッシュオブクランと同じく、負けたら資金と資源の一部を奪われるため、島に防衛用の砲台を設置して守りを固めておく必要がありますね。
他プレイヤーからの攻撃はログアウト中に行われるため、リアルタイムで襲撃を受ける訳ではありません。
ただ、後でどんな戦いだったのかムービーで確認することが可能です。
この辺もクラクラと同様です。
※海域マップ。 徐々に地形が判明していく楽しさがあります。
島を奪われたり他プレイヤーに攻撃された場合は、ここで報告を確認できます。
防衛に成功したり、負けても相手に大きなダメージを与えている場合、課金通貨のジェムを獲得できます。
※回復キットで兵士を回復させている様子。 クラクラの魔法に似てますね。
ただ、同じ砲弾を繰り返し使うと必要なエネルギーが上がっていくので、回復ばかり、キャノンばかりなのも無駄があります。
なお、画像のように建物が密集している場合、その中間にキャノンを撃ち込むと複数の建物にダメージを与えられます。
クラッシュオブクラン経験者にとっては、目新しい内容ではありません。
ただ、グラフィックが綺麗でキャラクターの動きや演出も細かく、クオリティーの高さを感じる完成度で、一目でそこいらのクラクラのバッタもんとは違うのを感じます。
ただしクラッシュオブクランにあったクラン(同盟・ギルド)はなく、そのためチャット・掲示板や、仲間からの支援もありません。
その分1人プレイが拡張されたような内容になっていて、クランメインからソロメインに変化した印象があります。
また「城壁」がなく、四角い建物を並べていくだけなので、城壁によって重厚で見栄えのする要塞を作れたクラッシュオブクランと比べると、見た目が地味です。
ただ、これも壁を作るのが面倒だった人のために、システムをシンプルにして遊びやすくした結果かもしれません。
自由に他のプレイヤーを攻撃できないため、対人戦を行う機会が減っていますが、これもフルボッコにされまくる人や、対人戦を遠慮しがちな人のための救済でしょうか?
対戦相手が強制的に選ばれるシステムなので、資源の多い人や勝てそうな人を捜して、何度もリロードを繰り返す手間が省けているのは良いですね。
※上位プレイヤーの配置。 ただ見ての通り、単に四角い建物が並んでいるだけ・・・
最終的にはみんなこんな感じになるようで、開発 SLG としては面白味に欠けます。
なお、このゲームは11月からカナダで先行公開されていたため、すでに高レベルになっているプレイヤーも存在します。
特に別アカウントを作ってプレイしていた中国人が多いようです。
※発煙弾を利用した迂回作戦の一例。 前面に砲台を固めている人には有効です。
あなたの砦、裏口は大丈夫・・・?
アプリ本体は無料。 もちろん課金はありますが、当面は無課金でも問題なく進められます。
クラッシュオブクランは快適にプレイするため、同時建設数を増やす「大工小屋」を課金して建てたいところでしたが、こちらは同時建設数は(少なくとも当面は)1のままです。
よってそこに課金は必要ありません。
同時に複数の建物を建てられないため、ゲームの進行は遅めですが、課金通貨のジェムを使って建設時間を省略可能で、最初に持っているジェムの量に余裕があり、さらにゲームの進行でかなり頻繁に手に入るため、クラクラ以上に課金の必要性は低いですね。
クラクラと同じく、建設 SLG と RTS の良いとこ取りをしたゲームで、今回は探索と占領の面白さもあり、さすが Supercell と言ったところです。
ただ前述したようにクラクラの拡張ではなく、やや縮小してソロ重視に方向性を変えた内容なので、クラクラの経験者には物足りないかも。
クラクラがちょっとヘビーだと思った方や、似たタイプの別のゲームをやりたいと思っている方にはオススメできます。
ゲーム的にも課金的にも軽いので、クラクラなどの待ち時間にやるのにも良いかもしれませんね。
・Boom Beach(iTunes が起動します)
クラクラはなんだかんだ言って初期作として複雑な所もあるし