戦局を左右する機密情報を届けるため、反乱軍の追っ手を振り切り、単独で自軍基地への帰還を目指す、激ムズの宇宙戦争サバイバルゲームが登場しています。
FTL: Faster Than Light」です。

元は 2012 年に発売されていたパソコン用のゲームで、海外ではインディーズゲームの表彰「IGF 2013」の「ゲームデザイン賞」「ユーザー賞」を始め、数多くの表彰を受けています
日本でも 2013 年から静かなブームになっていたようですね。

ゲーム性はローグライクと言え、プレイするごとに1からスタートし、マップや展開はランダムに変化、プレイヤー自身の知識と経験で先に進む方法を最適化していきます。
先日ご紹介した Out There に似ていますが、Out There が探索メインだったのに対し、こちらは戦闘がメインです。

とにかく難易度が高く、最初は訳が解らないまま宇宙のチリになることでしょう。
少し慣れて最初の宙域を突破できるようになっても、いきなり敵に乗り込まれて船員全滅とか、火災で全システムダウンとか、酸素がなくなって全員窒息死とか、死にパターンてんこ盛りです。
しかしこの激ムズな難易度が、ゲーマーの挑戦意欲を沸き立たせてくれます。

なお、現時点では iPad 版しか発売されておらず、iPhone ではプレイ出来ません。
画面のレイアウト的に、スマホでの発売は難しそうですね・・・

FTL Faster Than Light

銀河の片隅からスタート。「JUMP」ボタンで移動先を指定すると、エネルギーを1つ消費して恒星間移動(ワープ、FTL)を行います。
移動した先では何も起こらないか、他の宇宙船に遭遇するか、何らかのイベントが発生します。

宇宙には無人偵察船や宇宙海賊、反乱軍のパトロール艦などがいて、他の船に遭遇すると大抵は戦闘になります

戦闘はリアルタイム制で、弾丸マークをタップして武器ボタンを表示、装填が終わった武器を選んで敵艦の狙う位置を指定すると射撃を行います
船には「操舵室」「動力室」「射撃室」「シールド制御室」などが存在し、射撃室にダメージを与えれば敵の攻撃を妨害でき、シールド制御室を破壊すれば相手のシールドが消滅、操舵室や動力室を壊せば回避率を下げられます。

もちろん相手の攻撃によりこちらの設備がダメージを受けることもあります。
その時は船員を向かわせて修理しなければなりません
操舵室以外は船員がいなくても動作しますが、船員がいると射撃室やシールド制御室などは効果が高まります。

画面下のアイコンの横にあるゲージはパワーの供給量を示しています。
これは上下スライドで調整でき、例えばダメージを受けてシールドが半壊した時、その分のパワーを武器に送るといったことが可能です。
医務室は普段は使わないので、必要な時までオフにして電力を他に回すことも出来ます。

攻撃が着弾するごとに(船体にダメージを与えられる武器なら)船の耐久力が減少し、0になると撃沈。
相手を撃破すると「エネルギー」や「弾薬」、無人機の使用に必要な「ドローンパーツ」、さらに歯車マークの「スクラップパーツ」を入手できます。

スクラップパーツはお金とパワーアップ材料を兼ねていて、画面上部の「SHIP」のボタンを押すと、これを消費してパワーの総量や各システムのパワー上限をアップさせることが出来ます。
また「STORE」のマークが付いている星域に移動すると、スクラップパーツを使って武器や無人機の購入、船員の雇用、耐久力の回復などを行えます。
スクラップパーツをどれに費やすかが、このゲームの攻略の大きなポイントになります。

FTL Faster Than Light
※ショップ画面。 武器には制限なく使えるレーザー系、弾薬が必要だけどシールドの影響を受け辛いミサイル系、船体にダメージを与えないけどシステムを止めたり炎上させたりするイオン系とボム系があります。
チャージメーターが貯まってから発射されますが、事前に照準を付けておけば貯まり次第撃ってくれます。
またダブルタップしてマークを黄色くしてから照準を付ければ、以後はオートで射撃を繰り返します。
全武器をオートにするボタンもありますが、ミサイル系を使っている時は残弾に注意。
無人機(Drone)を使うには、先に「Drone Control」を買う必要があります。


FTL Faster Than Light
※ゲーム開始時の船の選択画面。 能力はゲーム中にアップできます。
シールドは2つ上げるごとにバリアを2重・3重に張れるようになります。 エンジンも回避率に関わるのでちゃんと強化しておきましょう。
もちろん最大値だけでは意味ないので、パワーの総量(REACTOR)も増やして下さい。
SUBSYSTEMS はセンサーやドアの耐久力などで、これはパワーに関係なく、上げた分だけ効果が発揮されます。


1つの宙域マップは「セクター」と呼ばれていて、その中に「EXIT」と書かれた場所があり、ここから次のセクターに向かえます。

もちろん後のセクターほど難しいので、序盤は出来るだけ各地を巡ってパーツを集めた方が良いのですが、後方から反乱軍の警戒範囲が迫って来ます。
プレイヤーは反乱軍から逃げている立場であり、この警戒範囲に追い付かれてしまうと強力な戦艦に襲われてしまいます
警戒範囲は時間制限と言え、これに飲み込まれる前に次のセクターに移動しなければなりません。

先のセクターに進むと、敵兵がテレポート設備を使って乗り込んで来る場合があります
この時は白兵戦で撃退しなければなりませんが、死んだ船員は復活しないので回復させながら慎重に戦う必要があり、白兵戦中にも砲撃は続いているためかなり忙しくなります。
これで火災や故障まで発生したら、もう大変です。

ただ、ポーズボタンを押すとゲームが一時停止し、その間にも命令を出すことが可能です
ピンチになっている時こそ、ゲームをポーズして慎重に判断することが必要ですね。

画面右下の二本線のボタンを押すと、船内のドアの開閉を行えます。
これで船外に通じるドアを開け、部屋の中の酸素をなくし、それで敵兵の撃退や火災の鎮火を行うことも出来ます。
ただし酸素をなくしたのにうまく撃退できなかった場合、こちらが動き辛くなって逆にピンチを招いたりもしますが・・・

テレポート設備(Crew Telepoter)を付ければ、こちらから相手の船に斬り込むことも可能です。
相手の船員を全滅させて敵船を拿捕すると、より多くの報酬を得られます。
ただし強い船員が必要ですし、ミスって乗り込んだ味方ごと敵艦を爆破してしまうこともあるので、上級者向けの戦法ですね。

FTL Faster Than Light
※宙域マップ。移動可能なポイントはゲーム内では「ビーコン」と呼ばれます。
後方から反乱軍が迫ってくるので、あまりノンビリは出来ません。
たまに「DISTRESS」と書かれたポイントが出てきますが、これは救難信号が出ていることを表します。
救助に行けばお礼や船員が手に入りますが、海賊が出しているニセ信号だったりすることも・・・


FTL Faster Than Light
※隔壁を閉鎖しつつ外へのドアを開け、乗り込んできた敵を酸素不足で撃退中。
敵もドアを破壊しようとしますが、ドアを強化し、さらにドア制御室に船員がいれば、しばらくは持ち堪えます。
外へのドアを開けた時に船員が吸い出されることはありません。
なお船員リストの下のボタンは、持ち場の登録と、持ち場に帰還するボタンです。


システムが細かいため最初は取っ付き辛いのですが、多彩な攻略が可能で、展開も一様ではないので、繰り返し楽しむことが出来ます
前述したように難易度はかなり高く、ちょっとのミスが命取りになるシビアなゲームで、運の要素も強いため、EASY でプレイしても全然イージーじゃないのですが、1プレイは1~2時間ほどで終わるため思わず繰り返してしまいます。

難点は、文章が全て英語であること
そして長文も多く、さらに宇宙戦争を題材にしているため、普段あまり目にしない単語も多いです
移動した際にイベントが発生することが多いのですが、本文も選択肢もなんて書いてあるのか日本人には理解し辛く、しかもその選択1つで大切な船員が消滅したりするので、納得いかない場合もあります。
でもまあ、この辺は海外のゲームなので仕方のないところですね・・・

価格は 1000 円。 iPad アプリとしては強気ですが、PC 版(Steam 版)も $9.99 で、内容も価格も同じです。
ゲームのバージョンは最新のようで、新しい武器や種族を追加した AE(アドバンスド エディション)もプレイ可能です。

いわゆるライトゲーマーの方には勧められません。 かなり敷居が高いでしょう。
逆にヘビーゲーマー、コアゲーマーの方には十分勧められるゲームです
評判になっていただけあって、ハマリ度は相当高いですね。
手強いゲームに己の知力と経験で挑みたい、シミュレーションゲーム好きの人に特にオススメです。

FTL: Faster Than Light (iTunes 起動) ※ iPad 専用です

※ iPhone AC の以下のページで FTL の詳細攻略を公開しています。
http://iphoneac.com/FTL.html

以下は動画サイトで公開されている公式のトレーラーです。