Tiny Tower の世界的なヒットの後、りとるキングダムクレイジータワー などの「Tiny Tower 系」と言える放置型開発ゲームが1つのスタイルとして確立しましたが、そんな Tiny Tower 系に RPG の要素を盛り込んだゲームが iPhone / Android で登場しています。
ポケットキングダム」です。

Tiny Tower 系はビルや地下に部屋を作り、それを住居にして住民を増やしたり、商店にして商品を販売しながら収入を増やしていくゲームですが、これはちょっと違います。
地下に作るのは「ダンジョン」であり、住居は地上に建設します。
住民をお店で働かせるのはダンジョンで勇者を戦わせることにアレンジされていて、さらに RPG 風のバトルシーンでモンスターを撃退する「クエスト」も用意されています。

ちゃんと勇者の装備やレベルアップなどもあり、この手の放置型ゲームの拡張版と言える内容ですね。

ポケットキングダム

資金を使って地下を掘り、さらに地上の森を切り開いていきます。
地下の採掘が完了すると、そこにはダンジョンが現れます
ダンジョンには「いにしえの迷宮」や「地下の水脈」などの様々な名前があり、見た目や登場するモンスター、そして「属性」が異なります。 どれが現れるかはランダムです。

一方、地上の土地が広がると、そこには勇者たちが住む「家」を建設できます
家にも「ログハウス」や「きのこの家」などの様々な種類があり、見た目はバラエティーに富んでいます。
Tiny Tower 系には珍しく、地上の町は横に広がっていきます。

王国には一定時間ごとに勇者が訪れ、空き室がある状態でタップすると入居し、王国の住民になってくれます。
Tiny Tower 系はなかなか住民が増えない場合が多いのですが、このゲームは(ノーマルの勇者なら)すぐに居住させられますね。

勇者には戦士・魔法士・僧侶といった「職業」と、火・水・木などの「属性値」、攻撃・防御・HP などの「ステータス」があります。
ただ、普段のダンジョンでの活動にステータスは影響しません。
火属性のダンジョンに派遣する場合、勇者の火の属性値が5なら、単純に攻撃力は5です

1つのダンジョンには3人まで派遣でき、職業が重複していなければクリティカル発生率が上がって攻撃力にボーナスが付きます。
ダンジョンのモンスターにやられることはなく、攻撃力があるほどモンスターを早く倒せ、討伐後に宝箱をタップすると戦利品を得られます。
勇者には他の Tiny Tower 系の「理想の職業」に相当する「運命(のダンジョン)」があり、そのダンジョンに派遣していると回収できるゴールドがアップします。

モンスターの討伐には数分、強い相手だと数十分~数時間かかりますが、放置型のゲームなのでずっとアプリを起動しておく必要はありません
アプリを落とした後、必要な時間が経っていれば、次回ログイン時には倒されています。
かわいいドットキャラの勇者がちょこまか戦っている様子はユニークで、他の同タイプのゲームより動きがあって良いですね。

ポケットキングダム
※ダンジョン画面。 たまに勇者が剣のフキダシを出すことがあり、この時にタップすると連続攻撃を繰り出して討伐時間を短縮できます。
多重スクロールするので、片目を瞑って上下に移動させると若干の立体感を感じられますね。


ポケットキングダム
※モンスターは3種類いて、一番左がお金、真ん中は武器強化に使う宝石を落とします。
真ん中のモンスターと戦うには資金が必要なので注意して下さい。 普段は左の敵と戦ってお金を稼ぎましょう。
右側は滅多に出現しない「レアモンスター」の枠で、これを討伐すると各ダンジョンに囚われているレア勇者を救出できます。
編成が終わっていればこの画面を経由しなくても、画面上のコインや剣のアイコンをタップするだけで戦闘や回収を実行できます。


開発シーンとは別に、旧王国を滅ぼしたモンスターを討伐する「クエスト」が存在します。
このシーンではちゃんと RPG らしい戦いが繰り広げられます

クエストでは勇者の「ステータス」が戦闘力になります。
また、戦士は敵モンスターの攻撃を受け持ち、魔法士は攻撃魔法を撃ち、僧侶は味方の体力を回復するといったように、職業によって行動が異なります
出撃できる人数はクエストによって異なり、9人で戦える多人数のクエストもあって、うち1人は他プレイヤーの助っ人になります。

もちろん敵モンスターも反撃してくるので、十分な戦闘力がない場合はやられてしまいます。
またボスモンスターは一定時間が経過すると「凶暴化」して攻撃力が激増するので、戦士と僧侶だけで耐え続ける編成では勝ちきれません。
魔法士と僧侶には MP もあり、これが尽きると攻撃速度が激減します。

編成は「おまかせ」で簡単に行えますが、敵が強くなってきたら戦士を増やすとか、時間が足りないなら魔法士を多めにするとか、自分でアレンジした方が良いでしょう。
戦闘はオートで進みますが、モンスターがオーブやコインをポロポロ落とし、これはタップして拾わなければなりません。
オーブはスキルを使うための「マナ」が回復するもので、発動はプレイヤーが任意に行います

クエストに勝利すると資金と「装備」を得られ、たまにレア勇者が出てくることもあります。
参加した勇者の経験値も増え、レベルが上がればステータスが高まります。
装備の種類は非常に豊富で、各勇者が 武器・盾・頭・鎧・足 の5種類の装備を身に着けられます。

ポケットキングダム
※クエストのバトル画面。 ボスが防御技を使う場合はスキルの発動タイミングに注意。
スキルはそれぞれの勇者が持っているものを順番に使う事になります。
例えば「防御力アップ」と「MP 回復」の僧侶がいる場合、それを交互に発動させるので、MP 回復を準備しておきたい時は防御力アップを先に使っておかなければなりません。
使う順番は編成画面の左側からで、スキルの効果はボタンを押しっぱなしにすれば確認できます。


ポケットキングダム
※勇者のステータス画面。 ちゃんと装備が変われば見た目に反映されます。
装備にはまとめて身に着けると特殊効果を得られる「セット装備」があるのですが、名前が紛らわしいので注意。
同じ「呪詛のファラオ」シリーズでも、「呪詛のファラオの包帯の○○」と「呪詛のファラオの呪詛の○○」があって、これらは別のセットとして扱われます。
同じセットは同じエリアで出るようで、例えば「超電磁のテスラのヘルメット」が出たステージでは、テスラの工具や服、ズボンも出ます。


アプリ本体は無料。 もちろん課金はありますが、クエストの進行によって割と頻繁に課金通貨のダイヤを貰え、レア勇者も増えていくので、課金しなくても十分遊べる印象です。
今のところ目立った難点もなく、クエストは「スタミナ制」ですが、メインはダンジョン開発なのであまり気になりません。

他の Tiny Tower 系より1ランク上のゲーム性と完成度を持っていて、演出やサウンドのレベルも高く、ドットグラフィックのゲームですがチープさは全くありません。
ストーリー性のあるオープニングも良く、そこいらの放置系とは作り込みが違いますね

今後のこのジャンルの定番になるアプリではないかと思います。
まあ Tiny Tower は非常にシンプルに作られていて、それがウケたというのもあるので、ここまで来ると難しいと感じる人も多いかもしれないけど。

ポケットキングダム(2015年3月に運営終了)