大都市の一部が「消滅」を起こして数年後、そこにいた人々の「タマシイ」を操る少女と運び屋の青年が事件の謎を追う、ストーリー性の高いアクション・ソーシャルゲームが登場しています。
消滅都市」です。

このゲームは Gree(グリー)の新しい開発スタジオ「Wright Flyer Studios」が作ったゲームで、あまり表に出していませんが、完全にグリーのゲームです
この時点でもうゲーマー的にはスルーしたいところなのですが、意外にもアクション性が強く、ストーリーも魅力的で、サウンドも良く、そしてちゃんとネイティブアプリ(スマホ専用アプリ)です。

先日、グリーは某 PV で「ポチポチゲーの時代は終わった」と宣言し、各方面から「お前が言うな」コールを浴びまくった訳ですが、確かにこのゲームは脱ポチポチゲー、脱ブラウザゲーを感じさせますね

内容としては「チャリ走+パズドラ」です。
LINE ゲームの「ウィンドランナー」にも似ていて、目新しい訳ではないのですが、でもちゃんと遊べる「ゲーム」になっていて、私的には楽しめています。 なにより設定やストーリーが好みですね。

消滅都市

ジャンプで障害物を避けながらひたすら走り続ける、「ラン&ジャンプ」や「ランニングゲーム」と言われているタイプのゲームです。
主人公がスクーターに乗っているため、感じとしては前述したように「チャリ走」っぽく、2段ジャンプも可能です。
ただ上の段にいる時、下にフリックすると下段に降りることが可能です。
フリックがタップと判定されてしまう事が多いのは難点ですが。

※下の段に降りる時のフリックの操作性はアップデートで改善されました。

コース上には「スフィア」と呼ばれる玉が落ちていて、これを拾うと対応したパーティーメンバー(タマシイ)のゲージが貯まっていきます。
青のスフィアを取ると青のタマシイの、赤のスフィアを取ると赤のタマシイのゲージが貯まり、最大になったら敵のタマシイに攻撃を行います。

敵も一定時間ごとに攻撃してきて、こちらの HP が減少します。
またコースの穴から転落したり、トラップなどに衝突してもダメージを受けます。
ダメージを受けすぎて HP が 0 になったら敗北です。

ゲームとしてはシンプルなのですが、ステージが進むと急に障害物が出てきたり、上からエネルギーボールが落ちてきたり、突然足場が現れるなど、様々なトラップが出現して難易度は高くなります。
ミスってもダメージを受けるだけで、1発アウトではないのですが、グリーのゲームとは思えないほどアクション性が強く、「テキトーにボタンを押してれば終わる」みたいな内容ではありません。
ラン&ジャンプゲームとして、十分に楽しめる難易度とゲーム性を持ちますね

グラフィックや演出も良く、BGM はボーカル入り。
ボイスもかなり豊富で、攻撃時やダメージ時には主人公が色々としゃべります。
グリーのゲームはブラウザ型を中心とした、時代遅れな演出とショボいサウンドのアプリが多いのですが、このゲームはきっちり演出面もスマホに合わせて作られています

消滅都市
※連なった玉を全部取ると「チェイン」が貯まり、攻撃力が「チェイン×2%」アップしていきます。 8チェインなら攻撃力16%アップですね。
ただしダメージを受けるとチェインは半分になるので、そのためにもミスしないことが大事。
チェインが 10 の倍数になるごとに「フィーバー」となり、大量の玉をゲットできます。


消滅都市
※美大生のスキル発動。 タマシイは消滅に巻き込まれた人々の「思い」らしいのですが、その正体は最初は不明です。
パズドラと同じく各キャラには 火・水・木・光・闇 の属性があり、その相関関係もパズドラと変わりません。
火→木→水→火 で強く、光と闇は互いに強い関係ですね。
各話ごとにどの属性が出やすいのかクエスト選択画面に書いてあるので、見逃さないようにしましょう。


レベルアップやパーティー編成などは既存のパズドラ系と変わりません。
ストーリークエストや「ガチャ」で得たタマシイを「合成」してレベルを上げ、曜日クエストなどで素材を集めて「進化」させるものです。
ただ、このゲームはクエストでも経験値が入り、パーティーメンバーのレベルを上げていけます。

やはりソーシャルゲームなので、スタミナ制であり、なくなるとしばらくプレイ出来なくなります。
また上位の「タマシイ」を得るには、やはり課金ガチャが必要になります。

ただ、このゲームはレアリティの低いキャラでも激レアクラスまで進化させることが可能で、弱いキャラにも有用なスキルが付いていたりします。
アクション性が強いので、テクニックとスキルでカバー出来る部分も大きいですね。

個人的に意外だったのは、課金通貨の「フクザワ」を買う値段が1枚 100 円とキリの良い価格であり、さらに初回のみ 10 枚のフクザワを 100 円で買えるサービスもあったこと。

「そんなの普通じゃん」と言いたくなる方もいると思いますが、グリーのゲームは 500 円で 480 円分の課金通貨しか貰えなかったり、購入リストが高額課金順に並んでいたり、レベルアップガチャなどの射倖心を煽る手法を駆使するなど、「少しでも搾り取ろう」というのがアリアリと見えるのが特徴でした。
それが一転して、こう言うのもおかしいですが、普通の課金になっています

あくまで「ダーティーな奴がマシになった」というレベルなのですが、グリーのゲームがこういう方向になったのは、ちょっと注目点と言えますね。

消滅都市
※メニュー画面も旧来のグリー型ポチポチゲーのような、広告バナーを貼りまくったものではなく、スタイリッシュな表示になっています。
どこにもグリーの名前はなく、グリー系列のゲームだと気付かない人も多そうですね。


消滅都市
※ゲーム中にも説明されるのですが、「中学生」と「女子高生」は簡単に手に入る弱いキャラではありますが、スキルが有用です。
中学生は一定時間(アクション面で)無敵になり、女子高生は周囲のスフィアを吸い込みます。
進化させれば相応に強くなるので、レアキャラより便利なことも多いです。


このゲームの良い点は、なんと言ってもストーリーでしょう。
ゲームもソシャゲとしては悪くありませんが、私はストーリー見たさで続けています。

登場人物にはそれぞれ曰く付きの過去があり、主人公はイケメンだけどイケメン過ぎない青年、仲間の研究者や情報屋、技術者なども男性で、そこいらのラノベ的なハーレムストーリーではありません
もちろんパートナーの少女や元カノなど女性キャラもいるのですが、「萌え」に頼っていない作り方と物語には好感が持てます。

ゲーム中も敵を1体倒すたびに会話シーンが入るなど、ストーリーを重視していて、ただシンプルにミニゲームを繰り返すだけのソシャゲとは違うものになっています。

私的には、学生やサラリーマン、写真家やスポーツ選手など、普通の人々とその能力をモンスター&特殊攻撃にしているのも好みですね。
名刺交換とか、中学生のつぶやきとかが攻撃になっているのもヘンではありますが、ジョジョの第4部っぽいというか、どこかに現実を残している作り方は良いと思います。

消滅都市
※会話シーン。 クエストごとに違うものが用意されていて、先が見たくなる展開です。
ソシャゲのストーリーは無理に話を引き延ばすため、物語上必要とは思えない展開がたくさん入っていてダラダラになってることが多いのですが、このゲームはそういったものが少ないので思わず引き込まれます。


ソーシャルゲームですから本体は無料
もちろん課金ガチャはありますが、ゲームの進行でも相応の課金通貨を得られ、キャンペーンや「詫び石」での配布も多いので、当面は課金しなくても進められる印象です。
(まあ詫び石が多いのは、臨時メンテが多いことの裏返しでもありますが)

アクションのゲームバランスも難しすぎず簡単すぎずで、ゲーマーの私にとってもちょうど良い感じであり、「ゲームバランスより課金演出が大事」と公にコメントしていたメーカーのゲームとは思えません。
無論ソーシャルゲームですから、後半はどうなるか解りませんが。

グリーは昨年、スマホでの活動はほぼ沈黙していたのですが、海外では相応にヒット作を出していました。
このゲームを開発した新スタジオ Wright Flyer Studios の代表の方は、そのアメリカでのヒットを仕掛けた方のようで、その点で以前から注目されていたようです。

日本ではもうグリーの名前はマイナスイメージでしかありませんが、このゲームと同スタジオが復調のきっかけとなるかどうか・・・
とりあえずこのゲームは、試してみる価値のあるアプリだと思います

消滅都市(iTunes が起動します)