ファミコン風のグラフィックとゲーム性、でも動きは滑らかで手軽に楽しめるサッカーゲームが登場しています。
Pixel Cup Soccer」です。

ワールドカップの開催まであとわずかとなりましたが、そんな折りに出た質の良いサッカーゲームということで、海外で人気アプリになっているようです。
PK もファールもない簡易化された内容ですが、それはそれで遊びやすくて良いですね。
ただ、なかなかシュートが入らないので、簡単という訳ではありません。

開発したのはブラジルの隣、ウルグアイの Batovi というメーカー。
ウルグアイは他にも Kingdom Rush など、秀作ゲームを多く出している国です。

Pixel Cup Soccer

移動キーと2ボタンという、いかにもファミコンっぽい操作スタイルです。
オフェンス時は○ボタンがシュート、×ボタンがパス。
ディフェンス時は○ボタンでスライディングタックル、×ボタンで操作する選手を変更。
違和感のないインターフェイスですね。

何より素晴らしいのは操作性で、プレイしていて「操作し辛い」「思った通りに動かない」と感じたことがありません。
タッチパネルなのを忘れてしまうほどの操作しやすさです

ルールはかなり簡略化されていて、背後からタックルしてもファールやイエローカードになることはなく、オフサイドも起こりません。
ボールを持っている相手にタックルし、ボールを奪ったらドリブルで持ち込んでシュートするという、シンプルな内容です。
だからこそ、余計なことをあれこれ気にしなくて良いですね。

多少アバウトな操作でも反応してくれて、ボールが浮いている時はヘディングになります。
シュートはボタンを長押しすれば強いシュートを放て、蹴った後にスティックでカーブをかけることも可能です。
ボタンを長く押しすぎても、ゴールの枠の外に飛んでいくようなことはありません。
難しい個人技を出すような操作はありませんが、相手のタックルを自動で回避する場合はあります。

レトロスタイル・アーケードサッカーゲーム」と自称していますが、実際にその言葉通りの内容と言えますね。

Pixel Cup Soccer
※ガンガン足元にスライディングしてもカードは出ないので、積極的にボールを取りに行きましょう。
ドットグラフィックと今風のグラフィックが混在したデザインは雰囲気がありますね。


Pixel Cup Soccer
※雨の試合もあります。 他のサッカーゲームよりも荒れたコートが多いのは、ちょっと南米ぽいというか、欧州のものとは違う印象を受けます。
ゲームも個人技とドリブルがメインで、この辺もお国柄なんでしょうか。


ゲームモードは1試合だけを行う「Quick Match」と、ワールドカップを模した大会を行う「CUP」の2つが用意されています。
また iPad でのプレイ時のみ、1つの画面にコントローラーが2つ表示される形式の2人対戦を行うことが出来ます。

登場チームはブラジル、アルゼンチン、スペイン、ドイツ、日本などの16ヶ国
もちろん国ごとにステータスが異なり、ブラジルやスペインは強いです。
ただウルグアイ視点なのか、それとも今回のブラジルワールドカップを対象にしているためか、南米チームが強く、欧州勢の評価は低めです。 日本はかなり高評価。

ゲームの難点というか、特徴と言えるのは、とにかく点が入らないこと
キーパーの反応が良く、シュートを打っても打っても決まりません。
ほんと、初めてプレイした時は「どーすりゃ良いんだコレ」と悩むレベル

ゲームに少し慣れて、中距離から強いシュートを放ち、隅の方にカーブをかけるようにすれば、相手のキーパーが弱ければ割と決められるようになります。
もちろんこぼれ球に詰めるのも重要。

ただ、それでも相手のキーパーの能力が高くなると、シュートはことごとくキャッチされ、こぼれ球も生じなくなるので、やはり途方に暮れるレベル。
しかも PK などはなく「引き分け=負け」なので、CUP モードの序盤に最強クラスのキーパーを誇る「カメルーン」が出てきたりすると、いきなり行き詰まりかねません。

まあ簡単に点が入って 10-0 とかになるのも興醒めだし、このぐらいの方がサッカーらしくはあるのですが、ちょっと初心者には辛いかな・・・

あと、これはワザとこういう調整にしているのだと思いますが、パスにほとんど意味がありません
パスのボールの速度が遅く、ドリブルで走った方が早いぐらいです。
だから互いにドリブルとタックルでボールを奪い合う、力押しのサッカーが続きます。
その方が遊びやすいという判断かもしれませんが、もうちょっとパス回しも出来るようにして欲しいですね。

Pixel Cup Soccer
※日本のステータス。 攻撃・中盤・防御の全てが★4。 これはほとんどの欧州チームより高めです。 キーパーは悲惨ですが。
欧州勢は、例えばイングランドは攻撃2、中盤3、防御2とかなり低評価。 ロシアなどもボロボロ。
これは気候の影響なども加味しているのでしょうか?


Pixel Cup Soccer
※このカメルーンのキーパーが鉄壁すぎる。 これが初戦に出て来たらリセットを推奨したいレベル。
至近距離まで持ち込んでもセンタリングを上げてもまず無理。
強いシュートが隅に飛んでいき、凄く運が良ければ入ることもある、みたいな感じ・・・


価格は 200 円。 手軽に試せる値段だと思います。
選手は実名ではなく、長期的な育成要素がある訳でもありませんが、ちょっとした空き時間に楽しむには良いですね。

1試合は5分ですが、オプションで3分や10分に変更可能です。
ゲームスピードも変更できるので、慣れないうちは SLOW でやった方が良いかも・・・
ちなみに高速化も可能です。 速すぎてまともに遊べませんが。

iPhone のサッカーゲームは「FIFA 14」の登場でそれ以外が淘汰された印象があり、しかしその FIFA 14 は(少なくとも公開当初は)課金ゲー化&不具合てんこ盛り&アクセス不良続発の問題作で(さらに日本リーグ不在&日本語環境でバグる)、結果的に「ソシャゲぐらいしかマシなものがない」という状況になっています。

そんな中、このゲームは久々に出たガチャやスタミナ制がない普通に遊べるサッカーなので、それだけでも価値があると思いますね。

Pixel Cup Soccer(iTunes が起動します)