スマートフォンではなく、その前身である PDA 機器のヒット作であった縦スクロールのシューティングゲーム「Sky Force」。
iPhone でも Sky Force Reloaded という移植版が公開されていましたが(現在は公開終了)、Sky Force 誕生 10 周年を記念した新バージョンが先日登場しました。
Sky Force 2014」です。

細密なグラフィックと高クオリティーな演出&サウンド、強化し甲斐のある継続的なパワーアップシステムを持つ作品で、久々の本格シューティングです
しかし「本体無料+アイテム課金化」に毒されており、スタミナ制やパワーアップ待ち時間、全画面広告などの残念仕様もてんこ盛りです。

また随所に「シューティングとしての古さ」や「作りの甘さ」が見え隠れし、楽しめるゲームではありますが、シューティングファンとしては釈然としない部分もありますね。

開発は Infinite Dreams というポーランドのメーカーで、Can KnockdownJelly Defense などを作っている、実績のあるメーカーです。

Sky Force 2014

オーソドックスな縦スクロールのシューティングです。
元の Sky Force は「雷電」をオマージュしたような作品でしたが、今作もそれっぽい雰囲気がありますね。

ショットは自動で、ボムなどは最初は使えません。
操作は指の真下に自機が位置する形ですが、オプションで相対移動(指の位置に関係なく、指を動かした方向に自機が移動する形)に変えることも出来ます。
操作性は悪くありませんが、指の真下に位置するのが初期設定である点に、「スマホのシューティングとしての古さ」も垣間見えます。

序盤のシューティングシーンに特筆すべき点はあまりありません。
と言うのも、パワーアップアイテムを取っても連射力が少し上がるだけで、攻撃や武器が追加されたりすることはないからです。
最初の自機の攻撃は単発の弾をただ前に撃つだけ。

しかし敵を倒すと「★」がバラまかれ、これを集めることでショップ画面で様々なアップグレードを購入できます
これにより両翼から弾が出るようになったり、誘導ミサイルを撃てたり、マニュアル使用のボムやレーザーを使用できるようになります。

ただ「本体無料+アイテム課金」なので、そう簡単に武器は買えません
同じステージを何度も繰り返して、地道に★を貯め続けるか、課金をする必要があります。
メインショットと耐久力のパワーアップは安めなので、無課金でも全く強化できない訳ではありませんが。

ゲームはステージをクリアするか、やられたら一旦終了
終了時に「敵を 70 %以上撃破する」「被弾せずにクリアする」などの条件を達成していれば勲章を得られ、それによってスコア倍率が上がり、上位ステージもアンロックされていきます。

また1つのステージの勲章を全て獲得すると、「HARD」や「INSANE」の難易度を選べるようになります。
(アップデートで日本語化され、難易度名は「高」と「最高」になりました)
難易度が高い方が★が多く出るので、クリアできるなら難しい方が稼げますね。

Sky Force 2014
※左は工場地帯。 戦車が爆発して破片が飛び散っています。
書き込みが細密なうえに破片の動きもリアルで、グラフィックはかなり高レベル。
右はボスが派手な黒煙を噴き出して墜落中。 この後ちゃんと「着水」します。


Sky Force 2014
※アップグレード画面とステージ選択画面。
アップグレードに待ち時間があるのが難点。 しかも追加装備はかなり高い。
各ステージの勲章は1度にまとめて取る必要はないので、全滅重視と救出重視で何度かに分けて狙いましょう。


良くも悪くもガチャがないソシャゲのようになっており、長期的な育成の面白さがある反面、アップグレードしないとザコさえ1撃で倒せなくなるので、テクニックや攻略よりもまず強化が必要になります。

しかし無課金では単発の弾しか撃てない地味な展開が長すぎて、これでは飽きが来ますね。
とりあえず 100 円課金して★を買い、ウィングキャノンとミサイルを付けないとやってられないと思います。

また当然のように「スタミナ制」で、プレイ回数が尽きるとしばらく待つか、プレイごとに 15 秒の広告動画を見ないと遊べなくなります。
さらに海外の悪しき習慣「アップグレード待ち時間」があり、ゲーム終了後には全画面広告まで出てきます。

ただ、私的にもっと残念なのは、シューティング自体の作りが古いこと。

まず自機の当たり判定がデカ過ぎる
敵弾が多くないのでそれでもプレイは出来るのですが、「見た目通りの判定」なので先端や翼の先に少しかすっただけでも被弾になります。
だから「避けているつもりでも当たった」という状況が多発します。

さらに敵弾が非常に見にくい
しばらく海上のステージが続くのですが、にも関わらず敵の弾の色が寒色系で、海の上で青とか紫の弾を撃ってくるのです。
これに当たり判定のデカさが加わって、「何に当たったのか解らない」という状況が多発します。
緻密なグラフィックが災いし、敵の誘導ミサイルなども小さすぎて見辛いです。

さらに後方や真下にいる敵が、平気で後ろから弾を撃ってきます。
日本のシューティングは画面の下半分まで来た地上物は弾を撃たない場合が多いのですが、このゲームにそんな配慮はありません。
そしてスマホのシューティングは画面下には指があり、さらにこのゲームには「指置き場」もないので、「指で隠れた位置から弾を撃たれる」という状況が起こってしまいます

やはり全体としては、デカい当たり判定を耐久力の高さでカバーして突き進む「欧米型ゴリ押しシューティング」に近く、シューティングに対する知識や経験の乏しさも加味されている印象です。

Sky Force 2014
※敵の発射するエネルギー弾が海の上なのに青い。 もうちょっと配色を考えなかったのかと。
右は2面のボスが海上で水色の弾をバラまき、さらにそれが波しぶきと同化して見えなくなっているところ。
これ見た時は思わず「アホか」と思ってしまった・・・


とは言え、不平不満を言いつつも・・・ 私はかなり遊んでたりします。
グラフィックや演出の良いオーソドックスなシューティングなので、このジャンルが好きな人間としては十分楽しめますし、育成要素があるからパワーアップしていく面白さもありますね。

200 円かかりますがスターの入手量を2倍にする課金をして、その上でハード以上でプレイすると割とまとまったスターを得られるので、ある程度進めば強化もスムーズに行えるようになってきます。
これに初期強化費用の 100 円を加えても合計 300 円なので、それで普通に遊べるようになることを考えると、決して高くないと思います。
各種の待ち時間があるので、無料化のデメリットは決して小さくはありませんが

もし iPad を持っている方は、そちらでのプレイをお勧めします
弾が見やすくなりますし、この緻密なグラフィックは画面が大きい方が映えますね。

Sky Force 2014(iTunes が起動します)


【 追記 】

課金したくても出来ないという方が結構おられるようです。
詳細は不明ですが、ある程度ゲームが進んでからでないと課金できないのかもしれません?
なお、旧バージョンでは課金できないので、古いアプリを持っている人はバージョンアップして下さい。
広告は 200 円で削除できるようになっています。


skyforce5