夏のソーシャルゲームまとめ斬り特集。
この第四回でラストになります。 今回は番外編と言ったところでしょうか。
第一回は こちら、第二回 は こちら、第三回 は こちら です。

今回は LINE ゲーム2つと、コロプラの人気作2つです。
LINE ゲームはソーシャルゲームと言うよりは「LINE ゲーム」であり、ちょっとジャンルが違うのですが、売上げ・知名度はトップクラスですし、ここで取り扱っておこうと思います。

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LINE:ディズニー ツムツム

LINE のユーザ数の多さと、LINE ゲームとしては別格のクオリティーで、国内トップクラスのプレイヤー数と売上げを誇る大ヒットアプリです。

Azkend や Dungeon Raid のような「一筆書きパズル」に物理シミュレートを加えた内容で、1分でどれだけスコアを稼げるかを競うシンプルなショートゲームですが、LINE ゲームとしては珍しく技術力の高さを感じられます。

開発は NHN PlayArt というメーカーですが、ここはハンゲームの運営を行っていた韓国 NHN の日本法人 NHN Japan が「LINE 株式会社」と「新 NHN Japan」に分割された後、新 NHN Japan が改名したものです。
旧 NHN Japan のゲーム開発事業を引き継いでいて、2011年頃に見せたハンゲームアプリの高い技術力が、ツムツムの下地になっているのでしょうね。

tumutumu

上部から「ツム」と呼ばれるボールが大量に落ちてきます。
プレイヤーは同じ種類のツムを指でなぞり、3つ以上繋げると消すことが出来ます
基本ルールはこれだけ。

ただ、ツムは物理法則に従って転がり、落下し、すき間に入り込みます。
この物理シミュレートが独特のゲーム性を生んでいます
消した後の状態を推測しにくいのですが、たくさんのボールが転がっていく様子には、他のパズルゲームにはないリアルさがあります。

7つ以上のツムを繋げるとボムが現れ、周囲のツムを一気に消すことが出来ます。
また、このゲームには「アクティブ連鎖」があり、ツムが消えている最中に他のツムを連続で消すことができ、「コンボ」も繋がって高得点を狙えます。
これに1分という制限時間があることで、ゲームはかなりスピーディーに展開。
一時的に得点が3倍になる「フィーバータイム」もあって、シンプルながらスコアアタックが楽しい内容に仕上げていますね。

私的に難点なのは、コインで購入する使い捨てのお助けアイテムがあること。
コインは通常のプレイでも増えますが、やはり課金しないとまとまった量は入手できません。
プレイヤーのレベルでも得点に補正がかかるため、最終的にはスコアはテクニックより、「お金」と「レベル」に左右されます
ガチャで入手するお助けキャラクターもありますが、これには一長一短の特性があって、特別強いというものはないようです。

ヒットの最大の理由は「LINE ゲームなのにこのクオリティー」という事でしょう。
こう言うと怒る人もいるかもしれませんが、やはり LINE ゲームはゲーマー視点で見ると、子供だましのようなショボいものが多いです。
しかしこのツムツムに限っては、リアルな動き、質感のある 3D キャラ、質の高い演出とサウンド、さらにオープニングムービーまであって、クオリティが突出しています。

思わず繰り返してしまうゲーム性も良く、この大ヒットも頷けます。
今月から世界展開も始まり、さらに飛躍しそうな勢いがありますね。

iTunes リンク:LINE:ディズニー ツムツム
Google Play リンク:LINE:ディズニー ツムツム
参考レビュー:Dungeon Raid


LINE ポコパン

ディズニーツムツムは日本では大ヒットしていますが、ディズニーの版権の問題があったのか、先月まで日本以外では公開されていませんでした。
その代わりに世界で大ヒットしている LINE ゲームが、このポコパンです。

内容はぶっちゃけ、Azkend のクローンです。
それを LINE ゲーム用に1分のタイムトライアル制にして、お助けアイテムやキャラクターを加えたものですね。

公開はツムツムよりポコパンの方が早いので、ツムツムはポコパンのアレンジとも言えます。
開発は Treenod という韓国のメーカーです。

pokopan

上から六角形のパネルが落ちてきて、同じ色のパネルを指でなぞり、3つ以上繋げると消すことが出来ます
7つ以上消すと特殊パネルが現れ、周囲のパネルをまとめて消せます。
基本ルールは「物理シミュレートされていないツムツム」とも言えます。

このゲームはバトル形式になっていて、パネルを消すと上部に表示されている敵にダメージを与えられます。
倒せばボーナスが入って次の敵が現れ、パネルのレベルが高いほど攻撃力が増します。
パネルレベルはゲームで入手できるポイント(チェリー)で上げていきます。
よって、ほぼ「パネルレベル=スコア」になりますね。

もちろん LINE ゲームですから使い捨てのお助けアイテムもあり、最終的にはスコアはテクニックに加えて、課金とお助けアイテム次第になります
この辺もツムツムと変わりません。

クオリティーは、やはりツムツムと比べると見劣りします。
正直、このゲームがヒットしているのは「LINE ゲームだから」でしょう。
もちろん一筆書きパズルの手軽に楽しめるゲーム性と LINE がマッチしていたのが大きいと思いますが、LINE でなかったらランキングの外に埋もれていたと思います。

ゲーマーの私としては、じっくり遊べる本家の Azkend / Azkend 2 の方が良いですし、DeNA の「パズ億」の方が面白いと思います。
ただ、LINE ユーザーだとこの形式に慣れているでしょうし、移動中に遊ぶ場合は時間が限られていた方がやりやすいのはあります。
でも、ツムツムの2番手かなぁ、ってのが本音ですね。

iTunes リンク:LINE ポコパン
Google Play リンク:LINE ポコパン
参考ページ:Azkend
参考レビュー:Azkend 2
参考レビュー:パズ億


ほしの島のにゃんこ

「日本の人気はすでにヘイ・デイを越えている」とも言われる、「ヘイ・デイ」のフォロワー(追従作)の農園ゲームです。

コロプラのマスコットキャラである白い「にゃんこ」が島を開拓していくゲームで、こうした農園ゲームはガラケー時代からありますが、キャラが可愛いのと、スマホらしいクオリティーの高さが特徴です。

hosinosima

畑を作って作物を植えると、一定時間後に成長するので、収穫してまた種を植える。
これを繰り返しながら畑を拡張して行く内容ですが、このゲームには「商店」があり、お客さんが望む商品を渡すことでお金を得ることが出来ます
逆に言うと、収穫しただけではお金は増えません。

収穫を繰り返してレベルが上がると「加工場」を作ることができ、麦からパンを焼いたり、ジャガイモをコロッケにすることが出来ます。
これらはより高い値段で売ることが出来ます。

ここまでの基本システムはヘイ・デイと全く変わりません。
違うのは、作業者となる「にゃんこ」を雇用する必要があることぐらいです。

ではなぜこのゲームがヘイ・デイを越えようとしているのか?
それはもう、日本向きのキャラクターとグラフィックだからですね

ヘイ・デイは農園ゲームとしては別格のクオリティーの高さを持ち、世界中で大ヒットしました。
ただクオリティーの高さについては、ほしの島のにゃんこも同等のものを持っています
サウンドや演出、グラフィックなどで見劣りする印象はありません。

同じ内容で同じクオリティー。 だったらどちらを選ぶか?
日本人なら日本人好みのデザインの方を選ぶ。 そう言うことですね。

パクリと思うか、アレンジと思うか、地域最適化と思うかは人それぞれですが、まあ農園ゲームってヘイ・デイ以前から似たものがたくさんありましたしねぇ。
いずれにせよ、私としても今からやるのであれば、ほしの島の方が日本人にはお勧めです。

iTunes リンク:ほしの島のにゃんこ
Google Play リンク:ほしの島のにゃんこ
参考レビュー:ヘイ・デイ(Hay Day)


プロ野球 PRIDE

プロ野球を題材にしたソーシャルゲームとしてはスマホで最も成功している、ロングセラーのアプリです。
内容としては「ドラゴンリーグ型ポチポチゲー」になるのですが、ポチポチ部分が 3D のバッティングゲームになっていて、ドラゴンリーグのような協力バトルの他に、ソロで行う試合シーンもあります。

またアプリがネイティブ(スマホ用アプリ)でありながら、旧来のガラケースタイルのメニュー画面になっていて、昔からのポチポチゲーマーが移行しやすい作りになっています。

baseballpride

まずはバッティングゲームで経験値と資金を貯めていきます。
ピッチャーの投げる玉に合わせてボタンを押すだけの内容で、単なるポチポチに近いのですが、タイミングが悪いと空振りになってしまうし、ミッションによってはレフトやライトへの打ち分けが必要で、コンボを重ねると剛速球を投げてくるなど、それなりのゲーム性はあります

また、このシーンは 3D グラフィックで表現されていて、ジャストミートだと派手な演出が表示されるなど、ポチポチ型のソシャゲとしては非常にリッチな見た目になっています。

バッティングゲームで貯めたポイントでガチャを引き、選手を集めてチームを編成すると、ペナントレースの「試合」に参加することが出来ます。
試合は自動で進みますが、ちゃんと1球ごとに結果をシミュレートしているようで、実況のボイスがあり、スキル発動の演出もあるなど、なかなか野球らしさがありますね。

さらにギルドやクランに相当する「リーグ」に加盟すると、敵チームを攻撃してポイントを稼ぐ「交流試合」が発生します。
このモードは仲間と攻撃のタイミングを合わせるとダメージが増す、プレイヤー同士の連携・連絡が必要になるもので、ドラゴンリーグや戦国炎舞の戦争と似た形式です。

全体としては「すごく進化したポチポチゲー」という印象です。
メニュー画面に広告がベタベタ張られていて、仲間がゲットしたレアカードの報告がデカデカと出るなど、課金演出は非常に露骨なのですが、ログインスロットやクリアボーナスでアイテムが配布される機会も多く、この辺も「うまいなぁ」と感じます。

ただペナントの試合はある程度ゲームが進まないと実行できず、交流戦もリーグのアクティブメンバーが少ないといつまで経っても起こらない可能性があります。
試合ができないと単なる「バッティングポチポチゲー」なので、これでは楽しめる前に脱落する人も多い気がしますね

私としては古いソシャゲの印象が強いのですが、ガラケー時代からある野球ソーシャルゲームの最終形と言えそうです。
ガラケー時代から野球ソシャゲをやっていたプレイヤーは、ここに集まっているのではないでしょうか。

iTunes リンク:プロ野球 PRIDE
Google Play リンク:プロ野球 PRIDE
参考レビュー:野球ソーシャルゲーム2種

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という訳で全四回、12 のゲームを紹介した夏のソーシャルゲーム特集。
また不定期に行いたいと思いますが、一旦ここで区切りたいと思います。

今回紹介したものの多くは iTunes の売上げランキングで上位常連になっている作品ですが、やはりやってみると、上位になるアプリにはそうなるだけの理由があるのが解りますね。