最近、ちょっと気になっているゲームがありました。
ファミコンで発売された伝説のクソゲー「トランスフォーマー コンボイの謎」をリメイクしたという、やっぱりクソゲーだと評判のアプリ。
キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎」です。

Apple の担当者が「ニセモノかと思って」リジェクトしたというほどの残念さで、Android 版は先に公開されていたのですが、「クソゲー」「鬼畜ゲー」ともっぱら評判。
しかしその「鬼畜クソゲーっぷり」がクソゲー愛好家のハートをわしづかみにし、意外にも高評価するユーザーが続出。

「いっき」「たけしの挑戦状」「星をみるひと」と並ぶファミコン時代のクソゲー四天王の一角が、スマホでも新たにトップ・オブ・クソゲーの地位を築こうとしています

という訳で、なんとか Apple の審査も通って iOS 版も公開されたため、さっそく試してみようと思ったのですが、レビューするには足りないものがある。
私はオリジナルをプレイしたことがないのです・・・

そこでオリジナルがどんなゲームだったのか、動画を探してみることにしました。
そして見つけたのが以下のもの。(最初の動画は削除されたため差し替えました)



なるほど。 なかなかのクソゲーっぷり。 これは伝説になるだけのことはある。
OK、解った。 ではさっそくこれが「帰ってきた」というアプリをやってみよう。

「キュートランスフォーマー」をインストールし、さっそく起動します。
ちなみに Q トランスフォーマーとは、チョロQ のトランスフォーマー、及びそれを使った関連作品のブランドです。

ファミコン版は方向キーで移動し、ボタンでショットとジャンプを行っていましたが、アプリ版は方向キーはなく、勝手に走り続け、ショットも自動。
ジャンプボタンと変形ボタンのみの、2ボタン制のランニングゲームになっています。

ゲームが始まると穴が出てくるので、すかさずジャンプ。
するとキノコのような敵が出てくるので、ショットで撃破・・・ できない。

kusogecomboy

ショットは自動で連射されますが、キノコはジャンプして撃たなければならず、しかし弾にすき間が出来てうまく当たらない
ジャンプで飛び越えることも出来ない
ずっと走り続けているので止まって狙うことも出来ない
どーするんだコレ。
初めてスーパーマリオをする人が、最初のクリボーに当たりまくるかのごとく秒殺され続けます。

そして8回ほどゲームオーバーになると「マトリクスがありません」の表示が。
なにコレ? 死にゲーなのにスタミナ制なのか? ダメだろそれ。
どうやらこの辺のシステムまでクソらしい。

kusogecomboy3

一旦小休止してスタミナの回復を待ち、再びプレイを再開。

なんとか小ジャンプでキノコに弾を当てて先に進みますが、すかさず戦闘機が飛んできて当たると即死。
それを車に変形してくぐり抜けても、道を間違うと死ぬしかない段差や、上下に浮遊している回避し辛いエビなど、その後もやたら難しいトラップがてんこ盛り。

ゲームバランスを無視してひたすら陰険なトラップを並べ、自己満足に浸っているシロウトのようなクソゲー感にあふれています。

kusogecomboy2

それでもパターンを覚え、なんとかボスに到達。
 
が、いきなり自機が弾を撃たなくなる。
しかし敵は弾を撃ってきて、例によって秒殺されます。
なんだコレ? それまで攻撃してたのにボスには攻撃しないのか?

と思ったら、再びボス戦に行きよく見てみると、ここだけ変形ボタンがショットボタンになっている
何だよこの解りにくいうえに不要な仕様変更。
おまけに特殊な弾でも出るのかと思いきや、撃つのはいつものショットと変わらない

kusogecomboy4

何度かやられながらもパターンを確認し、なんとかボスを撃破。

するとここで TIPS 出現。
「ボタンを押す長さでジャンプの高さが変わります」

解ってるよ! 今さらかよ! それが解ってないやつがボス倒せるかよ!

kusogecomboy5

そして始まるステージ2。
しかしパターンが解ってないので早々にゲームオーバー。
コンティニューには課金通貨のジュエルが必要で、ない場合はまたステージ1の一番最初から。

やってられるか!!


・・・ふぅ、堪能した。 久々にクソゲー分を補充できた。

さて、こうなると興味が沸くのは、こんなクソゲーを作ったのはどこなのかということ。
調べてみると、DLE(Dream Link Entertainment)というメーカーらしい。
ん? なにか聞いたことあるような・・・
どうやらここは、あの FLASH アニメ「秘密結社 鷹の爪」を制作しているところのようです。

なるほど、それならこのクソゲーっぷりも納得。
鷹の爪団が良ゲーを作ってるとか、まったくイメージが湧かない。
ナナメ上のバカゲーを作っている光景こそ、ここには相応しい。

そう言えば最近、「鷹の爪」と「ストII」がコラボしたアプリが出ていたような・・・
それも結構なクソゲーらしいけど・・・

という訳で、そちらも試してみました。
待ちガイル -TAKAREET FIGHTER Ⅱ-」です。

kusogekatanotume1

しゃがんでサマー体勢のガイルに鷹の爪団が次々と「お金をたかりに来る」ので、ソニックブームとサマーソルトで迎撃します。
画面を左から右にフリックするとソニックを撃ち、前から来る敵を撃退。
下から上にフリックするとサマーを放ち、ジャンプしてくる敵を撃墜できます。
ミスったら1発でアウトのシンプルなゲームです。

これだけなら汎用な凡ゲーなのですが、これがクソゲーらしいのは、タメを無視してソニックをブンブン連射できること。
ガイルと言えば、タメ時間をいかにコントロールするかが使い方のポイントですが、そんな要素は一切無し。
画面上にソニックを4つも5つも出せます。 こんなのガイルじゃねぇ
演出もショボく、広告も出まくりで、チープ感に溢れています。

kusogekatanotume2

ストII のキャラクターや BGM をそのまま使用している正式なコラボ作品なのに、ストII に対する愛情が微塵も感じられない、ストII らしさを出そうという気もさらさらない、それが最大のクソゲーポイント。

でもおそらくこれは、狙ってやっているのでしょう
前述したようにこのメーカーに良ゲーは相応しくありません。

シュールなコンテンツを作り続けるメーカーが、次なるシュールレアリズムの舞台として選んだのが、スマホアプリの「クソゲー」という分野だったということではないでしょうか。

だから、ここまでクソゲークソゲーと連呼するのは本来は非常に失礼ですが、ここではむしろほめ言葉。
きっとメーカーの人も、このクソゲーだからこそ実現できた話題性に、KIRA の顔で「計画通り」と言いながらドヤ顔してると思います。

果たして次はどんなクソゲーを見せてくれるのか?
今後の DLE の動向に注目です。

・キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎(2016/3 に配信終了)
・待ちガイル~TAKAREET FIGHTER Ⅱ~(いつの間にか配信終了)