レーシングチームの監督となり、ワールドグランプリへの出場と優勝を目指す、リアル志向のレースチーム運営シミュレーションが公開されています。
Motorsport Manager」です。

レースチームの運営 SLG と言えば、カイロソフトの「開幕!!パドックGP」がありますが、そちらはカイロらしいコミカルなアレンジの、解りやすさ・遊びやすさを重視した内容でした。
一方 Motorsport Manager は、もっと現実のフォーミュラカーレースを再現した内容で、やや取っ付き辛い反面、リアルなレーシングチームらしさがあります。

取っ付き辛いと言っても、システムはかなりシンプルにまとめられているため、基本ルールさえ解ってしまえば難しいゲームではありません。
開発したのはイギリスのメーカーです。

Motorsport Manager

ゲームは「マネジメントシーン」と「レースシーン」を交互に繰り返します

マネジメントシーンでは、Drivers(ドライバーとの契約)、Young Drivers(若手ドライバーの育成)、Car Development(マシン開発)、Headquarters(本部の拡張)、Engineers(エンジニアとの契約)の5つのコマンドを主に実行します。

ただ、そんなに頻繁に命令を出すことはありません
ドライバーやエンジニアとの契約はたまにしか行わないし、若手ドライバーの育成や本部の拡張は資金に余裕がある時に実行するのみ。
マシン開発は「開発」と言うより、各分野のスタッフの増減を行うものです。
他に Sponsors(スポンサー契約)もありますが、これも満期になった時に次のスポンサーを選ぶぐらいですね。

マシン性能は各分野のスタッフの数に比例しており、スタッフの上限は本部の拡張でアップします
よって基本的には「お金を貯める」→「スタッフを増やす」→「上限まで来たら本部を拡張」の繰り返しでマシンを強化していきます。
前述したようにシステムはシンプルです。

ただ、画面右上に月額収支(Monthly Profit)が書かれており、施設を拡張したり人員を増やすと経費が増します。
もし収支がマイナスになってしまうと運営が立ち行かなくなるので、拡張は収支が許す範囲で行わなければなりません。

収入を増やすには好成績を上げ、より上位のレースに出場し、高額スポンサーと契約しなければならず、身の丈にあった拡張をしていくことが大切です。

Motorsport Manager
※左はドライバーやスタッフとの契約交渉。
年俸、契約期間、待遇があり、中央に相手が望んでいると「思われる」条件が書かれていますが、条件通りに選んでも蹴られることはあります。
途中解雇も可能ですが、その時は違約金を払わなければなりません。
右はたまに出てくるジレンマ(Dilemma)の選択。 この選択は択一で、選んだ方が上がり、選ばなかった方は下がってしまいます。
例えば、スポンサー人気を上げて良いスポンサーが来やすくするか、ドライバー人気を選んでドライバーが来やすくするか、2つに1つみたいな感じですね。


Motorsport Manager
※マシン開発のシーン。 と言っても能力=人員数。 ちょっとずつ数値が上がっていく、みたいなのはありません。
基本能力は設計(Design)で、加速やコーナリングは空力研究(Aerodynamics)で上がり、信頼性やタイヤ性能、ピットイン時間などは製造関連(Manufacturing)で上がります。


画面下のボタンでスケジュールを進め、レースの週になるとレースシーンに移行します。

まずは予選から行います
Send Out(発進)のボタンを押すと、Gear Ratio(ギア比)、Aerodynamics(空力)、タイヤの種類、周回ラップを選択する画面になります。

と言っても、ギア比は加速重視・中間・トップスピード重視の3つ、空力もストレート重視・中間・コーナリング重視の3つから選ぶだけで、開始前にオススメの設定も教えて貰えます。
タイヤはソフト・ハード・ウェットの3種類だけで、予選は(雨でない限り)ソフト一択。
周回は1か2で良く、そんなに悩むようなものではありません

出発させるとコースを上から見下ろした画面になりますが、車の位置は点で表示されているだけで、実際に車がデッドヒートする様子は描かれません。
ただ、コースは 3D で表現されており、相応にレースらしさはありますね
進行速度は2倍速・3倍速にすることも可能です。

予選が終わると本戦に移行。
Car Setup で予選の時と同じようにセッティングの選択を行い、Start Race を押せばレースが始まります。

本戦はタイヤの選択が重要になります
ソフトタイヤだと摩耗が早いので、頻繁なピットインとタイヤ交換が必要です。
ハードタイヤは摩耗が遅く、ピットインを減らせますが、グリップがないので走りはソフトタイヤより遅くなります。

そして途中で天候が変わる場合があり、天気予報も表示されます
もし 10 分後に天候が崩れるなら、ソフトタイヤで出て雨が降ってからウェットに変えるのが良いですが、15 分後だとソフトで1回変えた後、またウェットに変えるか、それともハードで雨が降るまで耐えるかの選択になります。
残り数周で雨が降った時も、そのまま粘るのか、早めに変えるかの判断が必要です。

また本戦ではドライバーに Conserve(無理しない)、Neutral(中間)、Push(攻める)の指示を出せ、これもラップタイムだけでなく、タイヤの摩耗に影響します
タイヤに余裕があるなら Push、出来るだけピットインを控えたいなら Conserve ですね。
レース中にドライバーが「攻めさせてくれ!」と言ってくる場合もあります。

Motorsport Manager
※まずは予選。 send out のボタンを押さないと、いつまで経っても出発しないので注意。
まず1周流して、それからタイムアタックを行い、その後にまた1周走って戻って来ます。
右は予選終了後のセットアップ画面。 予選のラップタイムが表示されるので、いくつかの設定で予選を走り、タイムの良い設定で本戦を行うことも可能です。


Motorsport Manager
※左は雨が降ってきたシーン。 お天気マークの横のビーカーは路面の濡れ具合を表しています。
右はウィングが壊れたからピットインさせてくれと、残り1周で言ってきたところ。
1周ぐらいはなんとか走って貰いたいですが・・・


最初は Tier 4 のグランプリから始まり、優勝できれば Tier 3 に昇格できます
ワールドグランプリは当然 Tier 1。
上位になるほどスポンサーや賞金も良くなっていきます。

ただ、上になるほど勝ち辛くなるし、同じクラスに複数のグランプリが用意されているので、優勝賞金のゲットも兼ねて、全制覇していくのも手ですね。

難点は、シンプルにまとめられているため、解りやすくある反面、早いうちに同じことの繰り返しになってしまうこと
パドック GP のように新型のマシンやパーツがどんどん出てくる訳ではないし、数値上げの楽しみも乏しく、もうちょっとアクセントやイベントが欲しいところです。

レースの結果に応じてファンやスタッフからメールが頻繁に来るので、それが読めれば楽しいと思うのですが、残念ながら全て英文
ここは海外のゲームだから、仕方のないところですが・・・

Motorsport Manager
※一番下のクラスは初年度でも優勝可能です。
すぐ上にあがると苦戦は必至ですが、スポンサーは良くなるので、初優勝後に昇格すべきかどうか悩みどころ。
2つ目のクラスにはアジアグランプリも存在します。


価格は 500 円。 ちょっと高く感じますが、買い切りゲームのおかげで広告は一切なく、追加課金もありません
安心して遊び続けられます。

レースシーンが少し長いので、ややテンポの悪さを感じますが、でもピットインを考慮した展開にすることを考えると、このぐらいは必要かな、とも思います。
3倍速で進行させれば、長すぎるほどではないですね。

長期的に遊べて、グランプリらしさもある、スマホの運営 SLG としては良く出来た作品だと思います
ある程度のレース知識がないと解り辛いので、F1 などを見たことがある方にお勧めします。

Motorsport Manager(iTunes が起動します)