日本時間9月10日の午前2時、Apple の発表会が行われ、新しい iPhone が正式に公開されました。
4.7 型の「iPhone 6」と、5.5 型の「iPhone 6 Plus」です。

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予約開始は 9月12日、販売開始は 9月19日 から。

具体的な料金プランは Docomo、au、Softbank 各キャリアより随時公開されるものと思われます。
ここでは発表会の詳細と、新機種の概要をお伝えいたします。

まずサイズは事前の噂通り、従来のものより一回り大きくなっています
iPhone 5 / 5s / 5c は4インチサイズでしたが、iPhone 6 は 4.7 インチ、iPhone 6 Plus は 5.5 インチ。
具体的には以下のような感じです。

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左右の外枠が細くなっているのも特徴ですね。
さらに旧モデルより薄くなっていて、iPhone 5s は 7.6 mm でしたが、iPhone 6 は 6.9 mm、iPhone 6 Plus は 7.1 mm になっています。

画面はフルHDとなり、解像度は iPhone 6 が 1334×750、iPhone 6 Plus が 1920×1080。
iPhone 5 / 5s の 1136×640 より向上し、発色もさらに綺麗になっているとのこと。
ただ、噂されていた超硬ガラス「サファイアガラス」についての言及はなかったようです。

またホーム画面が横向きに対応
ゲームには横画面のものが多いので、それを多用する人には嬉しいですね。
※ホーム画面の横向きに対応するのは iPhone 6 Plus のみのようです。

バッテリー駆動時間も伸びており、特に本体が大きい iPhone 6 Plus は大きなバッテリーを積んでいるため、それが顕著です。

iPhone6

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CPU はやはり「A8」。 iPhone 5s の「A7」よりパワーアップ。
(公称では)以前より 25 %高速化しており、グラフィック(GPU)は 50 %高速化
「初代と比べたら 50 倍速くなったよ!」とのこと。
実際の動作速度は発売後の測定待ちですが、Apple のこの手の発表はたいてい正しいので、今回も額面通りに受け取って良いと思います。

また、これまでは「OpenGL」というグラフィックス機能が使われていましたが、新たに iPhone に最適化した「Metal」というものが加わります。
(これは正確には、iPhone 6 ではなく iOS8 の機能)

会場ではこれらの最新グラフィックを使ったゲーム「Vain Glory」のデモが展示されていました。

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ただ Metal を使うと Android への移植は困難になるでしょうし、すぐそれが主流になると言う事はないと思います。
また、あくまでアプリ開発サイドの話なので、一般ユーザーにはあまり関係ありませんね。

iPhone 5 から搭載されている、モーションセンサーを制御する補助 CPU も「M7」から「M8」に強化されています。
これにより距離や高さも測れるようになったようで、フィットネスアプリやナビゲーションアプリでの活用が期待できそうです。

メモリについての言及は、これまで通り何もありませんでした・・・
発売後の調査報告を待ちたいところですね。
iPhone 5s から付いた指紋認証はもちろん搭載されています。

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通信関連については、LTE 150Mbps に対応、また LTE を使った新型通話「VoLTE(ボルテ)」を利用でき、より高品質な通話を行えます。
さらに Wi-Fi を使った通話にも対応するとのこと。

ただし、これらが実際に使えるかどうかはキャリア次第。
国内では、Docomo は一部の機種ですでに VoLTE を利用中で、Softbank と au は準備段階です。
Wi-Fi 通話はアメリカの T-Mobile とイギリスの EE というキャリアが対応するとのことですが、現時点で使えるところは少ないようですね。

Wi-Fi は IEEE 802.11ac に対応。 iPhone 5 の IEEE802.11a/b/g/n より早い規格です。
もちろん無線ルーター側も ac に対応してないとダメですが。

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カメラは、画素数は前と変わりません。 iPhone 4S 以降と同じ 800 メガピクセル。
5 から可能になったパノラマ撮影、5s から付いたダブルフラッシュもそのまま搭載。

ただ、新型 CPU「A8 & M8」のパワーにより、顔認識がより高速化し、60 fps の動画、240 fps のスロー撮影が可能になったようです。
オートフォーカスが高速化し、色彩調整とノイズ削減も改良されているとのこと。

また「光学手ブレ補正機能」があり、新型センサーによって手ブレをなくします。
さらにカメラが可動式になっていて、ジャイロセンサーと連動してカメラ位置を微調整し、物理的にも手ブレを抑えるようになっています。
ただしこれがあるのは iPhone 6 Plus だけのようです。

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注目の価格は、iPhone 616GB:$199、64GB:$299、128GB:$399
iPhone 6 Plus16GB:$299、64GB:$399、128GB:$499
6 が2万、3万、4万。 6 Plus が3万、4万、5万ぐらいですね。
ただし、日本での実売価格は携帯電話キャリアの設定次第ですから、あくまで目安として下さい。

今回は 128GB モデルが加わった代わりに、32GB モデルはなくなりました。
ちなみに iPhone 5s の時は 16GB:$199、32GB:$299、64GB:$399 でした。

なお、6 の発売に伴い iPhone 5c 8GB は無料に、iPhone 5s は $99 に値下げされます。

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予約は 9月12日 からで、9月19日 に日本を含む9つの国で発売されます。
シリコンケースやレザーケースなども発売される模様です。

iOS8 は 9月17日 に公開され、iPhone は 4s 以上、iPad は 2 以上、iPod touch は第五世代のみが対応となります。

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そしてかなり長い時間をかけて説明されたのが、NFC(おさいふケータイなどに利用される近距離通信)機能による決済システム。
新たに「Apple Pay」と呼ばれるサービスを立ち上げ、iPhone で簡単に料金の支払いを行えるようになるようです。
カメラでクレジットカードを撮影することで、カード情報を(銀行に照会後に)自動的に登録し、カード番号のやり取りなしで安全に決済が出来るようになるとのこと。

ただ、これは当面アメリカでしか使えないようで、もちろんセキュリティの問題もあります。
加えて日本の Suica などで使われているのは NFC より上位のソニーの独自技術 FeliCa なので、日本の環境に適合するとも思えません。
日本で使えるのは、本当に安全で便利かどうか、アメリカで見極められてからでしょうね。

発表会の後半は腕時計デバイス「Apple Watch」の説明に費やされましたが、それはここでは省きます。
超小型 iPhone という感じで、サファイアガラスはこちらに使用されているようです。
発売は来年の予定です。

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まとめると、一回り大きくなって、画面が綺麗になって、処理速度が早くなって、高速通信に対応し、センサーとカメラに新機能が付いた iPhone、という感じでしょうか。

グラフィック性能が A7 より 50 %アップなので、ゲームをやっている方だとこの点の影響も大きいと思われます。 画面も大きな方が楽しめますしね。

私はちょうど2年縛りが終わるので、iPhone 6 Plus に買い換える予定。
キャリアが悩みどころですが、ここは各社の発表を見つつ、慎重に決めたいところですね。
VoLTE や 150Mbps 対応なども、キャリア選びのポイントになるかもしれません。