ワイヤーフレーム(線画)によるサイバーな雰囲気が特徴の、3D 視点のランニングゲームが登場し、その目を引くデザインで注目されています。
FOTONICA」です。

イタリアのクリエイターの作品で、パソコン版は 2011 年にいくつかの表彰を受けています。
ゲーム自体はシンプルで、道の切れ目をジャンプで飛び越えるのみ。
良くも悪くも「雰囲気ゲー」ですが、スピード感は十分で、見た目も内容も「レトロ+近未来」といった不思議な感じがあります。

BGM もアンビエント(雰囲気としての音楽)で、曲と言うより「音」であり、印象には残りませんが、内容にマッチしていますね。

FOTONICA

画面を押しっぱなしにするとランナーが走り始めます。
主観視点のゲームで、ランナーの体は手の一部が見えるのみ。

指を離すとジャンプし、これで道の切れ目や段差を飛び越えます。
ジャンプ中に画面を押しっぱなしにすると早く降下し、これで着地地点の調整を行えます。
主観視点なので足元が見えず、慣れるまでタイミングは計り辛いですね。

コースは立体的になっていて、横移動はありませんが、縦方向には複数の道が延びています
落下しても下の道に着地できたり、うまくジャンプすれば上の道に飛び乗れたりするので、ゴールまでのルートは1つではありません。

ランナーは走り続けることで徐々に速度が上がり、一定値を越えると視界がゴールドになります。
この演出により、さらにスピード感を感じることが出来ます。
ゴールド状態での走行距離に応じてゲーム後にボーナスも得られます。

ステージの多くは幾何学的な風景になっていますが、吊り橋を模したようなステージや、マンションの中を疾走するステージもあり、なかなかユニークですね。

FOTONICA
※スピードが上がると金色に。 ゴォーという効果音もスピード感があります。
ただタイミングは取り辛くなるので、適度にスピードが落ちた方がクリアはしやすかったり。


FOTONICA
※マンションステージ。 走ってて一番面白いステージです。
ただゲームはこの辺からパターンゲー化していくのですが・・・


ゲームモードには「アーケード」と「エンドレス」、さらに2P対戦があり、対戦は画面を2分割して行います。
アーケードは規定のコースを走るもので、全7ステージ。
後半は地形を覚えてパターンを作らないとクリア出来なくなって来ます。
エンドレスはランダム生成のシンプルな道をひたすら走るモードです。

シンプルなランニングゲームであるため、雰囲気は秀逸ですが、ゲーム自体は何度もプレイしてハイスコアを目指す、ストイックな楽しみ方をするものです。
長期的な育成要素はなく、ステージも多くないため、ショートゲームが好きでない方は早々に飽きてしまうかも。

またアーケードは最終的に「パターンゲー」になるので、スコア狙いはエンドレスの方が楽しいのですが、エンドレスはコースも景色も単調なのが残念です。
まあエンドレスであまり複雑なコースが出ると、今度は「運ゲー」になってしまいますが・・・
(今も運ゲー感はやや強い)

FOTONICA
※エンドレスモード。 ルートは単純な一本道で分岐はなし。
私的にはこちら方を、もうちょっと作り込んで欲しかったかも。


FOTONICA
※対戦モードは画面二分割。 落下してもチェックポイントからの再開になり、先にゴールした方が勝利です。

価格は 300 円。 本当に雰囲気は秀逸です。
ただシンプルな雰囲気重視のショートゲームなので、この価格は出し辛い人も多いでしょうね。

内容も BGM も「ここが良い」とは言い辛い、前衛芸術的なアプリなので、ゲームが解り辛かったり面白くなかったりする訳ではないのですが、評価は分かれそうです。
好きな人にはたまらない内容かもしれません。

見た目がオシャレでカッコ良く、操作がシンプルで、短時間で繰り返せる内容なので、通勤通学時に遊ぶゲームにはかなり適していると思います。

FOTONICA (iTunes が起動します)