2001年にゲームセンターで稼動していた、キャラクター性とホラーテイストが特徴の弾幕シューティングが iPhone / iPad に移植されています。
式神の城」です。

シューティングゲームが「怒首領蜂」によって弾幕の時代に突入し、高難度化によって急速にマニア向けになっていった頃の作品です。
スピード感があり、演出や攻撃が派手で、背景が 3D で描かれているなど、当時のシューティングの流行りをそのまま体現したような内容ですね。

ただ、このゲームは「B級感」が強いのも本音です。
それは何かが足りなくてB級なんじゃなくて、最初からそんな雰囲気で作られている印象。
個性的なキャラクターが前面に出ているため、ちょっとオタク系なのかと思いきや、ストーリーは猟奇殺人を巡るホラーもので、気持ち悪い敵も多く出てきます。

式神の城シリーズはその後コミカライズ(漫画化・小説化)され、内容も「そっち系」に変わっていきますが、この1作目はまだホラー感の方が強いですね。

なお、詳しくは後述しますが、iPhone 6 / iPhone 6 Plus では画面がおかしくなってプレイできません
現時点(10/3)では iPhone 5 以下と iPad / iPod touch 専用なのでご注意を。

式神の城

操作は「相対移動」です。
指の置いた位置に関わらず、指を動かした方向とスピードで自機が動きます。
外周には「指置き場」となる外枠があり、(普段は)指で画面が隠れることはありません。
操作性は良好ですね

ショットは自動連射で、画面左下にショットの ON / OFF と、ボム(特殊攻撃)のボタンがあります。
そして左上に・・・ ショットとは異なる攻撃を放つ「式神攻撃」のボタンがあります。

これを最初に見た時は「なんで式神攻撃とボムのボタンがこんなに離れてんだよ! これじゃどっちか一方しか使えないじゃん、フザケンナ」と思ったのですが、実はボムはダブルタップでも発動可能で、つまりボタンは式神攻撃しか使う必要はありません。

左上にあるのは、ボタンが下にあると両手とも本体の下側を持つ形になるので、上側に支えがなく不安定になるためだと思われます。 解ってしまえば、このレイアウトは悪くありません。
ボタンの位置を自由に動かせるのが一番ですが。

「式神攻撃」は押しっぱなしで発動し、キャラごとに違う攻撃が出ます
式神攻撃という名前ですが、実際に式神っぽいのを出すのは1人目の主人公のみ。
他のキャラは電撃を出したり、剣を出したり、サテライトレーザーを撃ち込んだりします。
総じて特徴的な攻撃ばかりですが、そのぶんクセが強く、使い方にコツがいります。

ただ、式神攻撃で敵を倒すと「コイン」が多く出て、さらにそれを自動で回収できます
コインは取るごとに1枚あたりのスコアが上がっていき、最大1万点まで上昇します。
さらに敵や敵弾に近いほど回収時のスコアに倍率がかかります
これらを組み合わせると数億点稼げるほどインフレするので、スコアアタックが面白いゲームになってますね。

とは言え、ダメージを受けるとコインの倍率は初期値に戻り、難易度もかなり高いので、スコアを考えられるのはある程度の腕前になってからの話ですが。
なお、コインを集めるとパワーアップしますが、ダメージを受けると1段階下がります。

式神の城
※巫女の式神攻撃は自機の周囲をグルグル回ります。
間近しか攻撃できませんが、こんな風に自機が取り囲まれるような場面では有効で、コインも大量に稼げます。
式神攻撃をいかに使うかが稼ぎのポイント。


また、敵弾に間近まで接近すると「ハイテンション」になってショットが大幅に強化されます
狙うのは危険が伴いますが、ハイテンションになればスコアボーナスも最大の8倍になるので、その状態でボスを倒せればスコアはかなり上がります。

自機はライフ制ですが残機はないので、実質「ライフ=残機」。
オートボムなんて生易しい仕様はないので、早めのボムを心がけましょう。
ただ、iOS 版はコンティニューを無限に行えるようなので、クリアするだけなら誰でも出来ます。

選択できるキャラクターは5人+1。
+1というのは隠しキャラですが、iOS 版は最初から使えます。
キャラごとの性能差が大きく、ショットも式神攻撃も大幅に違うので、一通り使って自分に合ったキャラを見つけるのが第一歩ですね。

式神の城
※キャラ選択画面。 とりあえず高校生か巫女がお勧め。
左側ほど初心者向け、右側ほど上級者向けの印象です。
一番右は隠しキャラで、ボムがたった一発。 ただ超強力。


難点という訳ではないのですが、気になるのは難易度でしょう。
かなり難しい・・・ と言うか、当時のアーケードシューティングの難易度です。

アーケードゲームは1プレイが長すぎると回転率が悪化し、インカム(売上げ)に影響します。
しかし序盤から難しすぎると誰もプレイしません。
よってステージ1は簡単で、ステージ2から急に難しくなり、ステージ2のボスで殺しにかかります。 この辺で終わって貰おうということですね。
ステージ3からは常連向けになるので、ますます難易度は跳ね上がっていきます。

このゲームはまさにそんな感じで、1ステージが短めなこともあり、難易度の上昇がやたら早い
全5ステージですが、後半は 怒首領蜂 大復活 に劣らない難しさになります。
また、このゲームはボスの攻撃が特徴的で、パターン化しないと厳しいものが多いです。

一応難易度設定が可能で、EASY や VERY EASY にすることも出来ますが、VERY EASY でも全然イージーじゃない。
簡単すぎても面白くないので、シューターの方には良いと思いますが、一般の人には辛いでしょうね。
スマホ用に作られたゲームの難易度ではないので、そこは承知しておきましょう。

そしてスマホのシューティングとしての難点は、後方からの攻撃があること
タッチパネルの場合、画面下部には指が置かれていて、そこから攻撃が来ると見えません。
しかしこのゲームは四方八方からザコが出てくることがあり、ボスも画面下に移動し、そこから攻撃を行ってくるシーンがあります。
原作がそうだったから仕方ないのもありますが、この時はすごくプレイし辛く、スマホアプリとしては欠点と言わざるを得ません。

現時点(10/3)の一番の問題は、iPhone 6 / 6 Plus の解像度に未対応なことですね。
表示が未対応なだけならまだしも、タップ位置もズレてしまうので、まともにプレイ出来ません・・・

※ iPhone 6 の場合、「設定」の「画面表示と明るさ」の「画面表示の拡大」が「標準」であるならプレイ出来るとの情報を頂きました。
ただし iPhone 6 Plus はこの方法でも対処できません。


式神の城
※ご覧の有り様。 これでもゲーム画面のサイズは iPhone 5 と同じなので、プレイ出来ればまだ良いのですが、タップ位置がズレてるからやっぱりダメ。
余談ですが、iPhone 6 Plus に慣れた後に 5 を見たら「ちっちゃ!」と思います。 もう戻れない・・・


式神の城
※ステージ3のボス。 移動範囲を狭めて弾幕を浴びせて来ます。
結構ユニークな攻撃をしてくるキャラが多く、それ故にきちんとした攻略が必要です。
ちなみにこのゲーム、巫女がお札を撃ってるのでよく勘違いされますが、発売は東方紅魔郷より前です。
タイトーの基板だったので、巫女は奇々怪々をリスペクトしているらしく、名前も小夜。


価格は 600 円。 クオリティーとケイブのアプリの値段を考えると、妥当なところかなと思います。
やはりケイブのシューティングには劣りますし、垢抜けない印象があるのですが、オリジナルが遜色なく移植されているため、シューターなら楽しめる作品です。

シューター以外にはお勧めし辛いかな・・・
でもケイブが残念なことになって、最近はシューティングが減っているので、こうした過去の人気作が復刻してくれるのはありがたいですね。

式神の城(iTunes が起動します)