「逆タワーディフェンス」として話題になり、Apple からの表彰も受けた、攻撃車両の隊列を操って敵の防衛線を突破するゲーム Anomaly シリーズ
それがタワーを設置して敵を撃退する「普通のタワーディフェンス」になって帰ってきました
Anomaly Defenders」です。

「逆タワーディフェンスなのがウリだったのに、普通のタワーディフェンスになったんじゃ、特徴がなくなってるじゃん」と思った方もいると思いますが・・・
ハッキリ言って、その通りですね

ただ、タワーディフェンスとしてはトップクラスに美しいグラフィックで、敵がタワーをバンバン攻撃してくる点に Anomaly らしさが残っています。
目新しいゲームではなくなりましたが、タワーディフェンスとしてのクオリティは高いですね。
定価は 500 円で、今回はプレイヤーがエイリアン側となり、進攻してくる人間側の兵器を撃退します。

Anomaly Defenders

「ルート固定型」のタワーディフェンスです。
分かれ道もありますが、敵は基本的に道の上を進行し、その周囲にタワー(防御兵器)を置いて迎撃します。
タワーを置ける場所も候補地が決められています

タワーは近付いてきた敵を自動で攻撃し、撃破すると資源を入手できます。
その資源を使って新たなタワーを設置したり、アップグレードして強化することが出来ます。

また敵を撃破すると光る球体が現れ、タップで回収すると「エネルギー」を入手できます。
これはタワーの回復や一時的な強化、特殊攻撃などに使用します
敵は近くのタワーを攻撃してくるので、エネルギーを使ってシールドや回復などを発動させ、タワーをサポートしなければなりません。

道の終点にあるシャトルを最後まで守りきればステージクリア。
難易度、シャトルの残り耐久力、残ったエネルギーを元にスコアが付けられ、それに応じた分の「テクノロジーポイント」を得られます。
新しいタワーやアップグレード、エネルギーを使った特殊効果などは、このテクノロジーポイントを使って習得していきます。

Anomaly Defenders
※白い球体がエネルギー。 ほっとくと消えるので忘れずに回収しましょう。
左上の緑のオーラに包まれているタワーは回復中。
回復スキルを強化することで近くのタワーにも効果を及ぼすことが出来ます。


Anomaly Defenders
※テクノロジーツリー。 大きく3つのルートがあり、上が売却価格やクリティカル率を上げる基本系、右が新タワーとアップグレードの追加、左は回復やシールドなどのアクティブスキル系。
習得したテクノロジーは同額で売却可能なので、ポイントは常に使い切って構いません。


タワーディフェンスとしての大きな特徴は3つ。
1つは前述したように、敵がこちらのタワーを攻撃して来ること
油断するとすぐやられてしまうので、倍速にすることも可能ですが、慎重にプレイした方が良いですね。

2つ目は敵がシールドを張ること
前々作 Anomaly Warzone Earth や前作 Anomaly 2 には、周囲の味方にシールドを張って攻撃を防ぐユニットが存在しました。
今回はそれが敵として出現し、先にシールドをはがさないとダメージを与えられなくなります。
さらに継続して攻撃し続けないとシールドが復活してしまいます。

シールド発生ユニットを優先して狙うタワー(Predator)もあるのですが、普通の敵への攻撃力と耐久力は低いため、その配置が重要になります。

3つ目は資源を採掘する「ハーベスター」の存在
マップ内にはいくつか資源採掘場があり、これを設置すると資源(資金)が自動的に増えていきます。
ただし埋蔵量には限りがあり、掘り尽くすと収入はなくなります。

ただ、ハーベスターの重要な点は、その採掘ではありません。
敵が分かれ道に差しかかった時、通常はシャトルへの最短ルートを通るのですが、ハーベスターがある時はその破壊を優先します。
つまりハーベスターを使って敵の移動ルートを変えることができます

守りやすい場所や迂回ルートに敵を誘導できれば有利に戦えるため、ハーベスターの位置を考えて防衛することが大切ですね。
ハーベスターは耐久力が半減すると防御形態になり、ダメージを受けなくなるのですが、防御中は採掘も誘導効果もなくなるので、小まめな回復が必要です。
資源を掘り尽くしても敵を誘導する効果は残ります。

Anomaly Defenders
※ハーベスターに釣られた敵が直進せず、わき道に逸れてる図。
ハーベスターの有無で敵がどのように動くかを考慮しましょう。
採掘が完全に終わったハーベスターを売却すると、再設置できなくなります。
おとりに使うものは売らないように。


難点というか、好き嫌いがあると思うのは、敵がタワーを攻撃して来ることですね。
しかも結構激しく

攻撃を受けるタワーディフェンスは他にも Sentinel 4OTTTD などがあり、最近は珍しくありません。
ただ、タワーディフェンスはいかに効率的な防衛線を構築していくかが楽しみの中心であり、そこに回復やらアクティブスキルやらが加わり、さらに敵の攻撃で予定が狂ったりすると、煩わしくなる人も多いです

実際、Sentinel 4 はタワーが攻撃を受けることに「忙し過ぎる」という批判があり、アップデートで簡単に回復できるよう修正されました。

このゲームは無駄のない回復とアクティブスキルの使用がゲームのポイントになっていて、それが Anomaly らしさにもなっています
だからそれを否定したら他のタワーディフェンスと変わらなくなってしまうのですが、「めんどくさいTD」と思う人もいるかもしれませんね。

Anomaly Defenders
※タワーに使える特殊効果一覧。 基本は回復の「REPAIR」。
SHIELD はダメージを半減するのでうまく使えばエネルギーを節約できます。
攻撃力を上げる RAGE はエネルギーの消費が多いので多用は厳禁。
EM PULSE は相手の攻撃を封じ、シールドにダメージを与えますが、効果範囲は狭め。


細密なグラフィックは本当に美しく、定価 500 円の価値はあると思います。
タワーディフェンス(TD)のファンなら押さえておくべきアプリでしょう。

普通の TD になりましたが、話題の「逆 TD」も派生作を除き3作目なので、そろそろマンネリ化して来そうです。
このゲームは「普通になること」が変化だったという事でしょうか。

まあ、やり慣れているシステムの方が、無難に遊べるのは確かですね。

Anomaly Defenders(iTunes が起動します)