iPhone から始動した、スマホ / 携帯機器に最適化された本格 RPG「ケイオスリングス」
「スマホでは低価格アプリしか売れない」と言われていた時代に、高額・高クオリティーのゲームとして登場し大ヒット。
「高くても良いものは売れる」というのを実証したゲームです。
そんなスマホの大型タイトルの1つであるこのシリーズに、最新作が登場しました。
CHAOS RINGS Ⅲ」です。

ケイオスリングスの最新作は、プロデューサーの安藤さんが「次回作は本体無料+課金型のゲームにする」とコメントしていたため、ゲーマーには期待されていませんでした。
しかし開発途中で予定が変更され、2800 円の買い切りアプリとして公開されています。

そのため今作には、課金ゲームとして作られていた頃の名残が各所に見られます。
課金通貨だったコイン、カードガチャ、課金用だったアイテム、MP の時間回復、経験値ブーストなどなど・・・
それを課金なしのゲームに改めているため、「課金ゲーじゃない課金ゲー」という妙な感じがありますね

あまり重苦しいゲームはソシャゲには合わないと判断されたのか、ケイオスリングスの大きな特徴であった「重過ぎるほどのストーリー」も、なりを潜めました。
ゲーム序盤はイケメンと美少女の明るい青春ストーリーで、完全にライトノベル風。
ある意味、「すごくシシララのゲームになった」という感じです。
それはそれで悪い訳ではありませんが、今までとは別物と考えておいた方が良いでしょう

今作は PS Vita 版 も同時に発売されています。
PS Vita 版は Chaos Rings(1)Chaos Rings_ΩChaos Rings 2 も同梱した「ケイオスリングス III プリクエル・トリロジー」というソフトになっています。
4800 円ですが、PS Vita を持っていて過去作を未プレイなら、そちらを選ぶ手もありますね。

CHAOS RINGS III ケイオスリングス3

ターン制のコマンド型 RPG で、今回は3人パーティーでゲームを進めます
ケイオスリングスはこれまでペア(2人)で進めていたので、ここが一番の違いと言えます。

フィールドは 3D グラフィックで描かれており、今までは上空から見下ろした視点でしたが、今回はキャラの後方から見た視点になっています。
グラフィックは相変わらず綺麗で、さすがスクエニ&メディアビジョンですね。

ケイオスリングスの戦闘は「属性」が非常に重要でしたが、そのシステムも変化しています。
今までは火の魔法を使うと自身が火属性になり、風属性に対して物理/魔法を問わず有利になる反面、水属性の敵からは大きなダメージを受けていました。

今回は、火の魔法を使うと自身が火属性になるのは同じですが、火は水に強く、水も火に強いという相対関係のみ。
つまり一方的に不利になる属性がなくなっており、物理攻撃だと属性の影響が少なくなっていて、前ほど属性を考えなくても良くなっています。
この辺は元々ソシャゲにする予定だったため、簡略化したのでしょうか。
なお、同属性だと受けるダメージと与えるダメージ、双方が減少します。

一方、今回からのシステムとして「崩し」と「キメアタック」があります。
反属性の攻撃やクリティカルヒットを当てると相手が「崩されて」行動順が遅くなり、その直後に物理攻撃を加えるとキメアタックと呼ばれる大技が発動します。
また、同じ敵を同じ魔法で攻撃すると「連係」が発動する場合があります。
必ず出る訳ではありませんが、今までのペアアタックに近いものですね。

全体としては、3人になった事と、属性が今までほどシビアではなくなったため、普通の RPG に近くなった印象です

ただ、戦闘終了後に HP が自動で回復する点や、高確率で逃げられる点など、ケイオスらしい遊びやすさは維持されています
敵の出現を ON / OFF できる「エンカウンター」もゲームが進めば利用できます。
また「オートバトル」が導入されているので、弱いザコはサクサク片付けられますね。

そしてダンジョンでは、目的地への最短ルートが矢印で示されるようになりました。
これのおかげで「正しいルートだったけど宝箱を回収してないからまた戻る」みたいな作業をする必要がなく、迷子にもなりにくいため、すごく進みやすくなっています。

CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※前より影響が少なくなっているとはいえ、やっぱり属性は大切。
反属性の攻撃が出来るよう、複数の属性を用意しておいた方が有利です。


CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※ダンジョンではオレンジ色の矢印の出口に入っていけば、クエストをクリア出来るようになっています。
こうした「割り切ったシステム」は相変わらずですね。


成長システムも今までとは大きく変わりました。
良くも悪くもソーシャルゲーム的になっています

ケイオスリングスでは「ジーン」や「ソピア」と呼ばれる装備を身に着け、それを育てることで魔法や特技を習得していきました。
今回はそのジーンがソシャゲ的なキャラクターカードになっていて、経験値はそのジーンに入り、HP やステータスなどもジーンのレベルに左右されます。
つまり「キャラの強さ=装備中のジーン(カード)の強さ」です。

ジーンは「ギフト」と呼ばれるクリスタルを集めて作ることも出来ますが、基本的には宝箱か、ガチャで手に入れます。
ガチャをやるには課金通貨「になる予定だった」コインが必要で、これは日々のログインボーナスか、クエストの達成で手に入れます。

課金はなくなりましたが、どうしてもソシャゲ感は否めません
宝箱にも普通の箱と鍵のかかった金の箱があり、金の箱を開けるには主にコインで購入する「鍵」が必要で、ここもすごくソシャゲ的。
宝箱はダンジョンに入るたびにランダムで配置され、金の宝箱でないとジーンやギフトはまず出てきません。

ただ、ジーンは「合成」することで別のものに変化させることができ、合成で作ったカードにはスキルの一部を継承できます
ジーンのカスタマイズが可能な訳で、ここは面白い点ではありますね。
ジーンのレベルを MAX まで上げ(初期のジーンは Lv30)、MAX になったジーン同士を合成すると上位(高レアリティ)のカードを作り出すことも出来ます。

普通の武器や防具もあって、変更するとキャラの見た目も変わります。
ただジーンの影響の方が強いので、装備は影が薄く、種類も多くありません。

CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※ジーン装備画面。 いかにもソシャゲって感じが良し悪し。
チームレベルは集めた(図鑑に登録された)ジーンの数に応じて上がり、最大 MP に影響します。


CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※合成時に継承されるスキルはランダムですが、選択をやり直す度に変わります。
ですから何度も繰り返していれば、望むスキルを習得させることが出来ます。
正直言って手間なので、こんなシステムなら継承順に法則があるか、最初から選べるようにしといて欲しい。


ストーリーは、かつて機械文明が栄えていた「マーブルブルー」と呼ばれる星があり、その周囲にある宇宙コロニーのような人工の島の冒険者たちが、様々な発見のために星を探検する物語です。
巷では「ファンタシースターみたい」と言われていますが、確かにそんな雰囲気ですね。

従来のケイオス感は乏しく、少なくとも1章のうちは重い雰囲気もなし。
話が動くのは2章からですが、今までより普通の RPG になった感が強いです。

これまでのケイオスリングスには町がなく、あまり広くない館があるのみでしたが、今回は普通に町があり、この点から言っても別のゲームになった印象。

ただ、ダンジョンに出てくる敵のレベルを自分で設定でき、どこでもセーブが可能、いつでも帰還できる点などには、旧ケイオスの名残があります。

もう1つの特徴として、今作には「バトルモード」が追加されました。
闘技場でバトルだけをしてキャラ(ジーン)を育成できるモードで、手軽に遊べて悪くありません。
このモードを使って通勤通学中に経験値稼ぎをすることも出来るでしょう。
この部分はソシャゲとして作られていたことが、良い方向に働いたと言えるでしょうか。

CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※冒険の拠点となるのは近未来的な都市「ニューパレオ」。
宇宙港でクエストを受け、ダンジョンや依頼場所に向かうという形式ですが、ソシャゲじゃなくなったのでスタミナはありません。


CHAOS RINGS III ケイオスリングス3
※都市にはいくつかのエリアがあり、こんな純和風な場所も。
他にも食事シーンの後の「ごちそうさま」とか、日本文化的なところが多く、そういうものを発信しようという意図があるのでしょうか?
 

全体としては、スクエニらしい高クオリティーな長編 RPG であり、グラフィックや演出の質は非常に高く、ボリュームも十分。 主要キャラクターのセリフもフルボイス。
キャラが喋ってるのに口パクがないとか、細かいところで気になる点もありますが、十分に楽しめる内容です。

ただし何度も言いますが、従来のケイオスリングスらしさは当面感じられません。
全く新しい RPG だと思って始めた方が受け入れやすいでしょうね

気になるのは、やっぱり課金ゲームの名残・・・
巷の意見を見ても「ソシャゲ臭が強い」というものが多く、実際にその通り。
そのため「しょせんはスマホゲーだった」「スマホだからこんなもん」みたいな言い方をしている PS Vita ユーザーが目立つのは非常に残念です。 でも否めない。

それでも、課金ゲーのままで発売されるよりは数倍マシだったでしょうから、そこはユーザーライクになったと評価するべきなのでしょうね。
いずれにせよ、スマホ用 RPG の代表格の座は、今回も揺るがないでしょう
 
CHAOS RINGS Ⅲ (iTunes が起動します)