※このゲームは 2015年2月 に運営終了が発表され、3月31日で閉鎖しています。

ケイブの人気シューティングゲーム「虫姫さま」シリーズをベースにした、弾幕シューティング・ソーシャルゲームが公開されています。
虫姫さま【究極バトル】」です。

虫姫さまは iPhone でも「虫姫さま」「虫姫さま ふたり」「虫姫さまふたり ブラックレーベル」の3種類が発売されていますが、このゲームは「虫姫さま ふたり」をベースにしてゲームを作り直し、新キャラやガチャ、オンラインプレイなどを追加して、ソーシャルゲームに改変したものです。
ゲーム部分はちゃんと弾幕シューティングしていて、オリジナルを彷彿とさせますね。

ただし、詳しくは後述しますが、オリジナルと同等のクオリティは望まないで下さい。
このゲームはケイブ製ではなく、韓国のメーカー NHN Entertainment(LINE 株式会社の元となった NHN Japan ではなく、韓国本社の方)が虫姫さまのライセンスを借りて作ったアプリです。

また、ケイブは 2012 年にソーシャルゲームに傾倒して失敗し、ユーザーの支持を失って開発者も流出、現在はかつてのようなシューティングを作る力は無くしていると思われます。
そのためケイブ全盛期のアプリと比べると、見劣りするのが本音ですね。

虫姫さま 究極バトル

縦スクロールのシューティングゲームで、基本的には従来の「虫姫さま」と変わりません。
操作性は良好で、画面下には指置き場になるスペースがあり、指で画面が隠れることはありません。

ショットは自動で、ボタンで攻撃範囲の広い「ショット」と威力のある「レーザー」を切り替えます。
また、敵を倒すと得点アイテムの「琥珀」が出ますが、ショット時は空中の琥珀を、レーザー時は地上の琥珀を吸い込みます。
ただ、吸い込み範囲はかなり狭く、オリジナルのように敵を倒した瞬間に吸い込む訳でもありません。

オリジナルの「虫ふた」にはレコとパルムというキャラがいて、それぞれがキンイロというカブトムシと、ハイローというドラゴンに乗っていました。
また、カブタンやハイコンという名前のオプションが付いていましたが、今回はこれらの「キャラ」「オプション」「乗り物(甲獣)」に新しいものが加わっています。

そしてそれらがソーシャルゲームのガチャの要素になっていて、キャラが HP や威力などの基本性能、甲獣が攻撃パターンに影響します。
ガチャはスクラッチ形式で、同じキャラを入手するとレベルが上がります。

ガチャに必要な「」はプレイごとに貯まるゴールドで購入するか、プレイヤーのレベルアップボーナスで得ることができます。 もちろん課金ガチャ用の鍵には課金通貨が必要ですが。
ガチャが鍵と宝箱になっているのは、韓国のゲームらしいですね。
(韓国ではガチャが法律で禁止されているため、間に「鍵」を挟むことでその対策をしている)

虫姫さま 究極バトル
※ガチャは当選するアイテムが 16 個。 事前に提示されていて、当たったものは消えていく形式。
だから 16 回やれば必ず全部得られる事になります。
この辺も法対策なんでしょうか? ガチャがほぼ無制限の国って日本ぐらいですからね。


ゲーム自体は本当に「虫姫さま ふたり」の焼き直しで、プレイごとにステージ1から始まります。
ただ HP 制になっていて、残機はありません。

ソーシャルゲームなので難易度が大きく落とされているのではないかと思っていましたが、敵の弾幕はほぼそのまま再現されていて、弾の量、画面を埋め尽くす自機の攻撃、大量にバラまかれる得点アイテムには、ちゃんとケイブシューらしさがあります。

ただし冒頭でも述べたように「劣化版」であることは否めません。
動作フレームが大きく落とされていて、オリジナルと比べると動きがカクカク
敵キャラの絵のパターンも少なく、コマ送りのような敵も多いです。
琥珀のバラまき量も「ブラックレーベル」をやった後だとスカスカに見えますね。

単なる一枚絵になっている敵も多く、オリジナルの敵には生物らしい躍動感がありましたが、そうしたものはこちらでは感じられません。
性能が低めの Android 機種でも動くようにしているのかもしれませんが、見劣り感が酷い

「劣化している」というより「作り直して元のレベルに達しなかった」という感じなので、ケイブからプログラム的なものは提供されなかったのではないかと思います。

ソーシャルゲームとしても、ガチャで同じキャラを当てないとレベルアップしないので、パワーアップがなかなか出来ず面白味に欠けます。
キャラも多い訳ではないし、強くならないと攻撃力が足りなくてボスをなかなか倒せないので、ゲームのテンポも悪化
ソシャゲ用に作り直している訳でもなく、オリジナルに沿ったステージを1から繰り返すだけなので、それをソシャゲでやる意義をあまり感じません

オンラインの2人同時プレイが出来るのは大きな特徴で、通信ラグも感じず、この点はさすが NHN だと思えます。
しかし対戦形式になっていて、先に脱落した方が負けとなり、負けた人は何も得られません
それでいてスタミナだけは減り、しかもマッチングが適当で、いきなりレベル 30 の人と組み合わせられたりします。 これではやる気にならない。

また途中で落ちた場合も何も得られません。 途中からの再開もなし。 もちろんスタミナだけは減る。
1プレイが長いゲームなので、これは厳しいですね・・・

虫姫さま 究極バトル
※左はオンラインプレイの模様。 相方がレベル 30 の人なので勝ち負けは別として弾幕が凄いことに。
これでも(iPhone 6 Plus なら)処理落ちはなく、その辺は非常に良いんですけどね・・・
右はステージ1のボス。 静止画だと迫力ありますが、オリジナルの疾走感や躍動感は残念ながらありません。


正直、劣化再現であり、ソシャゲとしても中途半端なので、オリジナルと比べると利点は「基本無料」であることしかありません。
これに課金するんだったら「その金で 虫姫さまふたり ブラックレーベル を買え!」と声を大にして言いたいです。

LINE ゲームのシューティングなどで満足している人にとっては、これでも十分にハイクオリティに見えると思いますが、これで満足している人がオリジナルやブラックレーベルをやったら、クオリティの違いにビックリするのではないでしょうか?

とは言え、それでもちゃんと弾幕シューしているし、私的には「予想よりは良いかな」という印象です。
「ソシャゲ+シューティング」は無理にソシャゲのバランスにしようとして残念なことになっているものが多いし、韓国はシューティングゲームのレベルが低く、日本はもちろん台湾や中国にも劣ります。
ケイブもあんな状態で、その中で発表された「韓国製の虫姫さまのソシャゲ」だったので、私は全く期待していなかったのですが、そこまで遊べない訳ではありませんでした。

これで無料ゲームしかやらない層が弾幕シューに興味を持ってくれたら、それはそれで良いのかなぁ・・・
でも改めてになりますが、これに課金するんだったらオリジナルを買うのをお勧めします

・虫姫さま【究極バトル】(iTunes が起動します)(運営終了)