時は大航海時代。 無人島への植民をテーマにした、本格的な都市開発シミュレーションゲームが公開されています。
ANNO: Build an Empire」です。

ANNO は元々パソコン用のゲームで、日本では「創世記」という名で売られていました。
相応に名の知れたシリーズで、すでに5作存在し、DS で発売された派生作なども含めると8作になります。
よってこのスマホ版 ANNO は9作目ですね。

今作は残念ながら、本体無料の課金型ゲームになっています。
物資が貯まるのに実時間の経過が必要で、尽きたらしばらく待たなければなりません。

しかし ANNO の持つ高度なゲーム性は、そのまま維持されています
住民の要望に応え、生活環境を整え、運搬径路を整備していくゲーム内容は、単に建物を置くだけのゲームしかしていない人だと手に追えないかもしれませんが、開発 SLG 好きにとってはたまらないものでしょう。

今は「シムシティ」がストアから削除されているため、現時点(2014/12)において、このゲームがスマホでもっとも本格的な都市開発ゲームだと言っても過言ではないですね。

ANNO Build an Empire

ゲームシステムがやや複雑で、メッセージも英語なので、取っ付き辛いのが難点です。
ここではチュートリアルも兼ねて、序盤のゲーム進行と注意点を解説していきましょう。

ゲームは無人島の一角からスタートしますが、最初は港湾事務所(Harbourmasters' office)しかありません。
人々が生活するには物を買う市場(Marketplace)と、食料源となる漁師小屋(Fisherman's hut)が必要です。

ただし、どこに作っても良い訳ではありません。
各施設には有効範囲があり、住宅は市場の範囲内に建てなければならず、漁師小屋は漁場の近くの海岸に作らなければなりません。
さらに各施設は道で繋がっている必要があり、市場に通うことが出来ない家に人は住みません。

ANNO Build an Empire
※ちゃんと道(Dirt road)が繋がってないとダメ。
古いシムシティみたいに「道が1マスでもあれば良い」みたいなことはないです。
ゲームが進むと石の道も登場し、運搬のスピードがアップします。


さらに開発に必要な木材を調達するため、木こり小屋(Lumberjack's hut)も必要です。
ただし木こり小屋は森の近くに作らないと効率が悪化し、さらに有効範囲がダブらないように配置しなければなりません

例えば漁師小屋は、有効範囲に漁場が4つ入っていれば効率が 100 %になります。
しかしそのすぐ隣に漁師小屋をもう1つ作ると、漁場を分け合ってしまい、双方の効率が 50 %になります。
これでは意味がありません。

木こり小屋も同様に、複数作っても有効範囲の木が重複していると、その分だけ効率が減ってしまいます。

ANNO Build an Empire
※場所が良いからといって複数建ててもダメ! それぞれの作業範囲を考えて配置しましょう。
物資の残量は右下にあるトロッコのボタンを押せば確認できます。


また、各施設で集めた物資は、ちゃんと運搬しないと手に入れたことになりません
生産施設に道が繋がっていると、港湾事務所流通拠点(Distribution house)から荷車が出発します。
そして施設で物資を積み込み、また戻って来て、それで初めて倉庫に物資が貯蓄されます。

ただ、荷車の移動には時間がかかります。
生産地が遠く、道も複雑だと尚更です
状況に合わせて流通拠点を増やし、出来るだけ最短距離で移動できるように道を作らないといけませんね。

なお、流通拠点さえあれば、飛び地に生産地を作っても物資は集められます。

ANNO Build an Empire
※Distribution house があれば、郊外に生産拠点を作っても OK。
ただし各施設には維持費もいるので、無駄に作りまくると財政が悪化します。
左上の資金表示をタップすると収支が出るので、定期的に確認し、必要な分だけ施設を作るようにしましょう。
資金収入は住民から得られます。

ゲーム中には、次に作るべき施設の案内が「クエスト」として提示されます
メッセージは英文ですが、やるべき事は「市場を作れ」みたいにシンプルに表記されているので、そこそこの英語力でも大丈夫でしょう。

たまに人捜しや配達の依頼も出てきますが、人捜しは目立つ色の服を着ているのですぐに見つかるし、配達の依頼は目的の建物をタップするだけです。

家を増やし、人口が増加すれば、町のランクが上がって作れるものが増えて行きます。
町の成長に伴って住宅をグレードアップさせることも出来るようになり、Pioneer(開拓者)から Vassal(下級市民)、さらに Merchant(商人)へと住民が昇格していきます。
上位の市民ほど税収が多くなり、家の見た目も豪華になります。

ただし、喜んでばかりもいられません。
町が発展するほど住民の要求は増え、最初は魚を食べてれば満足だった人も、ミルクが欲しい、礼拝所がいる、酒場がねぇ、パンを食わせろ、とりあえずビールと、贅沢になっていきます。

礼拝所や酒場、家の修繕をする大工小屋などにも有効範囲があるため、各住宅を収められる場所に配置しなければなりません。
ただ、今作は建物を自由に移動させられるため、再配置は簡単に行えます。

ANNO Build an Empire
※人口の表示。 町のランクが上がり、要望が全て叶えられていれば、住宅を上のグレードにアップできます。
ただし上位の住宅を増やすには、下位の住宅も一定数必要になります。
例えばこの画像の場合、Pioneer のところに「10 Required」と書かれているので、Pioneer の家を 10 軒増やさないと Vassal の家は作れません。


ゲームが進むと、加工が必要な物資が登場します
例えば羊毛の服を作るには羊牧場紡績小屋が必要で、パンを作るには麦農家風車パン屋が必要です。
羊牧場や麦農家が機能するには近くに畑や牧場を設置しなければならず、相応の広さの土地も必要になります。

よって徐々に土地が手狭になって来ますが、郊外のモヤがかかっている場所は、都市のランクが上がれば探検して開拓地にすることが出来ます
資金と物資、そして時間経過が必要ですが、課金通貨は必要ありません。
郊外をタップした時に出る課金通貨の表示は、あくまで「手早く広げたい人のためのもの」です。

施設の拡張も、最初は課金通貨が必要になっていますが、町のランクが上がれば資金と物資で実行できるようになります。

ANNO Build an Empire
※ゲームが進んでからの生産拠点の様子。 農家には畑や牧場などの用地が必要です。
用地は建物を作った後、その建物をタップして、「+」が書かれたアイコンを押せば配置できます。
また石切り場や炭鉱は、資源マークのある場所にしか建設できません。


大航海時代ですから、船を建造して探検航海に出し、新しい島を発見していくことも出来ます。
新たな島が見つかれば、植民を行い、新しい町作りを行えます
最初の島にはない資源が埋蔵されている島もあり、ゆくゆくは相互に足りない物資を輸送することになるでしょう。

しかし船を造るにはドック船大工が必要で、その建造には街のランクが 11、Vassal の住民が 900 人必要です。
しばらく先の話なので、まずは最初の島の開拓に集中しなければなりません。

もうちょっと早く船を活用でき、余った物資の交易などを行えれば、大航海時代らしさがあって面白さも増したと思うのですが・・・

ANNO Build an Empire
※船の建造画面。 造船に必要なパーツは事前に船大工で作っておく必要があります。
乗組員も必要なパーツの1つで、酒場で資金を払って入手します。
でも本格的な船の活用は、開発がかなり進んでからですね。


やや難点なのは、起動が遅いこと。 町のデータがサーバー側に保存されているため、アカウント登録しておけば異なる端末でも続きから遊べるのですが、起動の度に読み込みが必要です。
また少しでもアプリを閉じると、再び起動し直しになるのも面倒です。

しかしかなり本格的で、長く楽しめる都市開発シミュレーションです
最初に「ANNO が出る、でも本体無料」と聞いた時は、全く期待していなかったのですが、ライトユーザーやソシャゲユーザーに迎合するような内容ではなく、予想以上にしっかりオリジナルを踏襲していました

それでも課金型ゲームであるのは残念ですが、急いで発展させようとしない限り無課金でも問題なく遊べますし、スマホでも手軽に、長期的に楽しめます。
やり方が悪いと収支が悪化し、行き詰まる場合もあるかもしれませんが、歯応えのある難易度もこのゲームの楽しさのうちでしょう。
万人向けではありませんが、オススメしたいアプリです。

ANNO: Build an Empire(iTunes が起動します)


【 ちょこっと攻略 】
 
序盤のチュートリアルクエストの達成条件を表記しておきますので、プレイされる方は参考にして下さい。

Contract book : クエストを確認する : 左上に出てくるアイコンをタップ。
Marketplace : 市場を作る : 左下の建設アイコンをタップし Small marketplace を設置。
Residences : 住居を造る : 建設アイコンから Pioneer residence を選択して設置。
Marketplace : 市場に道をつなげる : 建設の Dirt road を選んで市場と住居をつなげる。
Need: Food : 食料が必要な事を確認 : 住居をタップする。

※ここで City レベルが上がる。

Production: Food : 漁師小屋の建設 : 建設の Fisherman's hut を選んで海岸に設置し、港湾事務所(Harbourmaster's office)と道をつなげる。
Inhabitants : 住民の増加 : 住居をタップして人口が3人以上なのを確認し、メッセージを読む。

※ここで City レベルが上がる。

Placing buildings : 木こり小屋の建設 : 建設の Lumberjack's hut を選んで森の近くに設置し、港湾事務所(Harbourmaster's office)と道をつなげる。
Goods : 資源の確認 : 右下のトロッコアイコンをタップする。
Settlement construction : 居住区の拡大 : 住居を4つにする。市場に通える場所に作ること。
Controls : 操作の確認 : 島の右下に青い服を着た人がいるので見つけてタップ。
Growth : 食料の供給 : 各住居の食料供給率を 30 %以上にする。 ほっとけば達成されるはず。

※ここで City レベルが上がる。

Goat farm : ヤギ牧場の建設 : 建設の Gort farm を選んで設置。
Farm fields : 放牧場の設置 : ヤギ牧場をタップし、光ってる「+」アイコンをタップ、近くに放牧場を設置する。
Carts : 流通拠点の設置 : 建設の Distribution house を設置する。ヤギ牧場は港か流通拠点と道でつなげておくこと。
Upkeep : 収支の確認 : メッセージを読み、左上の資金表示をタップする。
Adding friends : フレンド登録 : 右にあるフレンド追加ボタンをタップし、「Northburgh」と入力。
Visit friends : フレンドの島に訪問 : 下部のメッセージ枠の右上にあるつまみをタップし、左上の Northburgh のアイコンをタップ、さらに訪問ボタンを押す。
Checking for growth : 発展の試験 : 住居を増やして人口を 60 にする。 人口は画面上部の Newport と書かれた部分をタップで確認できる。 住居は市場の範囲に置き、必要なら市場を増設すること。

※ここで City レベルが上がる。

Storage : 倉庫の建設 : 建設の Warehouse を設置する。 港の近くの海岸にしか置けない。 木材が足りないなら貯まるのを待つか、木こり小屋を増設。
Carpenter : 大工の建設 : 建設の Carpenter's workshop を設置。 範囲内の住居に道で繋がっていれば、住居の修繕の要望が満たされる。
Upkeep : 運営状態の確認 : メッセージを読んで漁師小屋をタップする。
Clothing matters : アバターの製作 : メッセージを読んで、下部のメッセージ欄の左にいる人物のシルエットをタップし、アバターを作成する。
Getting acquainted :アカウント登録 : アカウント登録のお願い。 承諾は Accept、断るなら Discard。
A growing village : 村の拡大 : 総人口を 120 にする。