おめでとう。
貴君は厳正なる勤労抽選の結果、我らが祖国アルストツカの入国審査官に選ばれた。
至急、国境の町グレスティンの国境検問所に赴くように。
なお、審査業務には iTunes で所定のアプリを入手しておく必要がある。
アプリ名は「Papers, Please」だ。
このアプリを作った同志は、過去にも Helsing's Fire などの優れたアプリを開発している。
ただし今回は iPad 専用であるため、着任前に端末を用意しておくこと。
支給品はない。
知っての通り、祖国アルストツカは隣国コレチアと6年に渡る戦争を続けていたが、先日ようやく停戦の運びとなり、グレスティンの半分を「正当に」取り戻した。
グレスティンでは移民や就労、親族との面会など、様々な理由で入国を希望する者が列をなしている。
貴君はパスポートや身分証明書を確認し、厳正かつ公正に入国の是非を判断しなければならない。
ミスの許されない崇高な労働である。
もちろんワイロを受け取ったり、書類の不備に目をつむるようなことがあってはならない。 貴君にも家族がいるのだろう?
なに? 職業選択の自由?
どこの世迷い言に毒されたのか知らないが、国と政府の指導の下、各人がその適正に合った労働に配置される事が、効率の良い国の発展に繋がるのだ。
シベリアで木を数える仕事に就きたくなければ、不用意な言動は慎むことだ。
では入国審査の手順を説明しよう。 二度は言わないので聞き逃しのないように。
検問所を開き、スピーカーで呼び出しを行うと、入国希望者がやってくる。
貴君は必要書類を机の上に広げ、パスポートの有効期限と番号、顔写真と名前、国籍などを照合し、不備がないか審査しなければならない。
入国を認めるのであればパスポートに緑のスタンプを、認めないなら赤のスタンプを押せ。
不審な点があるなら隅にある赤いボタンを押し、問題の箇所を指し示して審問せよ。
回答が相応しくないなら入国を認めてはならない。
もし偽造書類などを発見した場合は警備兵を呼べ。 その不届き者を拘束する。
まだ終戦直後であるため、出入国に関する制度は整っていない。
初日は自国民の入国のみ許可しているが、後日外国人の入国も許可されるはずだ。
ただしそれに伴い審査項目が追加され、必要書類も増えることが予想される。
貴君はそれに対し高度の柔軟性を持って、臨機応変に対応していくのだ。
む? 爆発音が聞こえたな。
どうやら愚かな反政府主義者どもがテロを起こしたのだろう。 国境では良くあることだ。
なに、心配することはない。 国境と検問所は厳重な警備に守られており、鼠1匹通さぬ体制で監視されている。
不審者は文字通り蜂の巣だ。
だが間近で事故が起こった場合は国境は一時封鎖される。
その時は審査業務も終了となる。
報酬は歩合制のため少なくなるが、恨むのならテロリストどもを恨むのだな。
※書類やパスポートは机の上にドラッグすれば、自動的に広げられる。
有効期限などを忘れずに確認し、作業が終わったら返却せよ。
背景の横のラインは飾りではない。身長を照合するのに利用するのだ。
※パスポートがない相手への対処は最初は迷うかもしれない。
カウンターの左に入国管理規則の書かれた手帳がある。
パスポートが提示されない時は審問を開始し、この手帳の「パスポートが必要」の記述とカウンターを指し示すのだ。
手帳の内容は業務開始前に目を通し、パスポートの発行都市は随時確認せよ。
貴君には東グレスティンの8等級の官舎が割り当てられている。
報酬で日々の糧を得、家族を養っていくと良いだろう。
なに? 家賃が高い? 食費が足りない? 寒すぎて暖房費がかさむ?
我が国も戦争で受けた被害は少なくない。 街は失業者であふれ、配給は十分でなく、家を失った者が路頭に迷っている。
貴君はそんな中、幸運にも家と仕事を与えられたのだ。 これ以上は自分で何とかしたまえ。
仮に家族が飢えて亡くなっても・・・ そのぶん食費が減り、生活は楽になるだろう。
一人の死は悲劇だが、多数の死は統計でしかない。
もし手持ちに余裕ができたなら、審査室の改良を行うといい。
費用は自腹だが、多少は業務を行いやすくなるはずだ。
我々も指紋照合機や透過スキャナなど、より厳正な審査を行える機器を準備している。
1つ忠告しておくが、テロリストどもの世迷い言には耳を傾けないことだ。
入国審査官という立場上、そうした卑劣な連中からの誘いを受けることがあるかもしれない。
奴等は無慈悲なテロ活動のため、手駒を増やそうと躍起になっている。
祖国への忠節を忘れず、報国の精神を持って日々の労働に励むのだ。
背後に監視の目が付いていることを、くれぐれも忘れないように。
なに? 緊急時のための武器はないのかだと?
入国審査官に武器の携帯は許可されていない。 警備を務める同志達を信じるのだ。
だが愚かな自爆テロは確かに続いている。 あまりに危険なようだと、武器が支給されることもあるかもしれない。
だがその時は、自らの手で国境を守る責務も負うことを忘れるな。
着任するにあたり、支度金として 960 円が必要になる。
iTunes でアプリと引き替えに納めるのだ。
我らが祖国アルストツカは戦争で多少疲弊しているが、それでも諸国に比べれば楽園である。
見よ、今日も長い列を作る入国希望者の群を。 皆、我が国を羨望の眼差しで見ているのだ。
貴君は栄えある楽園の門番として、選ばれた者を招き入れ、不埒な者をはね付ける盾とならねばならない。
貴君の忠勤に期待する。 アルストツカに栄光あれ。
・Papers, Please (iTunes 起動、iPad 専用)
(Papers, Please の短編映画が公開されています。詳細は こちら を)
貴君は厳正なる勤労抽選の結果、我らが祖国アルストツカの入国審査官に選ばれた。
至急、国境の町グレスティンの国境検問所に赴くように。
なお、審査業務には iTunes で所定のアプリを入手しておく必要がある。
アプリ名は「Papers, Please」だ。
このアプリを作った同志は、過去にも Helsing's Fire などの優れたアプリを開発している。
ただし今回は iPad 専用であるため、着任前に端末を用意しておくこと。
支給品はない。
知っての通り、祖国アルストツカは隣国コレチアと6年に渡る戦争を続けていたが、先日ようやく停戦の運びとなり、グレスティンの半分を「正当に」取り戻した。
グレスティンでは移民や就労、親族との面会など、様々な理由で入国を希望する者が列をなしている。
貴君はパスポートや身分証明書を確認し、厳正かつ公正に入国の是非を判断しなければならない。
ミスの許されない崇高な労働である。
もちろんワイロを受け取ったり、書類の不備に目をつむるようなことがあってはならない。 貴君にも家族がいるのだろう?
なに? 職業選択の自由?
どこの世迷い言に毒されたのか知らないが、国と政府の指導の下、各人がその適正に合った労働に配置される事が、効率の良い国の発展に繋がるのだ。
シベリアで木を数える仕事に就きたくなければ、不用意な言動は慎むことだ。
では入国審査の手順を説明しよう。 二度は言わないので聞き逃しのないように。
検問所を開き、スピーカーで呼び出しを行うと、入国希望者がやってくる。
貴君は必要書類を机の上に広げ、パスポートの有効期限と番号、顔写真と名前、国籍などを照合し、不備がないか審査しなければならない。
入国を認めるのであればパスポートに緑のスタンプを、認めないなら赤のスタンプを押せ。
不審な点があるなら隅にある赤いボタンを押し、問題の箇所を指し示して審問せよ。
回答が相応しくないなら入国を認めてはならない。
もし偽造書類などを発見した場合は警備兵を呼べ。 その不届き者を拘束する。
まだ終戦直後であるため、出入国に関する制度は整っていない。
初日は自国民の入国のみ許可しているが、後日外国人の入国も許可されるはずだ。
ただしそれに伴い審査項目が追加され、必要書類も増えることが予想される。
貴君はそれに対し高度の柔軟性を持って、臨機応変に対応していくのだ。
む? 爆発音が聞こえたな。
どうやら愚かな反政府主義者どもがテロを起こしたのだろう。 国境では良くあることだ。
なに、心配することはない。 国境と検問所は厳重な警備に守られており、鼠1匹通さぬ体制で監視されている。
不審者は文字通り蜂の巣だ。
だが間近で事故が起こった場合は国境は一時封鎖される。
その時は審査業務も終了となる。
報酬は歩合制のため少なくなるが、恨むのならテロリストどもを恨むのだな。
※書類やパスポートは机の上にドラッグすれば、自動的に広げられる。
有効期限などを忘れずに確認し、作業が終わったら返却せよ。
背景の横のラインは飾りではない。身長を照合するのに利用するのだ。
※パスポートがない相手への対処は最初は迷うかもしれない。
カウンターの左に入国管理規則の書かれた手帳がある。
パスポートが提示されない時は審問を開始し、この手帳の「パスポートが必要」の記述とカウンターを指し示すのだ。
手帳の内容は業務開始前に目を通し、パスポートの発行都市は随時確認せよ。
貴君には東グレスティンの8等級の官舎が割り当てられている。
報酬で日々の糧を得、家族を養っていくと良いだろう。
なに? 家賃が高い? 食費が足りない? 寒すぎて暖房費がかさむ?
我が国も戦争で受けた被害は少なくない。 街は失業者であふれ、配給は十分でなく、家を失った者が路頭に迷っている。
貴君はそんな中、幸運にも家と仕事を与えられたのだ。 これ以上は自分で何とかしたまえ。
仮に家族が飢えて亡くなっても・・・ そのぶん食費が減り、生活は楽になるだろう。
一人の死は悲劇だが、多数の死は統計でしかない。
もし手持ちに余裕ができたなら、審査室の改良を行うといい。
費用は自腹だが、多少は業務を行いやすくなるはずだ。
我々も指紋照合機や透過スキャナなど、より厳正な審査を行える機器を準備している。
1つ忠告しておくが、テロリストどもの世迷い言には耳を傾けないことだ。
入国審査官という立場上、そうした卑劣な連中からの誘いを受けることがあるかもしれない。
奴等は無慈悲なテロ活動のため、手駒を増やそうと躍起になっている。
祖国への忠節を忘れず、報国の精神を持って日々の労働に励むのだ。
背後に監視の目が付いていることを、くれぐれも忘れないように。
なに? 緊急時のための武器はないのかだと?
入国審査官に武器の携帯は許可されていない。 警備を務める同志達を信じるのだ。
だが愚かな自爆テロは確かに続いている。 あまりに危険なようだと、武器が支給されることもあるかもしれない。
だがその時は、自らの手で国境を守る責務も負うことを忘れるな。
着任するにあたり、支度金として 960 円が必要になる。
iTunes でアプリと引き替えに納めるのだ。
我らが祖国アルストツカは戦争で多少疲弊しているが、それでも諸国に比べれば楽園である。
見よ、今日も長い列を作る入国希望者の群を。 皆、我が国を羨望の眼差しで見ているのだ。
貴君は栄えある楽園の門番として、選ばれた者を招き入れ、不埒な者をはね付ける盾とならねばならない。
貴君の忠勤に期待する。 アルストツカに栄光あれ。
・Papers, Please (iTunes 起動、iPad 専用)
(Papers, Please の短編映画が公開されています。詳細は こちら を)
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