一言で言うと「麻雀牌を使ったキャンディークラッシュ」。
よってゲーム自体に目新しさはないのですが、ヤバさが漂うアウトローな雰囲気に妙に引き込まれるアプリが、サイバーエージェントより公開されています。
土竜」です。

忌憚なく言ってしまうと、中盤以降に必要になる課金額の恐ろしさと、どこかで見たゲームの焼き直しに過ぎない内容に、悪い意味でのサイバーエージェントらしさを感じるのですが・・・
しかし同時に、サイバーらしい「世界観や雰囲気作りのうまさ」も感じますね。

本体無料のアプリですが、ガチャや課金アイテムは存在します。
ただ「当面は」無料でも遊ぶことができ、ゲームのテンポも良く、なかなか楽しめます。

土竜

ズーキーパービジュエルド のような、いわゆる「マッチ3ゲーム」です。
コマを1つ動かし、同色を3つ並べると消せるパズルゲームで、消せない時は動かすことは出来ません

コマを4つ並べると縦横一列、5つ並べると同色を全て消去できる特殊なコマが現れます。
L字型や十字型に消すと爆発が生じるコマも出現します。

ステージ制のゲームで、「決められた移動回数内でスコアを一定以上獲得」「時間内に特定のコマを画面下まで落とす」などの条件を満たすとクリア。
基本システムは「キャンディークラッシュ」のまんまで、何の捻りもありません

クリア時に移動回数や制限時間が残っていると、その分だけ特殊コマが現れて一斉に炸裂、画面中のコマが消えて連鎖しまくるボーナスシーンが発生しますが、これもキャンディークラッシュのままですね。
ただ、演出が良いので爽快感はあります。

このゲームがキャンディークラッシュと違う点は、コマが麻雀牌になっていて、画面上部に麻雀の「役」が表示されているところ。
役に必要なコマを消すと1つずつ点灯していき、全部そろえるとボーナスが入ります。

これも「特定コマを集めるマッチ3ゲーム」という点でズーキーパーやファームヒーローと似ているのですが、残り1枚で「リーチ」になり、成立すると漢字で役の名前が表示されるといった、麻雀ならではの演出が良いですね
ステージによっては「役を2回成立させる」などがクリア条件になっている場合もあります。

土竜
※残り1枚で立直。 このままそろえば一発。 麻雀の演出がユニークです。
画面が薄暗い感じなのは、アングラっぽくワザとそうしているのだと思います。 おかげで光の演出も綺麗に見えます。


このゲームの最大の特徴はゲームシステムではなく、その雰囲気でしょう。
アウトローやVシネ系と言えるアンダーグラウンドな世界感で、登場する人物もいかにもヤバそうな人ばかり。
オープニングの BGM もラップになっていて、絵と演出のタッチはやや劇画調。

キャンディークラッシュ がベースなのに、よくまあここまで正反対のタッチに作り変えたなと驚きます。

スタミナ制ですが、ミスした時のみスタミナが減る形式。
課金要素はお助けアイテムと「サポートキャラ」を入手するガチャの2つで、ガチャがある点はキャンディークラッシュと異なりますね。

サポートキャラは女性なのですが、その絵のタッチは劇画調ではなく、だからと言って萌えキャラという訳でもない、中間的な感じ。
不良道からの流用のようですが、絵の質は高いです。

ただ難点なのは「運ゲー」のステージが多いこと
キャンディークラッシュをやった事がある方なら解ると思いますが、このゲームは難しいステージをクリア出来るかどうかは「運次第」です。
自由にコマを動かせないため、特定の場所で消さなければならない時、そこで消せるかどうかは「消せる(動かせる)コマがそこに来てくれるかどうか」で決まってしまうからです。

特にストーリーの途中にサポートキャラが手に入る「極ステージ」があって、ここはもうクリア出来るかどうかは完全に運・・・ というか課金次第ですね。
ただまあ、「極」と言うぐらいですから、ここは難しくても納得できます。

しかしステージ 25 ぐらいになると、通常ステージでも運任せなシーンが多くなります。
キャンディークラッシュの場合、それでも「何度もやってればいずれクリア出来そう」というバランスだったので、継続してチャレンジできたのですが、このゲームは「こりゃ相当に運が良くないと(もしくは課金しないと)無理だろ」と思ってしまうシーンが多い

結局私は、ステージ 34 で「これは課金しないと厳しすぎる」と判断。
プレイ継続を断念しました。

ただ、そういうムチャなステージを課金アイテムで何とかするのを厭わない人なら、長く楽しめるのではないかと思います。
まあサイバーエージェントなので、ステージ 50 とか 60 とかのことを考えると、不安になるのは否めませんが・・・

土竜
※左はボスキャラ。 ヤンキー系を1つ越えた感じのヤバそうな雰囲気。
右はサポートキャラで、こちらはやや今風な絵柄。 劇画調と言っても、昭和的な古い絵柄ではないのでご安心を。


手放しでオススメは出来ませんが、でもこの雰囲気はアリだと思います。
この手がテーマのゲームは大半がブラウザ型ポチポチゲーですが、これはしっかりしたネイティブアプリです。

ターゲットはやはり「そっち系」の人だと思いますが、確かにその手の人は複雑なゲームはめんどくさいと感じやすいので、シンプルで遊びやすいキャンディークラッシュと絡めたのは「なるほどな」と思いますね。
一方で、演出とテンポの良いマッチ3ゲームなので、普通の人がやっても楽しめます。

これで難易度バランスが「難しいけど投げ出すほどではない」「課金前提ではない」という感じだったら、私も長くやっていたかもしれませんが・・・
まあでも、課金を考えないとメーカーも儲けがないしな・・・

ともあれ、私が今までにやったサイバーエージェントのゲームの中では、一番面白いと思いますね。

土竜(iTunes が起動します)