2014年の秋にスクエニが発表した「ファイナルファンタジー」シリーズの新展開の1つ
冒険家に憧れる少年が幻獣たちの力を借りながら時空を旅する、スマホ用 FF の新作が発売されています。
FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶」です。

FF4クロノトリガー、初代 Saga やライブアライブなどを手がけた時田貴司さんがディレクターを務める作品で、サウンドは FFXI や FF13-2 の曲を作った方が担当しています。
スクエニの本気さが伝わってくる作品ですね。

一方で、その内容は完全に「ソーシャルゲーム」であり、その範囲を超えるものではありません
ケイオスリングス3 が「普通の RPG にソシャゲを入れようとしたもの」であったのに対し、こちらは最初から「普通の RPG っぽいソーシャルゲーム」として作られています。
ですから新作 FF であると同時にソシャゲに過ぎないので、そこは間違わない方が良いでしょう。

しかしグラフィックやバトルの演出は、ソーシャルゲームの中では現時点で NO.1 でしょうね。
しっかりした物語とストーリーシーンもあり、ファイナルファンタジーらしさが各所に見られる作品です。

FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶

FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶

クエストを選択し、数回のバトルに勝利すれば報酬を貰える、オーソドックスなソーシャルゲームの形式です。
マップ画面はありますが、フィールドや町を移動するシーンはありません。
戦闘は3人パーティーで行うターン制のコマンドバトルで、装備している「幻石」によって使用できるコマンドが変わります。

幻石は「幻獣」の力が封じられた石で、シヴァなら「ブリザド」、ラムウなら「サンダー」を使えるようになります。
また行動するごとにゲージが貯まり、それを消費して召還魔法を発動させる事もできます。
幻石は4つ装備できるので、4つのコマンドを入れ換えられるシステムです。

ただし幻石のコマンドを使うには MP が必要で、なくなると使用できなくなります。
装備している幻石にもよりますが、単に「たたかう」を繰り返すだけで勝てるようなゲームにはなっておらず、ちゃんとケアルで回復したり、ボス戦用の MP やゲージを残しておかないと負けることもある難易度です。

戦闘時の演出はさすがと言うほかなく、2D で描かれていますが、キャラやモンスターが良く動きます
おなじみのキャラクターがおなじみの攻撃を繰り出す様子は、いかにも FF で良いですね。
画面の右にある回転式のボタンも使いやすく、バトルシーンのクオリティは本当に高いです。

FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶
※回転式の4つのボタンで幻石のアビリティを使用でき、下にスライドするとそれぞれが召還魔法のボタンに切り替わります。
モンスターはアニメーションし、クアール(豹型の敵)はヒゲでペチッと叩いてきます。 それって武器だったのか・・・


FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶
※シヴァの召還魔法「ダイヤモンドダスト」炸裂中。 召還に必要なゲージは行動することで貯まります。
FF シリーズのファンゲームのような内容で、旧来の FF の設定やキャラ名がそのまま踏襲されています。


ただ、やはりソーシャルゲーム。
プレイヤーの強さは強力な「幻石」があるかどうかに大きく左右されます。

幻石はストーリーの進行やドロップで入手できることもありますが、レアリティの高いものは、やはり課金ガチャからの入手になります。
幻石にはステータス補正があり、強力なものを装備すればキャラの強さ自体も高まります
キャラクター自身にレベルはなく、育成は装備している幻石の合成で行います。

レベルアップに必要な素材はクエストクリアの報酬で得られるのですが、クリア時に宝箱が7つ提示され、その中の数個しか開けることは出来ません。
開けられなかった宝箱は、「課金通貨を払えば」追加で開けられるシステムになっています。
ここがいかにもソーシャルゲームで、クエストをクリアして、この射倖心を煽るシーンが出る度に、これがソシャゲであることを痛感させられます・・・

クエスト開始時やクリア後にはストーリーシーンも表示されます。
序盤は幻石システムを解説するため、何の脈絡もなく幻獣界に飛ばされる突拍子もないストーリーで、いまいち物語に面白味を感じなかったのですが、クエストごとに話が進むため、テンポ良くストーリーは進みます
この辺はストーリー性に乏しく、RPG らしさを感じられなかった ドラクエモンスターズ スーパーライト とは違う印象ですね。

FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶
※これが宝箱のシーン。 目の前にエサをぶら下げて課金を促すシステムに思えてならない。
このシーンだけでソシャゲ感が 10 倍増してると思います・・・


FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶
※冒頭に訪れる「幻獣界」のワンシーン。 登場するキャラや設定は FF2~6 を参考にしているのが伺えます。
得に FF4 と 5 をやっていると、懐かしく思えるシーンが多いですね。


全体としては「高クオリティな、面白いソーシャルゲーム」という印象です。
何度も言いますがソシャゲであることは間違いなく、「ファイナルファンタジーだから」みたいな期待を持ってやり始めると「違う!」となる人が多いと思いますが、最初から「ソシャゲでしょ」と思ってやるのであれば、かなり良いと思います。

本当に「ファイナルファンタジーで本気でソシャゲを作ったらこうなる」という感じですね。
その点では事前に述べられていた通りの内容になっていると思います。

しかしこのゲーム、現時点(2/14)ではストーリーが第一章しかありません
しかもその終わりまで(無課金でも)2~3時間ほどで到達してしまう。
アップデートで付け足していく方針の方が、ゲームの運営と開発資金の回収を同時に行える利点があるのは解りますが、これはさすがに短すぎるだろ・・・
時空を旅する物語なのに、その旅を始めようとした時点で終わります。

サブクエストもあるのですが、それらはほとんどザコ戦を行うのみ。
繰り返すことで「CP」と呼ばれるポイントを貯められ、イベントや特殊なバトルに挑戦できる要素もあるのですが、メインクエストが終わったら、後は普通のソシャゲになりますね。
ザコも色違いばかりで、バリエーション不足は否めません。
スタミナに関しては、バトルが相応に長いので(少なくとも一章のうちは)それほど気になりません。

まだストーリーが全然出来ていないので、今あわてて始めなくても良いと思います。
しかし注目のソーシャルゲームであり、その期待に足るクオリティが備わっている事も確かです。
今年の成長株の1つなのは確かでしょう。
ただ、あまりバージョンアップをノンビリし過ぎていると、初期ボリュームが少なすぎるので、ユーザー離れが起きるかも・・・

FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶(iTunes が起動します)