餓狼伝説シリーズの3作目。 KOF 登場前の SNK 最大のヒットタイトルであり、餓狼がスト2と人気を二分していた頃の人気格闘ゲームが、スマホに移植されています。
餓狼伝説SPECIAL」です。

原作が公開されたのは 1993 年の秋。 格闘ゲームブームの初期で、スト2はターボの頃。
鉄拳やバーチャなどの 3D 格闘ゲームが出る前で、初代サムライスピリッツとは同時期になります。

最近の SNK の格闘ゲームはフランスのレトロゲーム専門メーカー DotEmu が開発を行っていましたが、今作は起動時に「DotEmu」のロゴが出て来ません。
今回は開発担当が違うのかもしれません。
ただプレイ感は良くも悪くも、最近の SNK の格ゲー移植と大差ありません。

まだ「餓狼 MARK OF THE WOLVES」が出て1ヶ月半ほどしか経っていないので、かなりハイペースで作品を公開している印象がありますね。
価格は 480 円で、追加課金はありません。

餓狼伝説SPECIAL

餓狼伝説SPECIAL

強・弱のパンチとキックのボタン、必殺技(SP)ボタン、さらにライン移動(LS)ボタンの、6つのボタンで操作します。
スティックの操作性は、ややナナメに入り辛い印象はありますが、及第点といったところでしょうか。
波動拳コマンドの必殺技などは普通に出せます

餓狼伝説シリーズの特徴は、手前と奧の2つの「ライン」があること
最初は手前のラインで戦いますが、ライン移動を行うことでもう一方に移ることができ、これで飛び道具などを回避することも出来ます。
相手が別のラインにいる時に攻撃すると「ライン移動攻撃」を繰り出します。

必殺技ボタンは、ただ押すだけでは「ライン飛ばし攻撃」になるため、必殺技を出したい時はレバーと併用する必要があります
ただ、この反応が今一つで、例えばテリーのバーンナックルは「←+SP」ですが、なぜか飛び退きに化ける症状が多発します。

強弱も付けられないし、技によっては普通にコマンドを入力した方が出しやすいですね。
幸い、ゲームの進行スピードが昨今の格ゲーよりも遅めなので、少し余裕を持ってコマンドは入力できます。

なお、超必殺技は体力が少ない時に体力ゲージタップで出すことが出来ます。
レバー入力が必要なく、体力が点滅してればいくらでも使えるので、必殺技より超必殺技の方が出しやすかったり・・・

餓狼伝説SPECIAL
※互いにライン移動攻撃をしているシーン。 このステージはラインの間にしきりがあって、キャラの攻撃が当たると粉々になります。
なんでも、初代餓狼の開発中にスト2が発売され、内容がかぶっていたため、急遽2ライン制を付け加えることになったとか。


餓狼伝説SPECIAL
※背景に写る「初代」の南大門。 南大門焼失事件の際、「南大門ってなんだっけ?」「あのガロスペの背景のやつだよ」っていう会話がネット上でよく見られましたね。

登場キャラクターは、メインとなるキャラが 10 人。
さらに中ボスクラスの「三闘士」に加え、ギース&クラウザーのボス2人。
そして隠しキャラクターの「龍虎の拳」の主人公リョウ・サカザキを加えた、計 16 人

リョウ・サカザキは最初から使用可能で、ストーリーモードでも使えます。
ストーリーは隠しキャラを除く 15 人全員と対戦することになるので、かなり長丁場ですね。

難易度は BEGINNER・EASY・NORMAL・HARD・EXPERT の5段階と、アーケード版の難易度である MVS がありますが・・・
自分がヘタになったのか、それとも元々ムズいゲームだったのか、NORMAL でも負けまくりました。 こんなに難しかったっけ?

BEGINNER でもテリーとかだと後半ステージで苦戦するので、全キャラのエンディングを見ようとしたら大変そうですね。
まあ、隠しキャラのリョウを使えばハードでも楽勝だったりするのですが・・・
(と言うか、リョウの技に対する CPU の行動がまともにプログラムされていないっぽい)

対戦は Blutooth 対戦のみ可能です。
現時点(2015/4)では、MFi(物理)コントローラーには対応していません。

餓狼伝説SPECIAL
※キャラクター選択画面。 登場するのはこのメンバー。
リョウ・サカザキは本来、全試合を1本も落とさずに勝つと乱入してくるキャラでした。


餓狼伝説SPECIAL
※メニュー画面。 このイラストがいかにも平成初期というか、SNK テイスト。
ボタンの位置や画面サイズはオプションで調整可能です。


全体としては、古い格闘ゲームであるのは否めません。
ドットが粗く、動きのパターンも昨今のゲームと比べると少なく、サウンドも今ほど音色がある訳ではありません。

でも、このちょっと大雑把で濃い見た目とゲーム性こそ、多くの人に愛された「餓狼伝説」だなーという感じがします
まあ、この辺は「思い出補正」もあるとは思いますが。
格ゲーが難しくなり過ぎていない、この頃のゲームシステムの方が、遊びやすかった印象もありますね。

中はほぼエミュレーターでしょうから、ゲーム自体は当時のまま
また「餓狼をやってみたい」と思っている人には良いアプリだと思います。

餓狼伝説SPECIAL(iTunes が起動します)


以下は Youtube で公開されている公式のトレーラーです。