あの DeemoCytus で有名な台湾のメーカー Rayark の最新作
家庭用ゲーム機のソフトをそのままスマホ / タブレットに持って来たような、美しいグラフィックと滑らかなバトル、爽快感のある斬撃が特徴の SF 剣劇アクションゲームが登場しています。
インプロージョン」(Implosion)です。

2011 年に開発がスタートし、2013 年に東京ゲームショウにも出展されていたのですが、それから発売の延期が相次ぎ、本当に出るのか心配されていたアプリですね。

「スマホ NO.1 のアクションゲームを目指している」「コンシューマー機レベルのグラフィック」といったコメントと、大ヒット音楽ゲーム DeemoCytus の Rayark の作品ということで、国内外から大きな期待が寄せられていたアプリですが、プレイした印象としては・・・

割とオーソドックスな、少し前に家庭用ゲーム機でよく見たアクションゲーム」といったところ。

それを目指して開発されたものなのでコンセプト通りとは言えるのですが、家庭用ゲーム機を持っている人にとっては、それほど斬新さや驚きがあるゲームではありません。
しかし高クオリティーなアクションゲームであることは間違いなく、Rayark らしい独特でサイバーな雰囲気も見られますね。

インプロージョン Implosion

インプロージョン Implosion

画面左側をスライドして移動、画面右のボタンで攻撃という、一般的な操作スタイル。
スティックの操作性はかなり良く、思い通りの方向に動けます。

攻撃ボタンを連打すると「6連撃+ジャンプ回転斬り」のセット攻撃が、スピーディーにブンブン繰り出されます。
さらにそのまま連打していれば隙なく次の攻撃に移れるので、ずっと剣を振り回しっぱなし。
爽快にザクザク敵を斬り刻むことが出来ます
ただし敵の耐久力が高いため、ザコでも 20 回ぐらい斬らなければ倒せません。

剣を振った後でボタンを押すのを止めると、自機に黒い円が現れます。
この時に再びボタンを押すと、強力な攻撃(重撃)が繰り出されます。

1度剣を振ってから止め、再び連打すると重撃5連撃。
2度剣を振ってからだと回転斬りというように、どのタイミングで止めたかで重撃の種類が変化します

また、攻撃ボタンをスライドすると、その方向に銃を撃ちます
最初はマシンガンを撃ちますが、ステージ内の武器ボックスからショットガンやランチャーを得られれば、弾数が尽きるまで強力な遠距離攻撃を行えます。

ただ、初期装備のマシンガンはすごく弱いうえに、弾が尽きると装填されるまでしばらく使えません。
メインとなるのはあくまで剣攻撃ですね。

他にゴロゴロ転がって敵の攻撃をかわす回避ボタンと、突進や連続斬りなどに使うスキルボタンがあり、この手のゲームの一般的なアクションは不足なくそろっていてます。
タッチパネルでも軽快に技を出すことができ、この辺はかなり調整しているのが伺えます。

主人公のロボットは「耐久力+シールド制」で、ダメージを受けるとまずシールドが減少。
シールドが尽きると本体がダメージを受けますが、シールドは時間経過で回復していきます。
ただしシールドの回復ペースは遅く、FPS のダメージみたいにすぐ元に戻る訳ではありません。
シールドが少なくなったら、しばらく逃げ回ることも必要です。

なお、シールド残量は画面左上にある体力ゲージの上の、六角形のマークで示されているのですが、重要な情報なのに表示が小さく、他にそれを示す演出もないのは気になるところ。

ゴールに辿り着けばステージクリアですが、ボスが出現する場合もあります。
ボスはかなり巨大で、多彩な攻撃を繰り出して来ます
もちろんボタン連打だけで倒せるような甘い相手ではありません。
ザコも中盤以降は手強くなり、回避をうまく使わないとすぐやられてしまいます。

難易度は難しすぎるとは言わないけど、そこいらのスマホゲームよりは明らかに高め。
この辺のバランスも家庭用ゲーム機のソフトに近いと言えますね。

インプロージョン Implosion
※ボス登場! 近付くと火を噴いたり、強力ななぎ払い攻撃をして来るので、突進して斬ってすぐ離れるか、遠くから銃を撃つのが吉。
シールドがない時は無理せず回避を優先しましょう。


インプロージョン Implosion
※こいつは中ボス。 こうした大型の敵はこちらと同じようにシールドを持っており、それを削らないと本体にダメージが入りません。
ただ、スキルの中にはシールドを破壊するものも存在します。


ゲーム中に出てくる通信の音声はすべてフルボイス。
英語ですが、日本語の字幕が付いています。 翻訳におかしな部分はありません
ムービーシーンも豊富で、かなり気合いを入れて作られているのが伺えます。

ただ、ストーリーは正直、解り辛いです・・・
大まかには解るんだけど難しい言い回しが多く、それで雰囲気を作っているのもありますが、「なんとなく進んでいる」って感じですね。

敵を倒すと経験値を獲得でき、レベルが上がって強くなります。
また敵を倒したり、ステージ内にあるコンテナを破壊すると、たまに「ARK」と呼ばれる装備が手に入ります。
入手できる ARK はランダムで、運が良ければレア装備が出て来ることもあるので、アイテム収集の要素もあります。

ただ、装備の名前が「軸索細胞体関接合部」とかのよく解らない名前で、効果名も「ランヴィエ絞輪強化」とかやたら難解。
装備個所も「頭・胴・足」とかじゃなくて「α・β・γ」といった名称。
絵も抽象的なアイコンで、何もかもが解り辛く、入手してもピンと来ないのが本音
効果は装備時に表示されますが、やっぱり装備やアイテムって、ある程度イメージができないと実感がないんだなぁと思いましたね。

各ステージで特定の条件を満たすと「バッジ」を入手でき、これを集めると様々な報酬を得られる要素もあります。
主人公のロボットは2種類用意されていますが、2つ目はこのバッジを集めないと使えません。
ステージの難易度は EASY と HARD を切り替え可能で、HARD でなければ達成できない条件もあり、この辺はやり込み要素と言えるでしょう。

インプロージョン Implosion
※ステージマップ。 EASY / HARD と書かれているラベルをタップすると難易度の切り替えを行えます。
またバッジマークをタップすると、その入手条件を確認できます。
バッジの報酬は複数提示されている場合、どれか1つしか貰えません。
例えば、バッジが6つになった時の報酬は3つありますが、そのうちの1つを貰うと、他の2つは貰えなくなるので注意。


インプロージョン Implosion
※装備画面。 でも大半の人が、最初は意味が解らないのではないでしょうか。
4種類7枠の装備個所に対応するアイテムをセットしていくのみですが、「生体電気フィールド・再ルーティング」とか言われてもねぇ。
なお、中央の大きいマークも装備なのを忘れずに。 使えるスキルは、そこにセットした装備で決まります。
装備個所を選んで右上にある「ショップ」のボタンを押すと、クレジットで装備を購入できます。


インプロージョン Implosion
※ムービーシーン。 Rayark らしいイラストタッチの絵柄が良い雰囲気を出しています。
解りにくいストーリーですが、間に入るムービーのおかげで全体の流れは把握できますね。


価格は 1200 円。 スマホアプリとしては高めで、ゲームソフトと言える値段。
ただ、課金要素はなく、広告などもなく、ショップはあくまでゲーム内の通貨で利用するものです。
データ量が解凍後のサイズで約 2.5 GB あるので、空き容量には注意して下さい。

全体としては、元々 XBOX で出すつもりだったと言うだけあって、「スマホゲームだからこんなもんで」みたいな作りではない、コンシューマーゲーム機レベルのアクションです。
グラフィックやサウンドも優れていて、公開直後は解像度の設定ミスで画質が劣化していたようですが、それもアップデートで修正されています。

ただ、コンシューマーライクなアクションゲームなので、冒頭でも述べたように、私のような家庭用ゲーム機を持っているゲーマーにとっては「普通」な感じもあるんですよね。
もちろんスマホで家庭用ゲーム機レベルの「普通」が再現されているのは凄いんだけど、遊んでいても「普通に面白い」といった印象。
そこを越えたゲームシステムやセンス、そして「あの Rayark だから」という期待感を埋めてくれるものは、私的にはなかったかな。

それでも、十分に高クオリティーなゲームです。
課金ゲーに飽きた、ゲームらしいアクションゲームをやりたい人にはオススメです。

インプロージョン(iTunes が起動します)