春。それは課金の季節。
新社会人が初めての給料をソーシャルゲームに注ぎ込んで後悔し、五月病になるシーズンです。

そんな訳で本日からしばらく、最近目に付いたソーシャルゲームをまとめて取り上げたいと思います。

正直、最近はソーシャルゲームが増え過ぎていて、どれもこれも目立たない状態。
全体的なクオリティーは間違いなく上がっていて、注目のゲームもあるのですが、これだけ氾濫しているとチェックする気も起きないのが本音ですね・・・

それでも今回、片っ端から試してみたので、新しいソシャゲを探している方は参考にして頂ければと思います。

いつものようにイマイチだと思ったところはハッキリ書く方針なので、賞賛意見や宣伝記事しか見たくない方は回れ右して下さい。
今回も評価は独断と偏見なので悪しからず。

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オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-
 セガ / f4samurai

セガネットワークスが 2月に発表 した3つのソシャゲタイトルの1つ。
開発元の f4samurai はセガのソシャゲ「アンジュ・ヴィエルジュ」や「ボーダーブレイク mobile」などを作っていたメーカーです。

発表時に「声優をウリにしたシングルプレイ中心の正当派 RPG」と紹介されていたため、アニメファン向けだと思っていたのですが、意外と硬派で一般向けの「戦記物」でした。
アルスラーン戦記のような英雄譚で、チェインクロニクルのような群像劇でもあります。

オルタンシア・サーガ

どちらかと言うとストーリー重視のソーシャルゲームです。
冒頭から重厚な物語が展開され、女の子ばかり目に付くような内容ではありません。

隣国との戦乱に巻き込まれた領主の青年とその従者が主人公ですが、別の視点から事件を見た外伝的なストーリーも含まれており、さらにチェインクロニクルのように仲間キャラクター1人1人にサブストーリーが用意されています。

戦闘シーンでは行動ゲージが貯まったキャラをタップして攻撃を行いますが、すぐに攻撃する訳ではなく、行動予約の枠に入れられ、予約された順に攻撃が行われます
入れると攻撃力がアップしたり、回復する枠もあり、そこにうまくキャラをセットすることで有利に戦えますが、タイミングが悪いとその枠を敵に取られます。

さらにキャラごとに「横一列を攻撃」「縦一列を攻撃」などの攻撃範囲があり、敵の配置に合わせてキャラを選択することで効率の良い攻撃を行えます。
ただ、効率を重視しすぎてキャラのセットが遅れると敵にガンガン殴られるので、慣れも必要になります。
これはこれでオリジナリティがあって良いですね。

しっかりした作り込みを感じる内容で、システムは異なりますが「ファンタジー世界の戦記物群像劇」という点では チェインクロニクル を踏襲している印象も受けます。
物語を楽しめるソーシャルゲームを探している人にオススメです。



S-RPG 伝説のレギオン
 KOA Games / Sorairo

ファイアーエムブレム型のシミュレーション RPG
グラフィックや演出のクオリティが高く、似たタイプの ファントム オブ キル の時に感じた見た目のショボさのようなものはありません。
ゲームもしっかり作られていて、ソシャゲにありがちな「ただ攻撃してれば OK」な内容ではありません。

伝説のレギオン

ターン制の戦術 SLG で、マップは四角のマスで区切られており、各キャラが順番に行動します。
ただ、行動順位を下げるコマンドがあり、味方がダメージを受けるまで回復役のターンを後回しにしたり出来ます。

難易度は相応に高く、油断しているとすぐやられます。
実際、私も「ソシャゲの序盤なんてテキトーで大丈夫だろ」とナメていたら、3面で魔術師が集中攻撃を食らってあっさりゲームオーバーになり、ちょっと驚きました。
ボス戦では攻撃と回復のタイミングを計る必要もあり、ちゃんと戦略が必要な内容になってます。

遠距離攻撃や地形効果もあり、ゲームが進むと各キャラ固有の「スキル」も登場。
ストーリーもステージごとに進み、しっかりした戦術 SLG を作ろうとしているのが見て取れます

ガチャで得るものは武器ですが、耐久制であり、使い切ると威力がガタ落ちます。
修理は可能ですが、レア武器だとかなり高額で、そのため強い武器をゲットしても気軽に使えません。
そのおかげで無理に課金しなくても進める内容になっていて、レア武器によるゲームバランスの崩壊も抑えられているのですが、強い装備をゲットした時の嬉しさも半減なのは良し悪しですね。

気になるのはターンが回ってくる度に AP(スタミナ)を消費し、これがなくなるとステージ途中でもプレイを続行できなくなること。
1ステージを短くせず、しっかり作るための措置だと思いますが、途中で中断させられるのはどうかと思います。

全体としては「ゲーマー向けのソーシャルゲーム」という印象です。
ライトユーザーには辛いかもしれませんが、戦術 SLG が好きな方には良さそうですね。

iTunes リンク:S-RPG 伝説のレギオン
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リリーと魔神の物語
 ドコモ / ガルチ

一言で言うと「女性向け白猫プロジェクト」。
開発元のガルチは「雷電」の開発スタッフが設立したメーカーで、「ストライクウィッチーズ」や「まもるクンは呪われてしまった」などの、主にシューティングゲームを作っていたところです。

主人公はリリーという女の子ですが、ゲームが進むとイケメンキャラやショタキャラが登場、フィールドもファンタジックなデザインで、衣装の着せ替えがあるなど、全体的に女性向けに作られている印象です。
戦闘はアクションですが難易度は低く、この辺もライトユーザーをターゲットにしているのを感じます。

リリーと魔神の物語

操作感や戦闘シーンは白猫プロジェクトに似ていて、画面スライドで移動、連打で攻撃
連続攻撃でザコをバシバシ倒せ、倒した敵からは大量のお宝がバラまかれ、自キャラに吸い込まれます。
爽快感を重視した作りですね。

回避は「連打していない時に」攻撃を受けると自動で発生。 敵の攻撃前には「!」マークが出るなど、かなり親切なシステム。
受けるダメージも低く、簡単に遊べるようになっています。
ただ、あまりにも簡単すぎて物足りないのが本音。 ほとんど連打だけで進めるので単調なのも難点。

ガチャで得られるのは必殺技で、3つまで装備可能。
ただゲームが簡単なので必要性をあまり感じません。
キャラはストーリーの進行で増えていく形式で、使用武器はキャラごとに決まっています。

技術的なクオリティは高く、グラフィックや演出、サウンドのレベルは優れています。
ボイスも豊富で、ストーリーもしっかり用意されています。
白猫プロジェクト が難しいと思っている、女性ユーザーには良いかな、という感じでしょうか。

※このゲームは 2015年8月 に運営を終了しました。

iTunes リンク:リリーと魔神の物語(終了)
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ブレイブリーアーカイブ
 スクエニ / アピリッツ

3DS で発売されていた、FF シリーズの設定を一部踏襲した RPG「ブレイブリーデフォルト」の派生ソーシャルゲーム
開発元の Appirits は「式姫の庭」などを公開していますが、どちらかと言うと PC 用ブラウザゲームや一般アプリ、システム開発が中心の企業です。

キャラデザインがオウガバトルシリーズで有名な吉田明彦さんで、その淡い独特のタッチは今作でも健在。
オリジナルのブレイブリーデフォルトは シュタインズゲート の林直孝さんがシナリオを書いていた事でも知られていますが、今作はシナリオはそこまで重視されておらず、あくまで本編に対する「ソシャゲ派生作」といった感じです。

ブレイブリーアーカイブ

ブレイブフロンティア に似たシステムで、画面下に並んでいるキャラのアイコンをフリックして攻撃しますが、フリックする方向によって攻撃が変わります
例えば、前にフリックすると魔法剣、上にフリックすると打ち上げ攻撃、下にフリックすると叩き付け攻撃というように各キャラが複数の攻撃手段を持っていて、打ち上げてから落とすと大きなダメージを与えられます。
魔法や特技の名前はファイナルファンタジーと同じです。

敵によって「物理に弱い」「魔法に弱い」などの特性があるので、キャラと攻撃を使い分ける必要があります。
指定された攻撃回数を終えると敵のターンになりますが、敵を倒すと回数が増えるので、的確に敵を倒して回数を回復させていけば、相手の番にならずに全滅させる事も可能です。
ただ1手ずつ攻撃するゲームなので、ブレフロのような派手さやフルボッコ感はありません

雰囲気や絵柄的にギャルゲーという訳ではありませんが、仲間キャラの大半は女の子で、男性はかなり少ないです。
キャラごとのミニクエストがあり、本編のブレイブリーデフォルトとストーリーの直接の繋がりはないのですが、基本的には本編に対する「外伝」といった感じですね。

ブレフロより地味な印象は拭えず、今となってはソシャゲとしてオーソドックス過ぎる気もするのですが、クオリティは低くないので、ブレイブリーデフォルトが好きだった方や、ブレフロに飽きて似たタイプのゲームを探している人には良いかも。

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Google Play リンク:BRAVELY ARCHIVE D's report

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ソシャゲまとめ斬り 2015年 春、二日目 に続く。