2015 年、春のソーシャルゲーム特集。 本日は最終日。
初日は こちら、二日目は こちら、三日目は こちら、四日目は こちら をご覧下さい。
今回はローグ系を2本、注目の新作を2本、他に目に付いた数本をご紹介します。
いつものようにイマイチだと思ったところはハッキリ書く方針であり、評価は独断と偏見なので、その点はご了承を。
----------
・ブレイブリーゲート
サイバーエージェント
昨年末にサイバーエージェントが発表した「ローグライク(仮)」のこと。
仮称の通り、ローグライクゲーム(不思議のダンジョン系)のソシャゲです。
「本格ローグライク RPG」をうたっていて、事前公開された動画も「不思議のダンジョン」そのままだったため、ユーザーの期待の高かったタイトルですね。
一方でローグライクとソシャゲは相性が悪く、過去の作品は死屍累々なので、不安視もされていました。
やってみた感じでは、思っていた以上に「不思議のダンジョン」でした。
ローグ系を望んでいる人の期待を裏切らない内容にはなってますね。
またスタミナ制ではないので、遊びたいだけプレイできます。
ランダム生成のダンジョンを探索するゲームで、パーティーは3人+助っ人1人。
メンバーは自由に入れ換えることが出来ますが、HP は全員で共有で、ピンチになった時にメンバーチェンジで無傷の味方を出す、ということは出来ません。
攻撃の属性を変えるためにチェンジを行うという感じです。
操作やシステムはローグ系というか、不思議のダンジョン系を踏襲しています。
操作性は良く、画面をスライドして移動する方式ですが、よほどヘタをしない限り操作ミスは起こりません。
慎重な操作が要求されるゲームですから、ここは調整を重ねたんだと思います。
既存のローグ系と違うのは「満腹度」がなく、ダンジョン内ではレベルも増減しないこと。
「満腹度がないなら、いくらでも回復できるじゃないか」と思った方もいると思いますが、敵の出現ペースが早く、うろついて回復しようとしていると、襲われまくって逆に HP が減ることも多いです。
またダンジョン内ではレベルが上がらないため、モンスターを倒し続けても強くなることはありません。
攻撃アイテムや補助アイテム、罠などはかなり豊富で、それらを駆使して戦えるローグ系らしい内容になっています。
アイテムを5種類まで持ち込むことが出来ますが、クリア時に装備以外のアイテムは換金されてしまうため、持ち込めるのは本拠地で「生産」したもののみです。
1つのダンジョンは5~10階ほどで、最後にいるボスを倒せばクリア。
難易度は高くなく、そこはやはりソーシャルゲーム。 ローグ系らしい緊張感は、少なくとも当面はありません。
ただ、システムが本当に「不思議のダンジョン」なので、その楽しみはありますし、モンスターが強力な爆発ビームや、敵が見えなくなる暗闇化、背後への回り込みなどの厄介な特技を使うため、キャラの強さだけに頼った戦い方は出来ません。
技術的なクオリティも高く、あまり「サイバー」らしくない、しっかりしたゲーム性を感じるソシャゲですね。
iTunes リンク:ローグライクRPG ブレイブリーゲート
Google Play リンク:ローグライクRPG ブレイブリーゲート
・はらぺこ勇者と星の女神
NHN PlayArt
「一筆書きパズル+ローグ型 RPG」のソーシャルゲーム。
こう言うと「Dungeon Raid のソシャゲ?」と思われそうですが、主人公や敵がブロックの上を移動するので、かなり違う内容になっています。
開発元は「ツムツム」を始めとする LINE ゲームの開発元 NHN PlayArt ですが、このゲームは LINE ゲームではありません。
その理由はやってみると解ります。 思考型の内容といい、昔ながらの RPG をパロった世界観といい、確かに LINE ゲーム向きではないですね。
同じ色のブロックを一筆書きの要領で繋げていくと攻撃力が上がっていき、そのままモンスターに繋げるとダメージを与えられます。
繋げたブロックは破壊され、ブロックの上にいるキャラクターは落下します。
モンスターには攻撃範囲があり、その中に入ってしまうとダメージを受けます。
目的はゴールの扉に到達することで、モンスターを全滅させる事ではありません。
しかし扉は下の方にあるので、そこまでブロックを崩していく必要があります。
たまにアイテムや装備が落ちていますが、これも主人公がその場所に移動しないと回収できず、ブロックの崩し方が悪いと取りに行けなくなる事もあります。
最初は簡単なのですが、少しゲームが進むとモンスターの耐久力が上がってなかなか倒せなくなり、ブロックも崩し辛くなってきます。
主人公の HP が低く、モンスターの攻撃を数発受けたらやられてしまうため、慎重に行動しなければなりません。
加えてブロックを崩すごとに満腹度が減っていき、ハラペコになると毎ターンダメージを受けます。
適度な思考性のある、じっくり考えながら進めていくゲームですね。
巨大ボスも登場し、派手なアクションとユニークな展開を見せてくれます。
ローグ系なのでダンジョンに潜るたびにレベルは1から。
しかしアイテムは途中でやられても持って帰れるので、その辺は厳しくありません。
ゲーム内の女神さま曰く「そういう時代だから」。
そして何より良いのが、昔のゲームを模した演出やグラフィックでしょう。
キャラクターはドット絵を 3D 化したボクセル調(マイクラ風)の絵になっていて、メッセージやちょっとした演出にも古い RPG っぽさが見え隠れし、思わずにやけてしまいます。
ゲーム好きにオススメしたいソーシャルゲームですね。
iTunes リンク:はらぺこ勇者と星の女神 -パズルRPG-
Google Play リンク:はらぺこ勇者と星の女神 -パズルRPG-
----------
・モンスターギア
セガ
派手なプロモーションで iTunes ランキング上位に躍り出ている、セガが公開した「モンスターハンターをすごく簡潔にした」ソーシャルゲーム。
大剣や双剣、ランスやハンマーなどの「それっぽい武器」を持ち、強力なモンスターを仲間と共に倒す「それっぽい展開」のゲームですが、内容は攻撃とガードを行うだけのシンプルなシステム。
しかし演出が良くてアクション性も強く、クオリティは高いですね。
画面下に ガード・攻撃・特殊攻撃 のボタンが並んでいて、ガードで敵の攻撃を防ぎながら、攻撃ボタンを連打してバシバシ殴りまくります。
特殊攻撃はいつでも使えますが、スキが大きいので不用意に出すと墓穴を掘ります。
インターフェイスは 2D ですが、各キャラは 3D で描かれていて、滑らかに動きます。
そしてモンスターは多様な攻撃モーションや行動パターンを持ち、モーションごとにガードするタイミングが異なります。
よってゲーム中は攻撃しながら相手の動きを観察し、ガードや特殊攻撃のタイミングを計るという展開になり、その辺には確かに「ちょっとしたモンハンぽさ」がありますね。
攻撃によって「コンボ」が貯まり、これが増えるほどダメージにボーナスが付くのですが、相手の攻撃を受けるとリセットされてしまいます。
ただ戦闘は4人で行い、誰かがガードに成功していればコンボは継続します。
ソロプレイの場合は自分のキャラ+サポートキャラ2人+助っ人1人で戦いますが、操作するのは自分のキャラのみ。
マルチプレイは最大4人で、それぞれのキャラを各プレイヤーが担当します。
ソロでも十分楽しめますが、マルチメインで作られている印象です。
このゲームがランキング上位なのは、先日のニュースでもお伝えした「ブースト広告」を含むランキング操作プロモーションの影響も強いのですが、しかしゲーム自体も良く出来ています。
思えばモンストだって「クオリティ+派手なプロモーション」でのし上がったゲーム。
ポテンシャルは十分だと思うので、今後の運営と展開次第では、大型タイトルになり得るかもしれません。
iTunes リンク:モンスターギア
Google Play リンク:モンスターギア
・家電少女
アニプレックス・モバイル
家電を擬人化・美少女化した「艦これ」追従作のソーシャルギャルゲー。
ゲームシステムは非常にオーソドックスなマッチ3ゲーム(ズーキーパー型)です。
販売元はアニメ製作配信会社のアニプレックスで、開発は番長製作所というメーカー。 どちらもソニー傘下の企業です。
アニメ会社が自前でアニメ系ソシャゲを出すと言うことで、アニメファンからの期待が高かったタイトルで、確かにキャラクターの絵と豊富なボイスは流石と言えますね。
ゲームシステムは「ズーキーパーをパズドラ型にしたもの」という説明で全てです。
コマを1マスだけ動かして、同じコマを3つ並べると消えるという何の変哲もないマッチ3。
動かせる時間は7秒で、時間が尽きるまでは何個でも動かせます。
動かし終えると、消したコマの色に応じた仲間が攻撃を行います。
攻撃する度に相手のカウンターが減っていき、0 になるとこちらがダメージを受けます。
ごく普通の「パズドラ型」ですね。
技術的なクオリティは高いのですが、ゲームに工夫がなさ過ぎる印象です。
普通のマッチ3だから思考性が高い訳ではなく、大きなコンボも滅多に発生しません。
演出はかなり派手でサウンドも良いのですが、「ゲーム自体に」派手さがない。
擬人化の面でも、分類が大雑把すぎる気がします。
艦これで言うと「大和」や「赤城」を擬人化しているのではなく、「戦艦」や「空母」で擬人化している感じ。
商標権があるから個々の商品を扱えないのは解るのですが、「ダイソン」や「パナソニック」ではなく「掃除機」で擬人化されててもピンと来ないのが本音です。
「とりあえず家電を擬人化しときゃウケるだろう」的な感じが否めない・・・
私的にはゲーム的にも設定的にも「浅い」感じがするのですが、演出やグラフィックが良く、女の子の絵が綺麗で声優さんも豊富、レアカードの輩出率も良いので、ギャルゲー好きの評価は高い模様。
いずれにせよメディアミックスを考えているのでしょうし、ゲーム内容だけで評価できるアプリではないのでしょうね。
iTunes リンク:家電少女
Google Play リンク:家電少女
----------
・キングダム -英雄の系譜-
DeNA
漫画やアニメで人気の「キングダム」を題材にした DeNA のソーシャルゲーム。
クエストの合間に原作に沿ったストーリーシーンが流れるのが特徴です。
このゲームは同じ DeNA の「戦魂」と、ほぼ同じシステムです。
よって詳細は そちらの解説 を見て頂ければと思います。
そこそこランキング上位のゲームなので、これをブラッシュアップして、さらに戦国時代に変えたセルフコピーが「戦魂」なのだと思います。
よって今となってはグラフィックや演出が強化されている戦魂の方が良いのですが、ストーリーシーンは良く作られているので、原作のキングダムのファンの方にはこちらの方が良さそう。
iTunes リンク:キングダム -英雄の系譜-
Google Play リンク:キングダム -英雄の系譜-
・SDガンダムストライカーズ
バンダイナムコ
3機1チームのモビルスーツ部隊で敵と戦うアクション・ソーシャルゲーム。
原作のストーリーに沿ったクエストが進むのが特徴です。
しかしこのゲーム、オート過ぎてやることがない。
3D で描かれた戦闘シーンは見栄えはするのですが、移動が自動、攻撃も自動。
じゃあ何をやるのか? 特に何もしなくていいです。
一応フリックすれば回避をしますが、敵が弱いのでムリに必要ない。
移動や攻撃も自分で行えますが、やらなくてもいい。
編成はありますが、難易度が低いので適当でも負けない。
これはポチポチ系の延長にあるのかな・・・?
「ゲーム」をやるのがめんどくさい人向けでしょうか・・・
iTunes リンク:SDガンダムストライカーズ
Google Play リンク:SDガンダムストライカーズ
・Game of War
Machine Zone(米)
やたら過剰な広告が目に付く、アメリカ製のソーシャルゲーム。
いわゆる「トラビアン系」「ブラウザ三国志型」のゲームで、内政画面で都市を作り、兵士を雇用し、戦略マップで周辺の土地や他プレイヤーの城を攻撃します。
このゲームは「海外のガラケーゲーム」という印象です。
海外にガラケーはありませんが、そんな雰囲気の古くさいグラフィックとインターフェイスで、昔ながらの「村ゲー」のシステムを踏襲しています。
そして一昔前のグリー / モバゲー的な課金演出にあふれています。
あのバナー広告の鬱陶しさはゲーム内でも健在で、これでもかというぐらい課金要素てんこ盛り。
かつてグリーが語った「開発費1割、広告費9割」「ゲーム内容より課金演出が重要」を、今においても実践しているようなアプリです。
ギルドでの協力と戦争がメインで、やや古いギルドバトル系のゲームが好きな人だとハマれるかもしれませんが、これをやるなら ガンダムコンクエスト や キングダムコンクエストII など、もっと他に良いものがあると思うのが本音。
ただブラウザ型やポチポチ系に近い方が良い人は、こちらの方が向いているかもしれません。
こう言うのも何ですが、例の「経営者がハマる!」という広告も、「経営者」という言葉に憧れを持っている残念な人を対象にしたもののような気がします。
もし本格的にやるのなら、相応の重課金を覚悟するべきでしょうね。
iTunes リンク:Game of War - Fire Age
Google Play リンク:ゲーム・オブ・ウォー【Game of War】
----------
という訳で、まだ取り上げきれなかったゲームもありますが、今期のソシャゲ特集はここまでにしたいと思います。
私的には今回は、「やってみたら面白かった」というゲームが多かった印象です。
ただ「数年前ならヒットしていただろう」と思うゲームが、今は人知れず埋もれていくケースが増えています。
正直、ソシャゲっていくつも平行して出来るものではないし、いつまでやる事になるのか見当が付かないので、そんなゲームがこれだけあふれていたら「もういい」ってなりますよね。
まあ、作る方もそれは解っているでしょうから、色々工夫しているのは感じるのですが・・・
最後に、個人的に今年前半の注目作と思えたものを、改めて箇条書きしておきたいと思います。
・伝説のレギオン(KOA Games)
(本格派のシミュレーション RPG なのがソシャゲではどう出るか。 商用的には辛いかも・・・)
・オルタンシア・サーガ(セガ)
(チェインクロニクルの後追いが出来るポテンシャルはあると思います。あとは展開次第)
・戦魂(DeNA)
(戦国ファンにはたまらないゲーム。乙女ゲーとして伸びる気もしないでもない)
・城とドラゴン(アソビズム)
(ここに来て息切れ感はあるが・・・ アソビズムのゲームは固定ファンが多いですしね)
・ヘブンストライク ライバルズ(スクエニ)
(私的には TCG だと思う。巷の賛否の意見を見ると余計にそう思う。日本向けではないかも?)
・ブレイブリーゲート(サイバーエージェント)
(おそらくサイバーなので派手なプロモーションをかけると思う。成長株か)
・はらぺこ勇者と星の女神(NHN PlayArt)
(個人的に好きな作品ですが、LINE 系なのに LINE ゲームじゃないので色々未知数)
・モンスターギア(セガ)
(ゲームが良くてプロモも派手でマルチ重視。私的には初期のモンストを見ている感じがある)
・ランブルシティ(コロプラ)
(農園系 / 町作り SLG 系としては今の時点でスマホ NO.1。実はハマっています)
・ゴシックは魔法乙女(ケイブ)
(ソシャゲ+シューティングならこれが文句なし。今後のケイブに期待)
・【18】 キミト ツナガル パズル(モブキャスト)
(初見は地味だが、独特な雰囲気で後半のゲーム性は高い。ユーザー継続率が高い模様)
・ワンダーブロック(シリコンスタジオ)
(センスとクオリティは高いが、難易度も高いのが話題にならない理由か・・・)
・雀神クロニクル(DeNA / サンソフト)
(手軽だし麻雀なのでロングセラーになるかも? 個人的には好き)
・SHOW BY ROCK!!(サンリオ / geechs)
(だいぶ前のゲームですがアニメ効果で急上昇中。元々ゲームは良いので伸びるかも?)
・Wizrogue(ウィズローグ)(タイトー)
(結構長くやってたが、装備集めと成長のバランスが悪く Wiz の楽しさが乏しすぎた)
・FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶(スクエニ)
(初期実装のストーリーが短すぎて、待ってる間にどうでも良くなった・・・)
・サバイバールPG(24Frame)
(密かに拡張を待っていたのだが、どうにも企画倒れ感が強い・・・)
初日は こちら、二日目は こちら、三日目は こちら、四日目は こちら をご覧下さい。
今回はローグ系を2本、注目の新作を2本、他に目に付いた数本をご紹介します。
いつものようにイマイチだと思ったところはハッキリ書く方針であり、評価は独断と偏見なので、その点はご了承を。
----------
・ブレイブリーゲート
サイバーエージェント
昨年末にサイバーエージェントが発表した「ローグライク(仮)」のこと。
仮称の通り、ローグライクゲーム(不思議のダンジョン系)のソシャゲです。
「本格ローグライク RPG」をうたっていて、事前公開された動画も「不思議のダンジョン」そのままだったため、ユーザーの期待の高かったタイトルですね。
一方でローグライクとソシャゲは相性が悪く、過去の作品は死屍累々なので、不安視もされていました。
やってみた感じでは、思っていた以上に「不思議のダンジョン」でした。
ローグ系を望んでいる人の期待を裏切らない内容にはなってますね。
またスタミナ制ではないので、遊びたいだけプレイできます。
ランダム生成のダンジョンを探索するゲームで、パーティーは3人+助っ人1人。
メンバーは自由に入れ換えることが出来ますが、HP は全員で共有で、ピンチになった時にメンバーチェンジで無傷の味方を出す、ということは出来ません。
攻撃の属性を変えるためにチェンジを行うという感じです。
操作やシステムはローグ系というか、不思議のダンジョン系を踏襲しています。
操作性は良く、画面をスライドして移動する方式ですが、よほどヘタをしない限り操作ミスは起こりません。
慎重な操作が要求されるゲームですから、ここは調整を重ねたんだと思います。
既存のローグ系と違うのは「満腹度」がなく、ダンジョン内ではレベルも増減しないこと。
「満腹度がないなら、いくらでも回復できるじゃないか」と思った方もいると思いますが、敵の出現ペースが早く、うろついて回復しようとしていると、襲われまくって逆に HP が減ることも多いです。
またダンジョン内ではレベルが上がらないため、モンスターを倒し続けても強くなることはありません。
攻撃アイテムや補助アイテム、罠などはかなり豊富で、それらを駆使して戦えるローグ系らしい内容になっています。
アイテムを5種類まで持ち込むことが出来ますが、クリア時に装備以外のアイテムは換金されてしまうため、持ち込めるのは本拠地で「生産」したもののみです。
1つのダンジョンは5~10階ほどで、最後にいるボスを倒せばクリア。
難易度は高くなく、そこはやはりソーシャルゲーム。 ローグ系らしい緊張感は、少なくとも当面はありません。
ただ、システムが本当に「不思議のダンジョン」なので、その楽しみはありますし、モンスターが強力な爆発ビームや、敵が見えなくなる暗闇化、背後への回り込みなどの厄介な特技を使うため、キャラの強さだけに頼った戦い方は出来ません。
技術的なクオリティも高く、あまり「サイバー」らしくない、しっかりしたゲーム性を感じるソシャゲですね。
iTunes リンク:ローグライクRPG ブレイブリーゲート
Google Play リンク:ローグライクRPG ブレイブリーゲート
・はらぺこ勇者と星の女神
NHN PlayArt
「一筆書きパズル+ローグ型 RPG」のソーシャルゲーム。
こう言うと「Dungeon Raid のソシャゲ?」と思われそうですが、主人公や敵がブロックの上を移動するので、かなり違う内容になっています。
開発元は「ツムツム」を始めとする LINE ゲームの開発元 NHN PlayArt ですが、このゲームは LINE ゲームではありません。
その理由はやってみると解ります。 思考型の内容といい、昔ながらの RPG をパロった世界観といい、確かに LINE ゲーム向きではないですね。
同じ色のブロックを一筆書きの要領で繋げていくと攻撃力が上がっていき、そのままモンスターに繋げるとダメージを与えられます。
繋げたブロックは破壊され、ブロックの上にいるキャラクターは落下します。
モンスターには攻撃範囲があり、その中に入ってしまうとダメージを受けます。
目的はゴールの扉に到達することで、モンスターを全滅させる事ではありません。
しかし扉は下の方にあるので、そこまでブロックを崩していく必要があります。
たまにアイテムや装備が落ちていますが、これも主人公がその場所に移動しないと回収できず、ブロックの崩し方が悪いと取りに行けなくなる事もあります。
最初は簡単なのですが、少しゲームが進むとモンスターの耐久力が上がってなかなか倒せなくなり、ブロックも崩し辛くなってきます。
主人公の HP が低く、モンスターの攻撃を数発受けたらやられてしまうため、慎重に行動しなければなりません。
加えてブロックを崩すごとに満腹度が減っていき、ハラペコになると毎ターンダメージを受けます。
適度な思考性のある、じっくり考えながら進めていくゲームですね。
巨大ボスも登場し、派手なアクションとユニークな展開を見せてくれます。
ローグ系なのでダンジョンに潜るたびにレベルは1から。
しかしアイテムは途中でやられても持って帰れるので、その辺は厳しくありません。
ゲーム内の女神さま曰く「そういう時代だから」。
そして何より良いのが、昔のゲームを模した演出やグラフィックでしょう。
キャラクターはドット絵を 3D 化したボクセル調(マイクラ風)の絵になっていて、メッセージやちょっとした演出にも古い RPG っぽさが見え隠れし、思わずにやけてしまいます。
ゲーム好きにオススメしたいソーシャルゲームですね。
iTunes リンク:はらぺこ勇者と星の女神 -パズルRPG-
Google Play リンク:はらぺこ勇者と星の女神 -パズルRPG-
----------
・モンスターギア
セガ
派手なプロモーションで iTunes ランキング上位に躍り出ている、セガが公開した「モンスターハンターをすごく簡潔にした」ソーシャルゲーム。
大剣や双剣、ランスやハンマーなどの「それっぽい武器」を持ち、強力なモンスターを仲間と共に倒す「それっぽい展開」のゲームですが、内容は攻撃とガードを行うだけのシンプルなシステム。
しかし演出が良くてアクション性も強く、クオリティは高いですね。
画面下に ガード・攻撃・特殊攻撃 のボタンが並んでいて、ガードで敵の攻撃を防ぎながら、攻撃ボタンを連打してバシバシ殴りまくります。
特殊攻撃はいつでも使えますが、スキが大きいので不用意に出すと墓穴を掘ります。
インターフェイスは 2D ですが、各キャラは 3D で描かれていて、滑らかに動きます。
そしてモンスターは多様な攻撃モーションや行動パターンを持ち、モーションごとにガードするタイミングが異なります。
よってゲーム中は攻撃しながら相手の動きを観察し、ガードや特殊攻撃のタイミングを計るという展開になり、その辺には確かに「ちょっとしたモンハンぽさ」がありますね。
攻撃によって「コンボ」が貯まり、これが増えるほどダメージにボーナスが付くのですが、相手の攻撃を受けるとリセットされてしまいます。
ただ戦闘は4人で行い、誰かがガードに成功していればコンボは継続します。
ソロプレイの場合は自分のキャラ+サポートキャラ2人+助っ人1人で戦いますが、操作するのは自分のキャラのみ。
マルチプレイは最大4人で、それぞれのキャラを各プレイヤーが担当します。
ソロでも十分楽しめますが、マルチメインで作られている印象です。
このゲームがランキング上位なのは、先日のニュースでもお伝えした「ブースト広告」を含むランキング操作プロモーションの影響も強いのですが、しかしゲーム自体も良く出来ています。
思えばモンストだって「クオリティ+派手なプロモーション」でのし上がったゲーム。
ポテンシャルは十分だと思うので、今後の運営と展開次第では、大型タイトルになり得るかもしれません。
iTunes リンク:モンスターギア
Google Play リンク:モンスターギア
・家電少女
アニプレックス・モバイル
家電を擬人化・美少女化した「艦これ」追従作のソーシャルギャルゲー。
ゲームシステムは非常にオーソドックスなマッチ3ゲーム(ズーキーパー型)です。
販売元はアニメ製作配信会社のアニプレックスで、開発は番長製作所というメーカー。 どちらもソニー傘下の企業です。
アニメ会社が自前でアニメ系ソシャゲを出すと言うことで、アニメファンからの期待が高かったタイトルで、確かにキャラクターの絵と豊富なボイスは流石と言えますね。
ゲームシステムは「ズーキーパーをパズドラ型にしたもの」という説明で全てです。
コマを1マスだけ動かして、同じコマを3つ並べると消えるという何の変哲もないマッチ3。
動かせる時間は7秒で、時間が尽きるまでは何個でも動かせます。
動かし終えると、消したコマの色に応じた仲間が攻撃を行います。
攻撃する度に相手のカウンターが減っていき、0 になるとこちらがダメージを受けます。
ごく普通の「パズドラ型」ですね。
技術的なクオリティは高いのですが、ゲームに工夫がなさ過ぎる印象です。
普通のマッチ3だから思考性が高い訳ではなく、大きなコンボも滅多に発生しません。
演出はかなり派手でサウンドも良いのですが、「ゲーム自体に」派手さがない。
擬人化の面でも、分類が大雑把すぎる気がします。
艦これで言うと「大和」や「赤城」を擬人化しているのではなく、「戦艦」や「空母」で擬人化している感じ。
商標権があるから個々の商品を扱えないのは解るのですが、「ダイソン」や「パナソニック」ではなく「掃除機」で擬人化されててもピンと来ないのが本音です。
「とりあえず家電を擬人化しときゃウケるだろう」的な感じが否めない・・・
私的にはゲーム的にも設定的にも「浅い」感じがするのですが、演出やグラフィックが良く、女の子の絵が綺麗で声優さんも豊富、レアカードの輩出率も良いので、ギャルゲー好きの評価は高い模様。
いずれにせよメディアミックスを考えているのでしょうし、ゲーム内容だけで評価できるアプリではないのでしょうね。
iTunes リンク:家電少女
Google Play リンク:家電少女
----------
・キングダム -英雄の系譜-
DeNA
漫画やアニメで人気の「キングダム」を題材にした DeNA のソーシャルゲーム。
クエストの合間に原作に沿ったストーリーシーンが流れるのが特徴です。
このゲームは同じ DeNA の「戦魂」と、ほぼ同じシステムです。
よって詳細は そちらの解説 を見て頂ければと思います。
そこそこランキング上位のゲームなので、これをブラッシュアップして、さらに戦国時代に変えたセルフコピーが「戦魂」なのだと思います。
よって今となってはグラフィックや演出が強化されている戦魂の方が良いのですが、ストーリーシーンは良く作られているので、原作のキングダムのファンの方にはこちらの方が良さそう。
iTunes リンク:キングダム -英雄の系譜-
Google Play リンク:キングダム -英雄の系譜-
・SDガンダムストライカーズ
バンダイナムコ
3機1チームのモビルスーツ部隊で敵と戦うアクション・ソーシャルゲーム。
原作のストーリーに沿ったクエストが進むのが特徴です。
しかしこのゲーム、オート過ぎてやることがない。
3D で描かれた戦闘シーンは見栄えはするのですが、移動が自動、攻撃も自動。
じゃあ何をやるのか? 特に何もしなくていいです。
一応フリックすれば回避をしますが、敵が弱いのでムリに必要ない。
移動や攻撃も自分で行えますが、やらなくてもいい。
編成はありますが、難易度が低いので適当でも負けない。
これはポチポチ系の延長にあるのかな・・・?
「ゲーム」をやるのがめんどくさい人向けでしょうか・・・
iTunes リンク:SDガンダムストライカーズ
Google Play リンク:SDガンダムストライカーズ
・Game of War
Machine Zone(米)
やたら過剰な広告が目に付く、アメリカ製のソーシャルゲーム。
いわゆる「トラビアン系」「ブラウザ三国志型」のゲームで、内政画面で都市を作り、兵士を雇用し、戦略マップで周辺の土地や他プレイヤーの城を攻撃します。
このゲームは「海外のガラケーゲーム」という印象です。
海外にガラケーはありませんが、そんな雰囲気の古くさいグラフィックとインターフェイスで、昔ながらの「村ゲー」のシステムを踏襲しています。
そして一昔前のグリー / モバゲー的な課金演出にあふれています。
あのバナー広告の鬱陶しさはゲーム内でも健在で、これでもかというぐらい課金要素てんこ盛り。
かつてグリーが語った「開発費1割、広告費9割」「ゲーム内容より課金演出が重要」を、今においても実践しているようなアプリです。
ギルドでの協力と戦争がメインで、やや古いギルドバトル系のゲームが好きな人だとハマれるかもしれませんが、これをやるなら ガンダムコンクエスト や キングダムコンクエストII など、もっと他に良いものがあると思うのが本音。
ただブラウザ型やポチポチ系に近い方が良い人は、こちらの方が向いているかもしれません。
こう言うのも何ですが、例の「経営者がハマる!」という広告も、「経営者」という言葉に憧れを持っている残念な人を対象にしたもののような気がします。
もし本格的にやるのなら、相応の重課金を覚悟するべきでしょうね。
iTunes リンク:Game of War - Fire Age
Google Play リンク:ゲーム・オブ・ウォー【Game of War】
----------
という訳で、まだ取り上げきれなかったゲームもありますが、今期のソシャゲ特集はここまでにしたいと思います。
私的には今回は、「やってみたら面白かった」というゲームが多かった印象です。
ただ「数年前ならヒットしていただろう」と思うゲームが、今は人知れず埋もれていくケースが増えています。
正直、ソシャゲっていくつも平行して出来るものではないし、いつまでやる事になるのか見当が付かないので、そんなゲームがこれだけあふれていたら「もういい」ってなりますよね。
まあ、作る方もそれは解っているでしょうから、色々工夫しているのは感じるのですが・・・
最後に、個人的に今年前半の注目作と思えたものを、改めて箇条書きしておきたいと思います。
・伝説のレギオン(KOA Games)
(本格派のシミュレーション RPG なのがソシャゲではどう出るか。 商用的には辛いかも・・・)
・オルタンシア・サーガ(セガ)
(チェインクロニクルの後追いが出来るポテンシャルはあると思います。あとは展開次第)
・戦魂(DeNA)
(戦国ファンにはたまらないゲーム。乙女ゲーとして伸びる気もしないでもない)
・城とドラゴン(アソビズム)
(ここに来て息切れ感はあるが・・・ アソビズムのゲームは固定ファンが多いですしね)
・ヘブンストライク ライバルズ(スクエニ)
(私的には TCG だと思う。巷の賛否の意見を見ると余計にそう思う。日本向けではないかも?)
・ブレイブリーゲート(サイバーエージェント)
(おそらくサイバーなので派手なプロモーションをかけると思う。成長株か)
・はらぺこ勇者と星の女神(NHN PlayArt)
(個人的に好きな作品ですが、LINE 系なのに LINE ゲームじゃないので色々未知数)
・モンスターギア(セガ)
(ゲームが良くてプロモも派手でマルチ重視。私的には初期のモンストを見ている感じがある)
・ランブルシティ(コロプラ)
(農園系 / 町作り SLG 系としては今の時点でスマホ NO.1。実はハマっています)
・ゴシックは魔法乙女(ケイブ)
(ソシャゲ+シューティングならこれが文句なし。今後のケイブに期待)
・【18】 キミト ツナガル パズル(モブキャスト)
(初見は地味だが、独特な雰囲気で後半のゲーム性は高い。ユーザー継続率が高い模様)
・ワンダーブロック(シリコンスタジオ)
(センスとクオリティは高いが、難易度も高いのが話題にならない理由か・・・)
・雀神クロニクル(DeNA / サンソフト)
(手軽だし麻雀なのでロングセラーになるかも? 個人的には好き)
・SHOW BY ROCK!!(サンリオ / geechs)
(だいぶ前のゲームですがアニメ効果で急上昇中。元々ゲームは良いので伸びるかも?)
・Wizrogue(ウィズローグ)(タイトー)
(結構長くやってたが、装備集めと成長のバランスが悪く Wiz の楽しさが乏しすぎた)
・FINAL FANTASY LEGENDS 時空ノ水晶(スクエニ)
(初期実装のストーリーが短すぎて、待ってる間にどうでも良くなった・・・)
・サバイバールPG(24Frame)
(密かに拡張を待っていたのだが、どうにも企画倒れ感が強い・・・)
お知らせにも書いてあったはず・・・?
特定の製品名は企業とコラボした時に出す方針かと。
なお、次回はキングジムコラボ。
リリース1ヶ月でこれですから相当に仕込んでるのが伺えます。
今のところ、難易度がイベントの度にはちゃめちゃなこと以外は遊びやすくて良いですよ。
石は貯まりやすいしゲリラは1日固定で四回もあるのでユニットが育てやすい。
意外とズーキーパータイプで直感型の3マッチパズルはソシャゲでロクなのが無かったのでこれはこれでお手軽で楽しいです。