手軽に楽しめ、歯応えも十分にある、海外製の海外製らしい「ローグライク RPG」が登場しています。
Sproggiwood」です。

昨年パソコン(Steam)で公開されていたゲームで、iOS / Android 版はその移植となります。
日本でローグライクゲームと言うと、トルネコやシレンなどの「不思議のダンジョン系」が思い浮かびますが、これはそれとは全く違う、海外のローグ系です。

海外のローグ系の特徴は、ダンジョンの階層はそれほど深くなく、代わりに序盤から難しく、そして大量の敵が出てくること。
アイテムを駆使して戦うのではなく、キャラクターのスキルを活用して切り抜けていくゲーム性で、スマホでは 100 Rogues が有名です。

価格は 1200 円とスマホ / タブレットアプリとしては高めで、割高感は否めないのですが、最近は Sid Meier's Starships2D HaloLegend of Grimrock など、Steam からの移植作や同時発売作が増えて来ました。
こうした作品は Steam と価格を合わせないといけないので、このぐらいが相場でしょうか。
その分、パソコン版と同じ内容のしっかり作られたゲームです。 もちろん追加課金も存在しません。

Sproggiwood

Sproggiwood

システムやインターフェイスは割と簡潔です。
右下の方向ボタンで移動し、方向ボタンの中央を押すと1ターン待機。 ナナメ移動はありません
画面左側にはスキルとアイテムのアイコンが並んでいますが、スキル未習得でアイテムも持っていない場合は通常攻撃モード(スキルのキャンセル)のボタンしかありません。

ローグ系なのでターン制で、こちらが1歩動くと敵も1歩動く形式。
敵に隣接し、さらに敵の方に移動しようとすると攻撃を行います。

ダンジョンに潜るたびにレベルは1からで、経験値を貯めてレベルアップすると攻撃力が上がり、スキルを習得できます。
スキルは職業ごとに4種類あり、例えば農夫だと「クワ投げ」や「呪いのカカシ」、戦士だと「回転斬り」や「3ターン無敵」、盗賊だと「罠設置」や「透明化」を使えます。

ダンジョン内には壷や宝箱があり、たまにアイテムが手に入るのですが、このゲームはアイテムを1つしか所持できません。
すでに所持している時に新しい物を取った時は、取ったものを換金するか、その場で使うか、前のものを換金して入れ替えるかになります。
種類もそれほど多くないので、前述したようにこのゲームはアイテムではなく、いかにスキルを使うかの方が重要です。

スキルを使うにはスタミナが必要で、これは「★」マークで表されています。
★は最大5つで、スキルの使用で1~3つ消費、敵を倒すと1~2つ補充されます。
「敵を倒すと回復」というのがポイントで、ターンの経過では回復しません。
このスタミナの管理が攻略のカギになりますね。

満腹度はなく、HP の自然回復もありません
たまに見つかる回復の神殿や、ポーションで回復できることもありますが、運が悪いと回復できないまま進行することになるので、スキルを駆使してダメージを出来る限り受けないように進む必要があります。

Sproggiwood
※爆発スライムがボーンと爆発しているところ。 複数のスライムがボンバーマンのごとく連鎖爆発することもあります。
他にも氷結スライム、復活スライム、電撃スライムなど、厄介なスライム満載。


Sproggiwood
※ステージクリア型のゲームであり、各ダンジョンの最下層にはボスがいて、会話シーンもあります。
新しい職業はステージが進むことでアンロックされていきますが、後の職業の方が強いとは限りません。


モンスターは一癖も二癖もあるキャラばかりです
舌を伸ばして捕まえてくるカエルや、2体がリンクしていて同時に倒さないと撃破できない金魚、遠くから突進して来てランダムな場所に吹っ飛ばされる巨人など様々。

大きな壷から湧き出てくるクモは壷を壊さないといくらでも出て来るし、倒すと分裂するうえに水たまりになって復活するスライム、異次元の扉を開いて敵をどんどん呼び寄せるキャラもいて、気が付くとダンジョン内が敵であふれている事もあります。
それでなくても敵が多いので、ゲーム後半はもう常時モンスターハウス状態。

ただ、こちらの装備も前方広範囲の敵を凍らせる剣や、ダメージ時に電撃を発して反撃する鎧、攻撃を受けそうになるとテレポートで逃げる鎧、アイテムの「引き直し」が出来るコインなど、強力なものがあります。
大量に押し寄せてくる敵を強力なスキルと装備で倒しまくるゲームであり、「無双型ローグ」と言えるかもしれません。

ダンジョン内で見つけた装備やアイテムは、村のショップで販売されるようになります。
持ち帰る必要はなく、ダンジョン内で得られたコインも、途中で倒れても獲得できます。
ショップで買ったアイテムはダンジョンに入る際の「初期装備」に設定でき、持ち込んでもなくなることはありません。
早いうちにヒールポーションは初期装備にしておきたいですね。

村では経験値入手量の底上げや、ライフ最大値のアップ、アイテムが入った壷の出現率アップなど、ゲームを有利にする常時効果を購入することも出来ます。

村作りの要素もあり、ステージをクリアするごとに新しい建物が増えていきます。
ただ、このゲームの村開発は単なる装飾に過ぎず、建物を増やしたり道を繋げたりしても、それでゲームが有利になったり、何かが生産されることはありません。

Sproggiwood
※敵多すぎ!! 次元の扉を放置したり、増殖スライムをほっといたりするとすぐこうなる。
扉や増殖スライムの水たまりはその上に移動することで消せるので、処理しながら進みましょう。
まあ、不意に飛ばされたりして、対処できないままグダグダになったりもするのですが・・・

Sproggiwood
※村開発は単なる飾り。 ただショップで「初期装備」を買えるのをお見逃しなく。
装備のうち、武器は各職業専用。 鎧は共用のものと専用のものがあります。 アクセサリとアイテムは共用です。
経験値アップや神殿出現率アップ(Clergy's Coffers)、色付き壷の出現率アップ(Pottery School)も忘れずに。


やっていて特に難点と思える部分はありません。
移動しやすく、スキルやアイテムもボタン1つで使えるため、操作感は非常に良いです
元々パソコンのゲームですが、インターフェイスが非常にタッチパネル向きですね。
「不思議のダンジョン系」と比べると、手軽ささえ感じます。

ただ、思ったほどボリュームはなく、少なすぎるという程ではありませんが、ローグ系に慣れている人だと1日で終わるかも。
しかし職業ごとにスキルが違い、そこが重要なゲームなので、職業が違えば攻略法は様変わり
各ダンジョンを複数の職業でクリアしないと最高評価にならないので、そのやり込みを目指すと結構なやり応えになります。
また難易度は相応に高いので、ローグ系に慣れていない人だと苦戦するでしょう。

メッセージは全て英語なので、ストーリーはよく解りませんが、ゲームはそれほど英語が堪能でなくても大丈夫です。

やや気になったのは、ステージによっては敵がものすごーく増殖して、処理が遅くなってくること。
iPad Air なら「やり辛い」という程ではありませんでしたが、旧機種だと厳しいかも・・・
公称の対応機種は、iPhone 5 以上、iPad 3 以上、iPad mini 2 以上です。

ローグ系として、完成度の高いゲームです。
海外のローグ系はイマイチに感じるものが多いのですが、これは日本人でも楽しめ、そして海外のローグ系の面白さを知ることが出来るアプリですね。

Sproggiwood(iTunes が起動します)