ドミニオン型のカードゲームとローグ型 RPG を組み合わせた、思考性の高い人気ゲーム「DeckDeDungeon」。
そのシステムを修正し、キャラクターの育成要素を盛り込んだ続編が登場しました。
DeckDeFantasy」です。

カードを出してモンスターを攻撃し、戦利品のカードをその場でデッキ(山札)に含めていく、デッキ構築とカードバトルを平行して進めていくゲーム
フリー素材を使った個人作成のアプリでありながら、戦略の自由度が高く、歯ごたえのある難易度で、玄人好みのゲームとして話題のシリーズです。

今作は縦画面となり、絵柄がリアル系になって、見た目が一新されました。
ゲームシステムにも大きな変更があるので、前作に慣れている人が今作をやると、かえって違和感が強いかもしれません
しかし多様な攻略法を考えられる思考性の高さは相変わらずです。

アプリ本体は無料。 ただし今回は広告や課金要素があります。
実は現時点(7/7)ではアプリの安定性が低く、ゲームが巻き戻る致命的な不具合もあるので、取り上げるのは時期尚早な気もしたのですが・・・
とても面白いゲームですし、早めにご紹介しておこうと思います。

DeckDeFantasy

冒険に出発するとすぐにモンスターが出現し、7枚の手札が配られます。
ATTACK のカードを使えば物理攻撃、MAGIC のカードを出せば魔法攻撃を行え、GUARD のカードを出せばそのターンの物理ダメージを軽減できます。

カードは何枚でも出すことができ、7枚全部出しても構いません。
次のターンにはデッキ(山札)から最大まで補充されます。

カードには白い「アクション」のカードと、青い「スキル」のカードがあり、白の方がメインです。
青は「そのターンの攻撃の威力を高める」や「攻撃した相手をスタンさせる」などの、様々な特殊効果を加えるものです。

前作(DeckDeDungeon)は、白いカードが行動の実行、青いカードはその行動の強化でした。
白いカードだけでは威力が低く、青いカードだけでは役に立たなかったため、この2つをセットで使う必要があり、白と青のカードをバランス良くデッキに含めていく必要がありました。

しかし今作は、攻撃の威力はパーティーメンバーの「筋力」や「魔力」に応じています。
魔力が 10 あれば白いカード単体でも威力 10 の魔法攻撃を行えるため、青いカードは無理に必要なく、そして青いカードは単体でも(条件がマッチしていれば)その効果を発揮します。

よって白と青のカードバランスを考える必要はありません。
また、前作は敵が攻撃して来るターンが決められていましたが、今回は交互に行動するシンプルなターン制になっています。

これらの影響で、前作の経験者は前より単純になったように感じるかもしれません。
前作はやや複雑だったので、少し解りやすくしたのだと思いますが、最初は違和感が強かったですね・・・
しかし相変わらず難易度は高く、新カードの使い方を工夫しないと上位のダンジョンでは生き残れないため、今作には今作の、固有の戦略があります。

カードは白と青以外にも、手札にあると効果を発揮する緑の装飾品カード、デッキにあるだけで良い灰色の装備カード、使い捨てアイテムである黄色のカード、強制使用される赤のカードがあります。
状態異常を防止する緑のカードは、今回も強敵との戦いでポイントになります。

戦闘に勝利すると戦利品として6枚のカードが提示され、その中の1枚を取得する事が出来ます。
「取得しない」という選択は選べません

どのカードをデッキに含めていくかは非常に重要です。
ドミニオン系のカードゲームは、デッキ(山札)がなくなると捨て札がシャッフルされ、それが新しいデッキになります。 つまり同じデッキを繰り返し使い続けます。
そしてデッキのカードの枚数が増えるほど、各カードの回転率は悪化していきます

使い辛いカードを含めてしまうと後々まで影響しますし、魔法を主体にするのか、物理攻撃を主体にするのか、回復と防御はどれだけ含めるのか、そのあたりも考えながら取っていかなければなりません。
場合によってはショップでの売却や破棄のカードを使い、デッキの枚数を減らす「デッキ圧縮」が必要になることもあります。

今回は「テクニック」という数値を増やすカードがあり、「テクニックが2あればレアドロップ率がアップする」というカードもあるので、それらを活用したいならテクニックを増やすカードと、それを利用するカードの取得も考えなければなりません。

DeckDeFantasy
※今回は敵もデッキを持っています。 相手のデッキの中身は確認できるので、どんなカードを使うのかチェックして戦いましょう。
スタンや石化を使う相手のときは、それを防ぐカードを用意するのが必須。
右の画像は報酬の選択。 どのカードを選ぶのか、デッキバランスも考慮して選びましょう。 回復やガードも軽視しないように。
なお、手札のカードは上にフリックするとロックでき、誤って使うのを防止できます。


今作の大きな特徴は、50 ターンで終了というターン制限が出来たことと、冒険に向かうダンジョンは冒険中に選ぶこと

最初、パーティーは「冒険者の街道」というエリアにいます。
ここは敵が弱く、行商人や案内妖精にもよく会うのですが、敵から得られるカードの質は低いです。

しかしここで戦っているとダンジョンの「地図」を得られます。
妖精から任意のダンジョンの地図を買うことも出来ます。

そして手に入れた地図を使うと、次のターンからそのダンジョンに移動します
レベル1のダンジョンでも街道より手強い敵が出てきますが、そのぶん入手できる経験値やお金、カードの質は良くなります。
しばらく進むとそのダンジョンのボスが登場、勝利できれば再び冒険者の街道に戻ります。

ダンジョンではカードを使うごとに CP というポイントが減っていきますが、冒険者の街道でカードを使うと、逆に CP は回復していきます

よって、街道で地図を入手 → ダンジョンへ移動 → ボス討伐 → 街道へ帰還 → 減った CP を回復しつつ次の地図を探す、という流れになります。

ダンジョンごとに敵の性質が違うので、どこに行くかは取得できたカードに応じて決めた方が良く、下位のダンジョンでカードを貯めてから上位のダンジョンに挑むのも有効です。
安全に行きたいなら、ずっと街道を進んでいても OK。

途中でやられると強制帰還になりますが、50 ターン経過で帰還した場合はカード売却による資金を得られ、さらに経験値の入手量も倍になります。

DeckDeFantasy
※左は「冒険者の街道」。 ここは冒険中の休息地のような場所です。 カードを使って CP を回復しましょう。
右は地図を売ってくれる妖精。 重要なのは地図の購入だけでなく、手札の売却も出来ること。
弱いカードは売ってしまい、デッキ圧縮した方が良いケースもあります。 売れるのはあくまで手札だけなので注意。
ダンジョンの中で別の場所の地図を使うと、新しいダンジョンに移動します。 これを使ってボスを回避することも可能。


今作は最大6人のパーティーで行動します。
ステータスはパーティーメンバーの合計値になり、全員の「筋力」の合計が物理攻撃の威力に、「信仰」の合計がヒールの回復力、「忍耐」の合計がガード時の防御力になります。
信仰の合計が 20 でヒール2のカードを出したら、20x2 で回復値は 40 ですね。

また、キャラクターはそれぞれ「パッシブスキル」を持っていて、「ガード1以上で出血を回避」や「マジック2以上なら攻撃が地属性に」などの効果があります。
これはレベルアップで増えていき、さらにパーティーには6人のキャラがいるので、全員が育つと適用されるパッシブスキルはかなりの数になります
これらをいかに活用していくか、どういう組み合わせが強いのか、その辺も攻略のポイントです。

キャラクターはいわゆる「ガチャ」で入手するのですが、課金通貨はゲームの進行(ミッションの達成)でもかなり入手できるので、無理な課金は必要ない印象です。
また、運の良い時や特定のカードの使用で、敵モンスター(ボスも含む)の「捕獲箱」が手に入る事があります。
これを持ち帰ればモンスターも仲間に出来ます

今作は初期デッキも、パーティーに入れているキャラクターによって変化します。
デッキは「魔法優先」「物理専門」など、ある程度偏らせた方が使いやすいので、戦法を決めて、それに合わせたキャラとカードを選ぶことが勝利への近道ですね。

DeckDeFantasy
※パーティー編成画面。 これは魔法重視のパーティーです。
パッシブスキルは組み合わせが重要。 ガードで状態異常を防げるスキルも便利です。
属性は炎と冷、天と地が相互関係になっています。 天属性の敵は地属性に弱く、天属性に耐性を持つ、という感じですね。


前作は長期的な強化要素がない事と、慣れると1プレイの時間が長くなることが難点でした。
しかし今作は豊富なキャラクターと育成が追加され、さらに 50 ターンで必ず決着し、延々と続かないシステムに改修されています。
そしてターン制限があっても、自由な攻略を行えるシステムが作り出されています
前作の内容を踏まえ、どうすればより良くなるか、作者さんが試行錯誤を重ねたのが見て取れます。

残念ながら冒頭で述べたように、今の時点(7/7)ではアプリが不安定です。
頻繁に落ちることがあり、しかも落ちた時にデータが巻き戻ることも多数
私自身、冒険を終える時にアプリが落ちて、冒険前まで巻き戻り、その回のプレイが全部無駄になったことが一度や二度ではありません。
iTunes レビューでも不満続発中で、特定に環境でのみ発生する訳ではないようです。

また、今回は動画広告が表示されます
前作は無料アプリで広告もなく、「少しは利益のある作りの方が良いのに」と思ったのですが、それでもやはり動画広告はうっとうしい。
しかもおそらく、冒険終了時に落ちるのはこの動画広告が原因になっている。
広告を消す課金があれば良いんですけどね・・・

※1度でも課金をすると広告は非表示になるようです。
前述したように広告が原因でアプリが落ちることもあるので、課金(最低120円)は必須の気がします。
ただ広告は無課金でも、表示される場合とされない場合があります。


アプリが安定してから遊んだ方が良いとは思いますが、ゲーム自体は本当に面白く、最初は前作との違いに戸惑いましたが、今はこちらの方が楽しめています。
前以上にハマれるゲームになっていて、延々と遊べますね

なお、前作も継続してアップデートされていて、ダンジョンなども追加されています。
このシリーズには今後も期待していきたいところです。

DeckDeFantasy(iTunes が起動します)