「お前は再び訪れたのだ。 醜悪にして荒廃した異世界に。 今度の目的は、ただ、生きること」
目的達成のためには悪事にも手を染められた、モノトーンの世界が印象的な簡易 RPG「異世界に生きる」に、ローグライクの要素を強くした派生作が登場しています。
異世界の闇の中で」です。

前作は各ダンジョンを攻略し、ドラゴンの討伐を目指すという目標がありましたが、今回はどれだけ生き残れるかを競うゲームになっています。
前作ほどのストーリー性やバランスの良さ、ボリュームはなく、あくまで前作があった上でのスピンオフという感じなのですが、前作をクリアし、さらに異世界での冒険を楽しみたい方には良いですね。

アプリ本体は無料。 ただし無課金では全画面広告が、かなり頻繁に表示されます。
ただ広告を非表示にする課金は前作同様、120 円と安価です。

異世界の闇の中で

異世界の闇の中で

コマンド選択型のゲームです。
8つの移動先がありますが、最初は全て「未探索地点」。
どれかを選ぶと敵が現れたり、民家や酒場にたどり着いたりして、その地名が判明します。
敵がいた場合はターン制のコマンドバトルで戦います。
システムはシンプルですね。

移動先が鍛冶屋や薬屋だった場合、武器や薬を買うことが出来ますが・・・
前作同様、お金はなかなか手に入りません
敵を倒すと宝箱が見つかる場合がありますが、罠がしかけてあって爆発するケースが多発します。

しかし民家で盗みを働いたり、通りすがりの人を襲撃したりすれば、高い確率でまとまったお金が手に入ります。
武器や防具を直接盗むことも可能です。
思わず悪事に手を染めたくなるのは、前作同様ですね。
酒場のギャンブルで増やすことも可能です。

未探索地点の調査していると、そのうち「闇の底」が見つかります。
ここがその日の「出口」です。
ここで「眠る」を選択すると次の日に移り、8つの移動先は全て「未探索」に戻ります。
ゲームの目的は何日生きられるかですが、日数を重ねるほど敵は強くなっていきます

異世界の闇の中で
※通りすがりの聖職者。 傷を癒やしてくれると言うが、襲って金品を奪うことも出来る。
そんな非道な事は出来ない、と思うかもしれないが、この男も善人とは限らない。
時に異世界とはそういうものだ。


闇の底で眠る時、「闇を取り除く」と「一休みする」の選択を選べます。
一休みは HP 回復。 そして闇を取り除くを選ぶと、日数分の「闇の欠片」が手に入ります。
これは前作の「魂」に相当し、たくさん集めることで上位の職業をアンロックすることが出来ます
闇の欠片は宝箱やレアモンスターからも入手でき、死んでも失いません。

職業は最初は「冒険家」しか選べませんが、これは何の取り柄もありません。(運だけは高い)
しかし先制攻撃できる「レンジャー」や、体力と防御力に勝る「アスリート」を選べるようになると、序盤はラクに進めるようになります。

前作と違い、一度アンロックした職業は無条件で何度でも使えます
上位の職業ほどアンロックに必要な欠片は増えますが、欠片の入手量は日数に応じているため、加速的に上がっていきます。

そして今回は各職業に得手不得手があります
前作は単純に上位の職業ほど強く、「ゲームの進行=職業のランク」だったのですが、今回は先制攻撃できるレンジャーが強力な武器を持つと、防御系の上位職であるアスリートよりプレイしやすくなります。
攻撃力のみで判断すると、最上位クラスの職業より防御を無視するマジシャンの魔法の方が強いです。

職業に合わせたプレイスタイルを取るのがゲームのコツ・・・ と言える程ではない気もしますが、それぞれに長所が用意されていますね。

異世界の闇の中で
※現時点(7/11)で用意されている職業はこの6つ。
2つ目のレンジャーは3つ目のアスリートより使いやすい印象で、レンジャーは先制攻撃だけでなく「とんずら」も持っています。
盗みをして見つかった時は戦闘になりますが、その時も「とんずら」が有効なので・・・


異世界の闇の中で
※闇の奥底に、一条の光の河が見える・・・ なんだか蟲師っぽい。
ここで「闇を取り除く」を選べば欠片が手に入ります。
計算上ずっと集めていけば、20 日目には合計 210 の欠片が手に入ることになります。
「引退する」を選べる場合もあり、選択するとその日の入手量 x3 の欠片が手に入り、旅は終わります。


やっていて難点と思えるのは、不可避トラップが多いことでしょうか。
いきなり罠や地雷を踏んで、キャラの強さや戦法とは無関係にダメージを受けるケースが多いです。
トラップは「魔法の鍵」というアイテムで回避できますが、その入手もまた運次第で、滅多に手に入らず、使い捨てです。

宝箱も爆発しまくるので、全然アイテムやお金を入手できません。
売り物の価格は非常に高く、まともに買うことが出来ないので、滅多に強い装備は手に入りません。

お金が足りないのは前作でも同様で、だからこそ「思わず悪事に手を染めたくなる」というバランスが成り立っているのですが、今作は盗みの成功率が低く、さらに「盗み失敗=死」である場合が多いので、ある程度ゲームが進むと、もうそんなリスクは取れなくなります
そうすると装備を更新していく楽しみもなくなります。

また、イベントの数が少ないため、取れる行動は限られており、すぐマンネリ化するのは否めません。
数度のプレイでイベントは一通り体験でき、後はもう同じ内容の繰り返しなので、それで目的が「ひたすら日数を重ねる」では、作業感が強くなりますね。

ただ、これらはアップデートで調整の利くところなので、今後に期待というところでしょうか。
アップデートしやすい作り方にはなっている気はします。

異世界の闇の中で
※鍛冶屋で魅力的な武器が売られているが、値段はどれも非常に高い。 ハッキリ言って、まともに買えない。
買えないなら盗めば良いじゃない? ただ鍛冶屋は相当な手練れで・・・


全体としては、まだ「叩き台」なのかな、という印象です。
しかし今の時点(7/11)でも、前作を楽しんだ人なら、同じ感覚で楽しめるでしょう。
相変わらず雰囲気は秀逸で、適度な時間で決着が付き、思わず繰り返してしまう内容です
前作の完結編を待っている方が、その合間にプレイするのに最適ですね。

前作を未プレイの方は、まず 前作 からプレイするのがオススメです。
懐かしさを感じるシステムですが、スマホで遊ぶ RPG としては、最適な形の1つと言えるかもしれません。

異世界の闇の中で(iTunes が起動します)